腸もみで毎日が変わる?
「5分であさイチ 腸もみで健康を手に入れる!(2026年3月9日放送)」は、平日朝の情報番組あさイチの中から、暮らしに役立つ部分だけをギュッと切り取ったダイジェスト版です。
今回のテーマは、たった数分でできるセルフケアとして紹介された腸もみです。
番組では、体を支える大事な臓器である「腸」に注目し、便秘や下痢の悩みから、肌の調子、ダイエット、運動能力、さらには老化予防まで、腸が元気になるとどんな良いことが起きるのかが、コンパクトにまとめられていました。
そのうえで、「立って行う腸もみ」「湯舟で座って行う腸もみ」「寝転んで行う腸もみ」という、生活の中で取り入れやすい3種類の方法が順番に紹介されています。
腸が体と心を支える大事な理由
番組ではまず、「そもそも腸はなぜ大事なのか」という前提が語られます。
私たちが食べたものは、消化・吸収されて全身のエネルギーになりますが、その入口として働いているのが腸です。腸の内側には多くの免疫細胞が集まっていて、からだの免疫機能のかなりの部分を担っている、といわれています。
さらに、腸の動きは自律神経と深く関わっています。交感神経が優位なときは腸の動きが落ちこみ、副交感神経が優位なときは腸がよく動きます。ストレスでイライラしているとお腹の調子が悪くなり、腸内環境が乱れると、今度は自律神経まで不安定になるという「悪循環」が起こることもあるとされています。
つまり腸を整えることは、単にお通じを良くするだけでなく、免疫力アップやメンタルの安定にもつながると考えられているのです。
この背景を踏まえたうえで、番組では「毎日少しの時間でできるケア」として腸もみが紹介されています。
小林弘幸が教える「腸もみ」の基本と考え方
腸もみの案内役を務めるのは、順天堂大学医学部教授の小林弘幸さんです。小林さんは、自律神経と腸内環境の研究で知られる医師で、日本で初めて「便秘外来」を立ち上げたことでも知られています。
番組のベースには「ストレスで自律神経が乱れると腸内環境が悪化し、腸の調子が悪くなるとさらに自律神経も乱れる」という考え方があります。腸もみは、この悪循環を断ち切るための、やさしいセルフケアとして位置づけられています。
小林さんが紹介する腸もみのポイントは、次のようなものです。
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強く押し込まず、「気持ちいい」と感じる程度の強さで触れること
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呼吸を止めず、ゆっくり息を吐きながら行うこと
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短い時間でも良いので、毎日続けること
特別な道具は必要ありません。自分の手と、少しの時間があれば始められるのが、この方法の魅力です。
立ったままできる腸もみのやり方
最初に紹介されるのが、立った姿勢で行う腸もみです。
朝の支度の合間や、家事のすき間時間にも取り入れやすいのがメリットです。
大まかな手順は次の通りです。
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片方の手で、骨盤の上あたりにある腰骨をつかみます。そこから、指先を少しずつ上にずらしていき、骨の当たりがなくなった柔らかいところで止めます。
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もう片方の手は、肋骨の縁に触れ、そこから下にすべらせて、肋骨のすぐ下にある柔らかい部分で止めます。
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2つの手でお腹をはさむような位置関係になったら、そのままやさしく円を描くように、数十秒ほどもみます。
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次に、左右の手の位置を入れ替え、同じようにもみます。
このとき意識したいのは、大腸の「角」の部分です。大腸は、お腹の中でコの字を描くように走っており、右上・左上・右下・左下あたりに曲がり角があります。その角の付近をやさしく揺らすことで、腸の動きにスイッチが入りやすくなると説明されています。
立った姿勢の腸もみは、日中に体を動かす前の「ウオーミングアップ」にもなります。短時間でも、お腹のあたりがじんわり温かくなってくる感覚があれば、うまくできているサインです。
湯舟で座って行う腸もみのやり方
次に紹介されるのが、湯舟に浸かりながら座って行う腸もみです。
お風呂に入ると、全身の血流が良くなり、筋肉もほぐれやすくなります。その状態でお腹を刺激すると、腸の動きもスムーズになりやすいと考えられています。
湯舟での腸もみは、立った姿勢よりも少し楽な体勢で行えるのがポイントです。
手順のイメージは、次のような形です。
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湯舟の中で、背筋を無理のない範囲で伸ばして座ります。
