夏の東信州で出会う涼景と郷土の味
暑い季節になると、涼しい高原や水辺へ出かけたくなります。今回の旅先は、滝、断崖の観音堂、夏でも約2℃の風穴、くるみ蕎麦、佐久鯉と、東信州らしさが詰まった場所です。『遠くへ行きたい(高橋成美が信州・長野へ くるみ蕎麦&清流が育む薬用魚)(2026年7月26日)』でも取り上げられ注目されています。場所だけでなく、見学方法や歩きやすさ、食事前の注意点まで詳しく見ていきます。
この記事でわかること
・高橋成美さんが訪れた場所
・唐沢の滝と布引観音の歩き方
・氷風穴が夏でも冷たい仕組み
・くるみ蕎麦と佐久鯉の特徴
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高橋成美が信州で訪れた場所はどこ?
今回の旅で紹介された主な場所と食べ物は、長野県東部の上田市・小諸市・佐久市に集まっています。
確認できた主な訪問先は次の通りです。
・唐沢の滝:長野県上田市菅平高原
・布引観音:長野県小諸市大久保
・氷風穴:長野県小諸市氷地区
・中棚荘別邸 はりこし亭:長野県小諸市
・佐久鯉:長野県佐久市を代表する郷土食
断崖絶壁に建つ観音堂は、正式には天台宗布引山釈尊寺にある布引観音です。
くるみ蕎麦を味わった古民家は、江戸時代末期に建てられた建物を利用する中棚荘別邸 はりこし亭です。地域の食文化を生かした蕎麦や料理を提供しています。
上田、小諸、佐久は同じ東信州にありますが、徒歩で続けて回れる距離ではありません。複数の場所を巡るなら、基本的には車を利用する旅になります。
個人的には、滝や寺だけを目当てにするより、風穴と郷土料理を組み合わせた方が、この地域の自然と暮らしのつながりを感じやすいと思います。
唐沢の滝はどこ?滝浴の前に確認したいこと
唐沢の滝は、上田市街地から菅平高原へ向かう途中にある滝です。
菅平高原の入口付近にあり、高さは約15メートル、幅は約10メートル。細い水の流れが横に広がり、白い糸を垂らしたように見える姿が特徴です。新緑や紅葉の季節にも美しい場所として紹介されています。
大規模な観光施設ではなく、山や川に囲まれた自然の中にある滝です。そのため、一般的なレジャー施設のように更衣室、シャワー、監視員などが常設されているとは限りません。
番組では豪快な滝浴が行われますが、訪問者がいつでも同じように滝に入れる体験プログラムとは確認できませんでした。
実際に選ぶなら、ここは特に確認したいところです。
・当日の水量や川の流れ
・大雨の後ではないか
・立ち入りが制限されていないか
・濡れた岩や苔で滑りやすくないか
・安全管理された体験なのか
滝の水は、真夏でも想像以上に冷たい場合があります。水辺では急に深くなる場所や、流れが速くなる場所もあるため、番組と同じ行動を自己判断で再現するのは避けた方が安心です。
滝を見るだけでも水しぶきや周囲の涼しさを感じられます。個人的には、無理に水へ入るより、滝壺周辺で自然の冷気を楽しむだけでも十分魅力がある場所だと感じます。
駐車場所については、一般的な整備された大型駐車場とは状況が異なる可能性があります。路上駐車は避け、現地の標識や最新の観光案内を確認してください。
断崖の観音堂は布引観音|駐車場から約20分の山道
断崖絶壁に建つ観音堂は、小諸市にある布引観音です。
正式名称は天台宗布引山釈尊寺。信濃三十三観音霊場の第29番札所にあたり、寺の始まりは724年に行基が開いたと伝えられています。
観音堂は岩窟の中にあり、崖からせり出すように建てられています。舞台部分を支える12本の柱は、高さ約20.6メートル。写真だけを見ると建物の近くまで車で行けそうですが、実際には参道を歩いて登ります。
千曲川沿いの布引観音参道駐車場から、本堂や観音堂までは山道を徒歩約20分です。
観光局は、軽い散歩ではなく山道を歩くことを前提として、サンダルやヒールを避け、スニーカーやトレッキングシューズを使うよう案内しています。
夏に訪れる場合も、次の準備があると安心です。
・滑りにくい運動靴
・飲み物
・汗を拭くタオル
・帽子や虫よけ
・雨上がりなら着替えや替えの靴下
小さな子ども連れや足腰に不安がある人は、片道約20分という数字だけで判断しない方がよいでしょう。坂道や石段が続くため、平地の20分より負担を感じる可能性があります。
また、地図上に表示される臨時駐車場への道は、道幅が狭く急坂もあるため、観光客には推奨されていません。車で向かう場合は、千曲川沿いの参道駐車場を目的地にするのが基本です。
「牛にひかれて善光寺参り」とは?
