便や腸のトラブル「ストレスが大敵!過敏性腸症候群」
おなかの調子が悪い日が続くと、仕事や学校、外出そのものが不安になります。検査では異常がないと言われても、腹痛や下痢、便秘がくり返されると、気持ちまで沈みがちになります。
このページでは「このページでは『きょうの健康 選 便や腸のトラブル「ストレスが大敵!過敏性腸症候群」(2025年12月24日放送予定)』の内容を分かりやすくまとめています。」
放送前の時点で公表されている番組概要をもとに、『過敏性腸症候群』とはどんな病気なのか、症状のタイプ、検査や治療、生活の工夫までを整理しています。
過敏性腸症候群とはどんな病気か
過敏性腸症候群は、腸に腫瘍や炎症といったはっきりした異常が見つからないにもかかわらず、腹痛や便通の異常が長く続く病気です。見た目や検査の数値では問題がないのに、日常生活に支障が出る点が大きな特徴です。腸の動きをコントロールする神経が過敏になり、わずかな刺激でも痛みや下痢、便秘として現れます。
20〜40歳代の働き盛りに多く、男性より女性に多いとされています。仕事や家庭での緊張、生活リズムの乱れなどが重なることで症状が悪化しやすく、ストレスとの関係が深い病気です。命に関わる病気ではありませんが、「いつ症状が出るか分からない」という不安が積み重なり、生活の質を下げてしまうことがあります。
症状の特徴と3つのタイプ
過敏性腸症候群の症状は、人によって現れ方が異なります。共通して多いのは、腹痛やおなかの違和感、張った感じ、ガスがたまりやすい感覚です。これに加えて、下痢や便秘といった便通の変化が繰り返し起こります。
下痢型は、急な腹痛とともに下痢が起こりやすく、外出中や仕事中に強い不安を感じやすいタイプです。トイレの場所が気になり、行動範囲が狭くなることもあります。
便秘型は、便が出にくく、おなかが重い状態が続きやすいタイプです。数日出ないこともあり、食後の不快感や張りを強く感じる人もいます。
混合型は、下痢と便秘が交互に起こり、体調の波が読みづらいのが特徴です。同じ人でも時期によって症状が変わるため、対処が難しいと感じやすくなります。
番組では、こうしたタイプ分けが治療や生活の工夫を考えるうえで大切な視点として紹介されます。
医療機関で行われる検査と診断の流れ
過敏性腸症候群は、他の病気が隠れていないことを確認したうえで診断されます。医療機関では、まず症状の出方や続いている期間、生活状況について詳しく確認します。その後、必要に応じて血液検査や便検査を行い、体の中で炎症が起きていないかを調べます。
さらに、症状や年齢によっては大腸内視鏡検査などが行われ、腫瘍や炎症などの器質的な病気がないことを確認します。これらの検査で大きな異常が見つからず、症状の特徴が診断基準に合っている場合に、過敏性腸症候群と判断されます。
番組では、検査の目的を知ることで、不安を抱えすぎずに受診することの大切さも伝えられる予定です。
タイプ別に行われる薬物療法
過敏性腸症候群の治療では、症状のタイプに合わせた薬の使い分けが行われます。
下痢型では、腸の動きが過剰になりすぎないよう調整する薬や、下痢を抑える薬が用いられることがあります。急な症状を和らげることで、外出時の不安を減らす目的もあります。
便秘型では、便をやわらかくする薬や、腸の動きを助ける薬が選ばれます。無理に出そうとするのではなく、自然なリズムを取り戻すことが重視されます。
腹痛や不快感が強い場合には、腸の緊張を和らげる薬や、不安感を軽くする薬が検討されることもあります。また、腸内環境を整える目的で『プロバイオティクス』が使われる場合もあります。
番組では、薬は症状を支える手段の一つであり、生活全体と組み合わせて考えることが重要だと解説されます。
生活改善・運動療法・心理療法の考え方
過敏性腸症候群では、生活の見直しが症状の安定につながります。食事の時間をなるべく一定にすることや、刺激の強い食べ物、脂っこい食事、過度なアルコールを控えることは、腸への負担を減らします。
軽い運動も大切です。ウォーキングやストレッチなど、続けやすい動きは腸の動きを助け、気分転換にもなります。体を動かすことで、緊張がほぐれやすくなります。
また、ストレスとの関係が深いため、心理的なアプローチも重要です。考え方のクセを見直したり、リラックスする方法を身につけたりすることで、症状の悪循環を断ち切る助けになることがあります。
番組では、生活改善、運動療法、心理療法を組み合わせることで、日常生活を少しずつ楽にしていく考え方が紹介される予定です。
まとめ
『過敏性腸症候群』は、目に見える異常がなくても、つらい症状が続く病気です。下痢型、便秘型、混合型というタイプを知り、検査や治療、生活の工夫を重ねることで、症状と向き合いやすくなります。
12月24日放送予定の「きょうの健康 選」では、短い放送時間の中で、ストレスとの関係を軸にした実践的な考え方が解説される予定です。
Eテレ【きょうの健康】便や腸のトラブル 便失禁2 ライフスタイルをとり戻す治療法|便失禁治療法最新・便失禁診療ガイドライン2024・自宅でできる治療・仙骨神経刺激療法|2025年12月23日
受診のきっかけになりやすい症状チェック

ここでは、番組内容をふまえつつ、受診を考える目安になりやすい症状について補足します。おなかの不調は我慢してしまいがちですが、体からのサインを整理して見ていくことで、自分の状態を客観的に知る手がかりになります。
腹痛やおなかの違和感の出方
腹痛やおなかの不快感がくり返し起こることは、受診を考える大きなポイントです。毎日のようにおなかが痛くなる、グルグル鳴る、張った感じが続くなど、軽い症状でも積み重なると生活に影響します。特に、食後や排便の前後に痛みが出やすい場合や、排便すると一時的に楽になるような状態が続いているときは、体のリズムが乱れている可能性があります。痛みが数日で治まらず、何週間も続く場合は、様子見だけで終わらせないことが大切です。
便の状態と排便のリズム
便の状態が安定しないことも重要なサインです。下痢が続く、便秘が続く、日によって便の形や回数が大きく変わるなど、排便のリズムが乱れている状態が続く場合は注意が必要です。便秘で数日出ない日がある一方、急に下痢になることをくり返す場合もあります。また、排便後にスッキリしない感覚が残ることや、トイレに行く回数が極端に増えたり減ったりすることも、体からの分かりやすい合図です。
日常生活への影響の広がり
生活への影響が出ているかどうかは、受診を考えるうえでとても大切な視点です。外出先でトイレの場所が気になって落ち着かない、通勤や通学中に不安が強くなる、仕事や家事に集中しにくくなるなど、症状が行動を制限している場合は、体と心の両方に負担がかかっています。緊張やストレスがかかる場面で症状が強く出ると感じるときも、無理を続けないことが重要です。日常の中で「前と同じように過ごせなくなってきた」と感じたときは、受診を考える十分なきっかけになります。
気になるNHKをもっと見る
購読すると最新の投稿がメールで送信されます。


コメント