寺・電気街・世界の味が混ざり合う大須
名古屋の大須を歩くと、歴史ある寺のすぐ近くに電子部品店があり、その先から海外料理の香りが漂ってきます。一見まとまりがないようで、この「何でも受け入れる空気」こそ、大須が長くにぎわってきた理由です。
『ブラタモリ 名古屋・大須商店街▼ド派手な寺!電気街ビルの宝!海外グルメも(2026年7月25日)』でも、寺・電気街・多国籍グルメが共存する街の成り立ちが取り上げられます。
この記事でわかること
- ド派手な寺と大須商店街の関係
- 大須が電気街として発展した背景
- 東仁王門通に海外料理が集まる理由
- 万松寺やオッソブラジルを回る方法
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ド派手な寺は万松寺|商業施設の中にあるように見える理由
大須商店街にあるド派手な寺として知られているのが、万松寺(ばんしょうじ)です。
場所は名古屋市中区大須3丁目。大須商店街のアーケードを歩いていると、店舗やアミューズメント施設が並ぶ一角に突然、寺院の入口が現れます。
一般的な寺院のように、広い境内の奥へ本堂が続く造りではありません。建物と商店街が一体化しているため、初めて見ると「本当にここがお寺なのか」と少し驚きます。
万松寺には、次のような現代的な設備や演出があります。
- 大型LEDビジョン
- 白龍のモニュメント
- 織田信長を題材にしたからくり人形
- QRコードを利用したデジタル賽銭
- キャッシュレスで購入できる賽銭用コイン
電子決済を利用した賽銭と聞くと、伝統から離れているように感じるかもしれません。しかし、万松寺は昔の姿をそのまま保存するだけでなく、参拝しやすい方法を時代に合わせて取り入れてきました。
個人的には、派手な演出だけを見て「変わった寺」と判断するのは、少しもったいないと感じます。見た目は新しくても、背景を調べると織田家ゆかりの長い歴史につながっているからです。
万松寺は1540年、織田信長の父である織田信秀によって、織田家の菩提寺として建立されました。
もともとは現在の名古屋市中区錦・丸の内周辺にありましたが、名古屋城の築城に伴い、1610年に現在の大須へ移されています。
つまり万松寺は、単に商店街の中へ後から入ってきた寺ではありません。大須の街が現在の形になる前から、この土地の成り立ちに深く関わっていた存在です。
万松寺の参道はなぜ商業ビルの中を通っているのか
万松寺と大須商店街の関係を理解するうえで大切なのが、1912年に寺域の大部分が開放されたことです。
万松寺は現在よりもはるかに広い土地を持っていました。その土地が開放されると、劇場や映画館、飲食店などが集まり、人が行き交う繁華街へ変わっていきます。
寺の周囲に店が集まったというより、寺の土地と参道を中心に街そのものが育っていったと考えるとわかりやすいでしょう。
参拝者が通る道には店ができ、人が集まる場所には娯楽施設が生まれます。買い物や食事を目的に訪れた人も寺の前を通り、参拝する人も商店街で買い物をします。
この相互関係が、大須のにぎわいを支えてきました。
現在の万松寺周辺では、寺院施設、商業施設、ゲームセンター、飲食店などが狭い範囲に並んでいます。そのため、参道が商業ビルの中を通っているような独特の景観になっています。
たしかに、静かな寺院を想像して訪れると雰囲気の違いに戸惑うかもしれません。ただ、大須では寺と商業が対立するのではなく、長い間、一緒に人を呼び込んできました。
宗教施設と商店街が共存する仕組みそのものが、大須らしさといえます。
万松寺を訪れる際は、正面の本堂だけでなく、周辺の通りや建物の位置関係も見てみると、街の歴史がより理解しやすくなります。
大須はなぜ電気街になった?第1アメ横ビルに残る専門店文化
大須は「愛知の秋葉原」と呼ばれることがあります。
ただし、最初からパソコンや電子部品の街だったわけではありません。
戦後の大須では、露店や古物店などが増え、ラジオ部品や中古家電を取り扱う店も集まるようになりました。家電製品が広く普及していく時代には、修理用の部品や専門的な機器を探す人が大須を訪れるようになります。
その電気街を象徴する場所の1つが、第1アメ横ビルです。
第1アメ横ビルには、OA機器、家電、電子部品、オーディオなどを扱う専門店が入っています。大型家電量販店とは異なり、目的の部品を店員さんに相談しながら探す昔ながらの雰囲気が残っています。
大型店では、完成した製品を比較して購入するのが一般的です。
一方、専門店が集まるビルでは、次のような目的で訪れる人がいます。
- 古い機器の修理部品を探す
- オーディオ機器を相談する
- 電子工作用の部品を購入する
- 中古機器や珍しい製品を見る
- 現在は製造されていない部品について尋ねる
