空き家窃盗はなぜ増えている?実家を守るために今知っておきたい防犯対策
誰も住んでいない家を狙った空き家窃盗が増えています。実家を相続したまま管理できていない人や、親が施設に入って空き家になった家を持つ人にとって、決して他人事ではありません。
『午後LIVE ニュースーン(増える「空き家窃盗」の実態と対策)(2026年6月11日)』でも取り上げられ注目されています。
空き家は単に空き巣被害だけでなく、不法侵入や犯罪への悪用など、さまざまなリスクを抱えています。なぜ狙われるのか、どんな家が危険なのか、そして遠方に住んでいてもできる対策はあるのか。本記事では空き家防犯の基本から実践的な管理方法までわかりやすく解説します。
この記事でわかること
・空き家窃盗が増えている理由と背景
・狙われやすい空き家の共通点
・実家が空き家になった時に行いたい防犯対策
・遠方でもできる見回りや管理の方法
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空き家窃盗が増える理由と狙われやすい家の共通点
空き家窃盗が注目される背景には、空き家そのものの増加があります。日本の空き家は2023年時点で900万戸となり、過去最多になっています。住宅全体に占める空き家の割合も13.8%まで上がっており、「近所に空き家がある」「実家が空き家になりそう」という状況は、かなり身近な問題になっています。(参考:総務省統計局)
空き家が増える理由は、単純に「家が余っている」だけではありません。
親が施設に入った
親が亡くなった
子ども世代が遠方に住んでいる
相続の話し合いが進まない
売るにも片づけるにも時間とお金がかかる
こうした事情が重なると、誰も住んでいない家がそのまま残ります。
問題は、空き家が外から見て“人の気配がない家”だと分かりやすいことです。泥棒は、わざわざ危ない家を選びません。人が帰ってくるか分からない家、近所の目が届きにくい家、侵入してもすぐ気づかれにくい家を探します。
狙われやすい空き家には、いくつかの共通点があります。
ポストに郵便物やチラシがたまっている
庭の草木が伸びっぱなし
夜になっても電気がつかない
雨戸やカーテンがずっと同じ状態
窓やドアの傷みが目立つ
家の周りに人の出入りがない
近所付き合いがなく、異変に気づかれにくい
特に怖いのは、空き家窃盗が「一度入られて終わり」ではないことです。
最初は金品を盗まれるだけでも、家の中が荒らされたり、窓や鍵が壊されたりすると、次の侵入がさらに簡単になります。放置された空き家は、泥棒にとって「また入れる場所」になってしまうことがあります。
『午後LIVE ニュースーン 午後3時台 増える「空き家窃盗」の実態と対策』でも扱われるように、これは遠い地域の事件ではなく、実家や親族の家を持つ人にとって現実的な不安です。
空き家はなぜ空き巣や侵入被害に狙われやすいのか
空き家が狙われやすい一番の理由は、人が戻ってくる可能性が低いと思われやすいからです。
普通の家なら、家族が帰宅するかもしれません。近所の人が声をかけるかもしれません。犬がほえるかもしれません。室内の電気がついたり、車が動いたり、人の気配があります。
でも空き家は違います。
数日どころか、何週間も同じ状態のままなら、泥棒から見ると「ここは入ってもすぐ見つかりにくい」と判断されやすくなります。
侵入被害で狙われやすいポイントは、主に次の3つです。
1つ目は、時間の余裕があること。
空き家は住人がいないため、侵入後に家の中を物色する時間が長くなりがちです。現金がなくても、古い貴金属、工具、家電、骨とう品、通帳、印鑑、身分証の写しなどが残っている場合があります。
2つ目は、壊れていても気づかれにくいこと。
窓ガラスを割られても、庭に足跡があっても、郵便物が抜き取られても、所有者が遠方に住んでいると発見が遅れます。被害届を出すころには、いつ入られたのか分からないこともあります。
3つ目は、周囲に“管理されていない家”だと伝わってしまうこと。
草木、郵便物、外壁、雨戸、玄関まわりは、家の状態を外に知らせるサインになります。管理されていない雰囲気が出るほど、侵入者にとって心理的なハードルが下がります。
空き家を放置すると、不法侵入だけでなく、建物の傷み、倒壊、害虫、悪臭、景観悪化など、地域全体にも影響が出ます。壊れた窓などから人が出入りできる状態になると、周辺の治安悪化にもつながるとされています。(参考:国土交通省)
つまり、空き家窃盗の対策は「自分の家を守る」だけではありません。
近所の安心を守ることにもつながります。
実家が空き家になった時に最初に見直したい防犯対策
実家が空き家になった時、まず大切なのは“何が残っているか”と“外からどう見えるか”を確認することです。
防犯カメラやセンサーライトをつける前に、先にやるべきことがあります。
まずは、家の中の貴重品を整理します。
現金
通帳
印鑑
保険証券
権利証
マイナンバー関連書類
古い携帯電話
貴金属
ブランド品
車や倉庫の鍵
こうしたものは、空き家に置いたままにしない方が安心です。
「もう古い家だから盗られるものはない」と思っていても、泥棒は現金だけを探しているとは限りません。工具、電線、給湯器、エアコンの室外機、金属類などが狙われることもあります。
次に見直したいのが、鍵と窓です。
古い家では、勝手口、掃き出し窓、浴室やトイレの小窓、物置の鍵が弱いことがあります。玄関だけしっかり閉めても、裏側から入られると意味がありません。
特に確認したい場所は、次の通りです。
玄関の鍵が古くないか
勝手口の鍵が簡単に開かないか
窓のクレセント錠だけになっていないか
補助錠をつけられる窓はないか
割れたガラスやひびの入った窓がないか
物置や車庫に工具を置きっぱなしにしていないか
工具が外に置いてあると、侵入に使われることもあります。脚立、バール、ハンマー、園芸用具などは、外から見えない場所に片づけておく方が安全です。
そして、忘れがちなのが近所への一言です。
空き家になったことを近所に知られたくない気持ちもありますが、信頼できる隣人や自治会、親族には「たまに見に来ます」「不審なことがあれば連絡してください」と伝えておくと、異変に気づいてもらいやすくなります。
空き家対策で大事なのは、完璧な防犯設備よりも、まず放置されていない家に見せることです。
郵便物・庭・窓からわかる「管理されていない家」のサイン
泥棒は、家の中を見る前に、外から情報を集めます。
その時に見られやすいのが、郵便物・庭・窓です。
ポストにチラシや郵便物がたまっていると、「長い間、人が来ていない」と分かります。郵便物には名前や住所が書かれているため、個人情報の面でも危険です。空き家になったら、郵便物の転送手続きや、不要なチラシを止める工夫が必要です。
庭も大きなサインになります。
草が伸びっぱなし
植木が道路にはみ出している
落ち葉がたまっている
玄関前にクモの巣がある
鉢植えが枯れている
外に置いた物が倒れたまま
こうした状態は、近所から見ても「誰も管理していない家」に見えます。空き家の庭は、防犯だけでなく、近隣トラブルにもつながりやすい場所です。
窓も重要です。
カーテンがずっと同じ位置
雨戸が閉まりっぱなし
ガラスが汚れている
ひび割れを放置している
窓まわりに足場になる物がある
これらは、侵入者にとって「入れるかどうか」を判断する材料になります。
特に、裏庭や勝手口側の窓は見落とされやすいです。道路側の玄関だけきれいにしても、家の裏側が荒れていれば、そこから狙われる可能性があります。
防犯で意識したいのは、生活感を少し残すことです。
ただし、無理に誰かが住んでいるように見せる必要はありません。大切なのは、「定期的に誰かが見ている家だ」と伝わる状態にすることです。
たとえば、月に1回でも草を刈る。郵便物をためない。カーテンや雨戸の状態を時々変える。玄関前を掃く。外灯を確認する。
こうした小さな管理が、侵入者にとっては大きなけん制になります。
遠方に住んでいてもできる空き家の見回りと管理方法
実家が遠方にある場合、「見に行かなきゃ」と思っていても、なかなか行けないことがあります。
仕事、子育て、交通費、家族の予定。現実には、毎月帰省するのが難しい人も多いはずです。
それでも、空き家を完全に放置しない方法はあります。
まず決めたいのは、見回りの頻度です。
理想は月1回程度ですが、難しければ季節ごとでも構いません。大事なのは「いつか行く」ではなく、「次はいつ確認するか」を決めることです。
見回りで確認したいポイントは、次のようなものです。
ポストに郵便物がたまっていないか
窓やドアに傷がないか
庭の草木が伸びすぎていないか
水漏れや雨漏りの跡がないか
外壁や屋根の一部が落ちていないか
知らない荷物や不審な物がないか
室外機や給湯器がなくなっていないか
近所から変わった話が出ていないか
遠方の場合は、親族、近所の知人、空き家管理サービス、シルバー人材センターなどに見回りをお願いする方法もあります。
費用はかかりますが、遠方から何度も移動する交通費や時間を考えると、結果的に負担が少ないこともあります。
また、見回りを頼む時は「何となく見ておいて」ではなく、見る場所を決めておくことが大切です。
