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NHK【皇居の盆栽】世界を出迎える樹木たち|大道庭園とは?家光ゆかりの五葉松と600年真柏の物語を深掘り|2026年3月1日★

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皇居の盆栽 世界を出迎える樹木たちとは

「皇居の盆栽 世界を出迎える樹木たち(2026年3月1日放送)」は、ふだんは決して入ることのできない皇居の裏側にカメラが入り、国賓を迎える場を支えてきた盆栽たちの素顔に迫る番組です。

舞台となるのは、皇居内にある 大道庭園 と呼ばれる盆栽の仕立て場です。ここには、樹齢数百年と伝わる名木が静かに並び、次の出番を待ちながら、日々手入れを受けています。番組は、単なる「趣味の盆栽」ではなく、国家レベルの儀礼を支える存在としての盆栽を、一本一本の物語とともに紹介していきます。

中でも、国賓を迎える際に宮殿を飾る 根上り五葉松、幹の一部が枯れてもなお生き続ける推定樹齢六百年の 真柏、そして徳川三代将軍・家光ゆかりの五葉松「三代将軍」など、名前を聞くだけで歴史の重さを感じる木々が登場します。

番組の案内役を務めるのは、日本美術史家の荒川正明教授です。陶磁器の専門家でもある荒川教授が、盆栽を支える伊万里焼・薩摩焼の盆器にも光を当て、木と器が一体となって生みだす美の世界を語っていきます。

宮殿を彩る皇居「大道庭園」と盆栽コレクション

皇居の 大道庭園 は、明治宮殿と同じころに整えられた、皇室のための園芸拠点です。ここでは、国の内外からの賓客を迎えるための盆栽が集中的に育てられており、宮内庁庭園課の職員たちが、日々こまやかな管理を行っています。

宮内庁の発信や専門家の解説によると、大道庭園にはおよそ九十種類・数百鉢におよぶ盆栽が収められているとされます。黒松や五葉松、真柏、けやき、もみじなど、四季折々の表情を見せる木々が、小さな鉢の上に「もう一つの自然」をつくり出しています。

国賓が来日するたびに、この大道庭園から選ばれた盆栽が宮殿へと運び出されます。かつてはフランスのジャック・シラク大統領やインドネシアのスハルト大統領が皇居を訪れ、盆栽を前に歓談したことも、関連番組で紹介されています。

こうした背景を知ると、番組に映る静かな並木も、単なる「庭の一角」ではなく、日本の外交や近代史とつながった、生きた文化財なのだと実感できます。

国賓を迎える高さ二メートルの根上り五葉松

番組の象徴的な一本として紹介されるのが、宮殿の儀式を飾る 根上り五葉松 です。根が地表から大きく露出し、岩場にしがみつくような姿を小さな鉢の上で表現した「根上り」という技法は、盆栽の中でも特に迫力のあるスタイルです。

この根上り五葉松は、高さおよそ二メートル。一般的な盆栽のイメージをはるかに超えたスケールで、宮殿の大広間に置かれても存在感を失わないよう計算されています。番組では、庭園課の職員が大人数で木を持ち上げ、慎重に運び出す様子も描かれます。一本の木を移動させるだけでも、一つの「儀式」のような緊張感が漂います。

五葉松は常緑樹で、冬でも青々とした葉を保ちます。その姿は、長寿や変わらぬ誠実さの象徴とされ、古くから祝いの席に欠かせない存在でした。国賓を迎える空間に五葉松が置かれるのは、「いつまでも変わらぬ友好を願う」という日本側のメッセージでもあります。これは番組の中で直接説明されるわけではありませんが、松に込められた意味は、古来の日本文化の中で共有されてきたものです。

幹が枯れても生き続ける推定六百年の真柏

もう一本、強く印象に残るのが、推定樹齢六百年とされる 真柏 の盆栽です。真柏はヒノキ科の常緑樹で、断崖絶壁のような過酷な環境にも根を張る強靭さから、盆栽の世界で愛されてきました。

番組に登場する真柏は、幹の一部が白く枯れながらも、別の部分から青々とした葉を茂らせています。この「枯れ」と「生」の対比は、盆栽の世界で「舎利(しゃり)」と呼ばれ、雷や風雪に耐えてきた時間の長さを物語る表現技法として重んじられてきました。

カメラは、幹のねじれたラインや、細い枝先の一葉一葉までじっくりと追っていきます。六百年という時間は、日本史でいえば室町時代のころから現代までです。その間に戦国時代も、江戸時代も、戦争も、すべてをくぐり抜けてきた一本の木が、いま皇居の静かな一角で呼吸を続けている——そう思うと、画面越しでも胸が締めつけられるような重みを感じます。

徳川家光遺愛の五葉松「三代将軍」がたどった数奇な歴史

番組の中でも特に物語性豊かに語られるのが、徳川三代将軍・家光が愛したと伝わる五葉松 「三代将軍」 です。

この木はもともと江戸時代、江戸幕府から植木屋の伊藤伊兵衛のもとに渡されたとされ、その後も大切に受け継がれてきました。近代になると堺市博物館に収蔵され、さらに時を経て皇居の大道庭園へと移されます。一本の盆栽が、将軍家から近代の実業家、そして皇室へと渡り歩いてきたこと自体が、まさに「生きた歴史資料」といえるでしょう。

