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スマイルカットとは?全国の実施店の探し方と料金・予約前に確認したいこと【気づきの扉で紹介】

福祉
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髪を切ることをあきらめないために

美容室に入れない、バリカンの音が怖い、カットクロスを巻けない。髪を切ることが大きな負担になる子どもと家族を支えているのが、スマイルカットです。

『気づきの扉「誰もが笑顔で髪を切れる…スマイルカット」(2026年7月17日放送)』では、美容師・赤松隆滋さんの取り組みが紹介されます。

このページでは、スマイルカットの仕組みや実施店の探し方、料金、予約前に伝えておきたいことをまとめています。

この記事でわかること

  • スマイルカットと普通のヘアカットの違い
  • 赤松隆滋さんが活動を始めたきっかけ
  • 全国の実施店と料金の確認方法
  • 予約前に伝えることと持ち物

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スマイルカットとは無理に髪を切らない取り組み

苦手」が「できた!」に変わるヘアカットの秘密。新刊『スマイルカットでみんな笑顔に!』が発売 | 株式会社佼成出版社のプレスリリース

(出典:「苦手」が「できた!」に変わるヘアカットの秘密。新刊『スマイルカットでみんな笑顔に!』が発売 | 株式会社佼成出版社のプレスリリース)

スマイルカットとは、理容室や美容室の椅子に座って髪を切ることが難しい人に、その人のペースに合わせて行うヘアカットです。

主に、発達障害や感覚過敏などがあり、一般的な美容室を利用しにくい子どもたちを支えています。

名前だけを見ると、特別な髪形やカット技術のように感じるかもしれません。しかし、最大の特徴は髪形ではなく、押さえつけたり無理強いしたりしない進め方にあります。

初回から髪をすべて切ることを目標にはしません。

まずは店の前まで行く、店内に入る、担当者と顔を合わせる、椅子に触れるといった小さな段階から始めます。本人が安心できる範囲を確認しながら、少しずつできることを増やしていきます。

最終的な目標は、1人でサロンの椅子に座り、納得した状態で髪を切れるようになることです。

個人的には、「今日は全部切れなくてもよい」という考え方が大切だと感じます。髪を整えることだけでなく、次も美容室へ行ってみようと思える経験を残すことが優先されているからです。

なぜ美容室で髪を切ることが難しいのか

美容室には、髪を切ることが苦手な子どもにとって負担になりやすい刺激が数多くあります。

例えば、次のようなものです。

  • バリカンやドライヤーの大きな音
  • ハサミが顔や耳の近くを動く怖さ
  • 首や頭を触られる感覚
  • 切った髪が肌に付くチクチク感
  • カットクロスで首元を覆われる感触
  • 店内の音楽やほかの利用客の話し声
  • 知らない人や場所への不安
  • 終わる時間が分からないことへの戸惑い

大人から見ると小さなことでも、感覚に敏感な子どもにとっては、その場にいられないほど強い刺激になる場合があります。

2017年から2018年にかけて行われた、発達障害のある人のヘアカットに関する調査には、36都道府県と海外から合計373件の回答が寄せられました。

普段のカット場所は、美容室が38%、理容室が31%、家庭内が29%でした。一方で、理容室や美容室でカットしたいかという質問には、77%が前向きな回答をしています。

つまり、店で髪を切りたくないとは限りません。切りたい気持ちはあっても、音や感触、周囲の視線などが壁になっているケースがあるのです。

じっと座れない、急に立ち上がる、泣いてしまうといった行動も、わがままと決めつけることはできません。何かを怖がっていたり、不快な刺激から離れようとしていたりする可能性があります。

初めて知ると少し驚きますが、「切らせてくれない」のではなく、「今の環境では切ることが難しい」と考えると、必要な工夫が見つけやすくなります。

赤松隆滋さんが活動を始めたきっかけ

スマイルカットを始めたのは、京都市伏見区の美容室Peace of Hair(ピースオブヘアー)を営む美容師・理容師の赤松隆滋さんです。

きっかけは2010年でした。

赤松さんは児童館で、保護者向けの子どもの前髪カット講座を開いていました。講座終了後、発達障害のある子どもを育てる保護者から、自宅で髪を切り続けることの難しさや、受け入れてくれる場所が見つからない悩みを聞きます。

その後、児童館を利用して、子どもが髪を切る練習をする取り組みが始まりました。

しかし、最初からうまくいったわけではありません。

赤松さんは、バリカンやドライヤーの音を苦手とする子どもにバリカンを使い、強いパニックを起こさせてしまいました。この経験から、カット技術だけでは十分ではないと気づき、発達障害や子どもへの接し方を学び始めます。

失敗を隠さず、そこから方法を見直した点は、この活動を理解するうえで欠かせません。個人的には、最初から特別な知識を持っていたのではなく、目の前の子どもに教えられながら変わっていったところに意味があると感じます。

