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NHK【新プロジェクトX】4500トン 巨大橋を架け替えよ!大潮だけの輸送作戦と多摩川しじみ漁への配慮・ステンレス摩擦軽減工法とは|2025年11月29日

新プロジェクトX
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4500トンの巨大橋を動かした人たちの記録

巨大インフラが老朽化する中、日本の交通の大動脈を守るため、誰も挑んだことのない工法で橋を“横から差し替える”という壮大な挑戦がありました。それが高速大師橋の架け替え工事です。
この記事では、番組『新プロジェクトX〜挑戦者たち〜』に登場したすべてのエピソードを反映し、この挑戦の裏にある判断、緊張、技術、そして人間の強さを深く掘り下げます。

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高速大師橋が抱えた現実と、前代未聞のミッション

高速大師橋は1968年11月28日に開通し、京浜工業地帯と都心を結ぶ要所として半世紀以上人々の生活を支えてきました。
しかし2012年までの点検で1200か所を超える亀裂が見つかり、崩落の危険が現実のものとなりました。近年、全国のインフラで深刻な事故が相次いでいたこともあり、更新工事は急務でした。

そこで首都高速道路が出した条件は「通行止め2週間」。
交通量の多いこのルートは長期間止めることが許されず、短期間で新しい橋への架け替えを完了させる必要がありました。

この無謀とすら思えるミッションを託されたのが、長年橋の工事を担当してきた石割大貴
彼にとっても耳を疑うほどの難題でした。

石割の立てた作戦は、
・新しい橋を別の場所でつくる
・巨大ブロックを船で運ぶ
・古い橋を撤去した瞬間に、新しい橋を横から滑り込ませる『スライド工法』
という、世界でもほぼ例がない手法でした。

小規模な橋なら前例はあっても、4500トン級の橋でのスライド工法は史上初。
ここから、前代未聞の挑戦が始まります。

多摩川を越えるための“見えない闘い”

橋げたブロックは東京ベイエリア横浜の2か所で製作され、完成後に台船で運ぶことが決まりました。
しかし工事現場へ向かうためには多摩川スカイブリッジの下を通らなければなりません。

問題は“水深”。そのままでは台船が浅瀬に乗り上げてしまうため、川底を掘る「浚渫(しゅんせつ)」工事を行う必要がありました。

ところが、多摩川河口で漁を営む約50の漁業者から不安の声が上がります。
「川底を掘られたら、しじみが採れなくなる。」

石割は「皆さんの日常を壊すような工事はしない」と約束し、一軒一軒を訪ねて説明。
結果、しじみの生息域を避け、岸に近い水深の浅い部分だけを掘る方針に変更。

しかし、それは別の難題を生むことになりました。
川岸寄りの航路は狭く、橋も低い。巨大な橋げたを運ぶには、危険と隣り合わせのルートに変わったのです。

ここで石割が頼ったのが、海の輸送のプロ 谷川雅浩
谷川は「多摩川を甘く見ないほうがいい」と強調し、大潮の日だけが通過可能と判断しました。

台船が動かない──緊張の輸送本番

2022年4月18日。
橋げたを積んだ台船がついに出航。

この日の干潮は11時56分。
水位が下がっている2時間の間に多摩川スカイブリッジをくぐり抜けなければ失敗です。

エンジンの付いていない台船は曳き船で牽引しますが、風や潮流で簡単に流されるため、谷川は別案を採用。
・川底にイカリを沈め
・6本のワイヤーを張り
・ウインチで少しずつ前へ引く
という、極めて精密なコントロールが必要な方法です。

橋の下まであとわずか、というとき、台船が突然止まりました。
原因は川の流れが強まり、ウインチの安全装置が作動したこと。

現場に重い空気が流れましたが、約40分後、再びウインチが動き出し、ついに橋の下を通過。
最大の難関を突破しました。

スライド工法の核心へ──65台のジャッキが動く

2023年3月、新しい橋が完成。
そして5月27日、通行止めがスタート。200人を超える作業員が現場に集まりました。

古い橋の撤去は2時間で完了。
ここからが本当の勝負。スライド工法のスペシャリスト 中村司 が指揮を取る新橋スライド作業です。

今回は通常と違い、
・川崎側に寄せて設置された新しい橋を
・“斜め”に動かして接続する
という難易度の高い作業が必要でした。

中村は石割に、「スライドの実験をさせてほしい、費用はこちらで持つ」と頭を下げ、
未知の挑戦に備えました。

議論を重ねた結果、レールの摩擦を極力減らすため、
『ステンレス板』を貼るという案にたどり着きます。
石割は関係先にその必要性を説いて回り、採用されました。

許容誤差2cm、そして5mmのズレとの闘い

スライド作業の制限時間は12時間。
しかし開始3時間で、足場が補強材に干渉する恐れがあると情報が入り、中村は即座にスライドを止めて足場の撤去を決断。

再開後も慎重に進め、開始9時間で橋脚との接続作業へ。
許される誤差は『2cm以内』。

ところが東京側の橋が『5mm』行き過ぎるアクシデントが発生。
中村は65台のジャッキのうち、2台だけを動かすという極めて精密な操作でズレを戻し、
最後は人力で微調整して位置を合わせました。

2023年6月10日、通行止め解除。
世界でも類を見ない架け替え工事が、ついに完了しました。

世界が評価した技術と、次へ進む現場の人々

2024年11月14日、スイスのチューリッヒで開かれた大会で、高速大師橋は最優秀賞を受賞。
世界の構造技術を代表する成功例となりました。

石割は今も橋の更新作業を続け、
中村は若い職人へ技術と心を伝えています。
谷川は「また依頼されたらどうしますか?」と聞かれ、「ちょっといやですけどね」と笑いながら語りました。

首都高速道路では現在も全国で5か所の大規模更新が進行しており、この経験は確実に日本のインフラを未来へつなぐ力となっています。

まとめ

『4500トン 巨大橋を架け替えよ!』で描かれたのは、
巨大構造物の更新に挑む技術者たちの判断と責任、地域との信頼づくり、そして成功へ向かって積み重ねられた緻密な作業でした。

高速大師橋の架け替えは、日本の技術力が世界に認められた象徴。
見えないところで奮闘する人々のおかげで、私たちの毎日の移動が守られていることを改めて感じられる内容でした。


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