琵琶湖はなぜ日本一であり続けられるのか?ブラタモリが迫る壮大な水の物語
このページでは『ブラタモリ 琵琶湖クルーズ(2026年1月17日放送)』の内容を分かりやすくまとめています。
日本一大きな湖として知られる琵琶湖。けれど、その本当のすごさは「大きさ」だけではありません。
およそ400万年前に誕生し、姿を変えながら今も生き続けてきた琵琶湖は、地形・地質・人の暮らしが重なってできた奇跡の存在です。
東に広がる穀倉地帯、西にそびえる山々、湖に浮かぶ小さな島。その一つひとつが、湖の長い歴史を物語っています。
タモリさんがクルーズでたどるのは、過去から未来へと続く壮大な時間の流れ。
なぜ琵琶湖は、日本一の湖であり続けられるのか。その答えが、静かな水面の下に見えてきます。
琵琶湖は「古代湖」−日本一であり続ける特別な存在
琵琶湖は、ただの大きな湖ではありません。日本で唯一、そして世界でも数少ない古代湖として、数百万年ものあいだ姿を保ち続けてきた特別な存在です。
約440万年前、現在の三重県伊賀市付近に誕生した小さな湖が、地殻変動と土砂の堆積を重ねながら移動し、最終的に今の琵琶湖という巨大な形に成長しました。
通常の湖は、数万〜数十万年で埋まって消えてしまうことが多いのに、琵琶湖だけは圧倒的な長寿を誇ります。ビワコオオナマズのような固有種が数百万年単位で生き続けていること自体が、「湖が途切れず存在してきた証拠」だといえます。
番組では、タモリさんがクルーズ船からその悠久の歴史を辿りながら、まるで“水のタイムカプセル”を開いていくような感覚で物語を描いていきます。
そして、「なぜこの湖だけが日本一であり続けられるのか?」という問いに対して、湖の大きさ・深さ・古さ・生態系の豊かさを兼ね備えた“圧倒的な総合力”こそが答えだと、断言する構成になっています。
東の穀倉地帯−肥沃な平野が物語る琵琶湖と人の歴史
クルーズでまず強調されるのが、琵琶湖の東側に広がる穀倉地帯です。見渡す限りの沖積平野には田んぼと集落が整然と並び、その豊かさがひと目で分かります。ここは、周囲の山々から長い時間をかけて運ばれた土砂が堆積し、肥沃な大地をつくり上げた場所です。
古代から人が暮らし、田畑を開いてきた歴史が刻まれ、今も条里制の地割が残るエリアもあります。空から見れば碁盤の目のように区画が広がり、この地域がいかに早くから農業と生活の中心地だったかが分かります。
番組では、湖上から東岸を眺めながら「なぜここが“近畿の台所”と呼ばれるほど豊かな地域になったのか」を、地形と歴史の両面から明確に示していきます。
その答えは、琵琶湖が長い年月をかけて同じ場所にとどまり続けたことにあります。湖が存在し続けたことで土砂が絶えず積もり、広大な平野が育ちました。こうして豊かな農地と水運が発達し、多くの人々が集まるエリアへと成長したのです。琵琶湖は、自然の恵みをもたらすだけでなく、人の歴史そのものを形づくってきた存在だと断言できます。
西の比良の山々−断層運動が湖を守り続けてきた秘密
琵琶湖の西側にそびえる比良山地は、東の穏やかな平野とはまるで別世界のように険しく、山の稜線が鋭く切り立っています。この迫力ある地形こそが、琵琶湖の運命を大きく左右してきた存在です。
最大の鍵は、湖西地域に走る活断層です。地質学的には、琵琶湖北湖の西岸では断層活動による「沈降」が長く続き、湖の底が常に深くなり続けてきたと考えられています。
つまり、西側では山が隆起し、湖底が沈み込むというダイナミックな動きが何度も繰り返され、そのおかげで湖が土砂で埋まらず、巨大な姿を保ち続けることができたのです。
番組では、クルーズ船から東西の地形を見比べながら、「湖の長寿を支えてきたのは、この非対称な地形そのものだ」と力強く語ります。
西側で山がせり上がり、足元が沈み込むことで深さが維持され、東側では土砂が押し出され平野が広がる——このアンバランスで壮麗な地形の組み合わせこそが、琵琶湖を日本一の湖にし続けてきた仕組みだと断言できるのです。
北湖誕生と小さな島−湖底地形が明かすダイナミックな過去
クルーズの中でも最もドラマチックなのが、北湖の誕生に迫るパートです。番組紹介にもあるように、「巨大な北湖を生み出したカギは、小さな島にある」と語られ、その島と周囲の湖底地形が物語の中心に据えられます。
琵琶湖北部には、竹生島をはじめとした島々が点在しています。この周辺では古くから地質研究が進められ、湖底や台地には断層運動による隆起と沈降の痕跡が明確に残っています。湖底には段丘のような地形がいくつも確認され、それぞれが「かつての湖岸線」であったことを示しています。
番組では最新の湖底データや地形モデルを用い、「今の琵琶湖の姿」が何度もの地殻変動を積み重ねてできたものであると、視覚的かつ力強く描き出します。
小さな島は、ただ景色として美しいだけではありません。湖がどこまで広がり、どれほど深くなり、どんなルートで移動してきたのかを示す“決定的な証人”として登場します。
タモリさんが島を見つめながら湖底に潜む壮大な歴史を思い描くシーンは、まさにクルーズのクライマックス。北湖の下には、想像を超えるスケールの過去が眠っているのだと強く感じさせます。
変わり続ける琵琶湖−未来の姿と私たちへの課題
番組が最後に向き合うのは、琵琶湖の未来です。数百万年ものあいだ地殻変動に揺さぶられながらも生き延びてきたこの湖は、これからも確実に姿を変え続けます。活断層の活動は今も続き、湖盆は少しずつ沈み込み、周囲の地形も変化し続ける運命にあります。
一方で、近代以降の開発によって、内湖の干拓や沿岸の改変、生態系への影響が進んできました。多様な環境と固有種によって守られてきた琵琶湖の奇跡は、人の手によって揺らぎつつあります。
番組は、過去・現在・未来をつなぐ視点で明確に問いかけます。
「地球規模の時間で見れば、今の琵琶湖の姿は一瞬にすぎない」
「それでも、この一瞬の姿をどう守り、どう次世代につなぐのか」
クルーズ船から見える穏やかな水面、東の田園、西の山々、小さな島々。
すべてが400万年級のドラマの結晶であり、これからもゆっくりと姿を変えていきます。
「琵琶湖はなぜ日本一であり続けられるのか?」
その答えは、地層・断層・生き物・人の暮らし──あらゆる要素が重なり合った奇跡のバランスだと、番組は力強く示しています。
NHK【時をかけるテレビ】琵琶湖の自然と人が織りなす映像詩「里山 命めぐる水辺」|室内生簀・ヨシ焼き・川端の記憶
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