首の痛みは本当に「首」のせい?誤解だらけのトリセツから見えた答え
このページでは『あしたが変わるトリセツショー(2025年9月4日放送)』の内容をもとに、スマホ時代に急増した首の痛みやコリについて、なぜ誤解が広がったのか、そして何を見直せば楽になるのかを追っていきます。
『首の痛み』『ストレートネック』『スマホ首』といった言葉が当たり前になった今こそ、思い込みを一度リセットし、体のしくみから考えることが大切です。番組で紹介された研究やエクササイズを通して、「首を守る本当の考え方」が見えてきます。
首の痛みはなぜ増えた?スマホ時代のよくある誤解
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首の痛みやコリに悩む人は、番組の中で「7割もの人が一度は経験している」と紹介されました。
それだけ多くの人が感じている背景として挙げられたのが、スマホやパソコンを見る時間の長さです。日常生活の中で、画面をのぞき込む姿勢が当たり前になり、気づかないうちに首へ負担が積み重なっています。
こうした状況の中で広がった大きな誤解が、
「首が痛い=首の骨の形が悪い」
という考え方です。
スマホを見る姿勢が原因だと言われるようになり、『スマホ首』や『ストレートネック』という言葉が一気に広まりました。その結果、首に違和感が出ると、「もう首の形が崩れてしまった」「骨が悪いから仕方がない」と思い込む人が増えていきました。
しかし番組は、こうした単純な決めつけに対して、はっきりと疑問を投げかけます。
実際には、首に痛みが出ている人すべてが、同じ首の形をしているわけではありません。見た目がストレートでも痛みがない人がいれば、カーブがあってもコリや痛みを感じる人もいます。
つまり、首の不調を「形」だけで説明することには無理があるということです。
番組はここから、首の痛みやコリの本当の原因は、もっと別のところにある可能性が高いと示していきます。首そのものを責めるのではなく、日常の姿勢や体の使い方に目を向ける必要がある、という流れがこのパートで強調されていました。
ストレートネックは悪者なのか?700人解析が示したポイント
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番組の中心となったのが、『ストレートネック=悪』という常識を見直すというテーマです。
首がまっすぐに見えるだけで「もう治らない」「痛みの原因はこれだ」と決めつけてしまう風潮に、番組は正面から切り込みました。
番組内で紹介されたのが、弘前大学医学部附属病院の熊谷医師らによる研究です。
この研究では、約700人分の首の状態を解析し、首の形と痛みの関係を詳しく調べています。
調査では、首が前にゆるやかにカーブしている「前弯タイプ」と、首の骨が比較的まっすぐに見える「ストレートタイプ」に分け、
過去1年間に首の痛みを感じた人の割合を比較しました。
その結果、両者の割合はほぼ同じだったと番組で紹介されました。
このデータがはっきり示しているのは、
首の形そのものが、痛みの有無を決めているわけではない
という事実です。
見た目がストレートだから痛い、カーブがあるから安心、という単純な話ではないことが、数字として示されました。
さらに番組には、東京医科大学の遠藤教授も登場しています。
遠藤教授は、「ストレートネック自体は悪者ではない」と明言しました。
ただし、ここで話は終わりません。
遠藤教授は、専門家があえて「ストレートネック」というインパクトのある言葉を使ってきた理由にも触れています。
それは、首の形を責めるためではなく、
前かがみの姿勢や頭の位置に気づいてほしい
というメッセージを伝えるためでした。
首がまっすぐでも、姿勢が良ければ問題にならないことがあります。
逆に、首にカーブがあっても、頭が前に突き出た姿勢が続けば、首や肩に大きな負担がかかります。
番組はこの点を強調し、本当に見るべきなのは「形」ではなく「使い方」だと伝えていました。
ストレートネックという言葉に振り回されるのではなく、
自分の姿勢や体のバランスをどう保っているか
そこに目を向けることが、首の痛みを考える第一歩だと、番組は静かに示していました。
本当の問題は首の形より頭が前に出る姿勢と負荷
では、何が首の痛みやコリを引き起こしているのか。
番組が示した答えは、意外なほどシンプルでした。
問題になるのは、『頭が前に出た姿勢』です。
スマホやパソコンを見るとき、無意識のうちに顔だけが前へ突き出し、体よりも頭が先に出た状態になりやすくなります。この姿勢が続くと、首は本来の役割以上の仕事をさせられます。
人の頭は想像以上に重く、その重さを支えているのが、首の後ろ側にある筋肉です。
前かがみの姿勢になるほど、頭の重みはテコのように首にのしかかり、首の後ろの筋肉に大きな負担がかかります。
この状態が長時間続くことで、筋肉は休む暇を失い、疲れがたまり、やがて痛みやコリとして表に出てきます。
ここで番組が強調していたのが、
首のカーブがどう見えるかより、「今どんな姿勢で頭を支えているか」が重要
という視点です。
