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Eテレ【美の壺】絞り染めの極意!雪花・辻が花・蜘蛛絞りを紹介|2025年6月15日放送

美の壺

布に花咲く絞り染め

2025年6月15日(日)23時からNHK Eテレで放送される『美の壺』は、選「布に花咲く 絞り染め」。日本の伝統的な染色技法として知られる「絞り染め」に焦点を当て、その奥深さと今に続く進化の姿を30分でじっくり掘り下げます。1000年以上受け継がれてきた職人の技と、ファッションとして現代に生かされる新しい形。そのどちらも紹介される今回の放送は、染めの魅力を多面的に知ることができる貴重な内容です。

京都で生まれる現代感覚の絞り染め

番組ではまず、京都で見つけたカラフルでポップな絞り染めのアイテムが取り上げられる予定です。伝統的な絞り染めの技法を受け継ぎつつも、若者や海外の人たちの心をつかむような色合いやデザインを採用し、日常使いしやすい小物や服に落とし込まれています。絞り染めが「着物」や「和」のイメージだけにとどまらないことを示す、現代の新しい展開として注目されます。

  • 明るい色合いと自由な形状が、インテリアや雑貨に生かされている

  • 伝統とポップの融合が、新しい顧客層を生んでいる

  • 京都の老舗と若手クリエイターのコラボも増えている

職人技が光る「雪花絞り」の魅力

雪の結晶のような六角模様が浮かぶ「雪花絞り」は、有松(愛知県)の伝統技法のひとつです。番組では、熟練の職人が実際に絞って染め上げる工程が紹介される見込みで、見る人に技の繊細さと偶然の美しさを伝えてくれるはずです。

  • 三角形に折りたたんだ布を板ではさみ、染料に角だけを浸す独自の技法

  • 毎回模様が変わる「一期一会」の仕上がり

  • 浴衣や帯揚げ、ハンカチなどにも応用され、幅広い人気がある

職人による手作業ならではの不均一なにじみや、色の濃淡が作品の奥深さとなって残ります。見る角度や光の当たり方によって、模様の見え方が変わるのも魅力です。

武将も愛した幻の絞り「辻が花」

室町から桃山時代にかけて流行した「辻が花」は、絞り染めに墨描きや金彩、刺繍などを加えた豪華な技法です。武将たちの小袖や胴服にも使われ、その存在感のある美しさが戦国の時代を彩りました。放送では、その復元に取り組む現代の職人たちの姿が紹介される予定です。

  • 縫い締め絞り、墨描き、摺箔など複数の高度な技法を融合

  • かつて一度は姿を消した技法を、近年になって研究・再現

  • 装飾性が高く、美術品としても評価されている

現在では、復元された辻が花が訪問着や振袖などにも取り入れられ、現代の着物文化にも息づいています。

久保田一竹が創り出した「一竹辻が花」の芸術世界

辻が花に心を奪われ、生涯をかけて独自の技法を確立したのが染色家・久保田一竹です。番組では、彼の創作と哲学、そして富士山麓に建てられた久保田一竹美術館の世界観が紹介される見通しです。

  • 伝統にこだわりすぎず、自らの感性で昇華させた「一竹辻が花」

  • 染め・金彩・箔・墨描きなど複合技法で構成された壮大な作品群

  • 「光響」と名づけられた連作では、自然界の光や風の表情を布で表現

久保田一竹の作品は、衣服という枠を超えて芸術作品として世界的にも高い評価を受けています。

途絶えていた技法「嵐絞り」の復元に挑む作家たち

大きな円柱に布を斜めに巻きつけ、糸で縛って染める「嵐絞り」は、嵐のような流れる線模様が特徴の絞り技法です。一度は使われなくなっていたこの技法に再び命を吹き込んだのが、登場予定の絞り染め作家・早川嘉英さんです。

  • 円柱に斜め巻きすることで生まれる独特のリズムある模様

  • 藍染との相性が良く、落ち着いた風情をもつ染め上がり

  • ストールやのれんなど、日常使いのアイテムにも展開されている

力の入れ具合や巻く角度、糸の締め方で仕上がりが変化するため、職人の手加減が仕上がりに直結する技法でもあります。

三宅一生の世界観に生きる「蜘蛛絞り」

今回の放送では、ファッションブランド「ISSEY MIYAKE」のテキスタイルデザイナーによる蜘蛛絞りの洋服づくりが、テレビ初公開される予定です。蜘蛛絞りは、糸で生地の一点を縛って染め上げることで、蜘蛛の巣のような模様が浮かび上がる技法。これをポリエステルなどの現代素材と組み合わせ、形状記憶で立体的なデザインを実現しています。

  • HaaTシリーズで採用され、襟や裾に独特の立体感を演出

  • 形状記憶の特性により、絞りの凹凸がしっかりと残る

  • 職人技と最先端テキスタイルの融合による新しい絞り表現

この制作現場の様子が初めて映像として紹介されるということで、テキスタイルに関心のある人々にとっても見逃せない内容です。

出演者情報

今回の『美の壺』の案内人は草刈正雄さん。絞り染め職人として田端和樹さん、作家の早川嘉英さんが出演します。テキスタイルディレクターとして、皆川魔鬼子さんが登場。語りは木村多江さんが担当し、丁寧な語り口で視聴者を絞り染めの世界へと誘います。

まとめ

今回の『美の壺』では、日本の伝統工芸の中でも奥深く、色彩豊かな世界「絞り染め」に光が当てられます。1000年の歴史をもちながらも、現代の暮らしやファッションに生きる絞り染め。その世界を彩る職人の手しごとと、新たな表現への挑戦が描かれます。

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