『体をいたわる冬の薬膳 中華風茶わん蒸し』
冬になると冷たい空気と乾燥で体がガクッと疲れやすくなります。そんな季節にぴったりだったのが2025年12月4日のあさイチ「みんな!ゴハンだよ」で紹介された『体をいたわる冬の薬膳 中華風茶わん蒸し』です。
登場したのは料理研究家のパン・ウェイ。中国に伝わる薬膳の考え方を、家庭でも自然に取り入れられる一品として紹介していました。蒸し器を開けた瞬間にふわっと広がる香りと、干しえび・豚肉・野菜のうまみが合わさった湯気に、スタジオでも「いい香り」が漂っていた様子が印象的でした。
長芋、にんじん、しいたけという身近な食材が、冬の体にどう作用するかを踏まえた構成になっていて、「薬膳はむずかしくない、身近な材料でも十分成り立つ」という潘薇さんのメッセージが伝わる内容でした。
冬の乾燥・冷えに合う食材を自然にまとめた一品
この中華風茶わん蒸しは、ただおいしいだけでなく「冬に必要な力を補う」ことを考えて作られています。
長芋は薬膳で“体を潤す”食材として知られ、寒い時期ののどや胃腸のコンディションを助ける存在です。番組では、長芋を最後にのせて軽く蒸しあげることで、ねっとり感が出過ぎず、ホクッとした食感を残す工夫が紹介されていました。
にんじんは皮付きのまま使うことで、持っている香りと力をしっかり活かせます。粘膜を守る働きが期待でき、冬の外気に負けやすい季節と相性の良い食材です。
そしてしいたけ。石づきを取り、縦半分に切るだけで、うまみがより感じられる形になります。番組では、蒸すことで香りが強くなる様子が画面越しにも伝わり、卵を使わないタイプの茶わん蒸しでありながら、満足感を底上げしていました。
さらに豚バラ肉と干しえび。この組み合わせは“体力の補強”になるたんぱく質とうまみの相乗効果が期待でき、干しえびは戻し汁まで使って香りを生かす点が大きなポイントです。
材料(2人分)
| 食材 | 分量 |
|---|---|
| 長芋(皮付き) | 1.5cm(厚みを半分に・輪切り) |
| にんじん(皮付き) | 2cm(縦6等分) |
| ほうれんそう | 2枚(10g・3cm長さ) |
| 生しいたけ | 2枚(石づきを除き縦半分) |
| 豚バラ肉 | 80g(3〜5mmの粗みじん) |
| 干しえび | 5g |
| 水 | 適量 |
| 調味 | 内容 |
|---|---|
| A(混ぜ合わせ) | しょうが小さじ1/2(みじん切り)/紹興酒大さじ1+1/2/しょうゆ大さじ1/2/チキンスープのもと小さじ1/こしょう少々 |
| B(仕上げ) | 刻みのり/クコの実(戻す)/せり 各適量 |
作り方
・干しえびをぬるま湯で30分戻し、みじん切りにする(戻し汁は捨てない)。
・豚バラ肉と干しえびをボウルに入れ、Aを加えてよく混ぜる。
・干しえびの戻し汁に水を足してカップ2/3にし、肉ダネに少しずつ加えてゆるめる。
・耐熱器ににんじん・ほうれんそう・しいたけを入れ、肉ダネを8分目まで注ぐ。
・蒸気の上がった蒸し器に入れ、強めの中火で20分蒸す。
・残り2分になったら長芋をのせて蒸しあげる。
・仕上げに刻みのり、クコの実、せりをのせる。
香り・うまみ・食感の三拍子がそろう
番組では、蒸しあがった瞬間に立ちのぼる香りが特に印象的でした。干しえびの香りがまず広がり、次に豚肉やしいたけの香ばしさが続きます。
肉ダネをゆるく仕上げているので、固く固まるのではなく、具材と一体になったとろみが生まれ、スプーンを入れたときの感触もやわらかです。
長芋はほんの少し蒸すことでシャキッとした軽い食感が残り、しいたけは蒸しながら香りがふくらむので口に入れたときの印象も強いままになります。
にんじんの自然な甘さ、ほうれんそうの緑がアクセントになり、見た目も冬らしい一皿でした。