布引観音には、ことわざの元になったとされる伝説があります。
信仰心のなかったおばあさんが、干していた布を角に引っかけた牛を追いかけたところ、長野の善光寺まで導かれました。その牛は観音様の化身で、おばあさんは自分の行いを悔い改めたと伝えられています。
この物語から、「思いがけない出来事や他人の働きによって、良い方向へ導かれる」という意味で使われるようになりました。
景色の珍しさだけでなく、長野を代表することわざの背景に触れられる点も布引観音の魅力です。初めて知ると、見慣れたことわざと小諸の山寺がつながっていることに少し驚きます。
氷風穴はなぜ夏でも約2℃になる?
小諸市の氷風穴は、電気を使わずに低い温度を保つ天然の冷蔵庫です。
氷風穴があるのは、千曲川沿いの斜面に広がる「氷」という集落。5号風穴では、真夏でも約2℃になることがあります。
冷たさの正体は、地下にある岩の隙間です。
冬の間に岩や地下の空間が冷やされ、岩の隙間に冷たい空気や氷が蓄えられます。春から夏になって外気温が上がっても、地下に残った冷気が斜面の下側から流れ出すため、風穴周辺では冷蔵庫のような温度が保たれます。
単純に「洞窟だから涼しい」のではなく、岩の隙間を通る空気の流れと、冬に蓄えられた冷たさが組み合わさっているのです。
たしかに、電気がなかった時代に食べ物をどのように保存していたのかは気になります。氷風穴を見ると、自然そのものを生活道具として使ってきた先人の知恵がよくわかります。
リンゴ以外にも使われてきた
氷風穴は、現在のような冷蔵設備がない時代から、氷や農産物などの保存に利用されてきました。
特に明治時代には、蚕の卵である蚕種を低温で保存する施設として重要な役割を果たしました。
通常、蚕がふ化する回数には限りがあります。しかし、蚕種を冷やしてふ化する時期を調整することで、養蚕を計画的に行えるようになりました。
小諸の風穴は全国各地から蚕種の保管を依頼されるほど利用され、日本の製糸業を支えたとされています。現在も一部の風穴が、農産物や漬物などの保存に使われています。
リンゴがおいしく感じられるのは、単に冷えているからだけではありません。低温で保存されたものを、風穴の歴史や仕組みを知ったうえで味わうことに特別感があります。
見学は自由だが内部見学は別に確認
氷風穴は見学自由と案内されています。
ただし、風穴内部の案内や集落を詳しく巡るガイドは、事前申込みが必要です。ガイド料金は1組3,000円と案内されていますが、料金や受入条件は変更される場合があるため、申し込む際は最新情報を確認してください。
自由見学だからといって、すべての風穴の内部へ自由に入れるわけではありません。保存物が置かれている場所や非公開部分には入らず、現地の案内に従う必要があります。
夏でも周辺は急に冷えるため、冷えやすい人は薄手の羽織物があると安心です。足元も湿っている可能性があるので、滑りにくい靴を選びましょう。
くるみ蕎麦を味わえる古民家は「はりこし亭」
くるみ蕎麦が紹介された古民家は、小諸市の中棚荘別邸 はりこし亭です。
