津田の松原と海辺の空気
津田の松原は、さぬき市の空気感を一瞬で伝える象徴的な場所です。海沿いに続く松林と、視界いっぱいに広がる瀬戸内の水平線。その組み合わせだけで、この町がもつ穏やかさと開放感がはっきりと伝わってきます。
観光案内でも定番として紹介されている景勝地で、入園は自由。JR讃岐津田駅から歩いて行ける距離にあり、車でも無理なく立ち寄れる場所です。
番組のオープニングで映し出される津田の松原は、ただの名所紹介ではありません。松林の向こうに海がきらめき、風の音が想像できることで、「ここはどんな人たちが暮らす町なのか」という物語の入口になります。
すぐ近くには道の駅「津田の松原」もあり、観光物産センターや広い駐車場が整っています。旅の始まりにふさわしいこの海辺の風景が、さぬき市の一日を自然にスタートさせてくれます。
石清水神社と“お世話好き”の案内人
旅の流れを大きく変えたのが、石清水神社での思いがけない出会いです。さぬき市の町歩きの途中、プードルを連れた男性が自然に声をかけ、迷いなく神社へと案内していきます。その様子から、この土地では「人が人を導く」ことが日常なのだと伝わってきます。
案内された神社は、地元では「津田神社」「石清水神社」とも呼ばれる場所で、地域の信仰と暮らしが重なってきた存在です。さらに語られるのが、宮司がかつて英語の先生だったという話。肩書きよりも人柄が先に立つ、この町らしいエピソードです。
ここで大切なのは、神社の由緒を細かく説明することではありません。偶然の出会いが、そのまま土地の歴史や人の背景へとつながっていく流れそのものです。
石清水神社は、観光名所としてではなく、人と人が自然につながる舞台として、この旅の印象を深く刻み込みます。
ログハウスのスイーツ店で一息
歩き続けた旅の途中で、空気がふっとやわらぐ場面が訪れます。それが、ログハウス造りのスイーツカフェ クイールです。さぬき市の津田エリアにたたずむこの店は、木のぬくもりがそのまま伝わる外観で、立ち止まった瞬間に時間の流れが少し変わります。
番組では「スイーツを求めて」という自然な流れの中で登場し、歩き回った体と心をそっと休ませる役割を果たします。店の場所や基本情報は整理されていて、地元の人にとっても観光客にとっても、立ち寄りやすい存在であることが分かります。
とくに印象的なのは、「イギリス」と「スイーツ」というキーワードが、このログハウスの空気感と重なる点です。異国の雰囲気を感じさせながらも、どこか素朴で落ち着く。そのバランスが、旅番組の場面転換として強く効いています。
甘いものを口にする時間が、次の出会いへ向かうための静かな助走になっています。
道の駅と竹のまちの工芸
甘い時間のあとは、町の“手の跡”に触れる流れへと進みます。立ち寄ったのが、道の駅ながおです。ここはさぬき市の暮らしがそのまま並ぶ場所で、地元野菜やお米と並んで、手作りの工芸品が自然に目に入ってきます。
中でも印象的なのが、竹を使った品々です。長尾エリアは古くから良質な竹が取れる土地として知られ、竹細工の文化が受け継がれてきました。派手さはなくても、日々の暮らしの中で磨かれてきた技と感覚が、形として並びます。
番組の流れに沿って見ると、この道の駅は「さぬき市って、どんな町なのか」を一気に理解させてくれる場所です。食べ物だけでなく、道具や工芸にまで目を向けることで、旅は観光から生活へと深く踏み込んでいきます。
道の駅ながおは、短い立ち寄りでも土地の個性を濃く感じさせる、旅の密度を高める要所になっています。
うどんと“お遍路入門”(逆打ちの話)
町を歩いていると、自然に引き寄せられるのがうどんです。鶴瓶さんが立ち寄ったのは、セルフ形式の松乃家生麺。さぬき市らしい日常のうどん店で、特別な演出はなくても、地元の食文化がそのまま伝わってきます。
その流れから語られるのが、お遍路入門の話です。今回は「逆打ち」という言葉が印象的に登場します。四国遍路では、通常と逆に88番から巡る逆打ちは、閏年に行うとご利益が大きいとされ、順打ちの3倍とも言われてきました。
舞台となる大窪寺は、四国八十八ヶ所霊場の第88番札所であり、巡礼を終える“結願の寺”です。創建は奈良時代とされ、長い歴史の重みが、初めてのお遍路にも静かな説得力を与えます。
うどんという日常から信仰という非日常へ。その切り替わりがとても自然で、さぬき市という土地が持つ懐の深さを、はっきりと感じさせる場面になっています。
港のインスタライブとしらす屋さん
旅の終盤で映し出されるのは、港の空気と人のにぎわいです。鶴瓶さんが出会った「インスタライブを終えたばかり」という人たちの場面は、港とSNSが自然につながる、今のさぬき市らしい一瞬として印象に残ります。整理情報では、この流れがじゃこ丸劇場の文脈に重なり、発信の拠点として港が機能している様子が見えてきます。
そのまま足を運んだのが、にぎやかなしらす屋さんです。登場するのは、しらす加工を手がける木村海産。ちょうど初炊きの生しらすが入るタイミングで、現場には活気が満ちています。
ここで強く伝わるのは、食そのものだけではありません。仕事場でありながら笑いがあり、忘年会では従業員が芸を披露するというエピソードから、人の距離が近い現場であることがはっきりと分かります。
港の開放感としらすの現場の熱。この二つが重なることで、さぬき市の旅は「場所を見る」から「人を知る」へと、静かに着地していきます。
まとめ
さぬき市の旅は、名所を巡るだけの旅ではありませんでした。海辺の松原から始まり、神社での偶然の出会い、甘いスイーツでのひと休み、竹細工に触れる道の駅、うどんとお遍路、そして港としらすの現場へ。歩くたびに人とつながり、その土地の日常が少しずつ見えてきます。何気ない会話や仕事の風景こそが、この町のいちばんの魅力であり、旅の記憶として静かに心に残ります。
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