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虎姫高校新聞部はなぜ7年連続最優秀賞?紙面の内容と強さの理由【Dearにっぽんで紹介】

教育

紙の新聞に高校生が込めるもの

SNSで短い情報が次々と流れていく今、時間をかけて取材し、紙面を作る高校生たちがいます。滋賀県立虎姫高校の新聞部は、身近な疑問を出発点に地域や社会へ取材を広げ、全国規模の審査で7年連続最優秀賞を受賞しました。

『Dearにっぽん「私たちが新聞を書く理由〜滋賀・虎姫高校〜」(2026年7月26日放送)』では、引退を控えた3年生たちの最後の新聞作りが描かれます。受賞歴だけでなく、高校生が新聞を書く意味まで知ると、その紙面が読まれる理由が見えてきます。

この記事でわかること

  • 虎姫高校新聞部が7年連続で最優秀賞を受賞した理由
  • 「虎姫高校新聞」と「にゅーとら!」の違い
  • 高校生が取材から紙面完成まで担う仕組み
  • SNS時代にも紙の新聞を作り続ける意味

虎姫高校新聞部が7年連続で最優秀賞を受賞できた理由

虎姫高校新聞部が高く評価されている大きな理由は、話題の珍しさだけでなく、企画、取材、執筆、写真撮影、編集、レイアウトまでを生徒自身が担っていることです。

学校行事の結果を並べるだけではありません。

「なぜ街にドラッグストアが増えているのか」「高校生はクリスマスをどう過ごすのか」「地域の産業や福祉はどのように支えられているのか」など、身近な疑問を掘り下げています。

全国高校新聞年間紙面審査賞は、1つの特別号だけで決まるものではなく、原則として前年に発行した新聞全体が審査対象になります。

つまり、たまたま1回よい記事ができただけでは、安定して評価され続けるのは難しいということです。

年間を通して新聞を発行し、取材の深さ、記事の内容、読みやすさ、紙面の構成などを高い水準で保つ必要があります。

7年連続という実績からは、先輩が培った取材方法や編集の考え方が、後輩へ受け継がれていることもうかがえます。

初めて実績を知ると、「高校の部活動でそこまで本格的に作るのか」と少し驚きます。個人的には、受賞回数そのものよりも、毎年部員が入れ替わる中で質を保っている点がいちばん大きな強さだと感じます。

虎姫高校新聞には何が書かれているのか

虎姫高校新聞が扱う内容は、校内ニュースだけに限られていません。

学校行事や部活動、生徒会、進路といった高校生活に近い情報に加え、地域の産業、環境、福祉、歴史、働き方などへテーマを広げています。

これまでの紙面では、次のような題材が取り上げられています。

  • 長浜市内に増えるドラッグストア
  • 教師や生徒に聞く恋愛・クリスマス事情
  • 琵琶湖やヨシを生かした地域の取り組み
  • 地域活性化や循環型社会
  • 福祉の仕事と暮らしとの関わり
  • 教育実習生や卒業生へのインタビュー
  • 高校生による商品開発や起業への挑戦
  • 生徒に人気の食べ物や作品の調査

一見すると、ドラッグストアと恋愛講座はまったく別の話に見えます。

しかし、共通しているのは、部員が自分たちの生活の中で感じた「これはなぜだろう」「ほかの人はどう考えているのだろう」という疑問から始めている点です。

たとえば、ドラッグストアが増えているというテーマも、店舗数を数えるだけでは十分ではありません。

出店が増えた地域、利用者が求めている商品、スーパーやコンビニとの違い、日用品や食品の販売が拡大している背景などを調べることで、地域の暮らしを映す記事になります。

恋愛講座も、単に先生の恋愛経験を面白おかしく紹介するだけなら、読み物としては一時的です。

世代による考え方の違いや、高校生が人との関わりをどう捉えているかまで伝えれば、読者が自分の経験と重ねられる記事になります。

身近なテーマほど簡単に書けそうに見えますが、ありきたりな内容にならないためには多くの人へ話を聞く必要があります。たしかにこれは、授業や受験勉強と両立しながら続けるには大変な作業です。

「虎姫高校新聞」と速報紙「にゅーとら!」の違い

虎姫高校新聞部では、本紙の**「虎姫高校新聞」と、速報紙の「にゅーとら!」**を発行しています。

虎姫高校新聞は年10回程度発行され、複数の記事をまとめて掲載する本格的な紙面です。

一方の「にゅーとら!」は、学校内で起きた出来事や伝えたい情報を素早く届ける役割を持ち、年間100回程度発行されています。

簡単に分けると、次のような違いがあります。

比較する点 虎姫高校新聞 にゅーとら!
主な役割 複数の企画を深く伝える 出来事を素早く伝える
発行回数の目安 年10回程度 年100回程度
内容 校内外の取材、特集、調査 学校行事や部活動などの速報
作り方の特徴 取材や編集に時間をかける 必要な情報を短くまとめる

