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NHK【時をかけるテレビ】君が僕の息子について教えてくれたこと|非言語型自閉症と文字盤コミュニケーションが世界で読まれた理由|2025年11月28日★

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『君が僕の息子について教えてくれたこと』東田直樹さんの言葉が世界に届いた理由

一冊の本が国境を越え、人々の生き方まで変えてしまうことがあります。
東田直樹さんが13歳で書いた『自閉症の僕が跳びはねる理由』は、その象徴のような作品です。

口で話すことがほとんどできない彼が、文字盤を使って一つ一つ言葉を紡ぎ、自閉症という“見えにくい世界”を自らの言葉で説明した本は、世界中の親子や支援者に希望と理解を届けました。

今回は、番組放送前に、東田さんの生い立ち、言葉の背景、世界への広がり、そしてなぜこの本がこれほど人の心を動かしたのかを深掘りします。

NHK【午後LIVE ニュースーン】自閉症の若者が“書くことで伝える”力とは?世界で話題のエッセイとアイルランド作家との出会いを深掘り|2025年11月28日

東田直樹さんが歩んだ子ども時代と「文字」との出会い

東田直樹さんは1992年8月12日生まれ。千葉県君津市で育ち、5歳で「重度かつ非-言語型の自閉症」と診断されました。
周囲の人とことばで会話をするのは難しくても、彼には別の形の“言語”がありました。

幼少期から、看板や商品のラベルなど“文字そのもの”に強い興味を抱いていたと言われています。
空中に文字を書くような仕草を繰り返し、磁気ボードに言葉をなぞるなど、言葉を「声」ではなく「形」で見つめてきました。

小学校は通常学級でしたが、小学5年で特別支援学校へ転校。
そこで出会ったのは、自分と同じように「話すことが難しい」子どもたち。
東田さんは、「自分だけが違うわけではない」と感じ、安心して過ごせる環境を手に入れました。

母親は、息子が抱えている“言葉にならない思い”を何とか表に出せるようにと、詩や短編など「書く機会」を与えました。
この経験が、のちに作家としての才能を大きく開花させていきます。

『自閉症の僕が跳びはねる理由』誕生の背景

13歳だった2007年。
東田さんは、自分の行動や感覚の理由を、ひとつひとつ丁寧に文字盤で説明するようにして文章化していきます。

作品では、

・どうして跳びはねるのか
・どうして目を合わせて話せないのか
・どうして急に走り出してしまうのか
・どうして言葉が出ないのか

こうした“自閉症に関するよくある疑問”に、本人の感覚を元に答えるかたちで書かれています。

この書籍が特別なのは、支援者や研究者の言葉ではなく、当事者自身の内側の世界がそのまま書かれているという点でした。

当時、自閉症本人が自分の感覚を文章にまとめることは極めて珍しく、「世界の見え方」を語るその言葉は、多くの読者に衝撃を与えました。

さらに、短編のように美しい文章も含まれており、本としての表現力の高さも評価されています。

英国での翻訳と世界的なベストセラーへの歩み

この作品が世界へ飛び立つきっかけとなったのは、英国の作家 デイヴィッド・ミッチェルさんと妻 ケイコ・ヨシダさんとの出会いでした。

夫婦には自閉症の息子がいて、どれだけ専門書を読んでも「本当に知りたい息子の内側」は分からず、悩み続けていたと言われています。

そんな中で出会ったのが、この本でした。

ミッチェルさんは、初めて東田さんの文章を読んだとき

「まるで息子が、自分の心の中を語ってくれているように感じた」

と語っています。

そして、「これは世界中の家族に必要な本だ」と考え、英訳を決意しました。

2013年、『The Reason I Jump』として刊行されると、アメリカ・イギリス双方でベストセラーとなり、現在では30〜34か国以上で翻訳される世界的な書籍になりました。

その広がり方は、単なる“翻訳の成功”ではなく、

・自閉症当事者の言葉を初めて理解できたという共感の連鎖
・支援に悩む家族の心にまっすぐ届いたこと
・当事者自身の“見えない世界”を知ることができた衝撃

これらが社会全体を包むように広がった結果でした。

東田さんが描く「内側の世界」の豊かさ

東田さんの文章には、“世界がどう見えているか”という内側の感覚が生き生きと描かれています。

彼は「跳びはねる理由」について、

跳びはねると、感情が空へ飛んでいくようで、心が震える

そんなふうに表現しました。

これは自閉症の特性を理解しようとする家族にとって、大きな手がかりとなりました。
行動そのものの理由ではなく、その行動に隠れた“感覚の動き”があることを知る言葉だったからです。

また、自然を見たときには

緑はぎゅっと心を抱きしめてくれる。命の色が緑なのです。

と表現するなど、感性の豊かさが文章に満ちています。

さらに、言葉を伝えられない苦しさについては、

分かってもらおうとすると、知らない外国語を毎日話すような気持ちになる。

と綴っています。

これは、自閉症当事者が抱える“伝われないつらさ”を、誰にでもわかる言葉に落とし込んだ大切なフレーズです。

作家として広がる活動と、言葉に込めた思い

2007年のデビュー以降、東田さんは20冊以上の本を出版し、小説、詩、エッセーと幅広い表現を続けています。

2020年には、自身の世界観や影響力がドキュメンタリー映画『僕が跳びはねる理由』として映像化されました。世界5人の自閉症当事者が描かれ、東田さんの言葉が「世界共通の理解の窓」になりうることが示されました。

最近のインタビューでは、

自分を伝える手段さえあれば、それが生きている証になる

と語っており、文字盤を使いながら“書くこと”を続ける姿勢を大切にしています。

なぜ彼の言葉は世界中に届いたのか

東田さんの本が世界で愛される理由には、いくつもの重なった要素があります。

・当事者本人が、内側を自分の言葉で語った希少性
・文字盤を使い「伝えよう」とする強い意思
・翻訳者の切実な思いが本を広げた
・家族・教育者・支援者すべてに“心の答え”を与えた
・文化を超えて共通する「生きづらさ」と「希望」を描いている

だからこそ、読み手が世界中で「これは自分のことだ」と感じる作品になったのだと思います。

まとめ

東田直樹さんの言葉は、自閉症の理解を超え、人が“理解されたいと願う気持ち”の本質に触れています。
彼の文章が長く読み継がれる理由は、そこに「人が生きるうえで大切な光」があるからです。

今回の番組では、池上彰さんと栗原類さんがこの作品をどのように読み解くのかが大きな見どころです。
放送前のため詳細は不明ですが、放送後に内容を踏まえて記事を更新します。


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