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日建設計は何を設計した会社?東京スカイツリーや東京ドームで担った役割と大松敦社長の経歴【カンブリア宮殿で紹介】

企業・新技術

街の景色を裏側でつくる日建設計

東京スカイツリーや東京ドームを知っていても、設計に関わった会社まで意識する機会はあまりありません。ところが調べてみると、駅、スタジアム、超高層ビル、公園を含む再開発まで、身近な街の姿に日建設計が深く関わっています。『カンブリア宮殿(一級建築士が1000人!日本最大の建築家集団「日建設計」の全貌)(2026年8月6日)』では、その組織力と街づくりの舞台裏が紹介されました。

この記事でわかること

・日建設計の会社概要と得意分野
・大松敦社長が担当してきた再開発
・東京スカイツリーや東京ドームで担った役割
・グラングリーン大阪やカンプ・ノウの設計思想

日建設計とは建物だけでなく街全体を設計する会社

日建設計は、建築物の企画・設計・監理に加え、都市計画、再開発、ランドスケープ、設備、構造、環境対策などを総合的に扱う設計会社です。

創業は1900年で、株式会社としての設立は1950年です。2026年4月時点の職員数は2,831人、日建グループ全体では3,455人と公表されています。

特に目を引くのが、日建設計単体で一級建築士が1,111人在籍している点です。意匠を考える建築家だけでなく、構造、設備、都市計画、ランドスケープ、環境、監理など、異なる専門分野の人が同じ組織に集まっています。

項目 内容
会社名 株式会社日建設計
創業 1900年6月1日
設立 1950年7月1日
本店 東京都千代田区飯田橋
代表者 代表取締役社長 大松敦
主な事業 建築の企画・設計監理、都市・地域計画、調査、企画、コンサルティング
職員数 2,831人
一級建築士 1,111人
技術士 230人
数値の基準日 2026年4月1日

一般的な「設計事務所」という言葉からは、建物の外観や間取りを考える会社を想像しがちです。しかし、日建設計が扱う仕事はそれだけではありません。

例えば駅前の再開発では、次のような課題を同時に考える必要があります。

・駅から建物へ人をどう誘導するか
・鉄道や地下通路をどう接続するか
・災害時に安全に避難できるか
・オフィス、商業、文化施設をどう配置するか
・広場や公園を誰でも利用できる場所にできるか
・周囲の道路や既存の街とどうつなげるか

つまり日建設計は、目立つ建物を1棟つくるだけでなく、人の流れや街の使われ方まで組み立てる会社です。

個人的には、ここが日建設計を理解するうえでいちばん大事だと感じます。有名建築の名前だけを見ると「巨大な建物を設計する会社」に見えますが、実際には建物同士の隙間、駅との接続、広場の居心地までが仕事の対象です。

大松敦社長は大規模再開発をまとめてきた建築家

大松敦さんは、1983年に東京大学建築学科を卒業後、日建設計へ入社しました。

数多くの都市開発に携わり、2021年から代表取締役社長を務めています。一級建築士で、日本建築学会の会員でもあります。

大松敦さんの経歴で特徴的なのは、建物の外観だけを担当する意匠設計者というより、大規模プロジェクト全体を動かす役割を担ってきたことです。

公式に担当実績として挙げられている主なプロジェクトは次のとおりです。

・東京ミッドタウン六本木
・東京ミッドタウン日比谷
・東京駅八重洲口開発
・渋谷ヒカリエ
・渋谷駅周辺再開発

大規模な再開発では、1人の建築家が自由に建物を描いて終わるわけではありません。鉄道会社、土地所有者、行政、施工会社、商業施設の運営者、周辺住民など、多くの関係者が参加します。

その中で大松さんは、基本構想となるマスタープランから、事業を進めるプロジェクトマネジメントまで一貫して扱う仕事の形を築いてきました。

ここで出てくる重要な言葉がTODです。

TODは「Transit Oriented Development」の略で、日本語では公共交通指向型開発などと呼ばれます。鉄道駅やバスターミナルを中心に、オフィス、住宅、商業施設、広場などを配置し、自動車だけに頼らず移動しやすい街をつくる考え方です。

渋谷や東京駅のような場所では、単に新しいビルを建てても、乗り換えにくかったり、地上と地下を移動しにくかったりすれば使いやすい街にはなりません。

大松さんが担当してきたのは、まさにこうした建物と交通を一体にする再開発です。

初めて知ると少し驚きますが、大規模再開発では、建築家にもデザイン力だけでなく調整力や事業を前へ進める力が求められます。日建設計の社長に都市開発の経験者が就いていることからも、会社が建物単体より広い視点を重視していることが伝わります。

