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NHK【明鏡止水〜武のKAMIWAZA〜】足裏で氷をつかめ!スケートの美技|股関節の使い方とコーナー姿勢、煉瓦練功で読み解く尾張貫流槍術|2026年2月1日

明鏡止水
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氷をつかむ瞬間の秘密

このページでは『明鏡止水 武のKAMIWAZA 足裏で氷をつかめ!スケートの美技(2025年2月1日)』の内容を分かりやすくまとめています。
氷上で速さを極める スピードスケート と、美しさの極限に挑む フィギュアスケート。まったく違うように見える二つの競技には、足裏で氷をとらえるという共通の核心があります。

トップアスリートと武術の達人が語る“氷をつかむ技”は、見えない力の流れまで浮かび上がらせます。氷と体が一瞬でつながるあの感覚が、どのように生まれるのかに迫ります。

スケートと武術が出会う夜:足裏で氷をつかむKAMIWAZA

2026年2月1日に放送されたNHK総合の教養番組 明鏡止水〜武のKAMIWAZA〜 は、「滑る大智を踏みしめろ」という挑発的なテーマで、氷上競技と武術という一見遠い世界を強く結びつけました。明鏡止水〜武のKAMIWAZA〜

司会の岡田准一とケンドーコバヤシの前に並んだのは、スピードスケートのオリンピック金メダリスト・高木菜那、フィギュアスケートのレジェンド・高橋大輔、バラエティで活躍する村重杏奈、そして中国武術と古武術を極めた達人たち。氷上で速さと美しさを競うアスリートの動きが、武術家の「立ち方」「体重移動」とどこまで重なるのかを徹底的に掘り下げていきました。

番組が貫いていたキーワードは、ただひとつ。「足裏で氷をつかむ」という感覚です。スピードを出すために氷を強く蹴るのではなく、重さをどう真下に預け、そこから返ってくる反発をどう推進力に変えるのか。ここに、武術家が何百年も磨いてきた身体操作の知恵と、トップスケーターの感覚が見事に重なっていました。

さらに、リンクに流れるBGMとして、ロックバンド BOØWY のボーカル氷室京介の名がキーワードとして挙がったことで、氷上のスピード感とロックの疾走感がイメージとして重なります。BOØWY 氷室京介
氷の上を切り裂くスケートと、電撃のようなギターサウンド。その相性のよさまで想像させる、演出面でも「武のKAMIWAZA」にふさわしい構成でした。

スピードスケート高木菜那が語る「股関節」と体重移動

スピードスケートは、一周400mのリンクを最高時速約60kmで駆け抜ける極限の競技です。空気抵抗を減らすために、選手たちは限界まで腰を落とし、ブレードの厚さ約1mmという細い刃で氷をとらえ続けます。

その世界で金メダルをつかんだ 高木菜那高木菜那 が、村重杏奈にまず教えたのは「スタートの姿勢」。彼女はここで、「蹴ってはいけない」とはっきり言い切ります。重要なのは、重さを真下に伝え、その反発を前に変えること。自分の体重と重力を、どれだけ効率よく推進力に変換できるかが勝負なのだと語ります。

その核心を、番組はスライドボードのトレーニングで視覚化しました。スライドボードの上で左右に滑る動きは、一見シンプルですが、実際には

・上半身と下半身を股関節で一本の軸としてつなぐこと
・膝だけでなく、股関節から体を送り出すこと
・足裏全体で床(氷)をとらえ、重心を真下に落とすこと

こうした要素が絡み合っています。重さがしっかり真下に落ちていれば、氷から返ってくる反発も強くなり、結果としてスピードが伸びていきます。

コーナーでは、さらに負荷が増します。体重の約2倍の力が身体にかかる中で、体を斜めに倒しながらも、ブレードを氷に食い込ませ続ける。そのとき頼りになるのも、股関節です。外側に流されず、内側に崩れず、「ちょうどいい角度」で股関節をはめ込み続けることで、体はカーブの内側へ吸い込まれるように進んでいきます。

「股関節のいい場所に乗る」。高木菜那の言葉は、氷上を制する感覚を、非常にシンプルな一文に凝縮していました。

中国武術・遠山知秀が見せる「力の変換」と八卦掌の極意

氷上の神技を、さらに深いレベルで解き明かしたのが、中国武術家の 遠山知秀遠山知秀 です。彼は、太極拳・形意拳・八卦掌といった中国武術の代表的な体系を修行し、陳泮嶺伝統武術世界家族総会の日本理事、全日本太極拳連合会の技術顧問、そして 極峰拳社極峰拳社 の顧問師範をつとめる達人です。

彼が見せたのは、「相手の力を受け取り、真下に落とし、前へと変換して返す」という中国武術の神髄でした。演武では、体重差40kgある相手と対峙しながら、ほとんど動いていないように見える足さばきと股関節の操作だけで、相手の突進を無力化していきます。

ここで鍵になるのが、太極拳の創始者の一人である 陳泮嶺陳泮嶺 から伝わる、「力を真下に流す」という発想です。相手が自分を押してくるとき、普通はその力に正面から耐えようとしてしまいます。しかし遠山は、股関節を柔らかく回しながら、その力の向きをそっと下方向にずらしていきます。

結果として、相手の「押す対象」が消え、行き場を失った力はそのまま地面へと流れ落ちる。そこで地面から返ってきた反発を、今度は前方への力として相手に返す。この一連の流れが、まさに「力の変換」です。

スピードスケートの選手が、自分の体重を真下に落として推進力を得ていたのと同じように、中国武術も「重力」と「反発」を精密にコントロールしていました。氷上で戦うとしたらどうするか――番組はそんな仮想のシチュエーションを通じて、武術とスケートの共通言語を鮮やかに浮かび上がらせていました。

