日本最大の消防車工場が秘める進化の物語
このページでは『探検ファクトリー(2025年1月17日)』の内容を分かりやすくまとめています。
兵庫県三田市にそびえる モリタ三田工場。ここは年間600台もの 消防車 を生み出す、日本最大級のモノづくりの現場です。
災害の悔しさを胸に、技術者たちは一台ごとに改良を重ね、未来の命を守る車をつくり続けてきました。
番組では、中川家とすっちーがその核心へ踏みこみ、進化し続ける消火システムと最先端の指揮支援車の驚くべき実力に迫ります。
日本最大の消防車工場・モリタ三田工場とは
番組の舞台になるのは、兵庫県三田市のテクノパークにある モリタ三田工場 です。ここはアジアでも有数の規模を誇る 消防車 専用工場で、日本で活躍する消防車の半分以上がこの工場で生まれています。
敷地面積は約5万7000平方メートル。サッカーコートに換算すると10面以上にもなる広さで、年間に 600〜700台 の消防車を組み立てる生産能力を持っています。
この工場の母体である モリタグループ は、明治40年創業。日本初のガソリンエンジン付き消防ポンプを手がけた老舗メーカーで、現在は全国の消防本部に配備される消防車の 約6割 を製造するトップ企業です。
工場は、おおまかに「はしごなどの部品をつくるエリア」と「車両を組み立て・塗装するエリア」に分かれていて、番組では 中川家 と すっちー がこの広大な工場を歩きながら、どうやって一台の消防車が形になっていくのかを追いかけていきます。
はしご車から救助工作車まで 年間600台を生み出すモノづくり
モリタ三田工場 では、私たちが街で見かけるほとんどすべての種類の消防車をつくっています。代表的なのは、火災現場に最初に駆けつける ポンプ車、ビル火災などで活躍する はしご車、大量の水を運べる 水槽付消防車、そして救助活動の要となる 救助工作車 などです。
番組の説明にもあるように、この工場だけで年間およそ 600台 のはしご車・ポンプ車・水槽付消防車・救助工作車が生み出されています。
製造は、トラックメーカーから届いたシャシー(骨組みだけのトラック)に、モリタ独自の消防装備を載せていくかたちで進みます。ポンプやホース収納庫、操作パネル、はしご、タンクなどを一つひとつ取り付け、配線・配管を行い、最後に真っ赤なカラーで塗装して完成させていきます。
ここで大きな特徴になるのが、「一台ごとに仕様が違う」という点です。消防車は自治体や消防本部ごとに地形・街並み・想定する災害が異なるため、同じポンプ車でも装備の配置や積む資機材、タンク容量などが細かく変わります。モリタはこうしたオーダーメイドの要求に応え続け、国内トップシェアを築いてきました。
番組では、工場のラインを進んでいく車両の姿を追いながら、「一台ごとに違うオーダーにどう対応しているのか」「どこまで手作業で仕上げているのか」といったモノづくりの現場が、わかりやすく紹介されると考えられます。これは公開されている工場紹介や取材記事とも一致する、モリタ三田工場ならではの見どころです。
災害の経験が進化させた消火システムの正体
サブタイトルの「災害をのり越えて進化させる技術」が示すように、モリタグループ の開発は、日本各地で起きた大規模災害の経験と切り離せません。モリタの消防車は、東日本大震災、熊本地震、能登半島地震といった大きな災害の現場でも、人命救助の最前線で使われてきました。
化学物質事故やテロなど、「特殊災害」に対応する 特殊災害対応自動車 では、車両側面に特殊フィルターを備えた装置を搭載し、車内を陽圧構造にすることで、有害物質が入り込まないよう守りながら活動できるようにしています。陽圧室は分析室としても使え、長時間の活動でも隊員の負担を減らす設計になっています。
また、土砂崩れや瓦礫で通常の消防車が入れない現場向けには、小型オフロード消防車 Red Ladybug のような車両も開発。高い悪路走破性と、350kgまで積める消防装備をあわせ持ち、公道も走行できるため、突発的な災害現場にも自走でたどりつける「はたらくクルマ」として注目されています。
こうした車両群は、単なる「消火」だけでなく、「隊員の安全」と「長時間の活動」を両立させることを目的に進化してきました。
AIも活用する現場指揮支援システムとEV消防車の未来
モリタが開発している 現場指揮支援システム は、隊員が身につけたウェアラブル端末や車両の位置情報などをリアルタイムで集約し、指揮車内に設置された大型タッチパネルに「火点」「建物の構造」「要救助者や隊員の位置」「進入ルート」などを可視化するシステムです。AIを活用して、最適な消火・救助・救急活動の判断を支援することも目指しています。
このシステムは、環境負荷の小さい EV指揮車 や EV消防ポンプ自動車 にも搭載され、2025年の大阪・関西万博の「消防センター」で実際に展示・運用されるなど、まさに「未来の消防車」を象徴する存在になっています。
番組に登場する「最新型の消防車」は、こうしたデジタル技術と、モリタが長年培ってきたポンプや水利制御の技術が融合した一台だと考えられます。運転席と指揮スペースが一体となったレイアウト、大型モニターに映し出される現場情報、隊員の動きを一目で把握できる画面構成など、「昔の消防車」とはまったく違う“動く司令室”としての姿が描かれるはずです。これらの特徴は、公式リリースや万博向け車両の紹介記事でも確認できます。
中川家とすっちーが見た「いのちを守る工場」の素顔
探検ファクトリー では、工場見学バラエティらしく、中川家 と すっちー が、職人やエンジニアにツッコミを入れながら現場を歩く構成になります。日本最大級の 消防車工場 を背景に、真剣なモノづくりの現場と、お笑いトリオならではの軽妙なやりとりが交差するのが、この番組ならではの魅力です。
モリタ三田工場 は、一般向けの工場見学も予約制で受け付けており、実際に多くの人が生産ラインや完成した車両を間近で見学しています。消防関係者以外でも見学可能なツアーが用意されていて、ウェブから申込みを行う仕組みです。
番組を通して伝わってくるのは、「人と地球のいのちを守る」というモリタグループの合言葉が、単なるスローガンではなく、工場で働く一人ひとりの動きにまで落とし込まれているという点です。日本中の街を走る真っ赤な消防車の多くがここで生まれ、その一台一台に、災害の教訓と最新技術、そして現場を知り尽くしたプロたちの知恵が詰め込まれている——番組は、そんな「見えない裏側」を、笑いを交えながらぐっと近くに引き寄せてくれる内容になっています。
まとめ
日本最大級の 消防車 工場・モリタ三田工場 は、災害の経験を糧に進化を続けてきた技術の集積地です。番組では、はしご車や指揮支援車に込められた工夫や、現場で命を守るための発想が次々と明らかになります。モノづくりの現場から見えるのは、未来の防災を支える確かな意志です。
※本記事は放送内容をもとに、放送後に情報を追記します。
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