東京スカイツリーでは形と構造を一体で設計した

東京スカイツリーは、高さ634メートルの自立式電波塔です。日建設計は、塔本体だけでなく、周辺の商業施設などを含む東京スカイツリータウンの設計にも携わりました。

東京スカイツリーで難しかったのは、単に高い塔をつくることではありません。

日本は地震が多く、東京では台風や強風への対応も欠かせません。さらに、電波塔としての機能を維持しながら、多くの来場者が利用する展望施設としての安全性も求められます。

そこで採用された代表的な技術が、心柱制振システムです。

塔の中央には鉄筋コンクリート製の心柱が設けられています。強風や地震で外側の塔体が揺れたとき、心柱がわずかに異なるタイミングで動くことで、互いの揺れを打ち消し合うように働きます。

考え方のもとになったものとして、五重塔の心柱がよく挙げられます。ただし、現代の構造計算と材料技術を用いた制振システムであり、昔の五重塔をそのまま再現したものではありません。

外観にも日本的な形が取り入れられています。

塔の足元は三角形に近い形ですが、上に向かうにつれて円形へ変化します。この形から、日本の伝統建築などに見られる「そり」や「むくり」を感じさせる曲線が生まれました。

つまり東京スカイツリーでは、次の要素を別々に考えるのではなく、まとめて成立させています。

・東京の新しい象徴となる外観
・地震と強風に耐える構造
・電波塔としての機能
・展望施設の安全性
・周辺施設を含めた街づくり

実際に東京スカイツリーを見ると、外観の細さや高さに目が向きます。しかし、その姿を実現するために、構造、設備、意匠、都市計画の専門家が同時に動いていたと知ると、見え方が少し変わります。

東京タワーでは電波塔と観光施設を両立させた

東京タワーも、日建設計の歴史を代表するプロジェクトとして公式に紹介されています。

1958年に完成した東京タワーは、放送用の電波塔であると同時に、展望台を備えた観光施設として計画されました。

建設当時に求められたのは、首都圏の各所に分散していた電波塔を集約しながら、高さ333メートルの塔を安全に成立させることでした。

東京タワーについては、構造設計を内藤多仲さんが担当したことで知られています。内藤多仲さんは、名古屋テレビ塔や通天閣などにも携わり、「塔博士」と呼ばれた構造家です。

日建設計の公式な企業史では、東京タワーを自社の代表的プロジェクトとして位置づけています。ただし、東京スカイツリーと同じ体制で日建設計がすべてを単独設計したという意味ではありません。

大規模建築では、建築設計、構造設計、設備設計、施工などに複数の組織や専門家が関わります。そのため、設計者を確認するときは「誰か1人が全部を設計した」と単純化しないことが大切です。

東京タワーで日建設計が関わった意味は、電波を届けるための巨大な構造物を、都市景観や観光利用まで考えた施設として成立させた点にあります。

東京スカイツリーと比べると、時代も材料も構造技術も異なります。それでも、電波塔の機能だけでなく、街を象徴する場所にするという考え方には共通点があります。

東京ドームは竹中工務店などとの共同設計

東京ドームは、1988年に完成した日本初の全天候型多目的スタジアムです。

日建設計が単独で設計した施設ではなく、竹中工務店、後楽園不動産との共同設計です。

東京ドームの大きな特徴は、空気の力を利用して屋根を支える空気膜構造にあります。

屋根には、テフロンコーティングを施したガラス繊維布が使われています。ケーブルで補強した膜を、ドーム内部の気圧を外より少し高く保つことで持ち上げる仕組みです。

屋根を巨大な柱で支えないため、観客席から競技場を見渡しやすく、大きな屋内空間を確保できます。

一方で、空気膜構造を安定させるには、気圧、空調、出入り口、強風、積雪などを総合的に管理しなければなりません。

さらに東京ドームでは、屋根を内野側から外野側へ傾けています。これは、隣接する日本庭園への日差しをできるだけ確保するための工夫です。

巨大施設では建物内部の都合が優先されそうですが、周辺環境への影響まで考えて屋根の形が決められている点は興味深いところです。

東京ドームの設計では、次の専門分野が密接に関係しています。

・大空間を成立させる構造設計
・膜屋根を維持する空調設備
・多数の来場者を安全に誘導する避難計画
・野球やコンサートに対応する音響設計
・自然光と人工照明を調整する光環境
・周辺施設や庭園への影響

