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常陸牛は育て方で味が変わる 鳴かない飼育と妊娠牛放牧が生んだ煌の理由【うまいッ!】2026年1月13日

うまいッ!
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常陸牛はなぜ、ここまで「うまい」のか

このページでは『うまいッ!(2026年1月13日放送)』の内容を分かりやすくまとめています。
一口食べた瞬間に感じる、やわらかさと香り。その裏側には、牛が過ごしてきた時間と、人の手のかけ方がありました。番組が追ったのは、ブランド名や等級だけではなく、牛が落ち着いて生きられる環境そのものです。

鳴かない牛舎、こまめな掃除とえさやり、そして妊娠中から続くケア。特別なことをしているようで、実は当たり前を積み重ねているだけ。その積み重ねの先に、わずかしか選ばれない「煌」という存在があります。育て方と味が、一本につながる理由をたどっていきます。

常陸牛とは何か:認定基準とブランドの考え方

常陸牛は、茨城県が誇るブランド牛です。
茨城県内の指定生産者が育てた黒毛和牛の中から、日本食肉格付協会の枝肉取引規格で、歩留等級AまたはB、肉質等級4または5という厳しい条件を満たしたものだけが選ばれます。
さらに、その中でも常陸牛振興協会が認定した牛肉だけが、常陸牛の名を名乗ることを許されます。

ここで大切なのは、「おいしそう」だからではなく、どこで、だれが、どんな基準で育てたかが、すべて揃って初めてブランドになるという考え方です。
飼育環境、えさ、日々の管理まで含めて品質とされ、偶然ではなく積み重ねによって味が作られます。

茨城県の公式な案内でも、常陸牛指定生産者の飼育管理統一された飼料、そして長い飼育月齢をかけて仕上げる牛肉として紹介されています。
時間と手間を惜しまない姿勢そのものが、常陸牛というブランドの正体です。

最高峰「常陸牛 煌」:2%といわれる理由と数値基準

常陸牛 煌(きらめき)は、常陸牛の中でもさらに選び抜かれた、まさに頂点に立つ存在です。
番組では「約2%しか選ばれない究極の牛肉」として登場し、現場での取材映像とともに、その価値が丁寧に描かれていました。サルティンボッカやビーフシチューといった料理紹介に加え、牛肉がよりおいしく感じられる工夫も紹介され、素材そのものの力が強調されます。

常陸牛 煌が特別とされる理由は、基準の細かさにあります。
歩留等級はA等級のみ、さらにオレイン酸比率55%以上小ザシ指数110以上といった数値条件が設けられ、見た目の霜降りだけでなく、脂の質や舌触りまでが評価対象になります。
口に入れた瞬間の口どけ、後味に残る風味のやわらかさは、量ではなく質で決まる、という考え方がはっきり示されています。

この常陸牛 煌は、「風味・口溶け・繊細さ」を感覚ではなく数値で示した全国でも珍しい基準として位置づけられています。
長い時間と手間をかけ、条件をすべて満たした牛だけがたどり着ける場所。それが、常陸牛 煌です。

おいしさを落とす“ストレス”:肉質に影響する仕組み

牛肉のおいしさは、育て方だけでなく、牛がどれだけストレスを感じずに過ごせたかで大きく変わります。
番組で紹介されていた「ストレスが多いと苦みのある脂が増え、風味が落ちる」という表現は、感覚的ですが本質を突いた言い方です。

牛が強いストレスを受けると、体の中ではコルチゾールなどのホルモンが分泌され、筋肉の中のグリコーゲンの使われ方が変わります。
その結果、肉になったあとに起こるpHの変化に影響し、やわらかさや香り、脂の印象に差が出てきます。おいしさは、切ってからではなく、生きている間にすでに左右されているのです。

さらに厄介なのは、ストレスの原因が一つではないことです。
移動の負担暑さや寒さ牛舎の混雑大きな音人の接し方などが重なり合い、少しずつ牛に負担を与えていきます。
だからこそ番組では、特別な技術よりも、牛が落ち着いて過ごせる環境づくりそのものが、おいしさにつながる要素として強調されていました。

佐藤さんの飼育の工夫:鳴かない環境づくりと日々の管理

番組では「おいしさの秘密は、牛が『モー』と鳴かないこと?」という印象的な切り口が示されました。
ここで語られているのは、牛を無理に黙らせることではありません。不快や不安、要求が少ない環境では、牛は自然と落ち着くという事実を、分かりやすく伝えるための表現です。

牛が鳴く背景には、空腹暑さや寒さ汚れた牛舎落ち着けない空間といった理由があります。
番組で紹介された佐藤さんの飼育では、こうした要因を一つずつ減らすことが大切にされています。えさや水を切らさないこと、牛舎をこまめに掃除すること、牛が横になりやすい状態を保つこと。どれも地味ですが、欠かすことのできない作業です。

この考え方は、アニマルウェルフェアの視点とも重なります。
牛が自由に動ける十分な空間、快適な床や寝床、えさや水への確実なアクセスといった管理が、ストレスを減らす基本とされています。
佐藤さんの現場では、特別な仕掛けよりも、毎日のえさやりと掃除を積み重ねることで、牛の状態を細かく見守っています。
その積み重ねこそが、肉質の安定と、常陸牛のおいしさを支える土台になっています。

お腹の中から始まるケア:妊娠牛の放牧が意味すること

番組では、常陸牛づくりの取り組みが生まれてからではなく、お腹の中にいるときから始まっていることが示されました。
妊娠中の牛を広い田んぼで放牧するという佐藤さんのやり方は、特別な演出ではなく、牛の体に無理をかけないための選択です。

