記事内には、広告が含まれています。

NHK【民謡魂 ふるさとの唄】愛媛県松前町の伊予万才と民謡クルセイダーズが魅せた道後温泉の物語と松前魚売婦の真実|2026年2月28日

文化
メール購読のご案内

いつも「気になるNHK」をご覧いただきありがとうございます。
このブログでは、NHKの番組紹介や見どころ、新着情報などをいち早くお届けしています。

スポンサーリンク

民謡魂 ふるさとの唄「愛媛県松前町」

今回の舞台は、四国・愛媛にある小さな町、民謡魂 ふるさとの唄の「愛媛県松前町」編です。
番組では、司会の山田邦子と近藤泰郎アナウンサーが、町の人たちと一緒にさまざまな民謡を楽しみながら、土地に根づいた歴史や暮らしをひとつずつ掘り起こしていきます。

ステージに立つのは、ベテラン民謡歌手の原田直之、坂崎守寛、佐々木理恵、藤田かおり。
さらに、日本の民謡とラテン音楽を融合させ世界で活躍するバンド 民謡クルセイダーズ も加わり、伝統と新しい音がまじり合う、にぎやかな回になりました。

山田邦子は、実は三味線と長唄を二十年以上続けてきた“民謡好き”。
好きな世界のど真ん中で、本気で楽しんでいる空気が、そのまま画面から伝わってくるような始まりでした。

愛媛県最小の町・松前町の風景とはだか麦の物語

番組がまず紹介したのは、舞台となった 愛媛県伊予郡松前町 です。
人口も面積も県内で最も小さい町ですが、ここには全国に誇れる自慢があります。

それが、初夏に黄金色に染まる はだか麦 の畑です。
松前町では、町の約十分の一の面積で、はだか麦が栽培されています。
はだか麦は、白米の約十倍以上の食物繊維を含み、健康志向の高まりとともに注目されている穀物です。

町にはこんな伝説も残っています。
江戸時代の享保の大飢饉のとき、作兵衛という農民が、食べ物がなくても種麦には手をつけず、翌年のために残したおかげで、多くの人の命が救われたという話です。
今も町の麦畑には、その“命をつなぐ穀物”としての重みが息づいていると紹介されました。

松前町は瀬戸内海に面し、いりこやちりめんなど、小魚の加工も盛んです。
海と畑がどちらもすぐそばにある、豊かな“食の町”であることが、このあと登場する民謡や人物の背景にもつながっていきます。

民謡クルセイダーズが奏でる「伊予万才」

最初のステージで登場したのが、民謡クルセイダーズ による「伊予万才」です。
「伊予万才」は、愛媛の旧国名“伊予”の名を持つ、おめでたい民謡。
お正月や祝いの席で歌われてきた歴史を持ち、リズムに合わせて手を打つ振り付けも特徴です。

バンドの中心メンバーは、ギタリスト田中克海と民謡歌手フレディ塚本。
東京・福生の米軍ハウスを拠点に、クンビアやラテン、レゲエなどのダンスミュージックと、日本の民謡を掛け合わせたサウンドで世界各地のフェスに出演しています。

今回の「伊予万才」も、ただの“しっとりした民謡”ではなく、パーカッションやホーンが入り、思わず客席も体を揺らしたくなるアレンジ。
民謡が「古い歌」ではなく、今も踊って楽しめる“生きた音楽”なのだと感じさせるステージでした。

佐々木理恵が歌う「阿波よしこの」と力強いリズム

続いて披露されたのは、佐々木理恵による「阿波よしこの」です。
徳島の 阿波おどり でもおなじみのフレーズ「踊る阿呆に見る阿呆」で知られる系統の民謡で、リズムは自然と足を動かしたくなるようなテンポです。

佐々木の歌は、軽やかさと力強さが同居していて、ことばひとつひとつがはっきり届きます。
背景では、鳴り物のリズムがだんだん盛り上がり、ステージ全体が祭りの座敷のような雰囲気に包まれていきました。

阿波おどりのルーツは江戸時代とされ、徳島藩主の城下で踊られたのが広まったとも言われています。
四国の祭り文化が、民謡を通してつながっていることが、番組の流れからも感じられました。

坂崎守寛が届ける「よさこい鳴子踊り」の熱気

坂崎守寛が披露したのは「よさこい鳴子踊り」です。
これは、高知の よさこい祭り で使われる「鳴子」を手にして踊るスタイルの民謡。
手首を大きく振るたびに、カシャカシャと鳴る音が、会場に明るいリズムを刻みます。