首がまっすぐに見えても、頭と体の位置関係が整っていれば、負担は大きくなりません。逆に、カーブがあっても、頭が前に出た姿勢が続けば、首は常に引っ張られた状態になります。
番組では、『ストレートネック』という言葉が独り歩きしている現状にも触れられました。
言葉のインパクトが強いため、首の形ばかりに注目が集まり、本来見るべき姿勢や体の使い方が見えにくくなっているという指摘です。
大切なのは、首を責めることではありません。
見るべきなのは、頭と体のバランスです。
番組には、首の痛みを考えるときは、首単体ではなく、姿勢全体の中で首がどう使われているかを見直す必要がある、というメッセージが込められていました。
世界で注目のゼロ感覚チンノッドとは?深層筋に効く理由
もう一つの大きな見どころが、『チンノッド』と呼ばれるエクササイズです。
番組では、この方法が首の痛み対策の発想を大きく変える存在として紹介されました。
チンノッドとは「うなずき」を意味する言葉で、首を大きく回したり、強く伸ばしたりする動きではありません。
動作はとても小さく、外から見ても「本当に効いているのか分からない」ほど控えめです。
それでも効果が期待されている点が、このエクササイズの特徴です。
番組では、オーストラリアの複数のクリニックで行われている方法として紹介され、背景にはクイーンズランド大学の名誉教授が関わった研究があると伝えられました。
医療やリハビリの現場で使われていることから、流行りの体操ではなく、体の仕組みに基づいた考え方であることが強調されています。
チンノッド最大の特徴は、『痛気持ちいい』対策とは真逆だという点です。
揉む、叩く、強く伸ばすといった刺激はほとんどなく、本人の感覚としては「ほぼ刺激を感じない」動きになります。
それでも狙っているのは、首の奥深くにある『深層筋』です。
この深層筋は、頭を正しい位置で支える役割を担っています。
番組では、首に痛みやコリを抱えている人ほど、深層筋の持久力や働きが低下している可能性が高いと説明されました。
表面の筋肉ばかりが頑張り続け、支える役の筋肉がうまく使われていない状態が、痛みにつながるという考え方です。
チンノッドは、うなずくようなごく小さな動きで、この深層筋に刺激を入れていきます。
強く動かさず、無理もかけないことで、眠っていた支える力を少しずつ呼び戻す発想です。
番組では、「首を攻めない」という考え方そのものが新しいと紹介されました。
強く揉んだり叩いたりするほど効く、という常識から離れ、
小さな動きで支える力を整える。
この真逆のアプローチこそが、チンノッドが世界で注目されている理由として、番組の中で語られていました。
5週間で何が変わる?首の可動域・姿勢の変化と続け方のコツ
番組では、首の痛みやコリに悩む8人に対して、『チンノッド』のやり方を伝え、5週間続けてもらう検証が行われました。
特別な器具は使わず、日常の中で取り入れられる動きだけを続けた点が、この検証の大きな特徴です。
その結果として紹介されたのが、首の動く範囲が広がったことでした。
左右を向いたり、上下に動かしたりする動作がスムーズになり、首が回しやすくなった様子が映像でも確認されていました。
さらに、ただ動きやすくなっただけでなく、姿勢そのものに変化が見られたことも印象的でした。
検証の中では、無意識のうちに前へ出ていた頭の位置が自然に戻る様子が映し出されました。
首を引っ張ったり、無理に矯正したりしたわけではありません。
支える力が働き始めたことで、体が自分でバランスを取り直しているような変化でした。
ここで番組が強く伝えていたのが、「派手なことをしない」ことの価値です。
動きは小さく、強い刺激もほとんどありません。
それでも、短時間でできるからこそ、毎日の生活の中に無理なく組み込めます。
首の痛み対策というと、つい強く揉んだり、即効性を求めたりしがちです。
しかし番組は、首を無理にいじめるのではなく、支える力を少しずつ取り戻すという考え方を示しました。
その積み重ねが、5週間という時間をかけて、動きや姿勢の変化につながっていったのです。
番組の締めくくりで伝えられていたのは、
「続けられるシンプルさ」こそが最大の強みだという点でした。
劇的な動きではなく、続けることで体が応えてくる。
チンノッドの検証結果は、首の痛みやコリに向き合う新しい視点を、静かに示していました。
まとめ
『あしたが変わるトリセツショー』が示したのは、首の痛みを「形」だけで判断しないことの大切さです。
『ストレートネック』は悪者ではなく、痛みの正体は『頭が前に出る姿勢』とそこにかかる負荷でした。そして、その負荷を支える力を取り戻す方法として、『チンノッド』というシンプルなエクササイズが紹介されました。
首を怖がりすぎず、正しく向き合うことで、体は少しずつ変わっていきます。番組の内容は、首の痛みやコリに悩む人にとって、考え方を切り替えるきっかけになる回でした。
【明日から使える たちまち美姿勢(5)】頸部×首筋スラリ|スマホ首改善と美姿勢を叶える首筋エクササイズ×目の動き|2025年12月29日
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