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NHK【うなぎのぼりLAB】東京湾タイムトリップで巡る第二海堡ツアーと市原市海づり公園の冬のスズキ、築地市場跡地の開発までつながる人流の理由|2026年3月2日

うなぎのぼりLAB
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うなぎのぼりLAB「東京湾タイムトリップ」とは?

番組「うなぎのぼりLAB〜人が集まる場所に何がある?〜」は、スマホの位置情報などをもとに、人がぐっと集まっているスポットを可視化する「うなぎのぼりマップ」を使い、日本各地の“今”を探るシリーズです。

今回のテーマは、首都圏の心臓部ともいえる 東京湾
出演は、お笑いコンビ銀シャリのボケ担当である 鰻和弘、俳優・タレントとして活躍する 高橋ひかる、そして旅行ガイドブック『地球の歩き方』の元編集長で旅の達人でもある 宮田崇 です。

湾岸の約九割が埋め立て地となった現代の東京湾で、
「なぜそこに人が集まるのか?」
「過去から未来へ、東京湾はどう変わろうとしているのか?」

釣りスポット、軍事要塞の名残、長距離フェリー、そして新たな再開発まで。
番組は、地図だけでは見えてこない東京湾の物語を、立体的に見せてくれます。

江戸時代から続く東京湾の埋め立てと、今の姿

まず番組が押さえたのは、 東京湾 そのものの姿です。

江戸時代、江戸の町は人口増加に合わせて、少しずつ海を埋め立てながら広がっていきました。明治以降の近代化、高度経済成長期の工業化を経て、現在では東京湾岸の約九割が埋め立て地と言われています。

埋め立てで生まれた土地には、
・工業地帯
・コンテナターミナル
・テーマパーク
・住宅地やショッピングエリア

など、さまざまな機能が並びます。

背景として、東京湾は波が比較的穏やかで、外洋からの入口が狭く守りやすい“内湾”です。そのため、港や工場を集中的につくるのに向いた地形で、戦前から戦後にかけて、国の政策として埋め立てが加速しました。

番組では、この「人間が作り替えた海」という視点から、次々と“人が集まる場所”をたどっていきます。

市原市「海づり公園」に冬の朝、人が集まる理由

最初に注目されたのは、千葉県市原市の工業地帯の一角です。
日曜の朝にもかかわらず、 市原市 の海沿いに、ぐっと人が集まっています。

そこにあったのが、桟橋スタイルの釣り施設 オリジナルメーカー海づり公園
千葉県で唯一の桟橋タイプの海釣り公園で、岸からおよそ百二十メートルの渡り桟橋を進むと、全長約三百メートルの釣り桟橋が海に伸びています。

冬の 東京湾 では、ここで スズキ(シーバス)がシーズン真っ盛り。
番組では、家族連れからベテランまで、竿を並べる姿が映し出されました。

施設には、レンタル竿、売店、ライフジャケットの貸し出し、常駐の指導員までそろっていて、初心者でも安心して釣りを楽しめる環境です。

一般的に、スズキは沿岸の流れが集まる場所や、ベイト(小魚)が豊富なところに集まる魚です。湾奥のこうした桟橋は、水深や流れの変化ができやすく、魚が付きやすいポイントとして知られています。この“魚の付きやすさ”が、そのまま“人の集まりやすさ”にもつながっているのです。

養老川と工場群が生み出す“魚が集まる東京湾”のひみつ

番組はさらに、一歩踏み込んで「なぜここまで魚が集まるのか」を探りました。

釣り桟橋のすぐそばを流れているのが、千葉県中部を流れる 養老川
この川だけでなく、上流には 江戸川荒川 など、関東平野を流れる川が合流しながら東京湾に注ぎ込みます。

これらの川が運んでくるのは、山や畑からの栄養分。
その栄養でプランクトンが増え、小魚が集まり、その小魚を追ってスズキなどの大型魚がやってきます。

さらに、すぐ近くには 五井火力発電所 があり、温排水によって冬でも周辺の海水温が少し高くなります。魚にとっては、“冬でも過ごしやすい温泉のような海”になり、そこへエサも集まる。だからこそ、冬場でも釣り人が途切れないスポットになっているのです。

市原市は、市としても釣り指導員を常駐させるなど、 釣りを観光資源として活かす取り組み を進めており、こうした施策も人流を支える背景にあります。

人工島・第二海堡に上陸!東京湾要塞化計画の真相

次に「うなぎのぼりマップ」が反応したのは、 横須賀富津 の中間あたり、東京湾の沖合です。

そこにぽつんと浮かぶのが、人工島の要塞 第二海堡
今では「東の軍艦島」とも呼ばれ、ツアーで上陸する人が後を絶たない人気スポットです。

第二海堡は、明治時代に始まった 東京湾要塞化計画 の一環として築かれました。
首都東京と軍港横須賀を守るため、東京湾口には

・第一海堡
・第二海堡
・第三海堡

という三つの海堡(海上要塞)が、千葉県富津岬と神奈川県観音崎の間に並ぶように建設されました。

当時は重機もほとんどなく、波の荒い海に石を落とし続けて基礎を作るという、気の遠くなるような工事が続きました。第二海堡は、完成までにおよそ二十年以上を要したと言われています。

そして大砲を二十門以上備えた“海の砦”として、東京湾の入口を守る役割を担いました。

戦後は軍事的役割を終え、長く“立ち入り禁止の島”として封印されていましたが、二〇一九年からはツアーに限って上陸が解禁され、多くの観光客が訪れるようになりました。

番組では、砲台跡や弾薬庫、壊れたレンガ造りの壁など、かつての軍事要塞の名残が、東京湾の真ん中に静かに残っている様子が描かれます。

千代ヶ崎砲台跡が物語る、首都防衛の歴史

東京湾の要塞化は、海上だけではありません。

神奈川県の海沿いには、陸上から東京湾口をにらむ砲台も多数つくられました。そのひとつが、千代ヶ崎砲台跡 です。

千代ヶ崎砲台跡は、明治期に築かれた陸上砲台で、東京湾要塞群の一部として整備されました。砲座や弾薬庫、地下通路などが残り、近年整備が完了して、一般公開が始まっています。

番組では、当時の図面を保管する 国立公文書館宮内公文書館 の資料も紹介され、海堡と連動して首都圏を守ろうとしていた防衛構想が浮かび上がります。

もともと東京湾の入り口は、外国艦隊が進入しやすい“弱点”でもありました。
江戸時代のペリー来航をきっかけに、品川台場などの海上砲台がつくられ、明治以降はさらにスケールを増した 東京湾要塞 に発展していきます。

今は静かな遊歩道のように見える場所にも、そんな緊張感の高い歴史が刻まれていることを、番組は丁寧に伝えていました。

横須賀〜新門司を結ぶ長距離フェリーという選択肢

続いて「人が集まる場所」として浮かび上がったのが、神奈川県の海沿いにある 横須賀フェリーターミナル です。

ここを発着するのが、東京九州フェリー の長距離航路。
神奈川県横須賀市の港と、福岡県北九州市の新門司港を、約二十一時間で結ぶ大型フェリーです。

船体は全長およそ二百二十二メートル、トラックを百五十台前後積み込める大きさ。客室は、

・一般客向けの洋室・和室
・くつろげるラウンジや大浴場
・ペットと一緒に泊まれる客室

などが用意されており、「走るホテル」のような船旅が楽しめます。

番組でも、海を眺めながらくつろぐ乗客の様子や、廊下を行き交うトラックドライバーの姿が紹介されました。

太平洋側をぐるりと回るこの航路は、陸路の高速道路に比べて、運転時間をぐっと減らせるのが大きなポイントです。

トラックドライバーの働き方改革とフェリー輸送の関係

番組が重要なポイントとして触れていたのが、 運送業の働き方改革 でした。

二〇二四年から、トラックドライバーの労働時間に関するルールが厳しくなり、

・連続運転できる時間の上限
・一定時間ごとの休憩義務

などが強化されています。

これまでなら、多少無理をしてでも陸路で一気に走りきっていた区間も、法律を守ろうとすると、運転手を増やしたり、途中で宿泊したりと、コストと時間が余計にかかるようになります。