普段は野球やライブの会場として利用しますが、屋根がどのように支えられているかを知ると、施設そのものも見どころに思えてきます。

渋谷駅周辺では建物より人の流れを設計している

渋谷駅周辺では、複数の再開発が長期間にわたって進められています。

日建設計が関わる代表的な施設には、渋谷ヒカリエ渋谷スクランブルスクエアがあります。

渋谷ヒカリエ

2012年に完成した渋谷ヒカリエは、オフィス、商業施設、劇場、イベントホールなどを縦方向に組み合わせた高層複合施設です。

日建設計は東急設計コンサルタントと共同で設計監理を担当しました。

渋谷ヒカリエで重要なのが、駅と街をつなぐアーバン・コアです。

アーバン・コアは、エレベーター、エスカレーター、階段、吹き抜けなどを組み合わせ、地下、地上、デッキ、高層階を立体的につなぐ空間です。

渋谷は坂が多いうえ、JR、東京メトロ、東急、京王井の頭線が集まっています。地上と地下の高さも複雑で、初めて訪れる人には移動しにくい街です。

アーバン・コアには、その複雑な高低差を移動しやすくする役割があります。

渋谷スクランブルスクエア

2019年に開業した第1期の東棟は、日建設計、東急設計コンサルタント、JR東日本建築設計、メトロ開発による共同企業体が設計しました。

デザインには、日建設計のほか、隈研吾建築都市設計事務所とSANAA事務所も参加しています。

ここでもアーバン・コアが整備され、駅、商業施設、広場などを縦方向につないでいます。

渋谷の再開発を理解するときは、「どの会社がビルの形を考えたか」だけでなく、次の点を見ると全体像がつかみやすくなります。

・鉄道の乗り換えがどう変わったか
・地下と地上がどこでつながったか
・歩行者デッキがどこへ延びているか
・広場がどのように配置されたか
・災害時の避難や滞在に対応できるか
・隣接する建物と移動しやすいか

実際に利用する側としては、建物の外観以上に「迷いにくいか」「雨にぬれず移動できるか」「混雑時も安全か」が気になります。

個人的にも、再開発の良し悪しは完成直後の美しさだけでは判断しにくいと感じます。何年も使われる中で、乗り換えや待ち合わせが本当に楽になったかを見ることが大切です。

グラングリーン大阪では公園を中心に街をつくった

グラングリーン大阪は、JR大阪駅北側の「うめきた2期地区」で進められている大規模な都市開発です。

日建設計は三菱地所設計とともに設計全体を統括し、都市計画、建築、ランドスケープなど幅広い領域に関わっています。

このプロジェクトの特徴は、建物を配置して余った場所を公園にするのではなく、最初から緑と公園を街の中心に置いたことです。

開発では「ランドスケープファースト」という考え方が掲げられています。

公園と民間の敷地を明確に分断せず、緑地、広場、歩道、建物の間を連続させ、人が自然に歩き回れる空間を目指しています。

大阪駅のすぐ近くという土地では、建物を高密度に配置したほうが事業上の効率は高くなります。それでも大きな都市公園をつくった背景には、駅前に次のような価値を持たせる狙いがあります。

・働く人が休める場所
・観光客や地域住民が立ち寄れる場所
・イベントや交流が生まれる場所
・夏の暑さを和らげる緑
・雨水を一時的に受け止める土地
・動植物が生息できる環境

日建設計は、緑の価値を感覚だけで説明するのではなく、みどりのものさしという5つの指標で可視化しています。

評価するのは次の項目です。

  1. 温室効果ガスの固定
  2. 温熱環境の改善
  3. 雨水流出の抑制
  4. 生物多様性の促進
  5. 空気・水の浄化

同じ広さの緑地でも、芝生だけなのか、高木や低木が重なる立体的な植栽なのかによって、日陰のつくられ方や雨水を受け止める力は変わります。

この点は、これから公園や再開発を見るときにも役立ちます。「木が多くてきれい」という印象だけでなく、暑さ、豪雨、生物多様性にどれだけ効果があるのかを確認できるからです。

