戸塚純貴が人生初の福島県へ!南相馬で初めて尽くしの旅
全国のまちを訪ねて、そこに暮らす人たちとふれあう旅番組鶴瓶の家族に乾杯。
今回の舞台は福島県浜通り北部にある南相馬市です。
ゲストは、連続テレビ小説『虎に翼』などで注目されている俳優の戸塚純貴。
東北出身でありながら、これまで一度も福島県を訪ねたことがなかったという戸塚さんが、司会の笑福亭鶴瓶と一緒に「初めてだらけ」の旅に出ます。
旅のキーワードは、南相馬市民の誇りである相馬野馬追、福島の海が育てたメヒカリ、そして郷土料理いかにんじん。
震災と原発事故を経験したこの地域で、土地に根を張って生きてきた人たちと出会いながら、「ふつうの暮らし」の強さと優しさに触れていきます。
番組では、相馬野馬追に代々参加してきた名家、被災者を支えた人情おかみ、地域に根ざした農業高校など、南相馬の素顔が立体的に映し出されます。
東北出身なのに福島県は初めて?戸塚純貴の素顔と今回の旅のテーマ
戸塚純貴は岩手県盛岡市出身の俳優です。
東北生まれの彼が、「なぜか福島県だけ行ったことがない」というのが今回の旅の出発点になっています。
朝ドラ『虎に翼』では、個性のある青年を軽やかに演じて話題になった戸塚さん。
バラエティ番組では人懐っこく、少し不器用そうな姿も見せてきました。
そんな彼が、カメラと一緒に「初めての土地」に足を踏み入れることで、視聴者も一緒に福島を“初体験”するかたちになります。
この旅のテーマは、一言でいえば「知らなかった東北に、ちゃんと会いに行く」です。
同じ東北でも、太平洋に面した浜通りと内陸部では、文化も暮らしぶりも驚くほど違います。
今回の南相馬の旅を通して、戸塚さん自身が「自分のルーツである東北をもう一度見つめ直す」ような時間になっていきます。
馬のまち南相馬市へ 相馬野馬追が育てた人と馬の暮らし
福島県南相馬市は、「野馬追の里」というキャッチフレーズで知られる、馬とともに生きてきたまちです。
市内では今もおよそ200頭の馬が飼われていて、通りを騎馬武者姿で馬が歩いていたり、海岸で乗馬の練習をしていたりと、日常の風景に馬が溶け込んでいます。
この地域を象徴するのが、国の重要無形民俗文化財に指定されている相馬野馬追です。
毎年夏、甲冑をまとったおよそ400騎の騎馬武者が集まり、太刀を帯びて旗指物を風になびかせながら駆ける姿は、まさに時代絵巻そのもの。
相馬野馬追の起源は、千年以上前にさかのぼるといわれています。
相馬氏の遠い先祖とされる平将門が、野に放した馬を敵に見立てて追い立てる軍事訓練を行ったことが始まりで、その後、神事として地域に受け継がれてきました。
番組では、こうした歴史ある馬事文化に支えられた南相馬のまちを、戸塚さんが一歩ずつ歩いていきます。
道すがら見かける馬の像や、野馬追にちなんだ施設なども紹介され、単なる「観光地」ではない、暮らしに根ざした馬との距離感が伝わってきます。
代々相馬野馬追に参加する名家を訪問 馬とお宝とのご対面
旅の大きなクライマックスのひとつが、相馬野馬追に代々参加してきた名家への訪問です。
この家では、家族ぐるみで野馬追に関わってきた歴史があり、座敷には古い甲冑や旗指物、写真や記念品など、野馬追にまつわる「お宝」が大切に保管されています。
戸塚さんは、まず厩舎で馬と対面。
大きな馬を前に、緊張と高揚が入り混じった表情を見せながら、馬の首筋をゆっくりとなでていきます。
野馬追の騎馬武者にとって、馬は単なる道具ではなく「家族そのもの」です。
南相馬市では、競走馬としての役目を終えた元競走馬が、この地で第二の人生を送り、野馬追に出ることも多いといわれています。
座敷に戻ると、鎧兜や古い写真が次々と披露されます。
先祖が出陣したときの姿を写したモノクロ写真、戦前の野馬追のポスター、色あせた旗指物。
それぞれに「この年は雨で大変だった」「この時は若かったから馬が言うことを聞かなくてね」といったエピソードが語られ、戸塚さんも思わず聞き入ってしまいます。
こうした資料は、単なる家宝ではなく、地域の記憶そのものです。
近年、南相馬市では野馬追に関する企画展やデジタルアーカイブ化も進められていて、「野馬追トラベラーズ」といった企画展を通じて、その歴史を伝える試みも行われています。
地元で愛される食堂へ メヒカリといかにんじんを味わう福島グルメ
名家での訪問のあとは、地元で人気の食堂へ。
番組では、福島の海と大地が育てた味としてメヒカリといかにんじんが紹介されます。
メヒカリは、正式にはアオメエソと呼ばれる深海魚です。
福島県の沿岸部では昔から親しまれてきた魚で、特に小名浜や相馬・南相馬周辺では、唐揚げや天ぷらとしてよく食べられています。
小ぶりながら脂が乗っていて、揚げると骨ごとカリッと食べられるのが特徴です。
一方のいかにんじんは、するめいかとにんじんを細く切りそろえ、しょうゆベースのたれに漬け込んだ福島の郷土料理です。
福島県中通り北部が発祥とされ、100年以上前から冬の保存食として作られてきました。
雪の多い地域では、冬に新鮮な野菜や魚が手に入りにくいため、乾物と根菜を組み合わせた保存食が発達したと言われています。
番組の食堂シーンでは、戸塚さんと鶴瓶さんが、揚げたてのメヒカリにかぶりつき、いかにんじんを箸休めにしながら、「これはご飯が進む」「お酒にも合いそう」と顔をほころばせます。
福島の食文化は、「派手さはないけれど、毎日食べても飽きないおかず」が多いのが特徴です。
震災後、風評被害で水産物や農産物が打撃を受けた時期もありましたが、検査体制の整備と地道な発信によって、安全性とおいしさが少しずつ認知されてきました。
この食堂の一皿一皿にも、そうした時間がぎゅっと詰まっています。
被災者を支えた人情おかみの物語 震災後の南相馬と今
番組のもうひとつのハイライトが、「被災者を支えた人情おかみ」との出会いです。
東日本大震災と原発事故のあと、南相馬市は津波被害に加えて、避難指示区域に指定された地域を抱え、長く厳しい状況に置かれました。
市内の一部地域の避難指示が解除されたのは2016年7月で、それまで多くの住民が市外での避難生活を余儀なくされていました。
そんな中、旅館や食堂、商店を営む人たちが、自分たちも被災者でありながら、避難者を受け入れたり、炊き出しを続けたりしてきました。
番組に登場する「人情おかみ」もそのひとりです。
戸塚さんは、カウンター越しに当時の話を聞きます。
電気が止まり、物流も途切れた時期に、どうやって食材を集め、人を支えてきたのか。
「お客さんの顔を見ていると、こっちが励まされるのよ」と笑うおかみの言葉には、長い年月の重みがにじみます。
南相馬市では、「旧避難指示区域の復興なくして南相馬市の復興なし」という方針のもと、インフラ整備や生活再建が進められてきました。
それでも、人が戻るかどうかは最後は「ここで暮らしたい」と思えるかどうかにかかっています。
人情おかみの店のように、「帰ってきた人がほっとできる場所」が増えていくことが、復興の大きな支えになっています。
農業高校で人生初のアポなし取材交渉 高校生との真剣勝負
旅の終盤、戸塚さんは南相馬市原町区にある農業高校を訪ねます。
南相馬市には、創立1903年の歴史を持つ福島県立相馬農業高等学校があり、地域の農業教育の拠点となっています。
相馬農業高校では、生産環境科・環境緑地科・食品科学科などの学科が設置されていて、農業実習や食品加工、郷土芸能の継承など、地域と密接に結びついた学びが行われています。
今回のロケで戸塚さんに課されたのは、「人生初のアポなし取材交渉」。
校門前で深呼吸をしてから、職員室に向かい、「番組のロケで来た俳優の戸塚です。生徒さんのお話を聞かせてもらえませんか」と、少し緊張気味に頭を下げます。
許可が出てからは、畑や温室、家畜舎などを回りながら、農業を学ぶ高校生たちと対話していきます。
「なぜこの学校を選んだのか」「震災や原発事故をどう受け止めているのか」「これからどこで暮らしたいのか」。
生徒たちは、時に言葉を選びながらも、真っ直ぐな目で自分の考えを語ります。
相馬農業高校では、全校生と教員がいずれかの郷土芸能部に所属し、地域の祭りやイベントで披露していることも紹介されます。
野馬追の太鼓をたたく生徒、流山踊りを受け継ぐ生徒。
若い世代が地域の文化を担っている姿は、南相馬の未来そのものに見えてきます。
旅を通して見えてきた福島県南相馬市の魅力とこれから
今回の鶴瓶の家族に乾杯は、笑いのあるほのぼの旅でありながら、震災や原発事故を経験した地域が、日々の暮らしを積み重ねてきた時間を静かに映し出す回になっています。
戸塚純貴にとっては、東北出身なのに一度も訪れていなかった福島県との「初対面」。
しかし旅の終わりには、「また戻ってきたい場所」に変わっていきます。
馬と生きる文化を誇る相馬野馬追、海と大地が育てたメヒカリやいかにんじん、被災者を支え続けた人情おかみ、そして地域の未来を担う農業高校の生徒たち。
それぞれがバラバラのようでいて、同じ「南相馬らしさ」でつながっています。
観光客として訪れる時、南相馬市では、野馬追の資料館や乗馬体験施設、地元食材を使った飲食店など、馬文化と食文化を体感できるスポットがいくつも用意されています。
番組で描かれた風景をきっかけに、実際に足を運んでみたくなる視聴者も多いはずです。
「東北の、まだ知らなかった一面に出会う旅」。
この回は、そんなコピーがぴったりの、やさしくて力強い福島県南相馬市の物語になっています。
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