飲食店でおしぼりが出る本当の理由は「手と足を拭くため」
「なんで飲食店ではおしぼりが出てくるの?」
チコちゃんの答えは、
飲食店でおしぼりを出すようになったのは
手と足を拭くため です、というもの。
スタジオでは「足!?」と驚きの声。
今では手や顔を拭くイメージが強い おしぼり ですが、もともとは旅人が長い道のりで汚れた「手」と「足」をさっぱりさせるためのサービスだった、と解説されます。
現代の「おもてなしアイテム」だと思っていたものが、
実はもっと切実な生活感から生まれていた。
ここから、歴史の旅が始まります。
江戸時代の旅籠と東海道五十三次に見るおしぼり文化の始まり
番組では、江戸時代の 旅籠 の様子が紹介されます。
客が宿に着くと、入口に桶と手ぬぐいが用意されていて、
そこで旅人は道中で汚れた手足を洗い、拭いてから中に入ったと考えられています。
この風景を裏づけるように、浮世絵師 歌川広重(二代) による
「東海道五十三次」には、宿場町で旅人が手や足を拭く姿が描かれています。
江戸から京都までを結んだ東海道は、当時の大動脈。
泥だらけの道を歩き続けた旅人にとって、
濡れた布で手足を清める時間は、今でいう「シャワーを浴びるひととき」に近い、
大切なリセットだったのかもしれません。
ここでチコちゃんは、「おしぼり=清潔」のイメージのルーツが、
江戸時代の旅文化にまでさかのぼることを教えてくれます。
戦後の喫茶店から貸しおしぼり業へ タオル蒸し器と紙おしぼりの登場
時代は一気に戦後へ飛びます。
現在のように、飲食店で当たり前のように おしぼり が出されるスタイルは、
戦後の喫茶店文化の中で広まっていきました。
濡らしたタオルを温めて出す「蒸しタオル」が喜ばれるようになり、
それを専門に扱う「貸しおしぼり業」が登場。
さらに昭和三十年代になると、ビニールでおしぼりを包む機械が実用化されます。
清潔な状態で大量に運べるようになり、おしぼりは一気に全国の飲食店へ。
このころ、タオルを温める タオル蒸し器(ホットキャビ) を製造するメーカーも登場し、
業務用の機械として普及していきました。
そして昭和四十年代には、手軽に使える「紙おしぼり」が登場。
布おしぼりと紙おしぼりが場面によって使い分けられるようになり、
今の多様なスタイルへとつながっていきます。
おしぼりは、ただの布切れではなく、
機械・物流・衛生基準が絡み合った「小さな産業」でもあることが見えてきます。
東京オリンピックで世界が驚いた日本のおしぼりのおもてなし
番組では、東京オリンピック とおしぼりの関係にも触れられます。
昭和三十九年(1964年)の東京大会では、外食産業が一気に活気づき、
飲食店のサービスが国際基準を意識するようになります。
さらに二度目の東京大会となった2021年の 東京オリンピック・パラリンピック では、
国内外から訪れた記者たちに、布のおしぼりが提供されました。
業界団体の 全国おしぼり協同組合連合会 は、
衛生基準を定めた「衛生マーク」や「おしぼりの日(10月29日)」を制定し、
安心して使えるおしぼり文化を支えています。
世界の人たちから見ると、
「席についた瞬間に、温かくて清潔な布が出てくる国」はかなり特別です。
おしぼり は、静かに日本のおもてなしを代表する存在になっているのです。
顔をおしぼりで拭くとおじさん臭い?マナーとオキシトシンの意外な関係
ここで、誰もが一度は見たことのあるシーンに話題が移ります。
「男性が顔をおしぼりでゴシゴシ拭くと、おじさんっぽいと言われるのはなぜ?」
全国おしぼり協同組合連合会の中塚さんは、
「女性だって本当は顔を拭きたい。
