4500トンの巨大橋を2週間で動かした挑戦とは?
首都高速を支える高速大師橋が、誕生から半世紀を経てついに大規模な架け替えに踏み出します。老朽化が深刻化する中で、物流と暮らしを守るために選ばれたのは、重さ4500トンもの巨大橋をわずか2週間で動かすという前代未聞のミッションです。橋の下で準備を進め、新旧の橋をスライドさせて入れ替えるこの計画は、世界の専門家も驚いた技術の結晶。数々のアクシデントを乗り越えながら挑む技術者たちの姿に、都市を支える裏側のダイナミズムを強く感じます。この記事では、この壮大なプロジェクトの背景と仕組みをわかりやすくまとめます。※放送前のため、放送後に詳細を追記します。
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老朽化が限界に…なぜ更新が必要だったのか
高速大師橋が開通した1968年当時、現在のような交通量は想定されていませんでした。
それが50年以上経った今、交通量は爆発的に増加し、橋には毎日膨大な負荷がかかっています。
構造は「3径間連続鋼床版箱桁橋」。当時としては一般的でしたが、現在の基準で見ると、たわみやすく維持管理も難しい形式です。
結果として、橋桁内部では金属疲労が蓄積し、1200か所を超えるき裂が確認されました。
橋が損傷したままでは、都心と神奈川方面を結ぶ交通に深刻な影響が出ます。
しかし、普通に架け替えれば数ヶ月から数年規模の通行止めが必要となり、物流が止まり、生活にも大きな影響が及びます。
そこで選ばれたのが、新しい橋を横に先につくり、旧橋とスライドさせて入れ替える工法です。
これにより、通行止め期間を約2週間に抑えるという、驚くべき挑戦が可能になりました。
巨大橋を「横に動かす」…前代未聞の工事とは?
新設橋は、旧橋のすぐ下流側にあらかじめほぼ完成形で準備されていました。
通行止め期間が始まると、まずは旧橋の端部を切断し、重さ3800トンの橋をジャッキで少しずつ押し出して30メートルほどスライドさせます。
一方、新設橋は約4000トン。こちらも同じようにジャッキとレールの仕組みを使い、慎重に斜め方向へ移動させて、もともとの橋の位置に“横取り”します。
この新旧の動きだけでも超精密作業で、少しの誤差が命取りになる緊張の連続です。
移動が終わると、橋脚との接続作業へ。
溶接やボルトでの固定、路面のアスファルト舗装、照明柱の設置、区画線引きなどが息をつく間もなく進みます。
その間には、台風2号の接近で作業が1日中断されるなど、自然との戦いもありました。
また、橋が曲線部に位置するため、新設橋をわずかに“曲げた形”で移動させるという通常では行わない調整も必要でした。
作業全体では、ジャッキやレールの状態をリアルタイムで集中監視し、少しのズレも許さない高度な技術が総動員されています。
雨でも作業を進められるよう防雨設備も用意されていました。
新しい橋に込められた未来への配慮
新設された高速大師橋には、これまでの橋にはなかった特徴がいくつもあります。
幅は旧橋の16.5メートルから18.2メートルへ拡幅され、ゆとりある道路へとアップデートされました。
さらに、橋桁の下には恒久足場と呼ばれる点検用の空間が新たに設けられています。
これは、今後の点検や補修を安全に、かつ効率的に行うための重要な機能で、長寿命化やコスト削減にも役立ちます。
構造自体も100年先を見据えた設計とされ、都市のインフラを長く支えていけるよう緻密に考えられています。
そして工事はまだ続き、旧橋の撤去や基礎の整備、河川環境への配慮を含む仕上げ作業が、2025年度末までに完了する予定です。
この挑戦が社会にもたらすもの
高速大師橋の架け替えは、単なる橋の更新ではありません。
「重要インフラを止めずに更新する」という新しいモデルケースとして全国から注目されています。
老朽化が進む橋やトンネルが増える中、この方法が広がれば、交通への影響を最小限にしながら安全性を高められる未来が期待できます。
技術、工夫、チームワーク、そして都市を支える使命感が集結したこの挑戦は、日本のインフラの未来を変えていく大きな一歩です。
まとめ
高速大師橋の架け替えプロジェクトは、4500トンの巨大橋をわずか2週間で入れ替えるという、まさに“都市工学の極限”ともいえる挑戦です。
老朽化が進む橋を放置せず、交通への影響を最小限に抑えながら安全を確保するために選ばれた斬新な工法が、日本のインフラの未来に新たな光をもたらしています。
放送後の内容が明らかになれば、技術者たちの奮闘や現場の裏側を改めて詳しく追記します。
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