江戸時代末期に建てられた古民家を利用しており、登録有形文化財の空間で蕎麦や季節の料理を味わえます。
店名の「はりこし」は、島崎藤村の『千曲川のスケッチ』にも登場する、そば粉を使った郷土料理「はりこし饅頭」に由来します。建物だけでなく、地域に残る食文化も大切にしている店です。
くるみ蕎麦は、くるみをすりつぶした濃厚なたれで蕎麦を食べる東信州の郷土料理です。
一般的なそばつゆよりも、香ばしさとまろやかな甘みがあります。店や家庭によって作り方は異なりますが、くるみのペーストに、だしやしょうゆを加えて濃さを調整する食べ方がよく見られます。
普通のそばつゆとの違い
一般的なそばつゆは、だしとしょうゆの香りが前に出ます。
くるみだれは、そこにくるみの油分と甘みが加わるため、口当たりがより濃厚です。最初からつゆを大量に入れると味が濃くなりすぎることがあるため、少しずつ加えて好みの濃さにする方が食べやすいでしょう。
個人的には、普通のざる蕎麦とは別の料理として味わうのがよいと思います。さっぱりした味を想像して注文すると濃厚さに驚くかもしれませんが、香ばしい料理が好きな人には魅力があります。
食べる前に確認したいこと
くるみ蕎麦には、当然ながらくるみが使われます。
ナッツ類にアレルギーがある人は注文できません。また、蕎麦そのものにもアレルギーがあります。本人だけでなく、一緒に食事をする子どもについても確認が必要です。
店ではランチを中心に営業していますが、営業時間、休業日、提供メニューは季節や営業状況によって変わる可能性があります。蕎麦は数量に限りがある場合もあるため、遠方から訪れるなら営業日と予約の必要性を先に確認した方が安心です。
佐久鯉はなぜ「薬用魚」と呼ばれる?
佐久鯉は、佐久地域の清らかな水を利用して育てられてきた食用の鯉です。
江戸時代にはすでに養殖が始まっており、当時の宿泊施設の献立に名前が残るほど、古くから食べられてきました。
明治時代には水田を使った養殖が広がり、生産量が増加。大正時代には展覧会への出品や受賞を通して、全国的に知られるようになりました。
佐久鯉が育つ千曲川水系の水は冷たいため、一般的な温暖地で育つ鯉より成長に時間がかかります。
ゆっくり育つことで身が締まり、脂が適度にのった肉質になります。また、清流を利用して育てられるため、鯉に対して心配されやすい泥臭さが少ないことも特徴とされています。
薬ではなく歴史的な食文化の呼び名
鯉は古くから栄養のある食材と考えられ、中国の薬物書などにも記述があります。佐久地域でも体力をつけたいときや、出産後などに食べる習慣が伝えられてきました。
この歴史的な背景から「薬魚」と呼ばれることがあります。
ただし、佐久鯉は医薬品ではありません。
食べれば特定の病気が治る、体調が必ず改善するという意味ではなく、栄養価のある食材として昔から大切にされてきたことを表す呼び名です。
「薬用魚」という言葉だけを見ると強い健康効果を想像してしまいますが、伝統的な食文化として受け止めるのが適切です。個人的には、この区別がいちばん大事だと感じます。
佐久鯉のフルコースはどんな料理?