でもお化粧をしているからできない。
だから“自分だけ爽快になってずるい!”という、
ちょっとした嫉妬もあるのでは」と分析します。
さらに番組では、おしぼりで顔を拭くと、
オキシトシン というホルモンが増えるという研究結果が紹介されます。
オキシトシンは、心を落ち着かせたり、人との絆を深めたりする働きがあるとされる物質です。
赤ちゃんを抱っこしているときなどにも分泌が増えることが知られています。
清潔で温かい布で顔を包む感覚は、
ひょっとすると私たちに「安心」のスイッチを入れてくれるのかもしれません。
マナーとしては、周りの人が不快に感じないかどうかが大事。
でも、なぜそれが気持ちいいのかを知ると、
おしぼりを見る目がちょっと優しくなります。
雑草が何度抜いても生えてくるのは「土壌シードバンク」のせいだった
二つ目のテーマは、庭のある人には超切実な 雑草 の謎。
「なんで草むしりしても、またすぐ雑草が生えてくるの?」
東京農業大学の 宮浦教授 が教えてくれた答えは、
雑草がまた生えてくるのは、あなたが草むしりをするから。
その裏には、土壌シードバンク という仕組みがありました。
土壌シードバンクとは、
土の中に、雑草の種が大量に貯金されている状態のこと。
番組で紹介された調査では、
なんと1平方メートルの土の中に、
およそ3万4000粒もの雑草の種が眠っていたそうです。
つまり、私たちが見ている雑草は「表に出てきたごく一部」で、
その下には、まだまだ控えの選手がぎっしり並んでいる、というイメージです。
草むしりのベストタイミングと、雑草を増やしてしまう抜き方
では、なぜ草むしりをすると、さらに 雑草 が増えるのでしょうか。
それは、抜くときに土をかき回すことで、
深いところに眠っていた種が地表近くまで引き上げられてしまうから。
種は、地表近くで昼と夜の温度差や光の変化を感じると、
「ここなら芽を出せそうだ」と判断し、発芽モードに入ります。
つまり、私たちの「よかれと思っての草むしり」が、
次の世代の雑草たちにとっては「スタートの合図」になってしまうのです。
では、どうすればいいのか。
宮浦教授は、
雑草が種を落とし始める「秋より前」に抜くのが効果的だと説明します。
種がこぼれる前に抜いてしまえば、
土壌シードバンクへの“預け入れ”を減らせるからです。
家庭菜園や庭の手入れでも、
カレンダーを見ながら「この辺で一度リセットしよう」と考えると、
体力も時間も少し楽になります。
一番根性のある雑草・オヒシバの生き方と対策
番組では最後に、宮浦教授が選ぶ
「一番根性のある雑草」として オヒシバ が紹介されます。
オヒシバは、春から夏にかけて勢いよく伸びる一年草。
地面にへばりつくような姿で広がり、
細かい髭のような根が土をしっかりつかんでいるため、
ちょっと引っ張ったくらいでは抜けません。
アスファルトのすき間や、踏み固められたグラウンドにも生えてくる、
まさに「ど根性タイプ」の 雑草 です。
対策としては、
・小さいうちにこまめに抜く
・秋に種を落とす前に処理する
という基本を守ることが大切です。
完全にゼロにするのは難しくても、
「生えっぱなしにしない」「種を残さない」
この二つを押さえるだけで、来年の景色はかなり変わってきます。
滝が凍る前に考えるべきは「なぜ滝が凍らないのか」
三つ目のテーマは、冬の絶景として人気の 滝。
「なんで滝は凍るの?」
ここでチコちゃんが返した答えが印象的です。
「いやいや、なぜ『滝が凍るのか』じゃなくて、
なぜ『滝が凍らないのか』を不思議に思うべきなのよ!」
解説してくれたのは、環太平洋大学 の 川村康文教授。
たしかに、川の水たまりや池は冬に凍るのに、
