記事内には、広告が含まれています。

NHK【所さん!事件ですよ】睡眠改善の最前線へ──150万円スリープツーリズムと寝る映画・睡眠誤認が映す“不眠大国ニッポン”|2026年2月28日

所さん!事件ですよ
メール購読のご案内

いつも「気になるNHK」をご覧いただきありがとうございます。
このブログでは、NHKの番組紹介や見どころ、新着情報などをいち早くお届けしています。

スポンサーリンク

不眠大国ニッポンへようこそ?「所さん!事件ですよ」が見つけた睡眠ビジネス最前線

今回の「所さん!事件ですよ(2026年2月28日放送)」のテーマは、ずばり睡眠です。
司会はおなじみの 所ジョージ木村佳乃。スタジオには、お笑い芸人の キンタロー。、マーケティングライターの 牛窪恵、そして睡眠学の世界的研究者である 柳沢正史 教授が並びました。

番組が追いかけたのは、150万円もする「眠りの館」から、寝落ちOKのコンサート、トラックドライバーの休憩問題まで。
「どうして日本人はここまで眠れていないのか?」
「お金と時間をかけてでも、みんなが欲しがる安眠とは何なのか?」

そんな問いを、ちょっとユーモラスに、でもかなり本気で掘り下げていく回でした。

4人に1人が不眠に悩む日本 経済損失は年間15兆円という現実

番組冒頭で紹介されたのは、「成人の4人に1人が睡眠の悩みを抱えている」という調査結果です。背景には、夜遅くまで働く生活リズムや、スマホ・パソコンに囲まれた環境があります。

実際、厚生労働省 の「国民健康・栄養調査」では、理想的と言われる7〜8時間眠れている人は2〜3割程度にとどまり、多くの人が睡眠不足ぎみだと報告されています。

さらに、経済協力開発機構(OECD) の調査では、日本人の平均睡眠時間は約7時間22分と、加盟国の中で最も短いグループに入ります。

そして決定打となる数字が、「睡眠不足による経済損失は、年間約15兆円にのぼる」という試算です。これは国際シンクタンクの ランド研究所 が出したもので、日本の国内総生産(GDP)の数%が睡眠不足で失われている計算になります。

番組では、お笑いコンビ「霜降り明星」の せいや も、不眠に悩む一人として名前が挙がりました。
「眠れない」という個人的な悩みが、実は国全体を揺らす大きな問題でもある――そんなスケールの話から、今回の“事件”はスタートします。

AIが脚本を書く「寝る映画」 あえて観客を眠らせるシネマ体験

最初に紹介されたのは、東京都内の映画館で上映されている「寝る映画」。
普通の映画は「最後まで起きて観てもらう」のがゴールですが、この作品は真逆で、「気持ちよく寝落ちしてもらう」ことが目的です。

脚本は**AI(人工知能)**が担当。
ストーリーといっても、ドキドキする展開は控えめで、ゆったりした映像と音、程よい単調さが続きます。人の脳は「刺激が少ない・変化が少ない」と眠くなっていくので、あえて山場を作らないことで、観客を眠りへと誘うのです。

観客はリクライニングシートやブランケットに身を預け、「起きていないといけない」というプレッシャーから解放されます。
映画館という場所が、「集中する場所」から「眠る場所」へと変わっていく。睡眠ビジネスが、ここまで来たのかと感じさせるケースでした。

寝落ちOKのクラシックコンサート 神戸で6万人を集めた“チルな夜”

続いてカメラが向かったのは、神戸市 で開かれている「寝落ちOK」のクラシックコンサート。
2021年に始まってから5年間で、のべ6万人を動員したという人気イベントです。

ピアニストで編曲を担当する中山さんは、プログラム全体に「起承転結」をつくり、その中に「入眠ポイント」を仕込むように工夫していると話します。序盤は少しだけ起伏のある曲を置き、中盤で静かで心地よい曲を続けることで、自然とまぶたが落ちてくる流れを作っているそうです。

指揮者の海老原さんも、「眠らないでほしい、とはまったく思わない」ときっぱり。
むしろ、音楽をBGMとして感じながら寝てもらえるのは、クラシック音楽との距離がぐっと縮まった証拠だと語ります。