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両手のひらをお腹の左右に当て、みぞおちから下腹部にかけて、ゆっくり円を描くようにもみほぐします。
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右回り(時計回り)に大きくさするように動かし、次に少し小さめの円で、腸の奥をイメージしながら、数十秒ほど続けます。
お湯の温かさと手のぬくもりが合わさることで、お腹周りがふわっとゆるんできます。
「立って行う腸もみは少し大変」という人でも、湯舟の中ならリラックスしながら続けやすいのが、この方法の良さです。
布団の中でできる、寝ながら腸もみのやり方
最後に紹介されるのが、寝転んだ姿勢で行う腸もみです。
布団の上でできるので、寝る前や、朝目覚めたときのルーティンとしても取り入れやすい方法です。
手順は、お腹を直接もむというよりも、「体をひねる動き」で腸に刺激を伝える形になっています。
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仰向けに寝て、ひざを立てます。両腕は横に広げて、肩を床につけたままにします。
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その姿勢のまま、立てたひざを左右にゆっくり倒します。お腹を左右にひねるイメージで、大きく、ゆっくりと動かします。
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これをおよそ1分ほど続けます。呼吸を止めず、息を吐きながら動かすのがポイントです。
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余裕がある人は、ひざを曲げたまま足を少し持ち上げて、上下にゆっくり動かす動きをプラスします。
体をねじることで、腸全体に「伸びたり縮んだりする刺激」が入ります。この状態は、腸内のガスや内容物が動きやすくなる姿勢で、腸もみと同じような刺激が得られるとされています。
寝ながら腸もみは、リラックスした状態で行えるため、眠りに入る前の「おやすみ儀式」として続けている人もいます。
腸もみで期待できる便秘・下痢・美肌・ダイエット効果
番組では、腸もみによって期待できる変化として、
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便秘・下痢の改善
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肌の調子アップ(美肌)
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ダイエットのサポート
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運動能力の向上
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老化防止
といったポイントが挙げられていました。
背景にあるのは、「腸内環境が整うと、全身のバランスが良くなる」という近年の知見です。腸の動きが良くなることで、便がスムーズに運ばれ、腸内細菌のバランスも整いやすくなります。その結果、腸から発信される情報が脳や自律神経に良い影響を与え、メンタルの安定や睡眠の質にもつながると考えられています。
また、便秘が解消されると、ポッコリお腹がすっきりし、体重も変化しやすくなります。むくみが取れて体が軽く感じられることもあり、運動時のパフォーマンスが上がったと感じる人も少なくありません。
肌に関しても、腸は不要な老廃物の出口のひとつです。腸の働きが落ちると、体の中にいらないものが長くとどまり、それが肌荒れや吹き出物として現れることがあります。腸もみでお通じが安定してくると、肌の調子が整ったと感じる人が多いのは、こうした仕組みがあるためです。
もちろん、腸もみだけですべてが解決するわけではありませんが、「毎日少しずつ続けることで、体全体のベースを上げていくケア」として、番組では紹介されています。
安全に腸もみを続けるための注意ポイント
自分でお腹をもむという性質上、腸もみにはいくつか気をつけたい点もあります。
番組の内容や、一般的な医療情報を踏まえると、次のようなポイントを意識しておくと安心です。
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強く押し込みすぎないこと
お腹をぐいぐい押さえると、かえって痛みや不快感につながることがあります。「気持ちいい」と感じる範囲にとどめるのが大切です。 -
食後すぐは避けること
食べてすぐは、胃や腸が食べ物を処理している時間です。食後しばらく時間をあけてから行ったほうが無難です。 -
お腹に強い痛みがあるときは行わないこと
原因のわからない激しい腹痛や、発熱を伴うようなお腹の症状があるときは、腸もみを中止し、医療機関の受診を優先したほうが安心です。 -
妊娠中や、腹部の手術後などは必ず医師に相談すること
