お酒との付き合い方
このページでは『きょうの健康 選 ニュース「知っておきたい!飲酒ガイドライン」(2025年12月29日放送)』の内容を分かりやすくまとめています。
コロナ禍以降、家でお酒を飲む時間が増え、気づかないうちに飲酒量が増えていたという人は少なくありません。そんな今だからこそ注目されているのが、飲酒ガイドラインです。この回では、厚生労働省が示した新しい考え方をもとに、飲酒と健康リスクの関係を整理し、自分のお酒の量を見直すヒントが伝えられます。
飲酒量が増える背景と、ガイドラインが必要とされる理由
近年、飲酒量が増えている背景として番組で触れられているのが、生活環境の変化です。外出や会食の機会が減ったことで、自宅でお酒を飲む習慣が定着し、「今日はどれくらい飲んだのか」を意識しないまま日常化している人が増えています。
家飲みは時間の区切りがつきにくく、ついおかわりをしてしまうことも少なくありません。その結果、以前より飲酒量が増えていても、自分では気づきにくい状態が生まれています。
こうした状況の中で、「どこからが体に負担になるのか」「自分の飲み方は大丈夫なのか」を判断する基準として求められたのが飲酒ガイドラインです。感覚ではなく、健康リスクという視点で飲酒を見直す必要性が高まっていることが、番組の出発点になっています。
厚生労働省が示した「飲酒ガイドライン」とは何か
厚生労働省が示した飲酒ガイドラインは、「この量までなら安全」という上限を示すものではありません。あくまで、飲酒によって健康リスクが高まり始める目安を知るための指針です。
特徴的なのは、お酒の種類ではなく、『純アルコール量』という共通の基準で考える点です。ビール、日本酒、ワイン、焼酎など、見た目や量が違っても、体に入るアルコール量で整理することで、飲酒の影響を同じ土俵で考えられるようになります。
番組では、ガイドラインが「飲酒を否定するためのものではなく、選び方を考える材料である」ことが強調されます。飲む・飲まないを決めるためではなく、自分の体と相談するための目安として活用する考え方が示されます。
病気別に見る飲酒リスクの考え方
病気別に飲酒リスクを見る視点は、今回の放送の大きなポイントです。
高血圧では、飲酒量が増えるほど血圧が上がりやすくなることが知られており、少量でも影響が出る人がいます。飲酒によって血管に負担がかかりやすくなる点が、リスクとして整理されています。
がんとの関係も重要です。胃がんや大腸がん、乳がんなど、さまざまながんで飲酒との関連が指摘されています。アルコールが体内で分解される過程で生じる物質が、細胞に影響を与えることが理由の一つとされています。
番組では、「お酒に強いから大丈夫」といった感覚ではなく、病気ごとにリスクの現れ方が違うことを理解する大切さが伝えられます。
自分の飲酒量を知るためのアルコール量の考え方
飲酒ガイドラインを理解する上で欠かせないのが、自分の飲酒量を把握する視点です。
番組では、飲んだ量とアルコール度数から『純アルコール量』を考える方法が紹介されます。同じ1杯でも、お酒の種類によって体に入るアルコール量は大きく異なります。
例えば、「今日は缶ビール1本だけ」と思っていても、別の日にはワインや日本酒を追加していることがあります。こうした飲み方を数字で整理すると、思っていた以上にアルコールを摂取しているケースもあります。
感覚ではなく、量として捉えることで、飲み過ぎに気づくきっかけになる点が強調されます。
飲み過ぎを防ぐために今日からできる工夫
飲み過ぎを防ぐ工夫として番組で示されるのは、無理なく続けられる方法です。
休肝日を設けることは、体を休ませるだけでなく、飲酒の習慣をリセットする役割があります。また、飲む量をあらかじめ決めてから飲むことで、だらだら飲みを防ぎやすくなります。
さらに、飲むペースをゆっくりにすることや、一度に大量に飲まないことも重要です。特に『一時多量飲酒』は、心臓や血圧に急な負担をかける可能性があるため注意が必要とされています。
番組では、お酒をやめるのではなく、長く付き合うための考え方として、こうした工夫が紹介されます。
まとめ
『きょうの健康』のこの回は、飲酒ガイドラインを通して、お酒と健康の関係を整理し直す内容です。飲酒量が増えがちな今だからこそ、『何となく』ではなく『知った上で選ぶ』ことの大切さが伝えられます。
家飲みが増えた今、飲酒量を「感覚」で判断してしまう現実

ここからは、番組内容を補足する形で、家飲みが当たり前になった今だからこそ起きている変化について紹介します。外で飲んでいた頃と同じ感覚のままお酒と向き合っていると、気づかないうちに飲酒量が増えているケースがあります。この「気づきにくさ」こそが、今の飲酒を考えるうえで見逃せないポイントです。
家飲みは区切りがなく、量が見えにくい
家でお酒を飲むと、開始時間や終了時間がはっきりしないことが多くなります。外食や飲み会では「この店ではここまで」「終電まで」といった区切りがありますが、家飲みにはそれがありません。テレビを見ながら、片付けをしながら、気づけばグラスが空いているという流れが自然に生まれます。その結果、飲んだ回数は変わっていなくても、1回あたりの量が増えていることがあります。
「今日はこれくらい」という感覚がズレやすい
家飲みでは、グラスの大きさや注ぐ量が毎回違うことも珍しくありません。目分量で注いだお酒を「いつも通り」と感じていても、実際には量が増えている場合があります。また、缶や瓶をそのまま飲むと、「1本だから大丈夫」という意識が先に立ち、純アルコール量としてどれくらいかを考える機会が減りがちです。感覚に頼った判断は、知らないうちに飲酒量を押し上げてしまいます。
回数が同じでも、体への負担は変わってくる
週に飲む回数が以前と同じでも、1回の量が増えれば体への負担は確実に変わります。特に家飲みでは、飲むペースがゆっくりになる一方で、結果的に総量が増えてしまうことがあります。この変化は数字で見ないと実感しにくく、「前と同じ生活をしているつもり」でも、実際の飲酒量は違っているというズレを生みます。番組で飲酒量を計算する考え方が紹介される背景には、こうした現実があります。
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