小与島の穴ボコだらけの島に残る採石の歴史
瀬戸内海に浮かぶ小与島は、島のあちこちに大きな穴や切り立った岩肌が残る不思議な島です。
『世界の何だコレ!?ミステリー▼瀬戸内海に穴ボコだらけの奇妙な島?直撃(2026年6月24日)』でも取り上げられ注目されています 。
現在は静かな島ですが、かつては採石の島として栄えた歴史があり、穴ボコの風景には人の暮らしと産業の跡が刻まれています。
この記事でわかること
・小与島がどこにある島なのか
・島の穴ボコの正体
・小与島と採石の歴史
・牛ヶ首島に残る横顔の正体
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瀬戸内海の穴ボコだらけの島は香川県坂出市の小与島
小与島は、香川県坂出市の瀬戸内海に浮かぶ小さな島です。
場所としては、瀬戸大橋の近くにある与島のすぐそば。瀬戸内海には大小さまざまな島がありますが、小与島はその中でもかなり個性的な景色を持つ島です。
基本情報は以下の通りです。
・島名:小与島
・読み方:こよしま
・所在地:香川県坂出市
・周辺:与島、岩黒島、櫃石島、瀬戸大橋周辺
・特徴:島全体に採石場跡が残る
・主な見どころ:切り立った岩肌、採石跡、石の景観
・注意点:一般的な観光地のように自由に行きやすい島ではない
小与島が印象に残る理由は、島の自然だけでなく、人が石を切り出してきた歴史がそのまま風景になっているからです。
遠くから見ると、普通の島に見えるかもしれません。
しかし近づくと、山肌が大きく削られたような場所があり、島そのものが巨大な石の産業跡のように見えます。
この「自然の島なのに人工的に削られたような景色」が、小与島を不思議な島に見せている大きな理由です。

小与島の穴の正体は採石場跡
小与島の穴ボコの正体は、採石場跡です。
採石場とは、建物や石垣などに使う石を山や岩場から切り出す場所のことです。小与島では、島全体で石を切り出していた時代がありました。
つまり、島にある大きな穴や崖のような地形は、自然にできた洞窟ではなく、長い年月をかけて人が石を採った跡です。
小与島の採石場跡は、ただの古い作業場というより、島の歴史そのものです。
石を切り出すためには、硬い岩を割り、形を整え、船で運び出す必要があります。重機が今ほど発達していなかった時代には、人の力と技術がとても重要でした。
そのため小与島の穴ボコは、単に「変わった景色」ではありません。
かつて島で働いていた人たちの生活、技術、苦労が残った場所でもあります。
特に印象的なのは、採石跡がかなり大きく残っていることです。場所によっては、山を大きく切り取ったように見えます。
この風景が「瀬戸内海のグランドキャニオン」のように見えると言われるのも納得できます。
小与島が穴だらけになった理由は石材の採掘
小与島が穴だらけになった理由は、石材の採掘が盛んだったからです。
瀬戸内海の島々には、良質な石が採れる場所がいくつもあります。小与島もそのひとつで、昔から石を切り出す島として知られていました。
石材は、家の土台、石垣、港、橋、神社、寺、城など、さまざまな場所で使われます。今のようにコンクリートや鉄骨が当たり前になる前は、丈夫な石はとても大切な建築材料でした。
小与島で採れた石も、そうした建築や土木に使われてきたと考えられます。
島が穴だらけになった背景には、次のような流れがあります。
・良質な石があった
・石を切り出す仕事が島の産業になった
・島の広い範囲で採石が行われた
・採石が終わった場所に大きな跡が残った
・産業が衰えたあとも地形だけが残った
ここが、小与島のおもしろいところです。
普通の観光地なら、昔の建物や資料館が歴史を伝えます。
でも小与島の場合は、島の形そのものが歴史を伝えています。
山が削られた跡、切り立った石の壁、ぽっかり空いたように見える採石跡。
それらがすべて、かつて島で石を切り出していた証拠です。
今は静かな島でも、昔は石を切る音や船で運ぶ作業の声が響いていたのかもしれません。そう考えると、穴ボコだらけの景色が少し違って見えてきます。
小与島は大阪城の石にも関わる石工の島
小与島は、古くから石工の島として知られてきました。
石工とは、石を切ったり、形を整えたり、建物や石垣に使えるように加工したりする職人のことです。小与島のような石の島では、石を扱う技術が暮らしと深く結びついていました。
番組内でも、小与島の石は大阪城にも使われたと伝わっていることが紹介されています。
大阪城といえば、巨大な石垣が有名です。あれほど大きな城を造るには、大量の石が必要でした。瀬戸内海の島々から石を運ぶことは、海上交通を使えるという点でも理にかなっています。
もちろん、城の石材には多くの地域が関わっています。
その中で小与島が注目されるのは、島そのものが石の産地としての雰囲気を今も強く残しているからです。
小与島を見ると、「石を切り出す島」とはどういうものだったのかが、言葉だけでなく景色としてわかります。
また、島内には石でできたものや、採石の名残を感じさせる場所もあります。
こうしたものを見ると、石は単なる資源ではなく、島の人たちの生活を支えた大切な存在だったことが伝わってきます。
小与島の穴ボコは、ただの廃墟的な景色ではありません。
瀬戸内海の石文化を知る入口にもなります。
小与島には現在も夫婦2人で暮らす住人がいる
小与島は、現在も人が暮らしている島です。
番組では、島で夫婦2人で生活する中野さんが紹介されました。
家の多くが使われなくなり、かつてのにぎわいが薄れていく中で、今も島に残って暮らしている人がいるという点は、多くの人が気になる部分です。
小与島のような島では、生活の大変さもあります。
買い物、病院、交通、天候、船の手配。
本土や大きな島に住んでいると当たり前に感じることも、離島ではひとつひとつが大きな問題になります。
特に定期航路がない島では、移動手段の確保がとても重要です。
天気が悪ければ船を出しにくい日もありますし、急な用事があってもすぐに移動できるとは限りません。
それでも暮らし続ける人がいるのは、その島にしかない理由があるからです。
・生まれ育った場所への思い
・先祖から続く土地や家
・海とともにある生活
・採石や漁業に関わってきた記憶
・静かな環境での暮らし
小与島は、観光目線だけで見ると「不思議な島」「穴だらけの島」として見えます。
でも住んでいる人の目線で見ると、そこは生活の場所です。
この違いを知っておくと、小与島の風景をただ珍しいものとして消費するのではなく、島の歴史と暮らしを大切にしながら見ることができます。
小与島は定期航路がなくアクセスに注意が必要
小与島は、一般的な観光地のように電車やバスで気軽に行ける場所ではありません。
近くには瀬戸大橋があり、与島には車で行くことができます。
しかし、小与島そのものへ行くには船が必要です。
定期的に多くの観光客を運ぶような航路が整っている島ではないため、実際に訪れたい場合はかなり注意が必要です。
確認しておきたいポイントは以下です。
・小与島へ行ける船があるか
・上陸できる条件があるか
・私有地や立入禁止区域がないか
・天候によって船が出せるか
・帰りの手段を確保できるか
・島内に店やトイレがあるか
特に大事なのは、勝手に上陸しないことです。
小さな島には、住人の生活の場、私有地、危険な場所、崩れやすい採石跡などがあります。見た目には入れそうでも、安全とは限りません。
また、採石場跡は迫力がありますが、足場が悪い場所や崖のような場所もあります。
観光気分で近づくと危険な場合があります。
小与島を知るうえでは、まず地図や資料、周辺の与島・瀬戸大橋エリアの情報から理解するのが安全です。実際に訪問を考える場合は、地元の案内や船の手配、立ち入り可能な範囲を事前に確認することが欠かせません。
小与島は「行けば何とかなる島」ではなく、事前確認が必要な島です。
だからこそ、気軽な観光スポットとは違う、特別な存在感があります。
牛ヶ首島に残る人の横顔の正体は日蓮上人涅槃像
瀬戸内海には、小与島のほかにも不思議な島があります。
そのひとつが、香川県直島町にある牛ヶ首島です。
牛ヶ首島には、遠くから見ると人の横顔のように見えるものがあります。
その正体は、日蓮上人涅槃像とされる未完成の巨大な石像です。
涅槃像とは、横になった姿の仏教的な像のことです。
牛ヶ首島のものは、島の巨岩を利用して造られたとされ、完成していればかなり大きな信仰の場になっていたと考えられます。
ただし、この像は完成しませんでした。
大正時代に計画され、信者の協力も集められたものの、時代の変化や資金面などの事情で途中で止まったとされています。
そのため、現在も「未完成の巨大像」として島に残っています。
牛ヶ首島の横顔が興味深いのは、ただ不思議な形をしているからではありません。
そこには、
・信仰のために巨大な像を造ろうとした人たち
・島の岩をそのまま使う大胆な計画
・完成しないまま残った歴史
・遠くから見ると人の顔に見える独特な景観
という背景があります。
小与島と牛ヶ首島は、どちらも「島の岩」が大きな意味を持っています。
小与島は、石を切り出して暮らしを支えた島。
牛ヶ首島は、岩を信仰の象徴にしようとした島。
同じ瀬戸内海の島でも、石の使われ方がまったく違うのが面白いところです。
小与島は産業の跡、牛ヶ首島は信仰の跡。
この2つを比べると、瀬戸内海の島々がただ美しいだけではなく、人の暮らしや願いを受け止めてきた場所だとわかります。
参考リンク
・小与島の採石場跡や島の基本情報について (香川県公式ホームページ)
・牛ヶ首島の未完成の日蓮上人涅槃像について (レファレンス協同データベース)
・番組の放送内容について (tnc.co.jp)
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