ひむバス!「NHKのど自慢」デラックス便
今回のひむバスが向かったのは、鹿児島県の北部にある 霧島市 です。
運転席に座るのは、バナナマンの 日村勇紀 さん。普段は「一期一会の送迎バラエティー」として、さまざまな人を乗せていくこの番組ですが、今回は少し特別な回でした。
バス停で待っていたのは、「NHKのど自慢」などを担当しているアナウンサーの廣瀬智美さん。
この日はバスガイドと依頼人を兼ねての登場で、ひむバスは NHKのど自慢 の出場者と応援団を会場まで送り届ける「デラックス便」として走ることになります。
歌の舞台裏で、どんな人たちが、どんな気持ちで本番に向かっているのか。
その道のりを、バスの中からの目線で追いかけるのが今回の大きな見どころです。
霧島市と霧島市民会館 歌の舞台になった街のこと
ひむバスが向かった会場は、 霧島市民会館。
現在はネーミングライツで「国分ハウジングホール」という名前でも知られていて、客席数は約1044席。演劇やコンサートなど、さまざまな催しが開かれる文化ホールです。
霧島市は、霧島連山のふもとに広がる温泉と神話の街です。
古くから天孫降臨の伝説が伝わる霧島山の周辺には、霧島温泉郷や霧島神宮温泉郷など大小の温泉地が点在し、山あいから湧き出る湯と、南側に広がる錦江湾の眺めが魅力の観光地として知られています。
そんな歴史ある温泉地のホールが、今回は「歌の舞台」となりました。
地元の人たちにとっても、全国放送ののど自慢がやって来るのは大きな一大イベント。
街全体が、少しそわそわしながらも誇らしさを感じる時間になっていたことが伝わってきます。
NHKのど自慢とは?80年続く視聴者参加番組
今回の主役のひとつでもある NHKのど自慢 は、戦後間もない1946年にラジオ番組「のど自慢素人音楽会」として始まった、視聴者参加型の公開音楽番組です。
日本各地を毎週のように回り、その土地に暮らす人たちが、思い思いの歌を生放送で披露します。
ステージに立てるのは、本選に選ばれたおよそ20組。会場には地元の観客が集まり、鐘の音とともに、その日の「チャンピオン」が誕生します。
歌そのものだけでなく、「なぜこの曲を選んだのか」「誰に届けたいのか」という背景のエピソードも、のど自慢の大きな魅力です。
今回のひむバスは、その「歌い手たちの思い」が生まれる場所に密着していきます。
予選会に密着 応募900超から約200組が挑んだステージ
ひむバスがまず向かったのは、霧島市民会館で行われた予選会の会場です。
今回は900以上の応募の中から、はがきやインターネットで選ばれた約200組が予選に参加しました。
予選会では、ひと組ずつステージに立ち、短い持ち時間の中で自分の歌声を審査員に届けます。
審査を担当するのは、地元放送局のスタッフや音楽番組の関係者たち。
声の伸びやリズム感はもちろん、「曲との相性」や「歌に込めた思い」も含めて総合的に見ていきます。
予選開始からおよそ5時間半。
200組が歌い終えたあと、いよいよ本選に出場できる20組ほどが発表されました。
結果が出たあと、日村さんはステージ上で番組の象徴ともいえる鐘を鳴らさせてもらいます。
あの鐘の音には、ここまで歌ってきた人たち全員の「おつかれさま」と「おめでとう」が重なって聞こえてきます。
市吉小春さんが選んだ「手紙」とおばあちゃんへの想い
本選に出場するメンバーの中で、ひむバスがとくに注目したのが市吉小春さんです。
市吉さんが選んだ曲は、アンジェラ・アキさんの名バラード「手紙〜拝啓 十五の君へ〜」。
この曲は、アンジェラ・アキさんが10代の頃に書いた“未来の自分宛ての手紙”をもとに作られた楽曲で、2008年にはNHK全国学校音楽コンクール・中学校の部の課題曲にもなりました。
思春期の悩みや不安、それでも前に進もうとする気持ちがまっすぐ歌われていて、学校の卒業式などでも幅広く歌われている一曲です。
市吉さんがこの曲を選んだ理由は、「大好きなおばあちゃんに喜んでもらいたいから」。
ただ好きだから歌うのではなく、家族への感謝を、言葉ではなく歌に込めて届けようとしている姿が印象的です。
のど自慢では、こうした“身近な人へのメッセージ”が歌の力をさらに強くしていることが多く、市吉さんもまさにそのタイプの出場者だと感じられます。
何度も挑戦してつかんだ本選出場 篠原さん親子の物語
ひむバスの最初の乗客のひと組は、篠原さん親子です。
彼らが本選で歌うのは、演歌歌手・新沼謙治さんの「左官職人 こね太郎」。
「左官職人 こね太郎」は、左官職人としてまじめに働く主人公の姿を描いた曲で、作詞・作曲ともに新沼謙治さん自身が手がけています。
土をこねるように、コツコツと努力を重ねる職人の姿は、日本のものづくり文化そのものを象徴しているような存在です。
篠原さん親子は、過去にも何度も予選に挑戦してきたものの、これまで本選出場には届きませんでした。
今回、ようやくステージに立てることになり、バスの中でも喜びと緊張が入り混じった空気が漂います。
親子で声を合わせて歌うというのも、のど自慢らしいスタイルです。
家で練習を重ねてきた時間や、「今度こそ本選に出たい」と話していた日々を思うと、この1回のステージには、数字では測れない重みがあることが伝わってきます。