ポストの写真
玄関まわりの写真
庭の写真
裏口の写真
窓の写真
メーター周辺の写真
このように写真で残してもらうと、前回との違いが分かりやすくなります。
そして、もし空き家を今後使う予定がないなら、早めに方針を決めることも防犯対策です。
売る
貸す
解体する
親族で使う
管理しながら保有する
方針が決まらないまま時間がたつほど、家は傷み、防犯リスクも上がります。空き家の管理は、気合いで続けるものではなく、家族で役割を決めることが大切です。
防犯カメラや管理サービスは空き家窃盗対策に必要なのか
防犯カメラや管理サービスは、空き家窃盗対策として役に立ちます。
ただし、「つければ安心」というものではありません。
まず、防犯カメラの強みは、見られていると感じさせる効果です。侵入者は、証拠が残る場所を嫌がります。玄関、勝手口、駐車場、庭の出入口などにカメラがあると、侵入前にあきらめる可能性があります。
ただし、空き家でカメラを使う時は注意点もあります。
電源が確保できるか
通信環境があるか
録画データを確認できるか
近隣のプライバシーを侵害しないか
故障したまま放置しないか
カメラだけで侵入を防げると思い込まないか
ダミーカメラも一定のけん制にはなりますが、慣れた相手には見抜かれる可能性があります。本当に必要な場所には、録画できるタイプや通知機能つきのものを検討した方が安心です。
センサーライトも有効です。暗い場所で急に明かりがつくと、侵入者は目立ちます。特に、勝手口や裏庭など、人目につきにくい場所には向いています。
一方、空き家管理サービスの強みは、人の目で確認できることです。
カメラは映る範囲しか見られません。けれど、人が見回れば、郵便物、庭、窓の破損、雨漏り、におい、近所の異変なども確認できます。
おすすめは、カメラか管理サービスのどちらか一方ではなく、状況に合わせて組み合わせることです。
近所に親族がいるなら、親族の見回り+補助錠
遠方で年に数回しか行けないなら、管理サービス+郵便物対策
人通りが少ない場所なら、センサーライト+防犯カメラ
古い家で侵入口が多いなら、窓の補助錠+庭の整理
防犯は、設備を増やすことよりも、侵入しにくい・見つかりやすい・管理されていると感じさせることが大切です。
空き家が犯罪に悪用されないために家族で確認したいこと
空き家の怖さは、物を盗まれることだけではありません。
近年は、空き家や空き部屋が、特殊詐欺の被害金や不正薬物の送付先として使われる実態も注意されています。空き家のはずなのに荷物が頻繁に届く、誰かが建物の前で受け取りを待っている、といった不審な動きがあれば、警察や関係機関への相談が必要です。(参考:国土交通省)
これは、かなり大事なポイントです。
空き家を「誰も住んでいない家」として放置していると、知らないうちに犯罪グループに利用されるおそれがあります。
たとえば、こんな状態は注意が必要です。
知らない荷物が届いている
ポストに見覚えのない不在票が入っている
玄関前に知らない人がいた
表札が変えられている
鍵や窓に触られた形跡がある
敷地内に知らない物が置かれている
電気や水道を使ったような形跡がある
こうした異変は、家族だけでは気づきにくいことがあります。だからこそ、近所とのつながりが大切です。
家族で確認しておきたいのは、次のことです。
誰が空き家の管理責任者になるか
見回りはどの頻度で行うか
郵便物は誰が確認するか
鍵は誰が持っているか
貴重品や重要書類はどこに移すか
異変があった時、誰に連絡するか
今後、売る・貸す・解体する予定はあるか
特に、兄弟姉妹で実家を相続する場合、「誰かがやってくれるだろう」と考えていると、管理があいまいになります。
空き家対策で一番危ないのは、鍵が古いことでも、防犯カメラがないことでもありません。
誰も責任を持って見ていない状態です。
空き家は、時間がたつほど問題が大きくなります。最初は郵便物がたまるだけでも、やがて庭が荒れ、窓が傷み、侵入され、近所から苦情が出ることもあります。
だからこそ、今できる小さな対策が大切です。
まずは、実家や親族の家が空き家になっていないか確認する。
次に、郵便物・庭・窓・鍵を見る。
そして、家族で「誰が、いつ、どう管理するか」を決める。
これだけでも、空き家窃盗のリスクは下げられます。
空き家は、放っておくと不安の種になります。けれど、早めに手を入れれば、家族の財産として守ることも、地域の安心につなげることもできます。
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