赤松さんは2014年にNPO法人そらいろプロジェクト京都を設立。現在はスマイルカットを全国へ広げる講習会や、理美容師を目指す学生への教育にも取り組んでいます。

普通の美容室と違う5つの進め方

スマイルカットでは、予約を取ってすぐ髪を切るのではなく、事前の聞き取りから始まります。

基本的な流れは次の5段階です。

1.近くの実施店へ連絡する

公式の実施店一覧から通える店舗を探し、電話やメールで問い合わせます。予約サイトだけで申し込まず、最初にスマイルカットを希望していることを伝えるのが大切です。

2.事前カウンセリングを受ける

これまでのカット経験や、苦手な音、触られると嫌な場所、好きなものなどを担当者と共有します。

美容室で泣いた経験や、店に入れなかったことも隠す必要はありません。詳しく伝えるほど、本人に合った方法を考えやすくなります。

3.カットする場所を相談する

本人の状態や店舗の対応範囲に応じて、営業中の店内、営業時間外の店内、自宅などから場所を検討します。

ただし、自宅でのカットには法律上の条件があり、すべての店舗が訪問に対応しているわけではありません。

4.担当者や店の雰囲気に慣れる

初回は、担当者と会うだけで終わることもあります。店に入れた、椅子に触れた、鏡の前に立てたという経験も大切な前進です。

5.できることから少しずつ進める

必要に応じて、絵カードやタイマーなどを使い、何をするのか、いつ終わるのかを目で見て分かるようにします。

先の見通しが立つことで、不安を小さくできる場合があります。ただし、同じ方法がすべての子どもに合うわけではありません。担当者と保護者が様子を見ながら調整していきます。

すぐに完成させる一般的なカットと比べると、時間も回数も必要になる可能性があります。それでも、無理に切って強い苦手意識を残すより、安心できる経験を積み重ねる方が、その後の生活にもつながりやすいと考えられます。

全国のスマイルカット実施店はどこで探せる?

スマイルカットの実施店は、NPO法人そらいろプロジェクト京都の公式一覧から都道府県別に探せます。

2026年7月15日時点では、公式ページに108店舗が掲載されています。北海道から九州まで店舗がありますが、すべての都道府県に実施店があるわけではありません。

一覧には、店舗名、担当者名、住所、電話番号などが掲載されています。訪問専門や完全予約制の店舗もあるため、住所だけで判断せず、対応内容まで確認してください。

また、実施店の担当者は、経験や知識が全員同じというわけではありません。講習を受けながら経験を積んでいる担当者もいるため、予約前には次の点を聞いておくと安心です。

  • 子どもの年齢や状態に対応できるか
  • 店内に慣れるだけの訪問も可能か
  • 営業時間外に対応してもらえるか
  • 保護者の付き添い方法
  • カットを完了できなかった場合の料金
  • 訪問カットに対応しているか
  • 予約の変更やキャンセル条件

実際に選ぶなら、距離だけでなく、担当者と相談しやすいかも確認したいところです。

最初の電話で「すぐに切ることを求めず、慣れるところから始めたい」と伝え、その考えを共有できる店舗を選ぶとよいでしょう。

料金はいくら?店舗によって違う点に注意

スマイルカットには全国共通の料金がありません。営業時間、カットする場所、年齢、訪問の有無などによって、店舗ごとに料金が異なります。

活動の拠点となっている京都のPeace of Hairでは、2026年7月15日時点で次の料金が案内されています。

メニュー 料金
小学生までの店内カット 3,900円
中学生・高校生の店内カット 4,200円
大人の店内カット 4,600円~5,700円
訪問スマイルカット カット料金+訪問料金
伏見区内への訪問料金 2,000円~3,000円
伏見区外への訪問料金 3,000円~

この金額はPeace of Hairの料金であり、全国の実施店に共通するものではありません。

また、現在は赤松さん本人による自宅訪問を受け付けていません。京都まで行けば必ず赤松さんに訪問してもらえるわけではないため、予約前の確認が必要です。

気になるのは、髪を最後まで切れなかった場合の料金です。途中で終了した場合や、店に慣れる練習だけで終わった場合の扱いは、店舗によって異なる可能性があります。

料金だけを比べるのではなく、必要になりそうな回数や訪問費、交通費まで含めて確認すると、後から戸惑いにくくなります。

初めて利用するときに伝えることと持ち物

予約前には、診断名だけでなく、本人が実際に困っていることを具体的に伝えます。

同じ診断名でも、苦手な刺激や落ち着ける方法は一人ひとり違うためです。

伝えておきたい内容は次のとおりです。

  • バリカンやドライヤーの音が苦手か
  • ハサミを怖がるか
  • 首、耳、頭など触られると嫌な場所
  • カットクロスを巻けるか
  • 切った髪が肌に付くことを嫌がるか
  • 店に入ることや椅子に座ることができるか
  • 好きな動画、音楽、遊び、キャラクター
  • 落ち着きやすい声のかけ方
  • これまで髪を切った場所と方法
  • 過去に強く嫌がった経験

持ち物としては、着替えを用意しておくと安心です。

カットクロスを巻けない場合、細かな髪が服の中へ入り、チクチクした感覚が残ることがあります。前開きの服や、首元が広めの着替えがあると対応しやすくなります。

本人が落ち着けるタブレット、イヤーマフ、お気に入りのおもちゃなどについては、持ち込み可能か事前に店舗へ相談してください。

そして、個人的に最も大事だと感じるのは、保護者が担当者へ何度も謝らなくてもよい環境を選ぶことです。

泣く、動く、店から出ようとするといった行動には、本人なりの理由があります。叱って無理に続けるのではなく、何が負担になったのかを担当者と一緒に確認することが、次の一歩につながります。

髪を切れたかどうかだけでなく、店に入れた、担当者と会えた、ハサミを見られたという小さな変化も、その日の大切な成果です。

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