坂崎の歌声は張りがあり、掛け声もキレよく響きます。
曲が進むにつれてテンポも気分もどんどん上がっていき、ただ見ているだけの山田邦子も、つい体を揺らしてしまうような、熱気のあるステージでした。

四国には、阿波おどりやよさこいなど、「みんなで踊って楽しむ」スタイルの祭りが多くあります。
それぞれの土地の民謡が、そのまま“町の顔”になっていることが、この回では自然に伝わってきました。

山田邦子さんへ送る「やー、まだ知らない愛媛」道後温泉本館の物語

番組の途中には、「山田邦子さんへ送る!やー、まだ知らない愛媛」というコーナーが入りました。
まず紹介されたのが、松前町からも行きやすい観光地、 道後温泉本館 です。

道後温泉本館は、日本最古級の温泉として知られ、木造の立派な建物は国の重要文化財。
夏目漱石の小説『坊っちゃん』にも登場し、俳人の正岡子規など、多くの文化人が湯につかりに来た場所でもあります。

番組では、そんな有名な温泉の中にある、全国でも珍しい皇室専用の浴室「又新殿」も取り上げました。
明治時代に造られたこの空間は、玉座の間や御湯殿がしつらえられ、金箔や銀箔が施された豪華なつくり。

さらに驚きのエピソードとして紹介されたのが、「牛馬湯」の存在です。
昔は農作業や荷物運びで働いた牛や馬を湯につからせ、疲れを癒していたといいます。
サーカス団が来たときには、なんとゾウを入浴させたこともあるという話は、スタジオでも笑いと驚きを呼んでいました。

温泉が、人だけでなく、働く動物たちの“ご褒美”でもあった。
そんな昔の温泉文化を知ると、今の私たちの「温泉で一息」という感覚が、もっと豊かに感じられます。

皇室専用浴室「又新殿」と牛馬湯に込められた温泉文化

「又新殿」という名前は、儒教の経典「大学」の一節から取られたとされ、「日々新たに、自分を磨き続ける」という意味が込められています。
毎日湯につかることを通して、心と体を整え直すという考え方は、現代の“温泉療養”にも通じます。

一方で「牛馬湯」は、昭和四十年代まで使われていたものの、今は廃止されています。
動物の福祉や衛生面を考えると、今と同じスタイルで残すのは難しかったはずですが、当時の人たちが、家族同然の動物をねぎらっていた証でもあります。

番組では、こうした背景を分かりやすく紹介しながら、山田邦子が「そんな場所があったなんて知らなかった」と驚く様子が印象的でした。

愛媛は“みかん王国” 40種類以上の柑橘とオレンジピラフ

同じコーナーの中で紹介されたのが、愛媛の みかん文化 です。
愛媛県は、柑橘類全体の収穫量が全国トップクラスで、品目数は40種類以上という“柑橘王国”。

温州みかんだけでなく、伊予柑、甘平、せとか、紅まどんな、はるみ、はるかなど、多彩な柑橘がリレーのように収穫され、一年を通して楽しめるのが大きな特徴です。

番組では、「せとか」「甘平」「紅まどんな」など、愛媛ならではの品種名がずらりとテロップに並びました。
そして、山田邦子が味わっていたのが、柑橘をふんだんに使った オレンジピラフ です。

バターの香りが広がるごはんに、さわやかな柑橘の酸味と甘みが加わることで、重くなりがちな洋風メニューがすっきりした味わいになります。
柑橘を“食材”として料理に使う文化も、愛媛らしさのひとつとして紹介されていました。

宇和海に響く「宇和島さんさ」と海の民の暮らし

原田直之が歌った「宇和島さんさ」は、愛媛県南部の港町・宇和島周辺に伝わる民謡です。
「さんさ」とは、囃しことばの一種で、漁から帰った船人たちが、酒場や港で歌い踊ったとされています。

愛媛の南予地域は、みかんだけでなく、昔から漁業も盛んでした。
波の音や船のきしむ音を思わせる節回しと、どこか物悲しいメロディーは、海で働く人たちの喜びと苦労の両方を感じさせます。

原田の歌声は、そんな人々の思いをすくい上げるように、しっとりと、そして力強く響いていました。

松山発祥の郷土芸能「野球拳」の本当の姿

「山田邦子さんへ送る!やー、まだ知らない愛媛」の中で、特に印象的だったのが 野球拳 の話題です。
今では「負けたら服を脱ぐゲーム」というイメージを持つ人も多いですが、本来の野球拳は、松山市に伝わる真面目な郷土芸能です。

大正時代、とある野球大会の懇親会で即興の余興として生まれ、その後、松山の祭りと一緒に広がっていきました。
現在も「松山春まつり 野球拳全国大会」や「松山まつり 野球拳おどり」として、地元の人たちに受け継がれています。