佐久鯉は、1匹のさまざまな部位を複数の料理で味わえます。
代表的な料理は次の通りです。
・鯉のあらい
・鯉のうま煮
・鯉こく
・塩焼き
・から揚げ
鯉のあらいは、薄く切った身を冷水で締めた料理です。酢みそなどを付けて食べることが多く、弾力のある食感を楽しめます。
鯉のうま煮は、輪切りにした鯉をしょうゆや砂糖などで甘辛く煮た料理。身だけでなく内臓まで一緒に煮ることがあり、佐久鯉を代表する食べ方です。
鯉こくは、鯉をみそ仕立ての汁で煮込んだ郷土料理です。骨や身からうまみが出るため、濃厚な味わいになります。
鯉は部位によって特徴が異なります。腹側は身や内臓が大きく、うま煮や鯉こく向き。尾に近い部分は骨が多いものの筋肉質で、薄く切ってあらいにすると食感を楽しめます。
初めて鯉料理を食べるなら、1品だけで判断するより、あらい、うま煮、鯉こくを少量ずつ食べ比べられるコースが向いています。
刺身に近い食感が苦手な人はうま煮、甘辛い味が苦手な人はあらいなど、好みによって食べやすさが変わります。
鯉には細かい骨が残る料理もあるため、子どもや高齢者が食べる場合は、骨に十分注意してください。
1日で全部回れる?移動前に決めたいこと
唐沢の滝は上田市の菅平高原、布引観音と氷風穴、はりこし亭は小諸市、佐久鯉の店や養殖施設は佐久市にあります。
地図上では同じ東信州にまとまっていますが、唐沢の滝は高原側にあり、布引観音では山道を往復します。食事の営業時間も考えると、すべてを1日で急いで回るより、目的を絞った方が安心です。
車で巡る場合は、次のような分け方が現実的です。
涼しい自然を楽しむコース
唐沢の滝
↓
氷風穴
↓
小諸市内でくるみ蕎麦
歴史と食文化を楽しむコース
布引観音
↓
はりこし亭
↓
佐久市で佐久鯉
布引観音を午前中に訪れ、昼食を小諸で取る流れなら、山道を暑い時間帯に登るのを避けやすくなります。
一方、唐沢の滝と布引観音を同じ日に巡る場合は、両方で歩くことを考えて時間に余裕を持ちましょう。
公共交通機関だけでも小諸駅周辺へは行けますが、山間部の滝や風穴、佐久市内の目的地を続けて回るには、乗り換えや待ち時間が多くなります。現地でレンタカーやタクシーを利用する方法も検討したいところです。
信州の涼旅を楽しむための注意点
今回の場所は、冷房の効いた屋内施設を巡る旅ではありません。
滝、山道、風穴という、自然の涼しさを体感する場所が中心です。その分、天候や足元の状態によって楽しみやすさが大きく変わります。
出発前には、次の点を確認しておきましょう。
・当日の天気と大雨の影響
・各施設や飲食店の営業状況
・駐車場の位置
・歩きやすい靴を用意したか
・昼食の予約が必要か
・食物アレルギーがないか
唐沢の滝では水辺の安全、布引観音では山道、氷風穴では冷えと滑りやすさ、くるみ蕎麦と佐久鯉ではアレルギーや骨への注意が必要です。
ただ観光名所を並べるのではなく、自然の力を保存に生かした氷風穴、土地の作物を取り入れたくるみ蕎麦、清流と養殖技術が育てた佐久鯉を見ると、東信州の暮らしが自然環境と深く結びついていることがわかります。
涼しさを求めて訪れた先で、地域の歴史や食文化まで知ることができる。そこが、この旅のいちばん面白いところではないでしょうか。
参考リンク
- 遠くへ行きたい「高橋成美が夏の信州・長野へ」
- 信州上田観光協会「唐沢の滝」
- こもろ観光局「布引観音・布引山釈尊寺」
- 小諸市「布引観音釈尊寺」
- こもろ観光局「氷風穴」
- 氷風穴の里保存会 公式サイト
- 中棚荘別邸 はりこし亭 公式サイト
- 佐久市「佐久鯉ガイドブック」
- 佐久市観光協会 公式サイト
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