妊娠期、いわゆる胎子期の環境は、その後に生まれてくる子牛の状態に深く関わります。
妊娠中に強いストレスがかかったり、体への負担が続いたりすると、出産後の成長や体調に影響が出ることが知られています。番組では、その考え方を背景に、母牛が落ち着いて過ごせる環境づくりが重視されていました。

特に注目されたのが、暑さや窮屈さから牛を遠ざける工夫です。
屋外の広い場所で体を動かせること、無理な姿勢を続けずに済むことは、母牛の負担を減らし、結果として健康的な子牛の誕生につながります。
放牧そのものが目的なのではなく、母体と胎子のストレスを減らすという考え方が中心にあります。

こうした妊娠期からのケアは、すぐに見た目で分かるものではありません。
しかし、生まれてくる子牛の体調や、その後の育ちやすさに影響する重要な土台として、番組では静かに、しかしはっきりと描かれていました。

常陸牛の料理:サルティンボッカとビーフシチュー

番組では、常陸牛の持ち味を生かす料理として、サルティンボッカとビーフシチューが紹介されました。
サルティンボッカは、料理名が「口に飛び込む」という意味を持つとされる一品で、本場では仔牛肉・生ハム・セージを使うのが定番です。番組ではこれを常陸牛でアレンジし、バジルを合わせる形が示されていました。
一方、ビーフシチューはすね肉を時間をかけて煮込み、肉の繊維がほどけるまで火を入れることで、赤身のおいしさを引き出す料理です。

サルティンボッカ
材料(1人分)
常陸牛(モモ肉) 5枚
・生ハム 5枚
・バジルの葉 5枚
・バター 20g
・オリーブ油 大さじ1
・小麦粉 適量
・白ワイン 150ml

作り方
・肉の上に生ハムとバジルをのせ、つまようじで固定します
・表面に小麦粉を薄くまぶします
・フライパンにバターとオリーブ油を入れて熱し、肉を焼きます
・片面に火が通ったら裏返し、白ワインを回しかけます
・皿に盛り、フライパンに残ったスープをかけて仕上げます

常陸牛のビーフシチュー
材料(1人分)
・牛すね肉 150g
・塩 1.5g
・赤ワイン 適量
・たまねぎ、にんじん、にんにく、セロリ(炒めたもの) 各適量
・ブラックペッパー 適量
・小麦粉 適量
・オリーブ油 適量
・トマトペースト 適量
・しょうゆ 適量

作り方
・すね肉に塩をふり、赤ワイン、炒めた野菜、ブラックペッパーを加えて4〜5時間ねかせます
・肉を取り出して小麦粉をまぶし、オリーブ油で表面を焼きます
・肉を戻し、水、トマトペースト、調味料を加えて約3時間煮込みます
・肉を一度取り出し、野菜をミキサーで細かくして鍋に戻します
・肉以外をさらに約2時間煮込み、盛り付けた肉にソースをかけて完成です

どちらの料理も、常陸牛そのものの味を生かすために、下ごしらえと火の入れ方を大切にしている点が、番組の中で強く伝えられていました。

まとめ

常陸牛のおいしさは、特別な技や派手な工夫から生まれるものではありません。番組を通して見えてきたのは、牛にストレスをかけない飼育、毎日のえさやりと掃除、妊娠期から続く環境づくりといった、積み重ねの大切さでした。その先に選ばれる「煌」という存在は、数字と手間で裏づけられた結果です。料理では、素材の良さを邪魔しない調理が紹介され、育て方と食べ方が一本につながっていく様子が描かれていました。常陸牛は、育てる人の姿勢そのものが味になる牛肉です。

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常陸牛と一般的な和牛の認定基準の違いを補足します

しげゆき
しげゆき

ここで、番組内容をより理解しやすくするために、常陸牛と一般的に呼ばれる和牛の違いについて整理しておきます。どちらも同じ「和牛」ですが、実は認定までの考え方や条件に違いがあります。

和牛とは何を指す言葉なのか

和牛とは、日本で育てられた牛の中でも、黒毛和種・褐毛和種・日本短角種・無角和種という4つの品種を指す言葉です。
和牛は、日本食肉格付協会の基準によって、歩留等級や肉質等級で評価されます。ただし、ここでは地域や生産者の指定はありません。どこで育てられたかに関係なく、血統と格付けによって「和牛」として流通します。

常陸牛は「和牛」の中の地域ブランド

常陸牛は、和牛の中でも茨城県が定めた条件を満たした牛肉だけに与えられる名称です。
茨城県内の指定生産者が育てた黒毛和牛であること、日本食肉格付協会の格付けで歩留等級AまたはB、肉質等級4以上であることなど、複数の条件がそろって初めて常陸牛として認定されます。
つまり、すべての和牛が常陸牛になれるわけではなく、地域と基準を重ねたブランド認定が行われています。

「常陸牛 煌」はさらに条件を重ねた存在

番組で紹介される常陸牛 煌は、常陸牛の中でもさらに厳しい基準をクリアしたものです。
通常の常陸牛よりも認定条件が細かく設定され、数値で確認できる部分まで含めて選ばれます。その結果、全体の中でもごく一部しか名乗れない存在になります。
このように、和牛→常陸牛→常陸牛 煌という順で条件が重なり、段階的に選ばれていることが、番組内容を理解する大切なポイントです。


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