尾張貫流槍術・赤羽根大介が証明する「股関節から生まれる貫通力」

続いて登場したのが、尾張藩に伝わる古流武術・尾張貫流槍術を体現する 春風館関東支部春風館関東支部 の 赤羽根大介赤羽根大介 です。春風館関東支部は、尾張貫流槍術だけでなく、柳生新陰流兵法や円明流、静流自在剣など、多くの古流武術を稽古する道場として知られています。

赤羽根が見せたのは、「槍先の貫通力」をどのように生み出しているのかという実演でした。一見すると、長い槍を腕の力で突き出しているように見えます。しかし、カメラが彼の下半身を捉えると、その印象は一変します。

彼の動きの中心は、あくまで股関節です。

・まず股関節を前方へと送り出し、重心を前に滑らせる
・そのとき、上半身は遅れてついてくるように保ち、「のけぞり」を作らない
・前へ移動した重心を、今度は槍の軸へと流し込む

こうして「前に運んだ重さ」がそのまま槍先へ伝わることで、腕力だけでは到底出せない突きの威力が生まれます。股関節が使えない人が同じことを真似しようとすると、体がバラバラに動いてしまい、槍先の軌道が乱れてしまう、と赤羽根は指摘します。

ここでも、スピードスケートとの共通点は明確です。氷上を走るブレードを槍先に置き換えれば、どちらも「股関節から前方に送り出された重さを、一点に集約している」と言い換えられるからです。

番組は、赤羽根の槍術を通じて、「股関節は、力を生み出す“エンジン”であり、方向を決める“舵”でもある」という事実を、視覚的に示していました。

フィギュアスケート高橋大輔のディープエッジとアンバランスの美

氷上の芸術として世界を魅了してきた フィギュアスケート。その代表として登場したのが、ステップワークの神と称される 高橋大輔高橋大輔 です。

彼の代名詞ともいえるステップは、ブレードを深く倒し、あえて不安定な姿勢を次々とつくりながら、音楽に合わせて滑り続ける超高難度の技術です。そして、その核にあるのが「ディープエッジ」。ブレードを氷に深く食い込ませ、片足で極端な角度を保ちながら滑走するこの技は、見ている側の感覚までも揺さぶります。

なぜ転ばないのか。その答えを高橋は、「滑っているエネルギーがあるから」とシンプルに語ります。前方へのスピードがしっかりあることで、体は倒れそうで倒れない“ギリギリの場所”に留まり続けることができるのです。

ここでも重要になるのは、股関節と上半身のバランスです。

・両腕を大きく左右に開き、重心の位置を微妙に調整する
・股関節を「はめ込む」ように決め、ブレードの倒し具合と同期させる
・頭と上半身を、ブレードの進行方向にわずかにかぶせる

こうした操作が合わさることで、極端なアンバランスに見える姿勢が、実は精密にコントロールされた「安定した不安定」へと変わります。

スピードスケートが「速さの中で崩れない姿勢の追求」だとすれば、フィギュアスケートは「崩れて見える姿勢をあえてつくり、それでも立ち続ける挑戦」です。番組は、高橋のステップをスロー映像で追いながら、ブレード・股関節・上半身の三位一体が生み出す美を、武術の視点から言語化していました。

八卦掌の「煉瓦練功」が導く究極バランスとスケート強化術

番組の終盤、氷上のバランス感覚をさらに高めるための“秘密兵器”として紹介されたのが、中国武術・八卦掌に伝わるバランス鍛錬法「煉瓦練功」です。

これは、細い煉瓦の上に足を乗せ、前後に歩いたり、屈伸したりしながらバランスを鍛える古典的なトレーニング法。実際の中国武術界でも、煉瓦の上を歩く・走るといった練功は、足裏の感覚と体幹のバランスを研ぎ澄ます方法として知られています。

遠山知秀は、この煉瓦練功をスケーター向けにアレンジし、

・前足を煉瓦の上に置くときは、股関節を意識して体重を真下に落とす
・後ろ足は蹴らずに、ゆっくりと前へ運ぶ
・煉瓦の上で屈伸しながら、重心移動の軌道を体に覚え込ませる

というポイントを解説しました。

まずは初心者バージョンとして、高橋大輔・高木菜那・村重杏奈がチャレンジ。煉瓦の上で屈伸するだけでもグラグラと揺れ、普段どれだけ広い面積で床をとらえているかを思い知らされます。

さらに、上級者バージョンでは、より幅の狭い煉瓦の向きを変え、左右方向のバランスを極端にシビアにした状態での移動に挑戦。高橋が惜しくもバランスを崩す一方で、高木は見事に成功し、スピードスケートで培った足裏感覚と股関節コントロールの強さを証明しました。

八卦掌の煉瓦練功は、本来は円を描く歩法の安定性を鍛えるためのものですが、ここではスケートの「足裏で氷をつかむ感覚」を地上で再現するトレーニングとして機能していました。

最後のエンディングで、

・高木菜那は、武術とスケートの共通点の多さに驚きつつ、「簡単に見えて実はものすごく難しいことを、武術とつなげて考えられるのがおもしろい」と語り、
・高橋大輔は、「煉瓦練功を極めたら、もっとアンバランスな位置でも動ける」と、フィギュア表現の可能性に目を輝かせ、
・岡田准一は、「姿勢が崩れないように、すべての位置を緻密に追求していることが本当にすばらしい」と総括しました。

この言葉どおり、 明鏡止水〜武のKAMIWAZA〜 は、氷上の神業と武術の極意が一本の線でつながっていることを、2026年の冬に強烈に刻みつけた回だったと言えます。

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