個人的には、必要な商品をすぐ検索して買える時代だからこそ、店主に用途を伝えて探してもらう店の価値が高まっているように感じます。
ただし、第1アメ横ビル全体の休館日と各店舗の営業日は、必ずしも同じではありません。特定の店や商品を目当てに訪れる場合は、営業状況を事前に確認した方が安心です。
また、番組概要では半世紀にわたり街を見守ってきた電器店店主が登場するとされていますが、放送前の公開情報だけでは店名を断定できません。
第1アメ横ビル内や周辺には複数の専門店があるため、店名が正式に確認できるまでは、特定の店舗だと決めつけない方がよいでしょう。
タモリが興味を示した真空管とは?今も使われる理由
電器店で話題になる真空管は、電気信号を増幅したり、電流を制御したりするために使われる電子部品です。
ガラス管の中を真空状態にし、内部に設けられた電極の間で電子を移動させて働きます。
現在の家電やパソコンでは、小さくて省電力な半導体が広く使われています。真空管は半導体よりも大きく、熱を持ちやすいうえ、消耗する部品でもあります。
そのため、「昔の機械に使われていた部品」という印象を持つ人も多いでしょう。
それでも真空管は、完全になくなったわけではありません。
現在も主に次の分野で使われています。
- 真空管アンプ
- ギターアンプ
- 古いラジオや音響機器の修理
- レトロ機器の保存
- 電子部品の収集
特にオーディオや楽器の世界では、真空管特有の音の変化を好む人がいます。
半導体のアンプは、音を正確に増幅しやすく、小型化しやすいのが特徴です。一方、真空管アンプは、音に独特の厚みや柔らかさを感じる人がいるため、今も製品が作られています。
もちろん、どちらの音が優れているかは単純には決められません。好み、使用するスピーカー、音楽の種類、設置場所などによって印象は変わります。
実際に選ぶなら、見た目の格好よさだけでなく、次の点を確認したいところです。
- 交換用の真空管を入手できるか
- 本体や真空管が高温にならないか
- 修理を依頼できる店があるか
- 音を出すまでに時間が必要か
- 維持費を負担できるか
また、真空管は古ければ必ず価値が高いわけではありません。型番、製造元、保存状態、動作の可否によって価値が異なります。
専門知識のない状態で古い機器の内部に触るのは危険です。電源を切っていても内部に電気が残っている場合があるため、修理や部品交換は詳しい人や専門店に相談する必要があります。
東仁王門通はなぜ多国籍グルメの通りになったのか
寺や電気街と並び、現在の大須を象徴しているのが多国籍グルメです。
なかでも東仁王門通には、ブラジル、ベトナム、タイ、インド・ネパール、イタリアなど、さまざまな国の料理を扱う店が集まっています。
約300メートルの通りで、複数の国や地域の料理を楽しめるのが特徴です。
大須に海外料理店が集まった背景には、もともと新しい店や文化を受け入れやすい街だったことがあります。
大須では長年、古着、電化製品、サブカルチャー、海外雑貨、昔ながらの飲食店など、異なる分野の商売が共存してきました。
どれか1つの業種で街全体を統一するのではなく、空いている場所へ新しい店が入り、訪れる人の層も広がっていきます。
海外出身の店主にとっても、同じ国の人だけを対象にするのではなく、日本人の買い物客や観光客へ料理を知ってもらえる環境がありました。
先に店を始めた人が地域に定着すると、知人や同じ言語を話す人が周辺へ集まり、食材の入手先や商売に関する情報も共有しやすくなります。こうしたつながりが、海外料理店や関連する店が増える土台になりました。
初めて知ると少し驚きますが、大須の国際化は突然始まったものではありません。
寺の門前町から娯楽の街へ、娯楽の街から電気街へ、さらに古着やサブカルチャー、多国籍グルメの街へと変化してきた延長線上にあります。
大須は、昔の文化を新しい文化で塗り替えたのではなく、古いものを残したまま新しいものを隣へ加えてきた街なのです。
鶏の丸焼きはオッソブラジル|注文前に確認したいこと
東仁王門通を代表する店の1つが、ブラジル料理店のOSSO BRASIL(オッソブラジル)です。
所在地は名古屋市中区大須3丁目41-13。地下鉄の上前津駅から歩いて向かいやすく、東仁王門通のアーケード内にあります。
名物は、専用の機械で時間をかけて焼き上げる鶏の丸焼きです。
鶏肉は下味を付けてから焼かれ、余分な脂が落ちることで、生の状態よりも小さくなります。皮の香ばしさと、内側のやわらかさを一緒に楽しめる料理です。
丸焼きには、丸ごとの形を残したタイプのほか、食べやすく切り分けたタイプやハーフサイズがあります。店内で食べるだけでなく、持ち帰りにも対応しています。
選び方の目安は次のとおりです。
| 利用場面 | 選びやすいタイプ |
|---|---|
| 見た目の迫力を楽しみたい | カットなしの丸焼き |
