- 「バックパッカー仲野太賀 in モロッコ」大河主演俳優の“もう一つの顔”
- スペインからフェリーでアフリカ大陸へ 旅のスタートとバックパックの中身
- 港町タンジェ ヨーロッパとアフリカが交差する玄関口を歩く
- 青い街シャウエン 坂道の路地で見せた仲野太賀の素顔
- 迷宮都市フェズ旧市街 しつこい客引き青年との出会い
- ハマムとホームステイ体験 ネックレスに込められた友情
- サハラ砂漠への道 谷間のオアシスでの“寄り道”と絶景の宿
- 旅の原点インドで学んだ「吹っかけられたら乗った方がいい」という教え
- スマホ時代の旅との付き合い方 便利さと偶然をどう両立させるか
- 「出会いに関してだけ、すごく自信がある」仲野太賀の旅の哲学
- 俳優としての仕事とバックパッカー旅がつなぐもの 大河ドラマ「豊臣兄弟!」への視線
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「バックパッカー仲野太賀 in モロッコ」大河主演俳優の“もう一つの顔”
「バックパッカー仲野太賀 in モロッコ」(2026年2月28日放送)は、俳優 仲野太賀 さんが、仕事のロケという枠を越えて、本気のバックパッカーとして旅をする様子を追った紀行番組です。
舞台は北アフリカの国、モロッコ。海に面した港町から、山あいの街、そして砂の大地がどこまでも続くサハラまで。仲野さんは「食事も宿も自分で決める」という条件のもと、ほぼ素のままの姿で旅と向き合っていきます。
ドラマや映画の現場では、周りに多くのスタッフがいて段取りも決まっています。でもこの番組では、最低限の撮影クルーを連れながらも、旅のペースも選択も、かなりの部分を本人に任せているのが特徴です。
カメラが映し出すのは、“大河主演俳優”という肩書きよりも、旅人としての 仲野太賀。迷ったり、ぐずったり、笑ったりしながら、知らない土地の空気を身体で受け止めていく様子が、等身大のまま描かれます。
スペインからフェリーでアフリカ大陸へ 旅のスタートとバックパックの中身
旅の出発点は、ヨーロッパ側の港から モロッコ へのフェリー。仲野さんは大きなスーツケースではなく、背中に背負えるひとつのバックパックだけで海を渡ります。
その中身は、驚くほどシンプルです。番組の中で語られるのは「着替えはだいたい三日分くらい」というスタイル。洋服を増やすより、身軽さを優先しているのが伝わってきます。
ここで少し背景を補足すると、スペインから モロッコ の港町タンジェへ向かうフェリーは、ジブラルタル海峡を渡る短い船旅です。距離にすると十数キロほどしかなく、ヨーロッパとアフリカが地図の上で「ほとんど隣同士」だと実感できるルートでもあります。
海を越え、白い波の先に見えてくる新しい大陸。カメラは、少し緊張しながらもワクワクを隠せない 仲野太賀 さんの表情を、丁寧に追いかけていきます。
港町タンジェ ヨーロッパとアフリカが交差する玄関口を歩く
フェリーが着いた先は、港町 タンジェ。ここは古くから、ヨーロッパとアフリカを結ぶ“玄関口”として栄えた街です。地中海と大西洋が出会う場所でもあり、長い歴史の中で多くの文化と人が行き交ってきました。
番組では、坂の多い旧市街を、仲野さんがゆっくり歩いていきます。白い壁の家、細い路地、開けた先に見える青い海。路地の角を曲がるたびに、景色も空気も少しずつ変わっていきます。
観光地としてのタンジェは、近年になって治安が改善され、新しいホテルやおしゃれなカフェも増えています。古いカフェには、かつて多くの作家や芸術家が訪れたという歴史もあり、「どこかに物語が潜んでいそうな街」として旅人に人気です。
そんなタンジェで、仲野さんは“最初の一歩”をゆっくり踏み出します。観光名所を急いで巡るのではなく、街の空気を吸い込みながら、自分のペースで旅を始めていく姿が印象的です。
青い街シャウエン 坂道の路地で見せた仲野太賀の素顔
タンジェを出たあと、仲野さんは山あいにある シャウエン(シェフシャウエン)へ向かいます。ここは「青い街」として世界的に知られ、家々の壁や階段、路地までもがさまざまな青で塗られています。
