“川崎大師の人気の秘密”にふれる旅
お正月になると、境内いっぱいに人があふれる川崎大師。ただ賑わっているだけではなく、「どうしてここまで多くの人が訪れる場所になったのか」という背景には、長い歴史や地域の暮らし、伝承までが複雑に重なっています。今回は放送前に分かっている事実だけをもとに、その魅力をじっくりたどります。
川崎大師が日本有数の初詣スポットとも呼ばれる理由
川崎大師の正式名称は平間寺。創建は1128年で、真言宗智山派の大本山として存在感を持っています。特に“厄除け”で広く知られ、病気や災いを遠ざけたいと願う人たちの心の拠りどころになってきました。
こうした信仰が何百年と続いたことで、自然と参拝者の数も増え、時代が変わってもその流れは衰えません。初詣の参拝者が数百万人規模になる理由は、“年の始まりを良いものにしたい”という気持ちが、この場所なら叶えられると多くの人が信じてきた証でもあります。大都市圏に近くアクセスしやすいことも、今の人気を支える要素になっています。
平安時代に語られた“光るご本尊”の伝承とは
川崎大師の成り立ちには、少し不思議なエピソードがあります。平安時代、漁師が海に出ていたところ、波間から光を放つ小さな像を見つけた──そんな伝承が残っています。この“光るご本尊”が寺の建立につながったと言われ、地域で大切に語り継がれてきました。
実際の歴史資料で細かい点が確認できるわけではありませんが、こうした物語が寺への親しみや信仰心を強くし、人々が集まるきっかけになっていったことは確かです。「由来を知るともっと行きたくなる」場所が川崎大師なのだと感じられる部分です。
将軍家の参拝が“厄除けの寺”としての人気を後押し
時代が進んで江戸時代になると、川崎大師の名はさらに広がっていきます。その理由のひとつが、徳川将軍家の参拝です。将軍が訪れる寺は格式が高いと思われ、江戸の人々にとって強い安心感につながりました。
「将軍が参拝した場所なら、ご利益も大きいはずだ」という気持ちから、庶民の間で参拝熱が高まります。厄除けを求める文化が江戸の暮らしに根づいていくなかで、川崎大師はその中心に位置する存在へと育っていきました。今も“厄除けといえばここ”というイメージが強いのは、こうした歴史の積み重ねがあるからです。
なぜ参道がUターンするように曲がっているのか
川崎大師を歩くと特徴的なのが、参道の形。本堂へ向かう途中で進行方向が大きく曲がり、Uターンするような動線になっています。寺院の参道としては珍しい形で、初めて訪れた人は「どうしてこんなつくりなのだろう」と感じるはずです。
現時点では、この構造が生まれた歴史的理由は公的な資料でははっきりしません。しかし、周辺の町の発展、土地の形、そして寺と人の動き方が影響していると考えられます。この“謎の参道”がどんな背景から生まれたのかは、ブラタモリで明らかになる大きなテーマのひとつです。
東海道と川崎宿がつくった町と参拝の関係
川崎大師の門前に広がる町は、昔から多くの人が行き交う場所でした。理由のひとつは、東海道の宿場町・川崎宿が近くにあったことです。旅人たちは宿場で休み、ついでに寺へ参拝することも多く、寺と街道の関係は自然と深まっていきました。
人が多く行き交う土地柄は、寺の門前町のにぎわいも後押しします。店が増え、参拝する人の動線が整えられていく過程で、参道の形も街のなかで調和するように作られていったと考えられます。寺と町が一緒に成長してきた歴史が、今もその姿に残されています。
タモリが歩いてひもとく川崎大師の魅力
ブラタモリでは、タモリが実際に町を歩き、地形や歴史の“痕跡”を読み解いていきます。川崎大師の境内、古い町並み、石畳や道の曲がり方などを見ながら、長い時間で変化してきた“土地の物語”が紹介される予定です。
今回の放送前に分かるのは、寺の創建から現代までの大きな流れだけですが、番組ではさらに細かな疑問が解き明かされていきます。本堂の配置、参道の曲がり、町の広がり方など、地図だけでは分からない魅力を歩いて体感できるのがブラタモリの面白さです。
まとめ
川崎大師が今も多くの人に愛され続ける背景には、由来となった伝承、厄除け信仰、江戸時代の文化、町の発展、そして人々の願いが重なっています。初詣スポットとしてにぎわう理由は、単なるご利益だけではなく、長い時間をかけて育てられてきた“歴史そのもの”にあるのだとわかります。
放送後には、番組で明かされた内容をすべて反映して、この記事を改めて書き直します。
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