実際、近年は「寝そべって聴く」「寝てもOK」といったコンセプトのクラシック公演が各地で増えており、首都圏では“チル・クラシック・コンサート”のようなシリーズも人気を集めています。
クラシックは「かしこまって聴くもの」というイメージが強かっただけに、「寝てもいいよ」というメッセージは、現代のストレス社会にフィットした新しい文化と言えますね。

睡眠学の権威・柳沢正史教授が語る「やってはいけない不眠対策」

スタジオでは、筑波大学「国際統合睡眠医科学研究機構(ダブリューピーアイ・アイアイアイエス)」機構長の柳沢教授が、不眠症の人がやりがちな“逆効果行動”を次々と指摘しました。

まず、一番よくないのが「眠れないのにベッドに居続ける」こと。
眠れない時間を長く過ごしてしまうと、脳と体が「このベッドは眠れない場所なんだ」と学習してしまい、ますます寝つきが悪くなるそうです。

柳沢教授のアドバイスはシンプルです。

  • 眠れなければ、いったんベッドから出て、静かな作業をする

  • 不眠症気味の人は、「早寝遅起き」よりも「遅寝早起き」の方がよい

  • 「寝酒」は一時的に眠りを早めるが、その後の睡眠の質を大きく落とすのでNG

特に寝酒は、多くの人がついやってしまう“誤ったセルフケア”。アルコールは深い睡眠を減らし、夜中に目が覚めやすくなるため、結果として睡眠の質を悪化させてしまうと説明しました。

眠りを“見える化”するカプセルホテル AI解析で自分の眠りを知る

番組が次に訪れたのは、東京都内のカプセルホテル。
ここでは、客室のカプセルに赤外線カメラ、収音マイク、体動センサーが組み込まれていて、一晩眠るだけで自分の睡眠データが取れる仕組みになっています。料金は1泊4900円から。

集めたデータはAIが解析し、「いびきをかいていた時間」「寝返りの回数」「眠りの深さ」などをグラフ化。後日レポートとして利用者に送られてきます。

同様の試みは、ナインアワーズ品川駅スリープラボ やナインアワーズ赤坂スリープラボなどでも行われており、カプセルホテルが「眠るだけの安宿」から「自分の眠りを知る実験室」に変わりつつあります。

柳沢教授によると、不眠を訴える人の3分の2は、客観的には十分眠れているケースも多いそうです。この状態は「睡眠誤認」と呼ばれます。
本人は「全然眠れていない」と感じていても、脳波や体動を調べると、意外と深い睡眠が確保できていることがあるのです。

だからこそ、「見える化」は大事だと教授は強調しました。
数字で自分の睡眠を知ることで、過度な不安が減り、「眠れた」「眠れていない」を冷静に判断できるようになるからです。

スイス発・7泊8日150万円の「眠りの館」 世界のスリープツーリズム最前線

番組タイトルにもある「150万円の安眠の館」として紹介されたのは、スイスの山あいにある高級施設。スイス

ここでは、参加者は最初に医師による体成分分析や血液検査など、かなり本格的なチェックを受けます。その結果をもとに、一人ひとりに合わせた睡眠改善プログラムが組まれます。

特徴的なのは、「体に適度なストレスを与えて、細胞を活性化させる」という考え方です。
軽い運動、温度刺激、光のコントロールなどを組み合わせて、体のリズムをリセットし、夜には自然と眠気が訪れるように整えていきます。

料金は7泊8日で約150万円から。まさに世界の富裕層やセレブ向けの“眠りの館”です。

スタジオでは牛窪さんが、ウェールズで1泊8万5000円のスリープツーリズム・プランが人気を集めている例も紹介しました。
眠るためだけに旅に出る「スリープツーリズム」は、ヨーロッパを中心に急成長している分野で、日本でも専門プランを持つホテルが増えています。

柳沢教授は、「アスリートや富裕層向けの高額サービスが増えている一方で、一般の人の睡眠負債も深刻」と指摘。
「本当は、生活リズムや働き方を整える方が、よほど効果的でコスパもいいのに……」という、少し皮肉まじりのコメントも印象的でした。

少しでも眠りたいトラックドライバー 2階建てトラックという“秘密基地”

番組後半の大きなテーマは、「眠れないトラックドライバー」の問題です。

取材班が訪れた運送会社では、ドライバーが横になって休めるスペースを積極的につくろうと、新型の「2階建てトラック」を導入していました。
運転席の後ろを2階構造にし、上部にベッドスペースを設けたトラックです。仕事の合間に横になって休憩できるだけでなく、仮眠も取りやすくなります。