番組では、当時の写真や資料をもとに、昭和初期の「三代将軍」と現在の姿を比較しながら、幹の曲がり方や枝ぶりがどのように変化してきたかが紹介されます。長い時間の中で少しずつ姿は変わっても、中心となるシルエットは守り抜かれている。そのことが、代々の作り手たちの責任感と、木に対する敬意の深さを物語っています。

盆栽を支える伊万里焼・薩摩焼の盆器という名脇役

皇居の盆栽で忘れてはならないのが、木を受け止める 盆器 の存在です。番組では、倉庫に並ぶさまざまな盆器が紹介され、荒川正明教授がその美術的価値について語ります。

皇居の蔵には、佐賀県の磁器である 伊万里焼 や、鹿児島県で生まれた 薩摩焼 など、名だたるやきものの盆器が収められています。伊万里焼は、十七世紀ごろに有田周辺で生まれた磁器が、伊万里港から積み出されたことに由来し、白地に青の染付や華やかな赤・金の上絵付けが特徴です。

一方の薩摩焼は、戦国時代の朝鮮出兵をきっかけに鹿児島で始まったとされる陶磁器で、白い素地に細かなひび模様を入れた「白薩摩」や、落ち着いた黒釉の「黒薩摩」など、多彩な表現で知られています。

番組では、色絵や瑠璃釉をまとった盆器に、盆栽がすっと収まっている様子が映し出されます。木と器が組み合わさることで初めて作品として完成する——そのことを、やきもの研究の第一人者である荒川教授が、具体的な作品名を挙げながら解説していきます。

一般公開されない「皇居の盆栽」が果たしてきたおもてなしの役割

大道庭園の盆栽は、ふだん一般公開されていません。国賓が来日したときや、重要な儀式が行われるときにだけ、宮殿や御所へ運び出され、その役目を果たします。

たとえば平成八年にはフランスのシラク大統領、昭和五十七年にはインドネシアのスハルト大統領が来日し、皇居の盆栽を実際に鑑賞したことが記録に残っています。盆栽は、言葉が通じなくても伝わる日本文化の象徴として、静かに場の空気を整えてきました。

現代では、高級ホテルや迎賓館でも盆栽をロビーに飾る例が増えていますが、その源流には皇居の盆栽文化があります。番組は、大道庭園の風景を通して、 盆栽 が日本最高レベルの「おもてなし装飾」として受け継がれてきた歴史を、やさしい語り口で伝えてくれます。

解説を務める荒川正明教授の視点と、やきものから見る盆栽の魅力

番組の出演者である 荒川正明 は、学習院大学の教授で、日本美術史、とくに日本の陶磁史を専門とする研究者です。出光美術館で多くのやきもの展覧会を手がけてきた経験を持ち、『やきものの見方』『やきものの楽しみ方』などの著書でも知られています。

荒川教授は、盆栽そのものの形だけでなく、「どの木に、どの器を合わせるか」という視点から、大道庭園のコレクションを読み解いていきます。同じ五葉松でも、素朴な信楽焼の器に入ると野趣が強まり、伊万里焼の華やかな盆器に入ると、宮廷的な気品が前に出る——そんな繊細な違いを、番組の中で丁寧に言葉にしてくれます。

視聴者は、盆栽を「木だけを見るもの」から、「木と器、そしてそれを置く空間まで含めて味わうもの」へと、見方を一段深めていくことができます。やきものの世界に精通した解説者がいることで、短い番組ながら、ぐっと厚みのある内容になっているのが印象的です。

皇居の盆栽に刻まれた日本人の美意識と、私たちが学べること

番組のラストで映し出されるのは、静まり返った大道庭園に並ぶ盆栽たちの姿です。 皇居の盆栽 は、華やかな場面で国賓を迎えるだけでなく、出番のない日常の時間も含めて、長い歴史を背負い続けてきました。

枝を切りすぎない、幹の傷を隠さない、枯れた部分さえも作品の一部として見せる——そうした盆栽の作り方には、「完璧なものよりも、時間の跡が見えるものを尊ぶ」という日本人の美意識が色濃く表れています。

私たちの日常から見れば、樹齢数百年の木と向き合う仕事は、気の遠くなるような時間の積み重ねです。しかし、番組を見終えるころには、「急いで結果を出すことだけが価値ではない」という、静かなメッセージを受け取ったような気持ちになります。

小さな鉢の上に広がる大自然。そこに刻まれた歴史と、美を支えてきた人々の手しごと。 皇居の盆栽 世界を出迎える樹木たち は、その世界をやさしい語り口で見せてくれる、密度の高いドキュメンタリーです。視聴後に実際の盆栽を訪ねることはできなくても、身近な鉢植えや街路樹を見る目が、少し変わっているかもしれません。

【皇居の宝物 盆栽物語】時を語る大道庭園の老木たち|皇居盆栽・三代将軍五葉松・大道庭園とは何か・値上り五葉・宮内庁庭園課・由来をたどる|2026年1月4日

 


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