一生で一番愛した猫と生きる物語
このページでは『ネコメンタリー猫の日スペシャル 一生で一番愛した猫〜村山由佳と奥田瑛二 軽井沢冬物語〜(2026年2月22日放送)』の内容を分かりやすくまとめています。
作家 村山由佳 さんが最愛の猫・もみじ を失ってからの時間を、静かな軽井沢の冬がそっと映し出します。五匹の猫たちとの暮らし、そして俳優 奥田瑛二 さんとの深い対話が重なり、猫と人が共に生きた記憶がゆっくりと立ち上がっていく物語です。
ネコメンタリー猫の日SP「一生で一番愛した猫」の基本情報
ネコメンタリー 猫も、杓子も。 猫の日スペシャル「一生で一番愛した猫〜村山由佳と奥田瑛二 軽井沢冬物語〜」は、Eテレの人気ドキュメンタリーシリーズの特別編です。舞台は長野県の高原リゾート軽井沢。9年前に大きな反響を呼んだ「村山由佳ともみじ」回から時を経て、再び作家 村山由佳 さんのもとをカメラが訪れました。
番組では、5匹の猫に囲まれて執筆を続ける村山さんの日常と、彼女が「人生で最愛の猫」と語るもみじを失ったあとの心の変化が描かれます。訪ねてくるのは、俳優・映画監督であり、筋金入りの猫好きとしても知られる 奥田瑛二 さん。同じく猫を愛する表現者同士が、猫と生きること、ものを書くことについて深く語り合う45分です。
朗読を担当するのは、シリーズおなじみの女優 上野樹里 さん。書き下ろしエッセイは、もみじの視点から語られる「もみじ大明神」の物語で、関西弁まじりの柔らかい声が、画面に映る冬の軽井沢と猫たちの姿にそっと重なります。
作家・村山由佳と最愛の猫・もみじのこれまでの物語
番組の軸にあるのは、作家 村山由佳 さんと、三毛猫 もみじ の長い時間です。過去の特別編「村山由佳ともみじ 軽井沢の日々よ 永遠に」では、17歳になった老猫もみじと暮らす日々が、60分にわたってじっくりと描かれました。執筆中も机のそばを離れず、どんな時も寄り添ってきたもみじは、まさに「戦友」のような存在として紹介されています。
村山さんは東京出身で、恋愛小説から家族をテーマにした作品まで幅広く発表してきた人気作家です。転居や生活環境の変化も多かった中で、いつも家にいたのが猫たちでした。その中でももみじは特別な存在で、インタビューやエッセイでも幾度となく名前が登場します。
今回の猫の日スペシャルは、そのもみじが旅立ってからの物語です。「もみじを失ってから何が変わったのか?」という問いが、番組紹介にもはっきり書かれています。
ペットロスは、多くの人にとって家族を失うのと同じくらい大きな悲しみだと心理学の研究でも言われています。人前ではうまく言葉にできない感情が、猫との思い出によってふいにあふれてくることもあります。村山さんともみじの物語は、そうした“言葉になりにくい悲しみ”を少しだけ言語化してくれるような、静かな力を持っています。
5匹の猫と過ごす軽井沢の冬の暮らしと執筆の日々
今の村山さんは、パートナーと5匹の猫と一緒に軽井沢で暮らしています。シリーズや関連番組でも、軽井沢の家での暮らしが紹介されてきましたが、今回の猫の日スペシャルでは、とくに「冬」が大きな背景になっています。
窓の外には、雪をまとった木々と静かな森。部屋の中ではストーブの前やソファの上で猫たちが丸くなり、その横で村山さんがキーボードを叩き続ける姿が映し出されます。番組説明には、「5匹の猫に囲まれて今も日々キーボードを叩き続ける」とあり、猫たちが生活と仕事のどちらにも深く関わっていることが伝わってきます。
軽井沢は、古くから別荘地・避暑地として知られ、作家や芸術家が創作の場として長く滞在してきた土地です。夏は緑の涼しさ、冬は雪の静けさに包まれ、東京からも新幹線でアクセスしやすい場所として、多くの文化人に選ばれてきました。そうした背景を知ると、「軽井沢で猫と暮らしながら書く」という生き方が、村山さんにとってどれほど大切か、少し想像しやすくなります。
番組では、もみじがいない今の暮らしの中にも、もみじの気配が残っていることがさりげなく示されます。お気に入りだった場所、使っていたクッション、ふとした瞬間に思い出すしぐさ。画面の中に直接もみじは映らなくても、5匹の猫の日常の向こう側に、いつもその存在が透けて見えるようなつくりになっています。