お腹への圧迫が影響しそうな状況では、自己判断で行わず、かかりつけ医や専門の医師に相談することがすすめられます。
腸もみは、あくまでセルフケアの一つです。
不安な症状が続いている場合には、無理に続けるのではなく、医師や専門家に相談することが大切です。
今日から続けるための腸活のコツ
番組のメッセージの根底には、「短い時間でも良いから続けること」という考え方があります。
そこで、日常生活の中で腸もみを続けやすくするための小さな工夫も、合わせて意識しておくと役立ちます。
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朝の着替え前に「立った腸もみ」を1セット行う
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夜のお風呂タイムに、湯舟の中で「座って腸もみ」を行う
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寝る前に布団の中で「寝ながら腸もみ」を1分だけ行う
このように、すでにある習慣に「くっつける」形にすると、忘れにくくなります。
また、腸のためには、腸もみだけでなく、「朝起きてコップ1杯の水を飲む」「よく噛んで食べる」「できるだけ決まった時間にトイレに行く」といった生活習慣も、腸内環境を整えるうえで大きな助けになります。
番組の5分の中には入りきらないこうした習慣も、少しずつ足していけば、腸にとって心地よい環境が育っていきます。
まとめ:自分に合う腸もみで「ちょっと元気な明日」へ
「5分であさイチ 腸もみで健康を手に入れる!」は、
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腸が体と心の健康を支える重要な臓器であること
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自律神経と腸内環境が互いに影響し合っていること
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立つ・座る・寝るという3つの場面で、誰でも簡単にできる腸もみがあること
を、コンパクトに伝えてくれる回でした。
忙しい毎日の中で、いきなり大きな運動習慣を作るのは、ハードルが高いかもしれません。
でも、「1日数分、手でお腹にふれるだけ」なら、少し現実味が増してきます。
朝の支度の前に、夜のお風呂の中で、寝る前のひとときに。
どこかのタイミングで、自分の腸に「今日もお疲れさま」と声をかけるような気持ちで、腸もみを取り入れてみる。
その小さな習慣が、便秘や下痢だけでなく、気分や肌の調子まで、じわじわと変えていくきっかけになるかもしれません。
この番組をきっかけに、「腸と仲良く暮らす」という視点で、自分の体と付き合っていけるといいですね。
【あさイチ】腸活でコンプレックス解消!ぽっこりお腹・肌トラブル・便秘・疲れを短鎖脂肪酸と腸もみで改善する新常識【2025年6月30日】
小林弘幸先生について

(画像元:VOICES 小林弘幸/順天堂大学医学部教授 | ZENB イニシアティブ -「食べる」のぜんぶを、あたらしく | ZENB イニシアティブ -「食べる」のぜんぶを、あたらしく)
ここでは、番組でも登場した小林弘幸先生について、少し詳しく紹介します。腸や自律神経の研究で知られる先生は、多くの人の体調づくりを支えてきた存在です。番組の背景をより深く理解するためにも、先生の歩みや実績を知っておくと役に立ちます。
経歴
小林弘幸先生は、順天堂大学医学部を卒業し、その後は同大学院医学研究科で小児外科を専門に学びました。さらに海外でも研修を積み、英国の王立小児病院外科や、アイルランド国立小児病院外科など、複数の医療機関で経験を重ねています。その経験を生かし、帰国後は順天堂大学で講師、助教授、そして教授として教育と研究に携わってきました。現在も大学で研究を続けながら、スポーツドクターとしてアスリートのコンディショニングも支えています。多くの現場で積んだ知識と技術が、小林弘幸先生の大きな強みです。
実績
先生は、日本で初めて“便秘外来”を開設した医師として知られています。腸と自律神経の関係に注目し、長年研究を続けてきました。腸の調子が体と心に深く影響することを医学的に示し、それを日常生活の中でどう整えるかを、多くの人に伝えてきました。また、トップアスリートへの体調管理の指導も行っていて、医療の枠を超えて活躍されています。こうした幅広い実績から、腸と自律神経の第一人者として信頼されています。
代表作
小林弘幸先生は、多くの著書を出版してきました。その中でも代表作とされる一冊が『医者が考案した長生きみそ汁』です。この本では、味噌汁を通して腸と自律神経を整える方法を、わかりやすく解説しています。日常の食卓にある“味噌”という身近な素材を使い、体の調子を整えるヒントが丁寧に紹介されています。生活の中で無理なく取り入れられる工夫が多く、多くの読者に愛されている一冊です。
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