| 店内ですぐ食べたい | カットタイプ |
| 少人数で試したい | ハーフサイズ |
| 家族や複数人で食べたい | 丸焼き1羽 |
| 持ち帰って食べたい | テイクアウト対応商品 |
鶏の丸焼きは、一般的な唐揚げのように1人分ずつ分かれていません。骨の周囲にも肉が付いているため、食べる人数だけでなく、ほかの料理を注文するかどうかも考えて選ぶ必要があります。
少人数で初めて試すなら、個人的にはハーフサイズや食べやすく切られたタイプの方が失敗しにくいと感じます。
一方、家族や友人と持ち帰る場合は、丸ごと1羽の方が見た目の楽しさがあります。
持ち帰った丸焼きは、容器の注意書きに従って温めます。公式案内では、対応するトレーに入った商品は電子レンジで温めたあと、オーブンで表面を焼くと、皮の食感を戻しやすいとされています。
営業日や営業時間は変更される場合があります。月曜日を定休日としている案内が多いものの、不定休や短縮営業が加わることもあるため、遠方から訪れる場合は当日の営業情報を確認してください。
また、予約対応の有無や、鶏の丸焼きの取り置きができるかについても、必要な場合は直接店舗へ確認した方が確実です。
人気商品は時間帯によって提供状況が変わる可能性があります。特に、持ち帰り用を確実に購入したい場合や、大人数分が必要な場合は、出発前の確認が安心です。
大須商店街を回るなら上前津駅からが便利
万松寺、第1アメ横ビル、東仁王門通、オッソブラジルをまとめて見たい場合は、地下鉄の上前津駅から歩き始めると回りやすくなります。
おおまかな順番は次のとおりです。
- 上前津駅から万松寺へ向かう
- 万松寺通と新天地通周辺を歩く
- 第1アメ横ビルで電気街の雰囲気を見る
- 東仁王門通へ移動する
- オッソブラジルなどの海外料理店を見る
- 余裕があれば大須観音方面まで歩く
上前津駅は万松寺や東仁王門通に比較的近く、オッソブラジルへも向かいやすい駅です。
一方、大須観音や仁王門通から先に歩きたい場合は、大須観音駅から始める方法もあります。
どちらの駅からでも商店街へ入れますが、今回の場所を中心に回るなら、上前津駅側から出発した方が移動をまとめやすいでしょう。
大須商店街にはアーケードがありますが、すべての移動区間が完全に屋内というわけではありません。雨の日や暑い日は、駅から商店街までの移動や、通りを横断する場所も考えておく必要があります。
また、店ごとに開店時間が異なります。寺院は比較的早い時間から参拝できますが、物販店や飲食店は午前11時前後から営業するところが多くあります。
朝早すぎると閉まっている店が多いため、寺と店舗の両方を見たいなら、午前11時以降の方が回りやすくなります。
土日やイベント開催日は人が増えやすく、食べ歩きの店や人気店の前では列ができることがあります。小さな子どもを連れて歩く場合は、昼食時を少し外すなど、混雑を避けた方が安心です。
車で訪れる場合は、特定の店の専用駐車場を前提にせず、周辺のコインパーキングを利用する形になります。
料金や最大料金の条件は駐車場によって違います。「最大料金あり」と表示されていても、曜日や時間帯によって適用されないケースがあるため、入庫前に案内板を確認してください。
大須が今も元気なのは変化を拒まなかったから
大須商店街の魅力は、寺、電気街、古着、多国籍料理といった個別の場所だけではありません。
異なる時代に生まれたものが、互いを排除せず同じ街に残っていることが大きな特徴です。
万松寺は寺域を街へ開き、人が集まるきっかけを作りました。戦後には古物や電気関係の店が増え、第1アメ横ビルのような専門店街が生まれます。
その後は古着、アニメ、コスプレ、海外料理など、新しい目的で訪れる人が増えていきました。
普通は街の特徴をわかりやすくするため、店舗の業種や景観をそろえたくなります。しかし大須は、統一するよりも違いを受け入れてきました。
個人的には、ここが大須のいちばん面白いところだと感じます。
歴史ある寺を訪れた直後に電子部品を探し、その数分後にはブラジルの鶏料理を食べられます。一見つながりのない体験が、歩いて回れる範囲に収まっています。
大須を訪れる際は、人気店だけを急いで回るより、通りごとの雰囲気の違いにも目を向けてみてください。
万松寺の門前町として始まった街が、電気街や多国籍グルメの街へ広がっていった流れを知ってから歩くと、商店街の見え方が大きく変わります。
参考リンク
- 万松寺の歴史と境内案内
- 万松寺の所在地・アクセス情報
- 万松寺のデジタル賽銭と賽銭用コイン
- 第1アメ横ビル公式情報
- 大須商店街の店舗・街歩き情報
- 東仁王門通の多国籍グルメ
- オッソブラジル公式サイト
- 大須商店街公式・オッソブラジル店舗情報
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