実際に訪れるなら、建物の中だけでなく、公園と建物の境界、駅から歩くときの景色、日陰やベンチの配置を見ると、設計の狙いを感じやすくなります。

カンプ・ノウ改修コンペでは街に開くスタジアムを提案した

カンプ・ノウは、スペインのサッカークラブ、FCバルセロナの本拠地です。

日建設計は、カタルーニャの建築事務所であるジョアン・パスカル-ラモン・アウシオ・アルキテクテスとチームを組み、改修・拡張計画の国際設計コンペに参加しました。

2016年3月、両者の共同提案が採用されました。選定は審査員の全会一致だったと公表されています。

改修が必要になった主な背景には、次の課題がありました。

・施設の老朽化
・座席数の拡大
・屋根の設置
・観客の移動しやすさ
・バリアフリー対応
・周辺の街との接続
・観戦環境とサービスの改善

日建設計側の計画で特徴的なのは、スタジアムを閉ざされた巨大施設にせず、街に開かれた場所にする考え方です。

従来型のスタジアムでは、外周が壁や外装で覆われ、試合のない日は人を遠ざける空間になりやすいという課題があります。

新しい計画では、外周に開放的なコンコースとテラスを設け、観客の姿や活動そのものが都市の風景になることを目指しました。

全周に同じ形状の大きな庇を設けるデザインには、FCバルセロナが「ソシオ」と呼ばれる会員によって支えられていることを表す意図もあります。特定の正面だけを豪華にするのではなく、周囲のどこから見ても同じように開かれた構成です。

コンペの詳しい採点内容や、各案を比較した全評価項目は一般向け資料ですべて公開されているわけではありません。

そのため「この理由だけで選ばれた」と断定はできませんが、採用案には次の明確な特徴があります。

・既存スタジアムの歴史と構造を生かす
・観客席の視認性を改善する
・移動経路とバリアフリーを向上させる
・大きな屋根で観客を守る
・外装で閉じず、周辺の街とつなげる
・試合のない日も都市空間として機能させる

世界的な建築家や設計会社が参加する中、日本の設計会社が選ばれたことは、見た目の斬新さだけでなく、大規模施設を実現する構造・設備・運営面まで含めた提案力が評価された結果と見ることができます。

なお、現在の公式プロジェクト情報では、共同設計者としてパスカル-アウジオ・アルキテクテスに加え、b720フェルミン・バスケス・アルキテクトスも記載されています。

カンプ・ノウのような巨大プロジェクトでは、コンペ当選時のチームと、工事が具体化した段階の設計体制が変わることがあります。「コンペに勝った会社」と「最終的な工事に関わる全設計者」が必ずしも同じではない点は、確認しておきたいところです。

日建設計の建築家と一級建築士は何をしているのか

一級建築士というと、建物の外観や間取りを描く仕事を思い浮かべるかもしれません。

しかし、日建設計のような大規模な組織では、同じ一級建築士でも担当分野が大きく異なります。

意匠設計

建物の外観、内部空間、動線、使いやすさなどを考えます。

利用者の要望を整理し、構造や設備の担当者と相談しながら、建物全体の形をまとめます。

構造設計

柱、梁、壁、基礎などを設計し、地震、風、積雪などに耐えられる建物をつくります。

東京スカイツリーのような特殊な建築では、一般的なビルとは異なる揺れ方まで想定しなければなりません。

設備設計

空調、換気、給排水、電気、照明、防災設備などを設計します。

快適性だけでなく、省エネルギー、災害時の機能維持、維持管理のしやすさも重要です。

都市計画・都市デザイン

建物1棟ではなく、街区や地域全体を計画します。

駅、道路、公園、広場、歩行者動線、建物の高さや用途などを総合的に検討します。

ランドスケープ設計

公園、広場、植栽、水辺などの屋外空間を設計します。

見た目の美しさだけでなく、木陰、雨水管理、生物多様性、歩きやすさなども扱います。

工事監理

設計図どおりに工事が進んでいるか、必要な品質や性能が確保されているかを確認します。

監理は施工会社と同じ仕事ではありません。施工者とは異なる立場から、建築主の利益を守り、設計意図が現場に反映されているかを確認します。

施工図の内容、材料、工法、工程、設計変更、工事記録なども確認対象です。

プロジェクトマネジメント

予算、スケジュール、関係者の役割、意思決定の手順などを整理し、大規模事業を進めます。

再開発では関係者が非常に多いため、デザインだけでなく、合意形成を進める専門性が欠かせません。

一級建築士が1,000人以上いると聞くと、同じ職種の人が大勢集まっているように感じます。しかし実際には、専門分野の違う人たちが1つの建物や街を共同でつくっています。

