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【あさイチ】古代布『羽越しな布』はなぜ山里で続く?しな織とシナノキ文化を守る関川地区の秘密|2025年12月8日

あさイチ
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『山里に受け継がれる古代布』山形・鶴岡市

山形・鶴岡市の山里で、今も静かに息づく古代の手仕事があります。それが『羽越しな布(しな織)』です。木の皮から繊維を取り出し、糸を紡ぎ、布に仕上げるという独自の技法は、縄文時代から続く貴重な文化です。

山里に残された古代布とはどんなもの?

『羽越しな布』は、山形県鶴岡市・関川地区で作られている伝統的な織物です。素材はシナノキなどの木の皮。樹皮をはいで繊維を取り出し、糸をつくり、ゆっくりと織り上げていきます。自然の素材そのものを生かし、手作業だけで仕上げるため、昔ながらの暮らしと深くつながった文化がそのまま形になった布です。ざっくりとした手触りがありながら、使うほどに柔らかくなり風合いが増すのが特徴で、『古代布』『原始布』と呼ばれる理由がここにあります。

なぜ鶴岡・関川に伝わってきたのか

山間に囲まれた関川地区は、豊かな森林が広がる土地です。この地域にはシナノキが多く自生し、木の皮を暮らしの道具に活用する文化が育ちました。糸づくりから製品化まで全てを手仕事で行う工程は、山里の暮らしそのものが支えてきたものです。都会では途絶えた手仕事が、自然とともにある暮らしの中で守られてきたことが、古代布がここで続いている理由です。

羽越しな布の特徴と魅力

羽越しな布には、今の時代にも響く魅力があります。

・シナノキの繊維を生かした強い耐久性
・軽さがありながら水に強く、昔は袋や漁具としても使われた
・使うほど味わいが深まる経年変化
・自然素材の質感と色合いが現代の暮らしにも馴染む

バッグ、帽子、小物入れ、インテリア雑貨など、現代向けの商品も増えています。サステナブルな素材として注目され、伝統工芸を日常に取り入れたい人に支持されています。

文化としての価値と歴史的背景

羽越しな布は、沖縄の芭蕉布、静岡の葛布と並ぶ『日本三大古代布』のひとつ。木の皮を繊維として使う技法は、自然とともに生きる暮らしを象徴しています。2005年には国の伝統的工芸品に指定され、文化としての価値が再評価されています。古代から続く技術を守るため、地域全体での取り組みが進められていることも大きなポイントです。

課題と継承への取り組み

一方で課題もあります。担い手の高齢化と減少は深刻で、技術の継承が大きなテーマになっています。現在は若い世代への伝承や素材となるシナノキの育成、現代向けデザインの開発など、未来へつなぐ取り組みが続けられています。ワークショップや織り体験などの活動も行われ、観光客が伝統に触れる機会も増えています。

実際に触れられる場所・買える場所

羽越しな布をもっと知りたい人には、鶴岡市のしな織センターがおすすめです。製品の購入や製作工程の見学のほか、体験ができる場合もあります。現地ならではの空気の中で古代布に触れることで、布の持つ力や山里の文化をより深く感じられます。

なぜ今「古代布」に注目が集まるのか

現代の暮らしでは、『自然素材』『手仕事』『長く使える』『サステナブル』といった価値が強く求められています。羽越しな布は、そのすべてを満たす存在です。木の皮から作られるという唯一無二の素材感は、量産品には出せない魅力があります。使うほどに変化し、持ち主の生活に寄り添って育つ布として、今あらためて注目されているのです。

まとめ

山形・鶴岡市の山里に受け継がれる羽越しな布は、自然と暮らしが重なり合って生まれた古代の技術です。手仕事が生み出す唯一無二の風合い、木の繊維が持つ強さと美しさ、そして現代にも活かされるデザイン。そのすべてが時代を超えて魅力を放っています。

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羽越しな布が現代ファッションでどう使われているか

しげゆき
しげゆき

山形県鶴岡市を中心に受け継がれてきた羽越しな布は、木の皮から糸をつくるという珍しい技法で生まれる“古代布”です。自然素材の力強さと、手仕事ならではのあたたかい表情が重なり、今のファッションの世界で新しい価値を生み出しています。ここでは、羽越しな布がどのように現代の暮らしに取り入れられているのかを紹介します。

バッグや小物として広がるしな布アイテム

羽越しな布は、もともと水に強く丈夫な素材として使われてきました。この特徴を生かし、今ではトートバッグやショルダーバッグなど、毎日の服に合わせやすいアイテムが多く作られています。しな布の軽さと耐久性は普段使いにぴったりで、使うほど柔らかくなって手に馴染むのも魅力です。財布やポーチなどの小物は、木の皮特有の凹凸が表情となり、同じ模様が二つとない特別感があります。自然素材の落ち着いた色合いは洋服とも相性が良く、アクセントとしても使いやすいです。

洋服の一部として取り入れられる新しいデザイン

最近は、羽越しな布を洋服の一部に取り入れる試みも増えています。ジャケットの一部に使ったり、切り替えとしてポイントを作ることで、布本来の存在感を引き立てるデザインが広がっています。しな布の素朴さとモダンさの両立は、他にはない個性を生み出し、自然素材を楽しみたい人にも支持されています。古い技法で作られた布が、現代の服に組み合わさることで新しい魅力が生まれています。

手作業だからこそ生まれる“一点もの”の価値

羽越しな布は、糸にする前の皮をはいで繊維を取り出すところからすべて手作業で進み、完成までに長い時間がかかります。そのぶん、同じように見えるバッグでも表情が少しずつ違います。自然の素材と職人の手で生まれる布には、大量生産では味わえない“たったひとつ”の魅力があります。長く使うほど風合いが変わり、自分だけのアイテムに育つところも人気の理由です。

サステナブル素材として注目される理由

羽越しな布は木の命を奪わず、表皮をいただいてつくられる素材です。自然に寄り添うものづくりは、環境への負担が小さいことから、今の時代の価値観にも合っています。さらに、しな布はとても丈夫で長く使えるため、使い続けるほど環境にやさしい選択にもなります。新しいものをすぐ買い替えるのではなく、一つを大切に育てる楽しさを感じられる素材です。

文化を身にまとうという特別な意味

羽越しな布を取り入れることは、ただアイテムを選ぶだけではありません。山里で続いてきた暮らしや自然との関わり、受け継がれた技術がその布の中に息づいています。しな布を身につけることは、地域の文化や歴史を日常の中で大事にする行為でもあります。ものづくりの背景にあるストーリーまで感じられる点が、多くの人を引きつけています。


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