人と暮らしに導かれる、さぬき市のお遍路旅
このページでは『鶴瓶の家族に乾杯(2026年1月12日放送)』の内容を分かりやすくまとめています。
香川県さぬき市を舞台に描かれたのは、観光地を巡る旅ではなく、人の暮らしに自然と入り込んでいく時間でした。うどんをきっかけに始まる会話、お遍路で交わされる言葉、港や町角でふと生まれる出会い。その一つ一つが、この土地の空気を静かに浮かび上がらせます。
派手な出来事はなくても、人と人の距離が近いからこそ見えてくる景色があります。そんな“さぬき市の日常”に寄り添った回でした。
大窪寺でお参り、お遍路の入口
松山ケンイチさんの旅は、大窪寺から始まります。ここは四国八十八ヶ所霊場の第88番札所であり、巡礼を締めくくる「結願の寺」として知られる場所です。山あいにたたずむ境内に足を踏み入れた瞬間、お遍路という文化の重みが、静かに伝わってきます。
創建は奈良時代の養老元年とされ、長い年月をかけて祈りが積み重ねられてきました。本堂や大師堂に加え、堂内でお砂踏みができる点も、この寺ならではの特徴です。形だけではなく、行為そのものが意味を持つ場所だと分かります。
番組で印象的なのは、ここが観光名所としてではなく、「初めてのお遍路を体で理解する入口」として描かれていることです。お参りの所作、御朱印の意味、巡礼に使う道具の話題が、すべてこの場所を起点に自然と広がっていきます。
さぬき市多和の山中にある大窪寺は、信仰と日常の境目に立つ場所として、この旅の方向性をはっきりと定めています。
八十八庵でカレー打ち込みうどん
お参りを終えた足が、そのまま向かう先が八十八庵です。大窪寺の門前に店を構えるこのうどん店は、「祈る」と「食べる」が自然につながる場所として、この旅の流れを決定づけます。さぬき市らしい動線が、ここにははっきりとあります。
松山ケンイチさんが選んだのは、カレー打ち込みうどん。鍋で煮込む讃岐の郷土的な食べ方で、体の芯から温まる一杯です。八十八庵では、豚肉入りやオリーブ牛肉入りなどのバリエーションも用意され、土地の食材と食文化が重なります。
さらにこの店は、香川県産小麦「さぬきの夢」と、大窪寺裏山の湧水を使うことを公式に掲げています。素材も水も、この場所から離れていません。門前のうどんとしての説得力が、器の中にそのまま表れています。
印象的なのは、食事が会話の入口になっていることです。味の感想から、店の人の暮らしや夫婦の関係、日々の営みへと話題が広がっていきます。八十八庵は、うどんを通して人と人をつなぐ、この番組らしさが最も濃く表れた場所です。
津田町のしらす現場 木村海産
鶴瓶さん側の柱は「家族で経営する水産会社」と「初物しらす」です。この訪問先として特定できるのが木村海産です。公式サイトで所在地が「香川県さぬき市津田町鶴羽778-33」、電話番号も公開されています。
番組メモにあるように、採れたてのしらすを積んで社長が戻ってくるタイミング、そこでの話、そして“しらすをごちそうになる”という流れは、加工・販売の現場だからこそ絵になります。
この回の肝は、しらすそのものよりも「家族で回す仕事の温度」です。夫婦の出会い話、仕事の区切りで社長に聞く流れは、港町の働き方と暮らしが一体になっていることを強く印象づけます。
補足として、津田町鶴羽には「じゃこ丸海産」など関連会社の情報も公表されていて、しらすの産地・加工の集積がある地域性も読み取れます。
長尾寺で御朱印、寺の家族と交流
松山ケンイチさんが次に向かったのが、長尾寺です。ここは四国八十八ヶ所霊場の第87番札所で、さぬき市の町中にある札所として知られています。山寺とは違い、暮らしのすぐそばに信仰がある。その立ち位置が、この旅の空気を大きく変えます。
松山さんはここで御朱印をいただき、手を合わせる所作を一つ一つ確かめていきます。初めてのお遍路だからこそ、形式ではなく意味を受け取りながら進む姿が印象的です。
番組では、寺の庭でのフリースロー対決や、思いがけず現れたヤギとのやりとりなど、肩の力が抜ける場面も描かれました。これらは公式資料で裏付けられる事実ではありませんが、番組内の出来事として、長尾寺が人の生活と地続きであることを強く印象づけます。
街の中の札所として開かれた長尾寺は、お遍路を特別な修行ではなく、日常の延長として感じさせる場所です。この旅において、信仰と暮らしが自然に交わる象徴的な舞台になっています。
志度の町歩きと出会い(同い年トーク・帽子の話)
鶴瓶さんの足取りが向かったのは、志度の住宅地です。歩いても歩いても人影がなく、静まり返った町に、少しだけ緊張が走ります。この「誰にも会えない時間」こそが、鶴瓶の家族に乾杯らしい間の取り方です。
やがて生まれる出会いは、特別な場所ではなく、ごく普通の暮らしの中から現れます。同い年という偶然が会話の扉を開き、仕事や人生の話へと自然に話題が広がっていきます。帽子をめぐる話も、職業や肩書きより、その人が歩んできた時間そのものを感じさせるものでした。
このパートで大切なのは、場所や店を特定することではありません。人と人が向き合った瞬間そのものが主役です。静かな町角で交わされた言葉が、志度という土地の温度を、確かに伝えています。
障がい者支援の農場と、風月堂の和菓子
旅の終盤で松山ケンイチさんが向かったのは、食べる側ではなく育てる現場でした。八十八庵の紹介で訪れたのは、番組で紹介された障がい者支援の農場です。ここでは、障がいのある人や高齢者が無理なく関われるよう、畑の棚の高さや作業動線に工夫が重ねられています。
星型の断面になるきゅうりや、「芽かき」といった農作業の話から伝わってくるのは、効率よりも続けられる形を大切にしている姿勢です。松山さん自身が農業に関わっているからこそ、作る側の思いや工夫に深く共感していきます。
一方、鶴瓶さんが訪れたのが、老舗和菓子店の風月堂 志度本店です。昭和初期から続く店で、平賀源内ゆかりの和菓子を今も作り続けています。代々受け継がれてきた味と歴史が、町の記憶として静かに残っています。
農場の今と和菓子屋の歴史。この二つが並ぶことで、さぬき市の暮らしが一方向ではなく、幾層にも重なって続いていることが、はっきりと浮かび上がります。
まとめ
さぬき市の旅は、名所を巡るための旅ではありませんでした。大窪寺から始まるお遍路、門前のうどん、港のしらすの現場、町中の札所や住宅地での出会い、そして畑と和菓子屋へ。どの場面にも共通していたのは、人の暮らしがそのまま映し出されていたことです。食べる、働く、祈る、育てる。その一つ一つが切れ目なくつながり、町の姿を形づくっています。人に導かれ、人を知ることで見えてくるさぬき市の日常が、静かに心に残る回でした。
【鶴瓶の家族に乾杯】松山ケンイチ香川県さぬき市でお遍路めぐり!鶴瓶×しらす
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