番組では、急な坂道の続く旧市街を、仲野さんが汗をかきながら登っていく姿が映し出されます。青一色の空間の中で、子どもたちの声や、路地に並ぶウール製品、ヤギのチーズなど、山の暮らしならではの風景が広がっていきます。
シャウエンの街がなぜ青いのかには、いくつかの説があります。暑さを和らげるため、虫よけのため、あるいはかつてスペインから追われて移り住んだ人々が、神聖な色として青を選んだから。どれもはっきりとは決めつけられませんが、その多くが重なって、今の鮮やかな景観が生まれたと考えられています。
そんな不思議な青の世界の中で、仲野太賀 さんは観光客というより、「ただ歩くのが好きな旅人」としてそこにいます。カメラに向かって大げさにリアクションするのではなく、小さく笑ったり、立ち止まって眺めたり。静かな喜びが、じわじわと画面から伝わってきます。
迷宮都市フェズ旧市街 しつこい客引き青年との出会い
次の目的地は、フェズ旧市街。ここは世界遺産にも登録された、世界でも指折りの“迷宮都市”です。細い路地がくねくねと入り組み、家と家がびっしり並んでいるため、「世界一の迷路」と呼ばれることもあるほどです。
番組の中で、仲野さんはこの旧市街を一人で歩きます。すると、観光客にガイドを売り込む、少ししつこい若い男性に声をかけられます。最初は警戒して距離を取ろうとする仲野さん。しかし、景色の良いカフェに案内されたことをきっかけに、二人の距離はすこしずつ縮まっていきます。
フェズでは、複雑すぎる路地のせいで、ガイド役を申し出る地元の若者が多いと言われます。親切心とビジネスが混ざったような距離感に、初めての旅行者は戸惑いがちですが、その曖昧さもまた、この街ならではの日常です。
番組は、この「ちょっと怪しげに見える客引き青年」との出会いを、じっくりと追っていきます。人を信じるのか、それとも避けるのか。その判断を迫られる場面で、仲野太賀 さんがどう振る舞うのかが、旅の大きな見どころのひとつになっています。
ハマムとホームステイ体験 ネックレスに込められた友情
やがて仲野さんは、その青年に誘われ、公衆浴場 ハマム へ向かいます。ハマムは、蒸し風呂のような伝統的な共同浴場で、人々が身体を清めるだけでなく、日常的なおしゃべりを楽しむ場所でもあります。
番組では、言葉の壁がありながらも、同じ湯気の空間で肩を並べるうちに、二人の間に生まれていく奇妙な親近感が描かれます。その流れのまま、青年の家へ招かれ、家族と一緒に過ごすホームステイのような時間へとつながっていきます。
クライマックスのひとつとなるのが、青年が自分の大事なネックレスを仲野さんに手渡す場面です。高価なものかどうかは分かりません。でも、日常的につけていたものを差し出すという行為には、「ただの観光客」以上の信頼と好意が込められています。
旅先でのこうした贈り物は、ガイドブックに載る名所以上に、記憶に残る瞬間になります。物としての価値よりも、「誰から、どんな気持ちで渡されたか」が、大人になっても心に残る“おみやげ”になるのだと感じさせてくれるシーンです。
サハラ砂漠への道 谷間のオアシスでの“寄り道”と絶景の宿
フェズを後にした仲野さんは、いよいよ サハラ砂漠 を目指します。モロッコの東側には、メルズーガという砂漠の町があり、そのすぐ裏手には大きな砂丘が広がっています。多くのツアーがここを拠点に、ラクダに乗って砂漠へ入っていくのが定番のコースです。
ただ、この番組がおもしろいのは、予定されたルートをただなぞるだけでは終わらないところです。サハラへ向かう山道の途中、仲野さんは谷間に広がるオアシスの風景に心を奪われ、「ちょっと寄り道してみたい」と口にします。
その一言から、小さな民宿との出会いが生まれます。オアシスを見下ろすバルコニーで、地元の女性が用意してくれた食事を味わいながら、仲野さんは静かに景色を見つめます。そこには、観光パンフレットに載るような派手さはないものの、「この旅にしかない時間」が流れています。
本来なら通り過ぎてしまうはずだった場所での、ささやかな“寄り道”。その選択が、旅の印象を大きく変えてしまうことを、このシーンはよく物語っています。
旅の原点インドで学んだ「吹っかけられたら乗った方がいい」という教え
