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Eテレ【美の壺】いつも傍らに 土瓶と急須|島根で50年続く民藝土瓶と松江藩の籐細工、常滑朱泥急須の蓋合せ技法に迫る|2025年11月30日

美の壺
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「いつも傍らに 土瓶と急須」

お茶の時間は、忙しい毎日の中でふっと気持ちを落ち着かせてくれる大切なひとときです。その穏やかな時間を支えてきたのが、日本人の暮らしに欠かせない土瓶急須。今回の『美の壺』では、このふたつの道具がどのように私たちの生活とともに歩み、どんな美しさや技が宿っているのかを多角的に紹介します。

季節に寄り添うお茶文化、外国人をも魅了する急須の魅力、常滑に受け継がれる伝統技法、そして直火で煮出したお茶のうまみ。さらに、家庭で作れる『土瓶蒸し』の魅力や、松江に伝わる籐細工の技、島根で50年続く民藝の土瓶まで、お茶の世界に触れるさまざまなエピソードが番組に凝縮されています。

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季節のお茶を支える土瓶と急須の魅力

番組冒頭では、日本人の生活に根づいた「季節のお茶」が取り上げられます。

初夏には新茶を急須で丁寧に淹れ、その香りを楽しむ。夏の暑い時期には麦茶を土瓶でたっぷり煮出して冷やし、家族みんなで飲む。そして冬になると、ほうじ茶や番茶を土瓶で熱々に沸かして体の芯から温まる——そんな、季節ごとに移り変わるお茶との距離感を土瓶と急須が支えてきました。

急須は繊細な茶葉の香りや甘みを引き出す造形が特徴。反対に土瓶は直火にかけられる強さがあり、香ばしい麦茶や番茶をしっかり煮出したいときに最適です。

番組では、こうした「茶葉 × 茶器」の組み合わせこそが日本のお茶文化を豊かにし、家庭ごとの味を生み出してきたことが紹介されます。

フランス人を魅了した お茶と急須のマリアージュ

続いて登場するのは、日本茶の美しさに魅了されたフランス人の店主。舞台となるのは東京・谷中の日本茶専門店で、ここで紹介されるのは“急須の形が生む味の違い”。

店主は、茶葉の量やお湯の温度だけでなく、どの急須を選ぶかで味が大きく変わることを語ります。急須は内部の空間、注ぎ口の長さ、蓋との合い方、湯切れの良さなど、細部の造形がそのまま味を左右する繊細な器具です。

番組では、フランス出身でありながら日本茶インストラクターとして活動する店主が、急須とお茶の“相性”を語り、その奥深い世界に惹かれていく様子が紹介されます。

外国人の視点が入ることで、急須の魅力が国境をこえて伝わっていることがよく分かる内容です。

常滑の若手作家に受け継がれる急須づくりの技

番組の中盤では、焼きものの里として知られる常滑が登場します。ここは日本六古窯のひとつで、急須の名産地として名高い地域です。

紹介される若手急須作家は、古くからの技を守りつつ、新しい生活に合う急須の造形に取り組む現代の職人。常滑の伝統技法である「朱泥」の土は渋み成分を和らげると言われ、お茶をまろやかにしてくれます。

急須づくりで特に重要とされるのが、蓋と本体の“蓋合せ”。蓋がわずかでもズレれば湯切れが悪くなり、茶葉の対流も阻害します。職人は、蓋と胴を限りなく近い精度で作り上げ、ぴたりと合うように微調整します。

番組では、若手作家が静かにろくろを回し、注ぎ口や取っ手を整え、一つの急須を仕上げていく工程が丁寧に紹介されます。

直火で味わいが変わる 土瓶ならではの“まろやかさ”

お茶を煮出すときに使われる土瓶。番組では、土瓶で煮出したお茶がなぜまろやかになるのか、その秘密に迫っています。

土瓶は陶土の厚みがしっかりしていて、熱がゆっくり伝わるため、煮出す際に茶葉のえぐみが強く出にくいのが特徴です。また、直火でじわじわ加熱することで香ばしさが引き立つ一面も。

番組では、急須で淹れた場合と土瓶で煮出した場合の違いが比較され、ほうじ茶や番茶に土瓶が選ばれてきた理由が分かりやすく紹介されます。

“お茶がやさしい味になる”という言葉の裏側にある、土と火の性質の違いが見えてくる内容です。

家で作れる『土瓶蒸し』の奥深い魅力

土瓶は料理にも使える万能の器。番組では、家庭でも簡単に挑戦できる『土瓶蒸し』が紹介されます。

だし、鶏肉、エビ、白身魚、きのこ類などの具材を土瓶に入れ、直火で熱することで、土瓶の内部に香りが凝縮。蒸気を逃がさない構造が、料亭のような上品な香りを作り出します。

番組では、プロの料理人が土瓶蒸しの作り方を紹介し、具材の選び方や火加減のコツなど、家庭料理としての楽しみ方が丁寧に語られます。

松江藩に伝わる 籐細工の取っ手に宿る職人技

次に紹介されるのは、松江に伝わる籐細工の技。土瓶の持ち手に巻かれる籐は見た目だけでなく、熱さを和らげ、持ちやすさを高める実用的な役割も担います。

松江藩時代から続く籐細工の技は、細い籐を均一に編み、土瓶に美しく固定する熟練の技術が必要です。番組では、伝統職人が一本一本の籐を丁寧に整え、均一なテンションで巻き上げていく様子が紹介されます。

素朴で温かみのある土瓶と籐細工の取り合わせは、民藝としての美しさも評価されています。

島根で50年続く “民藝の土瓶” の物語

番組の最後を飾るのは、島根で50年以上作られてきた民藝の土瓶。民藝運動が盛んだった土地で、生活道具としての美しさを追求した土瓶が作られ続けてきました。

職人の手仕事によって成形される土瓶は、一つ一つがわずかに異なる表情を持ち、使い続けるうちに風合いが増していきます。直火に対応する丈夫な陶土、形の安定感、注ぎやすさなど、道具としての優秀さが長年愛されてきた理由です。

番組では、陶工が土を練り、形を作り、焼成し、仕上げるまでの工程が丁寧に追われ、民藝の精神が現代にどう生きているのかが示されます。

まとめ

今回の『美の壺』では、土瓶急須という身近な道具が、どれほど日本の暮らしと文化に根づいているかが多彩なエピソードを通して紹介されます。

季節ごとのお茶の楽しみ、急須の造形の力、土瓶が作るまろやかさ、食卓での土瓶料理、松江の籐細工、島根の民藝土瓶。どの内容も、日常に寄り添う器が持つ“美しさと知恵”を再発見させてくれるものでした。

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