その元となる滝は、なかなか凍りません。
この「当たり前」をひっくり返して疑う視点こそ、
番組らしい鋭さです。
水分子の動きと温度 滝が凍りにくく、マイナス5度で凍り始める理由
川村教授は、まず水が凍る仕組みから説明します。
水は、たくさんの水分子が集まってできています。
ふだんはそれぞれが自由に動き回っていますが、
温度が下がるとだんだん動きが遅くなり、
0度あたりでほとんど動けなくなって氷の形になります。
しかし、滝のように水が激しく落ちている状態では、
水分子は常に揺さぶられ、強制的に動かされてしまいます。
そのせいで、0度近くまで冷えても、
水分子同士がきちんと手をつなぐ前にバラバラにされ、
なかなか氷の結晶になれません。
それでも気温が マイナス5〜6度 くらいまで下がると、
水分子の動きより「冷たさ」が勝ち始めて、
少しずつ凍りが形成されていきます。
だから滝が凍るのは、
「ふつうに考えれば凍ってもおかしくないのに、
ギリギリまで踏ん張っていた水が、
ようやく根負けした瞬間」とも言えるのです。
上から凍る氷瀑と下から凍る氷瀑 つららと過冷却のしくみ
番組では、氷瀑(ひょうばく) ができる二つのパターンも紹介されました。
ひとつは、「上から凍る」タイプ。
これは、つららと同じ仕組みです。
岩肌に飛び散った水しぶきが、
表面で少しずつ凍りつき、
そこにまた水が流れてきて凍る、
という積み重ねで、柱のような氷が伸びていきます。
もうひとつは、「下から凍る」タイプ。
ここでポイントになるのが 過冷却 の水です。
過冷却とは、本来なら凍っていい温度なのに、
何かのきっかけがないと凍らず、
液体のままで冷えきっている状態のこと。
滝から落ちてきた過冷却の水が、
滝つぼに激しくぶつかった瞬間、
その衝撃をきっかけに一気に凍り始め、
下側から大きな氷の塊が育っていきます。
同じ 滝 でも、
水しぶきの付き方や落差、気温によって、
「上から育つ氷瀑」と「下から育つ氷瀑」が生まれる。
自然の細かい条件で、姿ががらりと変わるのが魅力です。
茨城・袋田の滝、長野・大禅の滝、熊本・古閑の滝 日本各地の氷瀑めぐり
番組後半では、日本各地の代表的な 氷瀑 が紹介されました。
まず登場したのは、茨城県大子町にある 袋田の滝。
高さ約120メートル、幅約73メートルを誇り、
日本三名瀑のひとつにも数えられる名瀑です。
大きな岩壁を四段に分かれて流れ落ちることから、
「四度(よど)の滝」とも呼ばれます。
冬には、この大きな流れがそのまま凍りつき、
白いカーテンのような氷瀑となって多くの観光客を魅了します。
続いて紹介されたのが、長野県の 大禅の滝。
長野県東部の北相木村にある「三滝(大禅の滝・小禅の滝・浅間の滝)」のひとつで、
落差約30メートルの流れ全体が冬には氷柱となります。
氷が松ぼっくりのように重なって見えることから、
マツカサ状の氷瀑としても知られ、
険しい山あいに現れる白いオブジェのような姿が印象的です。
そして九州からは、熊本県阿蘇市の 古閑の滝。
阿蘇外輪山の断崖を流れ落ちる夫婦滝で、
落差約80メートルの「男滝」と、約100メートルの「女滝」から成ります。
最も寒い時期には、吹き付ける冷たい風によって水しぶきが次々と凍りつき、
巨大な氷瀑となって山肌を覆います。
氷の表面に花のような模様が浮かぶ「氷の華」が見られることもあり、
阿蘇の冬の風物詩として人気のスポットです。
同じ「滝なのに凍る」という現象でも、
地形や気候の違いによって、
まったく別の表情を見せる。
番組は、科学的な解説とともに、
日本の冬の風景の豊かさも教えてくれました。
コメント