個人的には、建築を「誰がデザインしたか」だけで評価するより、構造、設備、監理、都市計画まで含めて見るほうが、その建物の価値を理解しやすいと思います。

日建設計が手がけた主な建築物と技術

日建設計が関わった建築物は非常に多く、すべてを1つの記事で挙げることはできません。

代表的なプロジェクトと、理解しておきたい設計上の特徴を整理すると次のようになります。

建築物・プロジェクト 完成・開業年など 日建設計の主な関わり・特徴
東京タワー 1958年 電波塔と観光施設を両立した都市のランドマーク
東京ドーム 1988年 竹中工務店、後楽園不動産との共同設計。空気膜構造の屋根
東京ミッドタウン六本木 2007年 コアアーキテクトとして複数の設計者を統括
東京スカイツリー 2012年 意匠・構造・設備・都市計画を統合。心柱制振システムを採用
渋谷ヒカリエ 2012年 東急設計コンサルタントとの共同設計監理。アーバン・コアで駅と街を接続
東京駅八重洲口開発 2013年 駅前広場、建築、歩行者空間を含む再開発
東京ミッドタウン日比谷 2018年 大規模複合開発と周辺の公共空間を一体化
渋谷スクランブルスクエア第1期 2019年 複数社による共同設計。駅、広場、商業施設を立体的に接続
グラングリーン大阪 2024年先行まちびらき 設計全体統括、都市計画、建築、ランドスケープなどに参画
新カンプ・ノウ計画 進行中 国際設計コンペで共同提案が採用。街に開かれたスタジアムを計画

技術や設計手法としては、次の名称が特に重要です。

心柱制振システム

東京スカイツリーで採用された制振技術です。塔体と中央の心柱が異なる揺れ方をすることで、全体の振動を抑えます。

空気膜構造

東京ドームの屋根に使われている構造です。内部の気圧を利用して膜屋根を支え、柱の少ない大空間を実現します。

アーバン・コア

駅、地下、地上、デッキ、建物をエスカレーターや吹き抜けなどで立体的につなぐ空間です。渋谷ヒカリエや渋谷スクランブルスクエアで採用されています。

ランドスケープファースト

建物より先に公園や緑、人の居場所を街の骨格として考える方法です。グラングリーン大阪の設計思想を理解する重要な言葉です。

みどりのものさし

緑が持つ環境価値を、温室効果ガス、温熱環境、雨水、生物多様性、空気・水の5項目で評価する仕組みです。

自然光模擬照明

自然光が届きにくい地下空間などに、天空光と直射光に近い色温度の照明を組み合わせ、地上にいるような光の分布や影を再現する方法です。

中央大学の地下自習室に導入され、脳波測定による検証も行われています。ただし、少人数を対象とした実証を含むため、どの空間でも同じ効果が得られると決めつけず、今後の導入事例や検証の広がりを見る必要があります。

有名建築を見るときは担当範囲まで確認したい

日建設計は、東京タワー、東京ドーム、東京スカイツリー、渋谷の再開発、グラングリーン大阪、カンプ・ノウなど、時代も用途も異なるプロジェクトに関わってきました。

ただし、すべてを日建設計が単独で設計したわけではありません。

有名建築について調べるときは、次の違いを確認すると誤解しにくくなります。

・単独設計か共同設計か
・意匠、構造、設備のどこを担当したか
・設計と施工を同じ会社が行ったか
・再開発全体と個別の建物で担当者が違わないか
・コンペ当選時と実施設計時でチームが変わっていないか
・新築ではなく改修や監理だけを担当した可能性はないか

大規模な建築や街づくりは、多くの専門家による共同作業です。

その中心で意匠、構造、設備、都市計画、ランドスケープ、監理を束ねられる点が、日建設計の大きな特徴といえます。

建物を見に行くときも、外観だけでなく、駅からの動線、広場の使われ方、日陰、植栽、避難経路、周辺の街とのつながりに目を向けると、設計者が何を解決しようとしたのかが見えやすくなります。

参考リンク

日建設計 会社概要
日建設計 大松敦さんの経歴
東京スカイツリー プロジェクト情報
東京スカイツリーと心柱制振システム
日建設計のプロジェクト史
東京ドーム プロジェクト情報
渋谷ヒカリエ プロジェクト情報
渋谷スクランブルスクエア プロジェクト情報
グラングリーン大阪 プロジェクト情報
グラングリーン大阪のランドスケープ設計
みどりのものさし
新カンプ・ノウ計画
カンプ・ノウ国際設計コンペの選定結果
工事監理の仕事内容
自然光模擬照明の実証結果


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