そこで注目されているのが、フェリーを使った輸送 です。

トラックごとフェリーに乗せれば、運転手は船内で休憩や睡眠を取りながら、目的地に近づくことができます。到着後に再びハンドルを握れば、法律を守りつつ、所要時間はほとんど変わらないケースも多いのです。

番組では、ドライバー専用のラウンジや個室が用意されていることにも触れ、フェリーが「休憩時間を確保するための装置」としても機能していることを分かりやすく見せていました。

日本一のコンテナ港・東京港が担う物流の最前線

東京湾の人流を語るうえで外せないのが、東京港 です。

東京港は、日本を代表するコンテナターミナルを持つ港で、海外とのコンテナ取扱量でも国内トップクラス。東京港連絡橋や 東京国際クルーズターミナル など、巨大な物流・旅客のインフラが集中しています。

コンテナ港が発達した背景には、

・埋め立てで広い岸壁を確保しやすいこと
・首都圏の物流拠点に近いこと
・鉄道・高速道路との連携がしやすいこと

といった地理的な強みがあります。

番組では、コンテナが積み上がるターミナルの映像や、大型クレーンが休みなく動き続ける様子が紹介され、東京湾が日本中、さらには世界中のモノの流れを支えている“見えない裏側”が浮かび上がりました。

お台場エリアで進む新名所計画と巨大噴水ショー

東京湾の未来を象徴する場所として、番組が取り上げたのが お台場エリア です。

ここには、巨大フェリーが発着するための新しい船着き場が整備されつつあり、そのすぐ近くの お台場海浜公園 では、世界最大級規模の噴水プロジェクトが進行中です。

高さおよそ百五十メートル、横幅約二百五十メートルとされる噴水ショー 東京アクアシンフォニー は、東京湾の夜を彩る新たなランドマークになると期待されています。

湾岸の埋め立て地は、かつては倉庫や工場が中心の“働く場所”でしたが、
今は、

・フェリーターミナル
・クルーズ船の寄港地
・大規模イベントスペース

など、人が遊びに行く“楽しむ場所”へと転換が進んでいます。

番組は、こうした変化を映像で見せながら、東京湾が「物流の海」から「観光とエンタメの海」へと役割を広げつつあることを伝えていました。

築地市場跡地のスタジアム構想と“空飛ぶ車”の未来像

さらに、番組は 築地市場 の跡地にも目を向けます。

かつて日本の台所と呼ばれた築地市場は豊洲に移転し、その跡地では、
・およそ五万人収容の大型スタジアム
・周辺の複合開発
・将来の 空飛ぶ車 の発着場候補

といった大規模な都市計画が検討されています。

空飛ぶ車と呼ばれる次世代モビリティは、電動で垂直離着陸できる機体を使い、都市内や近郊を短時間で結ぶことを目指す技術です。世界各地で実証実験が始まっており、日本でも二〇三〇年代の実用化が視野に入っています。

築地跡地は、都心に近く、海に面し、ヘリポートや船着き場とも連携しやすい場所です。
番組は、「東京湾の空と海が、近い未来にどうつながるのか」という、大きな問いをここで投げかけていました。

番組から見える東京湾の過去・現在・未来

今回の「東京湾タイムトリップ」では、

・魚が集まり、人が竿を並べる釣り桟橋
・首都を守るために築かれた人工島の要塞
・トラックと人を運ぶ長距離フェリー
・コンテナが行き交う巨大港湾
・噴水ショーやスタジアム、空飛ぶ車が描く未来都市

というように、東京湾 を軸に、時間も役割もまったく違う風景が並べられました。

江戸時代から続く埋め立ての歴史、明治の要塞建設、高度経済成長期の工業地帯、そして二〇三〇年代を見据えた新たな都市計画。

番組が見せてくれたのは、
「人が集まる場所には、必ず理由がある」
というシンプルで力強いテーマです。

魚を求める人、国を守ろうとした人、荷物を運ぶ人、休みたい人、新しい景色を作ろうとする人。

それぞれの思いが重なり合って、今の 東京湾 の風景ができているのだと分かる内容でした。

この記事では、番組で紹介されたスポットを中心にまとめましたが、実際に足を運んでみると、また違った“東京湾タイムトリップ”が見えてくるはずです。

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