肉ダネの“ゆるさ”が味の決め手
番組でも強調されていたポイントが、「水分を含ませた肉ダネ」の使い方です。
干しえびの戻し汁を加えることで、ただ蒸すだけで自然なだしが生まれ、塩分に頼りすぎない味作りができます。豚肉が固くなりにくいので、やさしい口当たりになります。
蒸し器がない家庭では、フライパン+ふたを使う方法も紹介されていて、熱のまわり方が変わらず仕上げられる点も特徴でした。
まとめ
『体をいたわる冬の薬膳 中華風茶わん蒸し』は、冬の体に必要な力を自然に補える一品でした。薬膳のイメージよりも手軽で、素材の選び方や蒸し方の工夫がそのまま身体へのやさしさにつながる内容でした。
干しえびの戻し汁を活かす方法、長芋を後のせにする理由、しいたけの香りを引き出す切り方など、実践的なポイントも多く、家庭でも再現しやすい仕上がりになっています。
寒い季節にこそ作りたい一皿として、日々の食卓でも活用できる料理です。
NHK【あさイチ】夏バテ体質別「食べる養生」と薬膳の知恵!胃腸ケアと旬の食材で元気回復(2025年8月25日)
蒸し器がなくても作れる方法を紹介します

『中華風茶わん蒸し』を作るとき、蒸し器が家になくて困ることがあります。そんなときに役立つのが、フライパンと耐熱皿を使った蒸し方です。特別な道具を買わなくても、家にあるものだけで仕上げられるため、料理を始めたばかりの人でも取り入れやすい方法です。実際の蒸し器と同じように蒸気で加熱できるので、薬膳茶わん蒸しのように香りとうまみを大事にした料理にも向いています。
必要な道具
深めのフライパンや鍋と、その中に入る耐熱皿があれば準備ができます。フタはしっかり蒸気が閉じこもるものが望ましいです。茶わん蒸しを入れる器は耐熱のココットや茶碗などで十分で、高さが安定するものを選ぶと作業がしやすくなります。耐熱性が高い皿や容器を使うことで、加熱中に割れたりひびが入る心配が減ります。
基本の蒸し方
フライパンの底に台座にする耐熱皿を置き、その上から数センチの深さになるように水を入れます。火にかけてしっかり沸騰させ、蒸気がしっかり立ち上ってきたら、台座の上に茶わん蒸しの器を置きます。水面より上に器が来ていることが重要で、水に浸かってしまうとうまく蒸気が当たりません。フタを閉めると蒸気が器全体に行きわたり、蒸し器とほとんど変わらない状態が作れます。加熱中は水が減りやすいため、ときどき水の量を確認して不足していれば少し足します。
気をつけたいポイント
蒸している間、フタの内側に水滴がついて落ちることがあります。『中華風茶わん蒸し』のように仕上がりのなめらかさを大事にするときは、水滴が落ちると食感が変わるため、フタの内側に布をはさんで防ぐ方法が役立ちます。また、器の高さがある場合はフタが閉まりにくくなるため、事前にフライパンとの相性を確認することも大切です。安定感のある台座を選ぶことで、蒸している途中にぐらつく心配も少なくなります。
この方法が中華風茶わん蒸しに向いている理由
『中華風茶わん蒸し』は具材と肉ダネを器に入れ、蒸気を使って火を通す料理です。干しえびの戻し汁でつけた香りや、豚肉のうまみを閉じ込めるには蒸気の熱が均一に当たることが欠かせません。フライパンを使った蒸し方でも蒸気が全体に広がり、火の通り方が穏やかで、長芋の食感を残したい仕上げにも合います。長時間の蒸し時間でも温度が安定しやすく、薬膳の食材が持つ力をそのまま引き出せるのが特徴です。
専用の蒸し器がなくても、身近な道具を使えば同じように仕上げられるため、料理に慣れていない人でもすぐに取り入れやすい方法です。蒸し料理がぐっと身近になり、『中華風茶わん蒸し』の魅力をそのまま家庭でも楽しめます。
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