番組の中で 仲野太賀 さんは、初めて一人旅に出た国が インド だったと語ります。そこで出会った、ある日本人旅行者からかけられたひと言が、今も旅のスタイルを支えているのだそうです。
その言葉は、おおまかに言えば「もし値段を吹っかけられても、たまには乗っかってみた方が旅は楽しくなる」というもの。もちろん、危険なことに無理をして飛び込めという話ではありません。ただ、少しだけ予想外の方向へ自分を動かしてみると、まったく違う景色に出会えることがある、という感覚です。
バックパッカーの旅では、値段交渉や客引きとの駆け引きがつきものです。普通なら「なるべく損をしないように」と考えてしまいますが、ときどき“損をする覚悟”で乗ってみるからこそ、人とのつながりや笑い話が生まれることもあります。
仲野さんの旅は、このインドでの経験を土台に、「完璧に計画しない」「偶然を受け入れてみる」というスタイルになっていったのだと、番組は静かに伝えています。
スマホ時代の旅との付き合い方 便利さと偶然をどう両立させるか
現代の旅人にとって、スマートフォン は欠かせない道具です。レストランの口コミ検索、地図アプリ、翻訳アプリ……。この番組でも、仲野太賀 さんはスマホを使って店を探したり、現地の人と会話をしたりしています。
一方で、スマホに頼りすぎると、旅はどうしても「予定通り」にまとまってしまいます。迷子にならない代わりに、偶然の出会いや、行き当たりばったりの楽しさが少し減ってしまう、という側面もあります。
番組で印象的なのは、仲野さんがそのバランスをとても上手に取っていることです。危なくない範囲で情報を確認しつつも、あえて宿を事前に決めないこともある。地図アプリに出てこない路地に、ふらっと入ってみる。
「便利さ」と「偶然」。一見すると逆方向にある二つを、どちらか一方に振り切るのではなく、状況に合わせて行ったり来たりしながら旅を形づくっていく姿は、スマホ時代の新しい バックパッカー の一つの姿と言えます。
「出会いに関してだけ、すごく自信がある」仲野太賀の旅の哲学
番組の終盤、仲野太賀 さんは「出会いに関してだけは、自分に自信がある」といった言葉を口にします。
それは、特別なコミュニケーション能力があるという自慢ではありません。むしろ、偶然の出会いに対して心を開くこと、怖さや不安を感じながらも、完全には閉じこもらないこと。その積み重ねへの、ささやかな誇りのように聞こえます。
フェズでの客引き青年、オアシスの民宿の女性、そして道中で出会うさまざまな人たち。仲野さんは、彼らを「番組に出てくる人」としてではなく、「旅の中で出会った一人の人」として、真剣に向き合っています。
旅をしていると、予期せぬトラブルもあれば、うまくいかないこともたくさん起こります。それでも「出会いだけは信じたい」と思えるからこそ、次の一歩を踏み出せる。その感覚が、この番組全体にやわらかく流れているように感じられます。
俳優としての仕事とバックパッカー旅がつなぐもの 大河ドラマ「豊臣兄弟!」への視線
今回の特集が組まれた背景には、仲野太賀 さんが大河ドラマ「豊臣兄弟!」で主演を務めるというタイミングがあります。大きな作品の主役というプレッシャーの中で、それでもバックパッカーとして旅に出たいと願う。その姿勢そのものが、すでに一つの物語です。
俳優の仕事は、台本とカメラの前で“誰かを演じる”こと。一方、バックパッカー の旅では、台本もなく、自分のままで未知の世界に立つことになります。モロッコでの旅は、仲野さんにとって、自分の感覚や直感を信じる練習の場になっていたのかもしれません。
歴史ドラマで描かれる武将たちも、先の見えない戦いや政治の中で、数えきれない「出会い」と「選択」を重ねてきました。そう考えると、旅の中で偶然に身を任せる感覚は、役づくりにも通じるものがあるはずです。
「バックパッカー仲野太賀 in モロッコ」は、単なる旅番組ではありません。大河主演俳優が見せる、もう一つの素顔と価値観。その根っこにある「人との出会いを信じる力」を、視聴者も一緒に味わえる一時間となっています。
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