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獅子頭の材料と葱姜水の下準備
獅子頭(シーズートウ)は、中国料理の大きな肉団子です。名前は、丸く大きな肉団子の形が獅子の頭のように見えることに由来するとされます。もともとは江南地方や淮揚料理の流れを持つ料理として知られ、白菜や青菜と一緒に煮込むことで、肉のうまみとスープのやさしい味わいを楽しむ一皿です。
材料の中心になるのは、豚肩ロース肉と豚バラ肉です。ひき肉ではなく塊肉を使うところが、この料理の大きな特徴です。

材料は2人分です。
・豚肩ロース肉:200g
・豚バラ肉:100g
・白菜:150g
・ごま油:小さじ1
・油:小さじ1
・しょうゆ:大さじ1
・小松菜:2本
・紹興酒:大さじ1
・揚げ油:適量
A
・ねぎの青い部分:1本分、30g
・しょうが:30g
・水:50ml
B
・塩:小さじ1/2
・こしょう:適量
・しょうゆ:小さじ1
・紹興酒:小さじ1
C
・鶏ガラスープ:500ml
・砂糖:小さじ1と1/2
D
・かたくり粉:小さじ1
・水:小さじ1
下準備で大切なのが、葱姜水です。これは、ねぎとしょうがの香りを水に移したものです。
作り方は簡単です。
・ボウルにねぎの青い部分、しょうが、水を入れる
・手でしっかりもむ
・香りが水に移ったら、こして使う
葱姜水を使う理由は、肉のくさみをやわらげながら、香りを自然に入れられるからです。
ねぎやしょうがを直接肉に混ぜると、香りが強く出すぎたり、口当たりが気になったりすることがあります。でも水に香りだけを移せば、肉の味を邪魔せず、ふわっと上品な香りにできます。
白菜も大事な材料です。
・白菜を沸騰した湯で3分ほどゆでる
・水に落として粗熱を取る
・水けを絞る
・粗みじん切りにする
・ザルに上げて余分な水分を切る
白菜を入れることで、肉団子が重くなりすぎません。肉だけで作ると、ぎっしりした食感になりやすいですが、白菜が入ると水分とやわらかさが加わります。
ここで水けをしっかり絞るのも重要です。水分が多いと肉ダネがゆるくなり、揚げるときに崩れやすくなります。
肉の食感を生かす肉ダネの作り方と揚げ方
この料理の魅力は、肉の存在感です。
普通の肉団子はひき肉を使うことが多いですが、この作り方では豚肩ロース肉と豚バラ肉を8ミリほどに切り、包丁でたたいて使います。
作り方は次の通りです。
・豚肩ロース肉を8ミリ角くらいに切る
・豚バラ肉も同じくらいに切る
・包丁でたたく
・完全なひき肉にせず、少し粒感を残す
こうすると、食べたときに肉のかたまり感が残ります。ふわふわだけではなく、かむほどに肉のうまみを感じられるのが特徴です。
豚肩ロースは赤身とうまみ、豚バラは脂の甘みを足してくれます。この2つを合わせることで、かたすぎず、脂っぽすぎないバランスになります。
肉ダネの作り方は次の通りです。
・葱姜水大さじ2に、塩、こしょう、しょうゆ、紹興酒を混ぜる
・肉を大きめのボウルに入れる
・調味料を混ぜた葱姜水を3〜4回に分けて加える
・そのつど肉になじませる
・白菜を加える
・サッと混ぜる
・ごま油を加えて軽く混ぜる
ここで大事なのは、決して練りすぎないことです。
ハンバーグのようにしっかり練ると、肉が一体化して弾力が出ます。一方、獅子頭では肉の粒感を残すことで、食べたときに「肉を食べている」という満足感が出ます。
肉ダネをまとめるときは、次のようにします。
・肉ダネを2等分する
・1つずつ両手でキャッチボールするように打ちつける
・中の空気を抜く
・丸く整える
・バットにのせる
・冷蔵庫で30分ほど冷やす
冷やすことで脂が固まり、形が安定します。やわらかい肉ダネでも、冷やすと扱いやすくなります。
揚げ方は次の通りです。
・揚げ油を180度に熱する
・肉ダネをそっと入れる
・上から油をかけながら揚げる
・4〜5分ほど、きつね色になるまで揚げる
・表面が固まるまではなるべく触らない
・ペーパータオルに上げる
この時点では、中まで完全に火を通さなくても大丈夫です。あとで煮込むため、ここでは表面を固め、香ばしさをつけることが目的です。
揚げることで、外側に薄い膜ができます。この膜があると、煮込んだときに形が崩れにくくなります。また、油で焼き固めた表面がスープを吸い、食べたときに香ばしさと煮汁のうまみが一緒に広がります。
獅子頭が注目されやすい理由は、ただの肉団子ではなく、切る、たたく、香り水を入れる、揚げる、煮るという手順に意味があるからです。ひとつひとつの工程が、食感や香りを作っています。
鶏スープで仕上げる煮込みととろみあんの作り方
揚げた肉団子は、鶏スープで煮込みます。
ここからは、肉のうまみをスープに移し、同時にスープの味を肉団子に含ませる工程です。
作り方は次の通りです。
・煮込み用の鍋を中火にかける
・油を温める
・しょうゆを入れて15秒ほど炒める
・鶏ガラスープと砂糖を加える
・強火にかける
・揚げた肉団子を入れる
・沸騰したら落としブタをする
・弱火にして18分ほど煮る
・小松菜を入れて20秒ほど煮る
・肉団子と小松菜を器に盛る
しょうゆを少し炒めるのは、香りを立たせるためです。焦がしすぎると苦くなりますが、短時間だけ火を入れると香ばしさが出ます。
鶏スープは、肉団子の味を支える土台です。濃すぎる味つけではなく、肉のうまみを引き立てる役割があります。
砂糖は甘くするためだけではありません。しょうゆの角をやわらげ、全体の味を丸くします。中国料理では、しょうゆ、酒、砂糖を組み合わせて、香りとコクを作ることがよくあります。
仕上げのとろみあんは、次のように作ります。
・煮汁をザルでこす
・鍋に戻す
・紹興酒を加える
・沸騰させる
・火を止める
・水溶きかたくり粉を入れる
・中火にかけてとろみをつける
・油を少し加えて混ぜる
・肉団子にかける
煮汁をこすことで、口当たりがなめらかになります。肉や野菜の細かいかけらを取り除くと、あんがきれいに仕上がります。
最後に紹興酒を入れると、香りが立ちます。最初から長く煮込むより、仕上げに加えることで風味が残りやすくなります。
水溶きかたくり粉は、火を止めてから入れるとダマになりにくいです。そのあと中火にかけてしっかり温めると、とろみが安定します。
最後に油を少し加えると、あんにツヤが出ます。見た目がきれいになるだけでなく、口当たりも少しなめらかになります。
獅子頭は、家庭で作るには少し手間がかかる料理です。でも、その手間にはきちんと意味があります。
・肉を刻むことで食感が出る
・葱姜水で香りを入れる
・白菜でやわらかさを出す
・揚げて形と香ばしさを作る
・スープで煮てうまみを含ませる
・とろみあんで全体をまとめる
大きな肉団子なのに、食べるとやさしい味に感じるのは、肉の力強さとスープのやわらかさが合わさっているからです。
普段の肉団子とは少し違う、ごちそう感のある中国料理として、食卓の主役になれる一皿です。
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