ママ友4人組が歌う「ライドオンタイム」と仲間の絆
次にひむバスに乗り込んできたのは、ママ友4人組の出場者たちです。
彼女たちが選んだのは、女性ダンスグループ・MAXのヒット曲「ライドオンタイム」。
「ライドオンタイム」は、1998年に発売されたMAXの10枚目のシングルで、日本レコード大賞の優秀作品賞も受賞したラテン系のダンスナンバーです。
当時のJポップシーンを代表する1曲で、今でもカラオケで盛り上がる定番ソングとして知られています。
バスの中では、早くもカラオケタイムがスタート。
4人で息を合わせながら歌い、笑い合う姿からは、ママ友同士の明るい絆がにじみ出ています。
ステージの上だけでなく、こうした移動時間まで含めて「歌を楽しんでいること」が、画面越しにも伝わってくるシーンです。
ひむバスが走る 出場者を乗せた朝の送迎の様子
本選当日、出場者が会場に入るのは朝の早い時間です。
まだ空気がひんやりとした中、ひむバスは出場者の家々を回りながら、1組ずつ乗せていきます。
マイクロバスの車内には、緊張とワクワクが入り混じった独特の空気があります。
衣装の準備や歌詞の最終確認をしている人もいれば、あえて何もせず、窓の外の霧島の景色を眺めて気持ちを落ち着かせる人もいます。
普段なら、こうした「本番直前の表情」はなかなかテレビには映りません。
ひむバスならではの距離感で、歌う前の素顔がそのまま映し出されているのが、この企画ならではの面白さです。
ゲスト歌手 由紀さおりとMAXをひむバスでお迎え
今回ののど自慢のゲスト歌手は、ベテラン歌手の 由紀さおり さんと、ダンスボーカルグループの MAX です。
由紀さおりさんは、「夜明けのスキャット」などで知られる歌手で、日本の歌謡曲を支えてきた存在です。一方、MAXは90年代後半から2000年代にかけて「ライドオンタイム」など数々のヒット曲を生み出し、紅白歌合戦にも複数回出場しているグループです。
そんな豪華ゲストを迎えに行くのも、今回はひむバスの役目。
由紀さんとMAXのメンバーは、まさか日村さんが自ら運転して迎えに来るとは思っておらず、バスの姿を見て驚いた様子を見せます。
普段は大きなツアーバスや送迎車で移動することの多いプロの歌手たちが、地域の空気を感じるマイクロバスで会場へ向かう。
その距離の近さが、のど自慢の「アットホームさ」を象徴しているようにも感じられます。
家族も一緒に歌の舞台へ 応援バスがつなぐ気持ち
のど自慢で忘れてはいけないのが、「出場者の家族や友人」の存在です。
ひむバスは、出場者だけでなく、会場で声援を送るご家族も送迎します。
中には、手作りの応援ボードや、出場者の名前入りのグッズを持っている人もいます。
子どもや孫の晴れ舞台をしっかり見届けるために、この日の予定を空けて駆けつけた人たちばかりです。
会場に到着すると、出場者本人がバスを出迎える場面もありました。
ステージに立つ人と、その背中を押す人。
ひむバスは、その両方をつなぐ「移動する応援席」のような役割を果たしていました。
生放送本番直前 日村勇紀がゲート前で送るエール
いよいよ、生放送本番の時間が近づいてきます。
のど自慢のステージでは、中央のゲートから出場者が登場するのが定番の演出です。
今回は、そのゲート前に 日村勇紀 さんが立ち、出番を待つ出場者に最後の声かけをしていきます。
緊張で表情がこわばっている人には冗談を交えながら、涙ぐみそうな人には優しく寄り添いながら、「行ってらっしゃい!」と送り出していきます。
この日の出場者の中には、ちょうど誕生日を迎えた人もいました。
日村さんは「最高の誕生日にしましょう!」と声をかけ、そのままステージへ送り出します。
歌い終わったとき、その人の誕生日は一生忘れられない日になっているはずです。
番組中には、クレイジーなテンポで話題になったヒップホップユニット・Creepy Nutsの「ブリングバンバンボーン」など、最新のヒット曲も会場を盛り上げました。
世代を超えた選曲が並ぶのも、のど自慢ならではの楽しさです。
霧島から全国へ ひむバスとのど自慢が届けた「歌の力」
エンディングでは、霧島市民会館の客席いっぱいの拍手の中で番組が締めくくられます。
ひむバスは、予選会から本選、そして家族の応援まで、一連の流れをすべて見届けました。
今回の放送を通して見えてきたのは、「歌がある場所には、必ず人の物語がある」ということです。
おばあちゃんに感謝を伝えたい市吉さん、何度も挑戦して夢をつかんだ篠原さん親子、ママ友同士で笑い合いながら歌う4人組、そして遠くから応援に駆けつけた家族たち。
その一人ひとりの背中を、霧島の山々と温泉の湯けむりがそっと押してくれているようにも感じられます。
ひむバス は、そんな人たちを静かに乗せて走る、小さな舞台裏の主役でした。
画面越しでも、歌声と笑顔と少しの涙が、しっかりと伝わってくる回です。
「いつか自分もステージに立ってみたい」と思っている人にとっても、「歌っていいな」とあらためて感じさせてくれる時間になっていました。
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