背景には、トラック運転者の労働時間を見直すために、厚生労働省が定めた「改善基準告示」の厳格化があります。
2024年からは、4時間を超えて運転を続けてはいけない・合計30分以上の休憩を取るといったルールが明確化され、いわゆる「ヨンサンマル休憩」の徹底が求められるようになりました。

当然、ドライバーは休憩を取らなければいけません。
しかし、現場で起きているのは、「休憩したくても、トラックを停める場所がない」という深刻な問題でした。

パーキング不足と深夜割引 元ドライバー・橋本愛喜さんが語る「休憩難民」のリアル

番組は、大阪府静岡県 の高速道路パーキングエリアを取材しました。掛川パーキングエリアや遠州森町パーキングエリアは、夜になると大型トラックでいっぱいになり、路肩まで車があふれることもあるといいます。

ここで登場したのが、元トラックドライバーでライターの 橋本愛喜 さん。著書でもトラック業界の実情を発信している人物です。

橋本さんによると、「休憩難民」が生まれる理由は大きく二つあります。

1つ目は、単純な「駐車スペース不足」。
大型車用のマスが足りないため、休みたくても停められない状況が慢性化しています。

2つ目は、「深夜割引」の存在です。
高速料金の割引を受けるために深夜帯に走りたがるトラックが集中し、その時間帯のサービスエリア・パーキングエリアが一気に混み合うのです。

番組では、パチンコ店や商業施設の空き駐車場をトラック向けに開放するマッチングサービスも紹介されました。
「眠る場所がないから走り続ける」という、本末転倒な状況を少しでも減らすための取り組みとして、今後の広がりが期待されます。

昼寝は何時まで?コーヒーは飲んでいい?柳沢教授流・賢い仮眠術

再びスタジオに場面が戻り、柳沢教授が“仮眠のコツ”を教えてくれました。

ポイントは3つです。

  • 仮眠は午後2時までに

  • 時間は15〜20分程度にとどめる

  • 仮眠の前にカフェイン(コーヒーなど)を取る

午後の遅い時間に仮眠をしてしまうと、その夜の寝つきが悪くなります。
一方で、昼食後の早い時間に15〜20分だけ目を閉じると、夕方までの集中力がぐっと上がることが、さまざまな研究で示されています。

また、コーヒーなどのカフェインは、飲んでから効果が出るまで20〜30分ほどかかります。
そのタイミングを逆手に取って、「コーヒー→すぐ仮眠→起きる頃にカフェインが効き始める」という流れにすると、スッキリ目覚めやすくなるというわけです。

「眠れない夜をなんとかしよう」と思うよりも、日中の過ごし方を少し変える。
それが、良い睡眠への近道だと、教授は繰り返し強調していました。

いい眠りは高級ツアーよりも「生活の工夫」から 番組が投げかけたメッセージ

150万円の「眠りの館」、寝落ちOKのコンサート、AIが作る「寝る映画」、睡眠を見える化するカプセルホテル、そして休憩場所を求めてさまようトラックドライバー。

今回の「所さん!事件ですよ」が並べたのは、「眠れない日本」を取り巻くさまざまな現場でした。

確かに、お金をかければ、最新のスリープテクノロジーやラグジュアリーなスリープツーリズムを体験できます。
でも、番組全体を通して伝わってきたのは、次のようなメッセージです。

  • ベッドでダラダラしない

  • 寝酒に頼らない

  • 昼間に短い仮眠を上手に使う

  • 仕事の休憩時間をちゃんと確保する

こうした「生活の工夫」こそが、多くの人にとって一番現実的で、一番効果の高い睡眠改善なのだということです。

最後まで見終わったとき、「自分の眠りを、もう一度ちゃんと考えてみようかな」と思わせてくれる回でした。
高級な安眠ツアーに行けなくても、今夜のベッドに入る前の行動から、私たちは小さな“睡眠革命”を始められるのだと、そっと背中を押してくれる特集だったと思います。

NHK【チコちゃんに叱られる!】二度寝は『分割睡眠』だった?コルチゾールと遠藤拓郎教授が語る本能の真実|2025年11月28日

 


気になる生活ナビをもっと見る

購読すると最新の投稿がメールで送信されます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました