わたしの台所から始まる小さな物語たち
このページでは『あさイチ(2026年1月21日)』の内容を分かりやすくまとめています。
花ひとつ、器ひとつ、湯気の立つ鍋ひとつ。その、小さな選択が人生をそっと支えてくれることがあります。40代・50代の女性たちが語った台所の物語、絵本作家 五味太郎 さんが描き続けた自由な世界、そして川湯温泉の息づかいと 鶏すき煮 の温かさ。
暮らしの中にある“自分を取り戻す場所”が、今日の物語の中心に静かに息づいていました。
わたしの台所物語・40代ママが見つけた「自分の居場所」
40代の元小学校教員・徳田佳那さんは、夫と3人の子どもと暮らす5人家族です。忙しい日々のなかで「教員なのに育児も料理もちゃんとできない」と自分を追い込み、心と体の限界を超えてしまいました。職場で倒れ、適応障害・不安障害・パニック障害の診断を受けた経験は、彼女の価値観を大きく揺さぶりました。
医師に「自分を褒めてください」と言われても、何を褒めればいいかわからないほど、心は疲れ切っていました。そんなとき、近所の花屋で出会ったトルコギキョウが人生の小さな転機になります。初めて“自分のためだけに”花を買った瞬間、心にスッと風が通り抜けるような感覚があったといいます。
退職し、家で過ごす時間が増えた今、徳田さんにとって台所は“家事の場所”を超えて、自分を取り戻すための心の避難場所です。好きな花を飾り、動作を減らすために箸をセルフ形式で取りやすく配置して、小さなストレスを減らす工夫を続けています。「教師だから一汁三菜を用意しなければ」という完璧主義も手放し、今は“今日の自分にできること”を大切にしています。
最近は、汁物を分けてくれる店を見つけて助けを借りたり、自治体の育児支援を活用したりしながら、自分を責めない暮らしへゆっくり移行しています。台所では花とアロマキャンドルを手作りする時間も持つようになり、小さな“自分自身の回復”が確実に進んでいることが番組から伝わってきました。
京都・50代ひとり親世代の小さな台所 エンゲル係数100の食卓
京都の築62年の家に住む池澤由香里さん(53歳)の台所は、豪華さこそありませんが、暮らしへの誇りと知恵がぎゅっと詰まった場所です。25年間使い続けてきた台所で、離婚後は就職して独立した長男と別々に暮らし、次男と2人暮らし。決して収入に余裕があるわけではないのに「エンゲル係数100でいいんです」と笑顔で言い切るほど、食を最優先にしています。
介護福祉士として働き、生活リズムの合わない次男のために作り置きを準備し、別々でごはんを食べる生活を10年以上続けてきました。2人の子どもはいずれも不登校を経験しており、池澤さんが台所に立ち続けた理由には「しんどくても食べていれば明日は来る」という揺るがない信念があります。
休日は必ず食材の買い物。京都のお寺で開催される手づくり市に通い、ハンドメイドケーキと琵琶湖産の佃煮を“いつもの人”から買う習慣を続けています。それは単なる買い物ではなく、「この味を家に持ち帰りたい」という気持ちと、人とのつながりを確かめる行為に近いものです。
調理家電や食材にもこだわりがあり、池澤さんにとって台所は“家族を支え続けた場所”であると同時に、自分自身の誇りが宿る場所でもあります。番組では、淡々と続けてきた日常の積み重ねこそが、家庭を支えてきた大きな力なのだと強く伝わってきました。
渡辺満里奈さんの台所 自分らしさを守る収納術と暮らしの哲学
スタジオでVTRを見た渡辺満里奈さんは、徳田さん・池澤さん両者に深く共感し、思わず涙を見せていました。経済的な豊かさよりも“心の豊かさ”を大切にする生き方が胸に刺さったと語ります。
番組では渡辺さん自身の台所も紹介されました。オープンキッチンを避けつつ、孤立しないためにダイニングと“窓でつながる”設計にしている点は、彼女なりのベストバランスです。「表に出すと際限なく出してしまう」という自分の性格を理解しているからこそ、収納場所を明確に決め、散らかりにくい仕組みを最初から整えていることも印象的でした。
さらに、夫婦ともにコーヒーは飲まず、毎朝銅製の鍋でミルクティーをいれる習慣も紹介されました。手間はかかるけれど、その一杯が家族の心のリズムを整えているといいます。
エッセイストの大平一枝さんは、「塩・砂糖・油の置き方ひとつにも台所の物語が見える」と語り、家事動線のこだわりは、その人の生き方そのものなのだと解説。宮本亞門さんは「日本人はちゃんとしなきゃ民族」と指摘し、周囲の物差しで自分を追い詰めて苦しくなる文化を見直したいと語りました。
自分の暮らしを“自分の物差し”で整えていくことが、心の回復にもつながると改めて感じさせられる内容でした。
絵本作家・五味太郎さんインタビュー 半世紀の創作を支える“気楽さ”と“発見”
特集のメインは、創作歴50年以上の絵本作家・五味太郎さん。代表作きんぎょが にげたは、出版から約50年が経つ今も多くの親子に読み継がれています。五味さんは当時、この作品を「ものすごく気楽につくった」と語り、肩に力を入れないことが作品の自由さにつながったと振り返りました。
番組の中心テーマは「にげる」という言葉の意味の変化です。かつてはネガティブに扱われがちだった“逃げる”という行為が、今では“心を守るために必要な行動”として再評価されています。その流れのなかで誕生したのが新作ひよこは にげますです。ひよこが好奇心旺盛に外へと逃げていく姿は、「自分の心地よさを選んでいい」という時代の価値観を映しています。
五味さんはまた、ミッフィーで知られるオランダのディック・ブルーナに強く影響を受けたと語りました。最小限の線と色で世界を描くブルーナ作品に触れ、「いくつになっても発見がある」と表現するその姿勢は、五味さん自身の創作の原点にも通じています。
展覧会には多くの親子が訪れ、祖父母から孫世代にまで続く“読み継がれる文化”を映し出す光景が見られました。“子どもと大人の両方が自由に受け取れる世界”を描き続けてきた五味さんの哲学が、静かに、しかし深く伝わる特集でした。
五味太郎作品が愛され続ける理由 大人も子どもも自由に遊べる絵本の世界
スタジオでは五味作品への愛情が次々と語られました。渡辺さんは高校時代にさる・るるるをプレゼントされて大ファンになったと明かし、宮本亞門さんはみんなうんちが大好きだと話します。「絵本を見ると脳が開く」という表現が印象的で、五味作品が大人の感性にも働きかける力を持っていることが伝わってきました。
視聴者から寄せられた声には、「創作ことわざ絵本を大人になってから買い戻した」「三世代で読み続けている」など、生活の中に当たり前のように五味作品が存在している様子がうかがえます。
作品に共通しているのは、「正しい答え」を押しつけず、読者が自分の感性でページの中を旅できるつくりです。きんぎょが逃げた場所を探す楽しさ、ひよこが逃げる理由を想像するワクワク感、ことわざを自分なりに噛みしめる自由さ。すべてが“読む人の心を開放する仕掛け”になっています。
だからこそ、大人になっても再び読みたくなる。子どもに読み聞かせるとき、自分の子どもの頃の感覚がふっと蘇る。そんな“不思議な循環”を生み続けるのが五味太郎作品の魅力だと、番組を通して強く感じられました。
膝の痛みはどこから? 受診の目安と自宅でできる運動法を総まとめ
健康特集のテーマは、誰にとっても身近な“膝の痛み”。山中克郎医師は「病院に行かなくてもよい症状の人が圧倒的に多い」としながらも、放置してはいけないケースもあると強調しました。
一般的な膝の痛みの多くは、変形性関節炎や筋力の低下が背景にあります。軽度であれば、運動による改善が十分期待できると解説されました。番組で紹介された運動は、フォームを丁寧に行うゆっくりスクワット、そして椅子を活用した立ち座り運動です。膝を前に出しすぎず、お尻と太ももをしっかり使うことで負担を減らしながら鍛えることができます。
もっと痛みが強い人向けには、膝を曲げ伸ばしせずにできるタオル運動も紹介されました。膝裏にタオルを挟み、押しつぶすように力を入れて5秒キープ。筋肉への刺激がやさしいのに、確実に効く方法です。
一方で、強い痛みや腫れ、高熱が出る場合は化膿性関節炎の可能性があるため、すぐに受診が必要だと説明がありました。片側だけが真っ赤に腫れたり、痛みが急激に増えたりするケースも見逃せません。
日常の膝を守るには、運動・体重管理・冷え対策といった基本の積み重ねが重要です。そして“いつもと違う痛み”が出たときは早めに医療機関に相談する。このメリハリが、長く歩き続けるための最も現実的な方法だと番組は伝えていました。
川湯温泉の蒸気浴と「鶏すき煮」 冬の身体を内外から温める楽しみ
「いまオシ!LIVE」では、北海道・弟子屈町の川湯温泉から生中継が行われました。川湯温泉は強酸性の湯で知られ、温泉街の中心には湯が流れる“温泉川”が広がっています。地元ではこの温かな流れに沿って歩く“蒸気浴ウォーク”が楽しめ、冬の朝には湯気が凍って霧氷が生まれる幻想的な風景も見られます。
湯けむりの立ち上る川沿いを歩き、自然の熱を肌で感じる体験は、この地ならではの魅力です。近年整備が進んだ木道と展望スペースでは、湯けむり・森・雪景色が一体になる絶景が楽しめ、観光客からも人気が高まっています。
スタジオに戻ると、「みんな!ゴハンだよ」では冬にぴったりの鶏すき煮を紹介。鶏もも肉を皮目からしっかり焼き、出てきた脂ごと味のベースにするのが最大のポイントです。切り餅・しいたけ・ねぎ・春菊を加え、甘辛い調味料でじっくり煮込むと、香ばしさと野菜の旨味が一体になった深い味わいに仕上がります。
川湯温泉の外で温まる体験と、家庭の台所でつくる“内側から温まる料理”。どちらも、忙しい日々のなかで心と体をやさしく満たしてくれる時間です。番組全体を通して、「自分のペースで温まること」の大切さをやさしく教えてくれる内容でした。
【あさイチ】簡単!ヘルシー!もち入り 鶏すき煮の作り方とレシピ みんな!ゴハンだよ|2025年1月21日
まとめ
今回のあさイチは、台所という身近な場所から、人それぞれの生き方を静かに映し出す回です。仕事を休みながら一輪の花に背中を押される元家庭科教師の台所も、「食べることだけは手放さない」と決めた京都の女性の台所も、どちらも今日を生き抜くための大切な場所として描かれます。さらに、五味太郎さんが語る「明るい逃げ方」は、無理をしない選択を肯定し、多くの人の心に重なります。台所から見える小さな決断が、明日につながっていくことを実感できる内容です。
※本記事は放送前の情報をもとにまとめているため、放送内容と異なる場合があります。放送後に内容を確認し、必要に応じて追記します。
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