「にゅーとら!」が始まったのは2016年です。

虎姫高校では、かつて発行されていた学校新聞が長期間途絶えていました。そこで生徒有志が、校内の情報を共有したいという思いから速報版を創刊し、本紙の復刊を目指しました。

その後、通常の新聞も復刊され、活動は新聞部として受け継がれています。

新聞が途絶えた学校で、いきなり大きな本紙を定期発行するのは簡単ではありません。

まず短い速報紙を作り、取材する習慣や紙面を読んでもらう流れを育てたことが、現在の活動につながったと考えられます。

個人的には、この順番がとても現実的だと感じます。最初から完成度の高いものを目指すのではなく、短くても発行を続けることで経験を積み、読者との接点も増やしていくからです。

企画から取材・執筆・レイアウトまで生徒が担当

新聞作りは、文章を書くことだけでは終わりません。

最初に必要なのは、読者が知りたいテーマを見つけることです。その後、取材相手を決め、質問を考え、予定を調整して話を聞きます。

集めた情報を整理したら、記事を書き、見出しを付け、写真や図の位置を決め、誤字や事実関係を確認します。

虎姫高校新聞部の主な工程を整理すると、次のようになります。

  1. 身近な疑問や伝えたい出来事から企画を決める
  2. 誰に何を聞くのか取材計画を立てる
  3. インタビューや現地取材を行う
  4. 写真を撮影し、必要な資料を集める
  5. 情報を整理して記事を書く
  6. 見出しや写真の配置を考える
  7. 内容や表記を確認して発行する

紙面では、4コマ漫画やイラストなども使い、読者が手に取りやすくなる工夫がされています。

大切なのは、情報量を増やすだけでなく、「どこから読めば内容がわかるか」「見出しだけでも興味を持てるか」を考えることです。

これは一般的な新聞や雑誌、ウェブメディアにも共通します。

どれほど丁寧に調べた記事でも、文字が詰まりすぎていたり、何について書かれているのかわからなかったりすれば、読者は途中で離れてしまいます。

文章を書くのが得意な人だけでなく、人と話すのが好きな人、写真が得意な人、パソコン操作やデザインが好きな人など、異なる得意分野を持つ部員が関われるのも新聞部の特徴です。

ただし、複数人で作るからこその難しさもあります。

原稿が予定どおり集まらない、取材結果が想定と違う、紙面のスペースに文章が収まらないといった問題も起こります。

部長がすべて抱え込めば、一時的には早く進むように見えても、ほかの部員が経験を積む機会が減ってしまいます。

実際に共同作業をするなら、誰がどこまで担当するのか、困ったときに誰へ相談するのかを早めに決めておきたいところです。

7年連続最優秀賞は何を意味するのか

「文化部のインターハイ」と呼ばれる全国高等学校総合文化祭は、全国の高校生が芸術や文化活動の成果を発表し、交流する大きな大会です。

新聞部門では、全国から集まった生徒が開催地を取材し、交流新聞を制作する活動などが行われます。

あわせて、1年間に各校が発行した新聞を評価する年間紙面審査賞の表彰も行われます。

この審査で見られるのは、大きな事件や有名人を取材したかどうかだけではありません。

身近な出来事を独自の視点で掘り下げているか、複数の立場から話を聞いているか、記事と写真がわかりやすく配置されているかなど、新聞としての総合的な力が問われます。

新聞部の活動は毎年メンバーが変わります。

3年生が引退すれば、取材先との連絡方法、質問の作り方、原稿の直し方、レイアウトの技術などを後輩へ引き継がなければなりません。

そのため、連続受賞は現在の部員だけの成果ではなく、先輩たちが積み重ねてきた経験と、それを受け取った後輩たちの努力がつながった結果といえます。

賞を取ることは大きな励みになりますが、賞だけを目標にすると、読者より審査を意識した紙面になる可能性もあります。

本来の新聞の役割は、読者が知らなかった事実を伝え、考えるきっかけを作ることです。

個人的には、連続受賞よりも「学校の生徒が実際に読みたくなるか」を大切にしている点に、この新聞部らしさが表れているように感じます。

SNS時代になぜ紙の高校新聞が読まれるのか

SNSは、情報を早く届けることに優れています。

部活動の結果や行事の予定など、短い連絡を広く伝えるなら非常に便利です。一方で、投稿が次々と流れ、後から見つけにくくなることがあります。

紙の新聞には、複数の記事を1枚の紙面で見渡せる特徴があります。

目的の記事を探していた人が、隣に掲載された別の記事を偶然読むこともあります。

この偶然の出会いは、関心のある情報だけが表示されやすいSNSとは異なる魅力です。

紙面には、学校生活の記録を残す役割もあります。

数年後に読み返せば、その年にどんな出来事があり、生徒が何を考えていたのかがわかります。卒業生や地域の人にとっては、学校と地域の変化を確認できる資料にもなります。

ただし、紙なら必ず深い情報になるわけではありません。

短い記事を並べただけなら、SNS投稿と大きな違いは生まれません。時間をかけて人に会い、複数の意見を聞き、背景を調べることで、紙面に残す価値が生まれます。

反対に、紙だけにこだわる必要もありません。

速報は校内掲示やSNS、詳しい調査は紙の新聞というように、情報の内容によって使い分ける方法もあります。

大切なのは紙かデジタルかを競わせることではなく、何を、誰に、どの深さで届けたいのかを考えることです。

部長・松井稜叡さんたちが最後の新聞作りで向き合うもの

3年生にとって、引退前の新聞作りには特別な重みがあります。

自分たちで紙面を完成させるだけでなく、後輩だけでも活動を続けられる状態にしなければならないからです。

番組では、人に頼ることが少し苦手な部長の松井稜叡さんと、部員たちの葛藤が描かれます。

責任感が強い人ほど、「自分がやった方が早い」「失敗させたくない」と考え、仕事を抱え込みやすくなります。

しかし、新聞は1人では作れません。

取材、写真、原稿、校正、レイアウトなどの仕事を分け、部員同士が声を掛け合わなければ、定期的な発行を続けるのは難しくなります。

人に頼ることは、責任を手放すことではありません。

相手に目的や期限を伝え、途中で進み具合を確認し、必要なときに支えることも部長の役割です。

また、後輩に任せれば、最初は思いどおりに進まないこともあります。それでも経験する機会を渡さなければ、次の世代は育ちません。

新聞部に限らず、部活動、学校行事、職場などで、同じような悩みを感じたことがある人は多いのではないでしょうか。

たしかに、頼ることは思っている以上に勇気が要ります。個人的には、完成した紙面だけでなく、誰かと一緒に作る方法を見つけることも、3年生が後輩へ残せる大切なものだと思います。

虎姫高校新聞を読みたいときに確認すること

虎姫高校新聞の内容を知りたい場合は、まず学校公式サイトの新聞部ページや、年度ごとの発行記事一覧を確認する方法があります。

記事一覧では、各号の発行日や主なテーマを確認できます。

ただし、すべての号について紙面全体が一般公開されているとは限りません。

学校新聞には、生徒の氏名や写真、校内向けの情報が含まれる場合があります。そのため、一般の人が自由に閲覧できる範囲は、学校側の判断によって異なります。

紙面そのものを読みたい場合は、次の点を確認するとよいでしょう。

  • 学校公式サイトで紙面画像や記事一覧が公開されているか
  • 学校説明会や文化祭で展示・配布されるか
  • 地域イベントや図書館などで紹介されているか
  • 学校外からの問い合わせを受け付けているか

在校生や保護者であれば、校内での配布・掲示場所を確認するのが確実です。

一般の人が学校へ問い合わせる場合は、新聞部員個人ではなく、学校の代表窓口を利用する必要があります。

また、取材対象となった店舗や施設で新聞が紹介されることも考えられますが、常時置かれているとは限りません。実際に訪れる前に、公開・配布状況を確認したいところです。

虎姫高校新聞部が伝えている新聞の本当の役割

虎姫高校新聞部の活動から見えてくるのは、新聞は特別な事件が起きたときだけ作るものではないということです。

学校の中で交わされる言葉、街に増えた店舗、地域で働く人の思いなど、普段は見過ごしてしまうものにもニュースの種があります。

重要なのは、「自分は気になる」で止めず、ほかの人に話を聞き、事実を確かめ、読者が理解できる形に整えることです。

その過程では、自分とは違う考えに出会うこともあります。取材前に想像していた結論と、実際にわかった事実が異なる場合もあるでしょう。

だからこそ、新聞作りには意味があります。

最初から決めた答えを証明するのではなく、人に会って話を聞き、自分の考えを更新していく作業だからです。

SNS時代に紙の新聞を作ることは、昔の方法を守るだけではありません。

情報が速く流れ、短い言葉で判断されやすい時代だからこそ、立ち止まって取材し、背景まで伝える価値があります。

虎姫高校新聞部の強さは、7年連続最優秀賞という結果だけではありません。

高校生自身の「知りたい」という気持ちを、ほかの誰かにも届く新聞へ変えていること。そして、1人で完成させるのではなく、仲間や後輩へつないでいることに、本当の価値があると感じます。

参考リンク


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