番組では、原田直之と坂崎守寛が「野球拳の唄」を披露。
「アウト、セーフ、よよいのよい」というおなじみのリズムに、客席も自然と手拍子を合わせます。
負けても服を脱がない、本来の“踊りとしての野球拳”の姿が、楽しく伝わるステージでした。

松前町のシンボル おたたさんと小魚珍味の町歩き

松前町ならではの存在として紹介されたのが、「おたたさん」です。
おたたさんとは、頭の上に大きな桶をのせ、小魚の珍味を入れて売り歩いた女性たちのこと。
松前町から松山市まで歩き、いりこやちりめんなどを各家庭に届けていたと言われています。

昭和四十年ごろまで活躍していましたが、今は町のシンボルとしてキャラクター「おたたちゃん」などに姿を変え、親しまれています。
この背景には、松前町が長く“小魚の町”として生活を支えてきた歴史があります。

瀬戸内海は波が比較的穏やかで、いりこやちりめんの原料となる小魚が豊富な海です。
そんな海とともに生きてきた人たちの姿を、おたたさんのエピソードを通して紹介していたのが、このコーナーの魅力でした。

藤田かおりが歌う「松前魚売婦」と女性たちの労働の歴史

藤田かおりが歌った「松前魚売婦(まさきうおうり)」は、まさにそのおたたさんたちの姿を歌い上げた民謡です。
メロディーはどこか軽やかで、しかし歌詞には、重い桶をのせて町から町へ歩く女性たちのたくましさがにじみます。

漁業の現場で働くのは男性が多いイメージがありますが、実際には、魚を加工し、売り歩き、お金に変える役割を担ってきた女性たちもたくさんいました。
この民謡は、そうした“見えにくい労働の歴史”を、歌として残していると言えます。

藤田の伸びやかな歌声が、松前町の路地を歩くおたたさんの姿を、自然と頭の中に描かせてくれるようでした。

民謡クルセイダーズ×藤田かおり スペシャルステージの衝撃

番組後半の大きな見どころが、民謡クルセイダーズ と藤田かおりによるスペシャルステージです。
ここでは「会津磐梯山」「炭坑節」「木山音頭」といった全国的に知られた民謡が、ラテンやカリビアンのビートと混ざり合って登場しました。

会津磐梯山は福島県、炭坑節は九州の炭鉱地帯、木山音頭は熊本など、それぞれ別の土地に根ざした歌です。
それらが、ひとつのステージで、同じグルーヴに乗って鳴り響く。
まるで日本地図のあちこちから民謡が集まり、愛媛の松前町のホールで合流しているような、不思議な感覚を覚える時間でした。

民謡クルセイダーズは、民謡を「民の歌」としてもう一度よみがえらせることを目指して活動しているバンドです。
今回のステージは、そのコンセプトを番組の中で分かりやすく体感できる場面になっていました。

原田直之が歌う「新相馬節」と東北へのまなざし

原田直之が歌った「新相馬節」は、福島県相馬地方に伝わる民謡です。
東北の馬追い祭りなどとも深い関わりがあり、ゆったりした節回しの中に、北国の広い空と風が感じられます。

愛媛・松前町を舞台にしながら、東北の歌も同じステージに立つ。
こうして日本各地の歌が一堂に会することで、「民謡は土地ごとに違うけれど、どれも人の生活から生まれた歌なのだ」ということが、自然と伝わってきます。

出演者全員で舞う「伊予御夷舞」とエンディングの余韻

エンディングを飾ったのは、出演者全員による「伊予御夷舞(いよおんいまい)」です。
手を大きく広げて、ゆったりとした円を描くような振り付けは、見ている側の気持ちもふわっとほぐしてくれます。

最後に感想を聞かれた山田邦子は「楽しかった。知らないことをたくさん教えてもらいました」と笑顔で語りました。
民謡の魅力だけでなく、愛媛県松前町 の歴史や食文化、人々の暮らしがぎゅっと詰まった回だったからこその言葉です。

この日の 民謡魂 ふるさとの唄 は、ひとつひとつの歌を通して、土地の記憶と人の思いをていねいにたどるような時間でした。
テレビの前の私たちも、歌に耳を傾けながら、「自分のふるさとにはどんな歌があるだろう」と、少し考えてみたくなるような締めくくりでした。

【民謡魂】ふるさとの唄 宮城県岩沼市で響く津軽三味線と東北民謡 南部手踊りの舞台|2026年1月12日


気になる生活ナビをもっと見る

購読すると最新の投稿がメールで送信されます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました