かたいカボチャもピーマンの種も絶品に!緑黄色野菜の驚き活用術まとめ|2025年3月31日放送
2025年3月31日放送のNHK Eテレ『明日から使える プロの食材術』第1回は「使いたおせ!濃い野菜」がテーマ。食材のプロと料理人による、家庭ですぐに試せる野菜の下ごしらえテクニックがたっぷり紹介されました。特にかたいカボチャの切り方、ピーマンの種やワタの活用、野菜のアク抜きといった“地味だけど知って得する”内容が満載。さらに番組後半では、ピーマンの丸ごと焼きびたし、ブロッコリーの茎活用法、菜の花のゆで方といった具体的な調理法も登場しました。
新番組「明日から使えるシリーズ」第1弾は「 #明日から使える #プロの食材術 」4-5月。いつもの食材の下ごしらえが激変しますよ!食物学の専門家とプロの料理人が繰り広げる食材術バトルは驚きの連続!
第1回は「使いたおせ!濃い野菜」として緑黄色野菜を取り上げます。#Eテレ 3/31 夜9:30 pic.twitter.com/72jeflPgyT— NHK趣味ココ (@nhk_syumicoco) March 28, 2025
驚くほど簡単に切れる!かたいカボチャの扱い方
カボチャは見た目以上にかたく、調理前の第一関門ともいえる野菜です。とくに丸ごとの状態で切るのは手を滑らせやすく危険も伴います。しかし、電子レンジを使うことでそのハードルはぐっと下がります。カボチャをよく洗って水気をふき取り、耐熱皿にのせて500Wで2〜3分加熱すると、皮の表面がやわらかくなり、包丁の刃が入りやすくなります。
加熱が終わったら、カボチャを逆さに置くことで安定感が増し、作業がより安全になります。このときの注意点は、ヘタの真上には包丁を入れないこと。ここは特にかたいため、ヘタを避けて包丁の中央部分を当て、左右均等に体重をかけると、刃がスムーズに通りやすくなります。
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包丁の刃先だけでなく、刃全体を使って押し切るようにすると、無理なく力が入ります
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まな板の下に濡れ布巾を敷いておくと、滑り止めになり、カボチャが動かなくなります
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力をかけやすい包丁を使うことで、手元のブレも防げます。特に「カボチャ専用包丁」は刃が波型になっていて、皮に食い込みやすい設計です
また、ヘタを取り除く場合は、カボチャを半分に切ったあと、包丁の先端でヘタのまわりに三角形の切り込みを入れるとスムーズに取り外せます。この手順を踏むことで、包丁が引っかかることなく、安全に作業が進められます。
カボチャの種とワタを取るときは、スプーンを使ってしっかりこそげ取ると、煮物や焼き物にしたときに煮崩れしにくく、きれいに仕上がります。
このように、ちょっとした準備と工夫をするだけで、硬くて扱いにくいカボチャも手軽に調理できるようになります。調理前の不安が減ると、日々の料理がより楽しくなります。
捨てないで!ピーマンの種とワタをおいしく食べる方法
ピーマンを調理する際、これまで多くの家庭で種やワタは捨てるのが当たり前とされてきました。しかし、それはもったいないことです。実はこの部分にも栄養とおいしさの可能性がたっぷり詰まっています。加熱することで、種はプチプチとした食感に、ワタはふんわりとした口あたりに変化し、料理のアクセントになります。
栄養面では、ピラジンという成分が血流を促し、カリウムがむくみを防ぐ働きがあるとされています。つまり、普段は捨ててしまっている種とワタには、体にうれしい効果が期待できる栄養素が豊富に含まれているのです。
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苦味が気になる場合でも、加熱することでぐっとまろやかになり、食べやすくなります
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フライパンやグリルなど、しっかり火が入る調理法で使うとより効果的です
番組で紹介されたのが、「ピーマンの丸ごと焼きびたし」というレシピです。ヘタの部分を残したまま、ピーマンにフォークで3か所ほど穴をあけて直火で炙るか、鉄製やステンレス製のフライパンでじっくり焼くという手法が用いられました。テフロン加工のフライパンは高温に弱いため避けるのがポイントです。
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表面が黒くなるまで焼いたら火から外し、1分ほどそのまま置いて余熱で蒸らす
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しょうゆを加えただしにそのまま漬け込み、30分以上じっくり味を含ませる
この工程により、種やワタも含めてピーマン全体がやわらかくなり、だしのうまみが中までしみ込みます。そのまま食卓に出せる副菜としても重宝します。
さらに、他の料理でも活用できます。例えば炒め物。ピーマンを縦に細切りするときに、種とワタも一緒に切ってしまえば、そのまま加熱調理が可能です。青椒肉絲や野菜炒めなどに混ぜると、見た目も変わらず、栄養も無駄なく摂取できます。
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火を通すことで種のプチプチ感がアクセントになり、食感に変化が生まれます
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ワタの部分は油を吸ってジューシーに仕上がるため、炒め物との相性も抜群です
このように、ピーマンは種もワタもすべて食べられるエコな野菜。捨てずに使い切ることでゴミも減り、栄養もアップする、一石二鳥の活用法です。ちょっとした工夫で、ふだんの料理がもっとおいしく、もっと楽しくなります。
野菜別に使い分けるアク抜きの基本テクニック
アク抜きは、野菜が本来持っている苦味やえぐ味、渋味を取り除き、料理をよりおいしく仕上げるための大切な準備作業です。野菜によって含まれるアクの種類や量が異なるため、正しい方法で処理することが大切です。それぞれの野菜に合った方法を覚えておくと、日々の調理がぐっと楽になります。
まず覚えておきたいのが水にさらす方法。ナスやジャガイモ、ゴボウ、レンコンなどの根菜類は、切ったあとすぐに水にさらすことで、アクが抜けやすくなります。ナスは紫色の皮にアントシアニンという色素が含まれており、空気に触れるとすぐに黒ずんでしまいます。水に5〜10分ほどさらすだけで変色を防ぎ、食感もよくなります。特にゴボウやレンコンなどは、酢水(500mlの水に酢小さじ1)につけることで白さが保てます。
葉物野菜にはさっと茹でる方法が適しています。ホウレンソウ、春菊、セリ、アスパラガスなどは、沸騰したお湯に塩をひとつまみ加えてから短時間茹でることで、色が鮮やかに仕上がり、独特のえぐ味も取れます。茹でたあとはすぐに冷水にとると、色止めにもなり、歯ざわりの良さもキープできます。
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加熱しすぎるとビタミンなどの栄養が失われるため、ゆで時間は短めに
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冷水にとったあとはしっかり水気を切って調理に使うのがコツ
根菜類の中でもクセが強いタケノコや大根、サトイモなどには米のとぎ汁やぬかで茹でる方法が有効です。鍋にとぎ汁を入れて野菜を加え、落とし蓋をしてゆっくり煮ると、苦味やアクがやさしく抜けていきます。特にタケノコには、唐辛子を1本加えることで臭みも取れ、仕上がりが格段に良くなります。
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とぎ汁がないときは米ぬかでも代用可能
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ぬかを使ったあとはしっかり洗い流してから調理に使うこと
山菜に使われるのが重曹を使ったアク抜き。ワラビやゼンマイなどの山菜類はアクが非常に強く、生のままでは食べづらいです。重曹を全体にまぶしてから熱湯を注ぎ、一晩置いてから水にさらすことで、黒っぽいアクが抜けて、色もきれいな緑に変わります。
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重曹の量は多すぎないように注意(目安は山菜100gに対して小さじ1)
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アクが抜けるまで数回水を取り替えてさらすと安心
昔ながらの知恵として知られるのが板ずりです。とくにフキに使われる方法で、塩を全体にふりかけてまな板の上で転がすことで表面の産毛が取れ、アクも軽減されます。その後熱湯でさっと茹でることで、食感と色を保ちつつ、下処理が完了します。
これらのアク抜き方法は、単なる下ごしらえにとどまらず、野菜の魅力を最大限に引き出すための大切な工程です。正しい方法を知っておくことで、素材の持ち味を活かし、見た目も味もよくなる料理が自然と作れるようになります。毎日の食卓がより楽しく、豊かになります。
ブロッコリーの茎で絶品“ブロ蒸し”
ブロッコリーの茎は、捨ててしまいがちな部分の代表格ですが、実は工夫次第で主役級の一品に変身します。番組では、この茎だけを使ったアレンジ料理“ブロ蒸し”が紹介され、普段は見過ごしがちな部位をおいしく活かす方法が話題になりました。
まず、ブロッコリーの茎の外側のかたい皮をむき、中のやわらかい部分だけを使います。これをすりおろしてペースト状にしたあと、青臭さの原因となる最初のしぼり汁は一度しっかり捨てます。こうすることで、クセがなく食べやすい風味になります。
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すりおろすことで繊維が細かくなり、なめらかな口当たりに
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汁をしぼってから調理することで、香りがすっきり仕上がる
そのあと、すりおろしたブロッコリーをラップでぎゅっと丸く包み、耐熱性のある小さな団子状に整えます。これを60℃のお湯に15分ほど浸してじっくり火を通します。この低温加熱により、やわらかさを保ちながら食感も楽しめる仕上がりになります。
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高温で加熱するとパサつきやすいため、低温調理がポイント
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お湯は鍋に温度計を入れて、火加減を調整しながら維持すると安定
最後に、だし・しょうゆ・水溶き片栗粉を合わせた和風の餡をかけて完成です。餡はとろみをつけることで、ブロッコリーの香りやうまみをしっかり包み込み、ひと口ごとにやさしい味わいが広がります。
この「ブロ蒸し」は、いつもなら捨ててしまう茎を無駄なく使いきるレシピとして、エコで体にもやさしい一品です。調理時間も短く、シンプルな工程で完成するので、副菜やお弁当の一品にもぴったり。ブロッコリーの新しい魅力を発見できる料理です。
菜の花をふっくら仕上げるゆで方のコツ
春の訪れを感じさせる菜の花は、独特のほろ苦さと鮮やかな緑色が魅力の野菜です。そのおいしさを最大限に引き出すためには、ゆで方がとても重要です。番組で紹介されたのは、菜の花の食感と色を活かした、丁寧な加熱と冷まし方の工夫でした。
まず、鍋のお湯はぐらぐら沸騰させるのではなく、鍋底に細かい気泡がびっしりと付くくらいの90℃前後が理想です。この温度でさっとゆでることで、やわらかくなりすぎず、ふっくらとした食感に仕上がります。
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強火で茹でると繊維が崩れてしまうため、少し控えめな温度が最適
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時間は30〜40秒ほど。太さに応じて調整するのがコツ
ゆであがったら、通常は氷水にとって色止めをしますが、水っぽくなってしまうこともあります。そこでおすすめされたのが、うちわや扇風機を使って空気で冷ます方法です。これにより余分な水分を含まず、仕上がりがしっとりしすぎずに程よい食感を保てます。
冷めた菜の花は、しょうゆを加えただしにそのままひたして「おひたし」に仕上げると、味がしっかりしみ込みます。だしの風味が全体に行き渡り、ほろ苦さと旨みのバランスが絶妙な一品になります。
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だしにひたす時間は15〜30分程度が目安
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余計な水分を軽くしぼってからひたすと味がなじみやすい
このように、加熱温度・冷まし方・味付けの工夫をするだけで、菜の花の繊細な風味や食感を損なわずにおいしく食べることができます。季節の野菜を丁寧に扱うことで、食卓に春の香りを届けられるレシピです。
おわりに
第1回放送では、目からウロコの野菜テクニックが次々と紹介されました。捨てがちな部分を活かす方法や、少しの工夫で味が格段に変わる技は、毎日の食事作りに役立つものばかりです。次回以降の放送にも期待が高まります。
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