放牧が生んだ本物のうまさ 広島・三次市ジャージー牛の底力
このページでは『うまいッ!(2025年12月28日放送)』の内容を分かりやすくまとめています。
濃厚なミルクで知られるジャージー牛が、なぜ「肉が絶品」と言われるのか。その答えは、広島県三次市の自然と向き合う飼育の現場にありました。放牧、エサ、育て方、そして料理まで。番組で紹介されたすべてのエピソードから、ジャージー牛の本当の魅力を追っていきます。
広島・三次市で育つジャージー牛とは何者か
ジャージー牛は小柄な体つきが特徴で、もともとはミルク用として知られてきました。三次市の牧場では、その特性を生かし、山あいの広い土地でのびのびと育てられています。以前は田んぼだった場所を牧草地として活用し、現在は少頭数で一頭一頭の状態を見ながら飼育しています。この環境が、赤身の力強さと脂の軽やかさを併せ持つ肉質につながっています。
うまさのヒミツ①完全放牧とアニマルウェルフェア
最大の特徴は、365日昼夜を問わない完全放牧です。牛が自由に歩き、草を食べ、休む。この「当たり前」を大切にする考え方が『アニマルウェルフェア』です。行動の自由を尊重することで、牛のストレスが減り、結果として病気が少なくなります。番組では、治療の回数が減り、健康的に育つ様子が紹介されました。元気に育った牛こそが、うまい肉になるという実感が伝わってきます。
うまさのヒミツ②草だけで育てるグラスフェッドと草のお漬物
三次市のジャージー牛は、とうもろこしなどの穀物ではなく、草だけを食べて育つ『グラスフェッド』です。牧草由来の栄養が肉にそのまま反映され、噛むほどに大地の味わいが広がります。さらに登場したのが、乳酸発酵させた牧草、いわば「草のお漬物」です。甘酸っぱい香りが食欲を刺激し、牛がしっかり食べられる工夫として使われています。
赤身も脂も主役になるジャージー牛の焼き方と味わい
炭火で焼かれたリブロースは、赤身と脂の両方が主役です。焼き方のコツは、片面をしっかり焼いてから一度だけ裏返すこと。何度も動かさず、肉汁を閉じ込めます。草由来のβカロテンを含む脂は、くどさがなく、まるで味がついているようなコクがあります。噛むほどにうまみが増すのが、ジャージー牛ならではの魅力です。
ジャージー牛を味わい尽くす料理①すね肉の赤ワイン煮込み
うまみの強いジャージー牛は煮込み料理とも相性が抜群です。すね肉を焼き付け、野菜と赤ワイン、骨のうまみを生かしたボーンブロスを合わせ、オーブンで長時間煮込みます。時間をかけることで肉はほろほろになり、ソースには深いコクが生まれます。肉を無駄にしない姿勢も、番組で大切に描かれていました。
レシピ すね肉の赤ワイン煮込み
材料
・ジャージー牛のすね肉
・たまねぎ
・にんじん
・セロリ
・にんにく
・赤ワイン
・牛脂
・ボーンブロス
・ローリエ
・タイム
・黒こしょう
作り方
・すね肉の表面をこんがり焼き、肉汁を閉じ込めます
・牛脂で野菜を炒め、赤ワインを加えます
・ボーンブロスとハーブを入れ、肉を戻します
・オーブンでじっくり煮込み、仕上げに煮汁でソースを整えます
家庭でも作れる料理②うまみが詰まった牛汁
家庭向けの料理として紹介されたのが牛汁です。バラ肉を焼いたあとのフライパンでうまみをこそげ取り、野菜とだしを合わせます。味噌で仕上げることで、ジャージー牛のうまみが汁全体に溶け込み、体にしみる一杯になります。
レシピ 家庭で作る牛汁
材料
・ジャージー牛のバラ肉
・かぼちゃ
・にんじん
・まいたけ
・水
・いりこだし
・ボーンブロス
・みそ
作り方
・バラ肉を焼いて取り出します
・フライパンに水を入れてうまみをこそげ取ります
・野菜、だし、ボーンブロスを加えて煮ます
・肉を戻し、最後にみそを溶き入れて完成です
まとめ
三次市の自然、完全放牧、草だけのエサ。そのすべてが重なり合って、ジャージー牛の肉は生まれています。赤身も脂も楽しめる味わいは、育て方そのものの結晶です。番組が伝えたのは、うまさの裏側にある、牛と真剣に向き合う日々でした。
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