奥田瑛二が軽井沢へ 「もの書く人」同士の猫談義
この猫の日スペシャルを特別な回にしているのが、俳優・映画監督 奥田瑛二 さんの登場です。番組表の紹介でも、「大の猫好きの俳優・奥田瑛二が訪ねた」とわざわざ書かれているほど、猫好きとして知られた存在です。
奥田さんは映画監督として、家族や人間の心の揺れをテーマにした作品を多く手がけてきました。映像の世界でストーリーを紡いできた人が、文字の世界で物語を紡いできた作家と軽井沢で向き合う。そこに、猫という共通の存在が加わることで、画面の空気感はぐっと親密なものになります。
番組中、ふたりは猫の性格の話だけでなく、「猫と一緒に暮らしているからこそ書けるもの」「作品づくりの不安を、猫がどうやってやわらげてくれるか」といった話題にも触れます。番組紹介にある「もの書く人同士が熱い猫談義を繰り広げる」という一文には、その対話の濃さが凝縮されています。
奥田さんは今回、語り(ナレーション)も担当しています。俳優として培ってきた声のニュアンスが、軽井沢の雪景色や猫たちの動きに重なり、村山さんの言葉をより深いものにしていきます。ドラマや映画とは違い、ドキュメンタリーのナレーションは「言いすぎない」ことが大切ですが、奥田さんの声は、そのバランスの良さで作品全体の温度を保っているように感じられます。
上野樹里が朗読する「もみじ大明神」エッセイの世界
シリーズのファンにとって、上野樹里 さんの朗読は欠かせない魅力のひとつです。今回も、書き下ろしエッセイを彼女が読み上げます。村山さん自身のX(旧ツイッター)では、「エッセイは『もみじ大明神』の語り。朗読はなんと、再びの上野樹里さん」と紹介されていました。
エッセイは、もみじの視点から語られる一人称の物語です。もみじがどんなふうに村山さんを見ていたのか、どんな気持ちで家の中の時間を過ごしていたのか。上野さんは、その言葉を関西弁まじりの柔らかな口調で読んでいきます。番組公式の説明でも、「もみじになりきり、関西弁で味わい深く朗読」と書かれています。
方言には、距離を縮める力があります。標準語で語られると少しよそよそしく感じる内容でも、関西弁になると、急に身近な人の本音のように聞こえてくることがあります。もみじの声で語られるエッセイは、視聴者にとっても、自分のそばにいた猫の声を思い出させるきっかけになったはずです。
朗読のバックには、村山さんの家の中での猫たちの様子や、冬の軽井沢の自然が静かに流れます。映像と言葉が重なることで、単なる「ナレーション」ではなく、小さな短編映画のような時間が生まれていました。
ネコの日のEテレ編成とネコメンタリーシリーズの位置づけ
2月22日は、日本では「猫の日」として知られています。数字の並びが「にゃん・にゃん・にゃん」と読めることから、愛猫家団体などが記念日として制定し、その後、メディアや企業にも広がっていきました。
Eテレでもこの日は猫にまつわる番組が続き、「サンシャイン池崎と学ぶ猫学」や、猫と人の共生を取り上げる「おとな時間研究所」など、猫づくしの編成が組まれました。その流れの締めくくりとして放送されたのが、このネコメンタリー猫の日SPです。
ネコメンタリー 猫も、杓子も。は、著名人とその猫の日常を描くNHKのドキュメンタリーシリーズで、5分の短い回から特別編まで、さまざまな長さのエピソードがあります。作家、漫画家、研究者、タレントなど、肩書きは違っても、「猫と一緒に暮らしている人」を主役に、その人の人生と猫との時間を静かに切り取ってきました。
今回の「一生で一番愛した猫」は、その中でも特に「喪失」と「それでも続いていく暮らし」に焦点を当てた回です。猫の日にこのテーマを選んだNHKの意図からは、「かわいい猫」だけでなく、「猫と生きることの重さや尊さ」まで伝えたいという思いが感じられます。
Eテレ【ネコメンタリー 猫も、杓子も。】麻見和史とるう太が語るNHKドキュメンタリーの深層と“作家と猫”の静かな世界|2026年2月12日
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