「キムチを愛する高校生」は大阪偕星学園高校キムチ部
『激突メシあがれ(韓国料理SP)(2026年8月27日)』に登場する「キムチを愛する高校生」は、大阪偕星学園高校キムチ部の生徒です。学校のある大阪市生野区はコリアタウンが身近な地域。初心者だった高校生たちは専門店へ自作キムチを持ち込み、プロから教わりながら改良を重ね、創部1年で全国グランプリまで獲得しました。高校の部活動とは思えない歩みを詳しく見ていきます。
この記事でわかること
- キムチを愛する高校生が所属する学校とキムチ部
- コリアタウンのプロから教わった重要なポイント
- 全国制覇した「×(かける)キムチ」の特徴
- 高校生のアイデアが実際の商品になるまでの経緯
キムチ好き高校生の正体は大阪偕星学園高校キムチ部
8月27日の韓国料理対決に出演するのは、大阪偕星学園高等学校のキムチ部です。
学校側もキムチ部の生徒が出演することを告知しています。大阪偕星学園には現在も文化系クラブとしてキムチ部が設けられています。
珍しい名前だけを狙って作られた部活ではありません。
キムチ部が始動したのは2022年4月。学校がある大阪市生野区にはコリアタウンがあり、その地域性を生かしながら「偕星キムチ」を作ろうというアイデアから活動が始まりました。
ところが、スタートした生徒たちはキムチ職人ではありません。
部員も顧問も初心者でした。
だからこそ、高校生たちは「自分たちだけで正解を決める」のではなく、地域のプロに教えてもらう道を選びます。
ここが、この部活のその後を大きく変えました。
コリアタウンへ自作キムチを持ち込みプロから教わった
活動を始めた当初、高校生たちは動画を参考にしながらキムチ作りを繰り返していました。
さらに市販品を食べ比べ、自分たちのキムチをコリアタウンの専門店へ直接持っていき、プロに試食してもらうようになります。
専門店から受けたアドバイスの中で、家庭のキムチ作りにも通じる重要なものがありました。
それが白菜の塩漬けです。
高校生たちが作ったキムチに対し、白菜が柔らかくなりすぎているため、塩の使い方を見直したほうがよいという指摘がありました。
唐辛子やにんにくを増やせばキムチがおいしくなる、という単純な話ではありません。
白菜の食感をどう残すか。
その最初の工程から味作りは始まっています。
キムチ作りは「ヤンニョムを作る前」が大切
キムチを見ると、赤いヤンニョムに目が行きます。
しかし白菜キムチでは、その前の塩漬けも仕上がりを左右します。
白菜から適度に水分を抜くことで、味が入りやすくなり、食べたときの食感も整います。
逆に水分を抜きすぎたり、長く漬けすぎたりすると、白菜本来の歯応えを失いやすくなります。
高校生たちがプロから「白菜が柔らかすぎる」と指摘された経験は、キムチ作りが単なる「辛いたれ作り」ではないことをよく表しています。
初めて作る場合は調味料の配合ばかり気にしてしまいますが、白菜の状態を見ることも大切です。
この基本を地域の専門家から学び、試作へ持ち帰って修正する。
キムチ部の強さは、この繰り返しにありました。
創部1年で「漬物グランプリ2023」学生の部グランプリ
高校生たちの試行錯誤は、大きな結果につながります。
2023年の漬物グランプリ学生の部で、大阪偕星学園高校の栗川大輝さんが出品した「×(かける)キムチ」がグランプリを受賞しました。
創部は2022年4月。
つまり、わずか約1年で全国規模のコンテストを制したことになります。
しかも受賞作品は普通の白菜キムチを少し改良しただけではありません。
高校生らしい発想から、韓国のキムチと日本のそぼろ文化を「かけ合わせる」というコンセプトが生まれました。
その名前が「×キムチ」です。
×キムチの秘密は「大豆ミートのそぼろ」
×キムチ最大の特徴は、白菜キムチに大豆ミートを組み合わせたことです。
大豆ミートによって、そぼろのような食感を加えています。
韓国のキムチと、日本でごはんのお供として親しまれているそぼろ。
異なる2つの食文化を「×」でつないだことが料理名の由来にもなっています。
現在販売されている商品には、白菜、大豆加工品、ニラ、ごまのほか、唐辛子、にんにく、しょうが、魚醤、アミ塩辛、ごま油、白だしなどが使われています。
ここは今回の韓国料理対決とも面白くつながります。
先に紹介したJUHOLYのトマトコッチョリでも白だしが使われますが、高校生たちが開発した商品にも白だしが入っています。
韓国料理をそのまま再現するだけではなく、日本で親しまれている味を合わせることで新しい料理を作る発想です。
全国制覇だけで終わらず本当に商品化された
さらに驚くのは、コンテストで優勝して終わらなかったことです。
「×キムチ」は高麗食品とのコラボによって実際の商品になりました。
2023年には関西圏のイトーヨーカドーで先行販売され、生徒自身が店頭で試食や商品紹介にも参加しました。
高校の文化祭だけで販売する商品ではありません。
食品メーカーと協力し、一般の消費者がスーパーで購入できる商品まで発展しています。
高校生のアイデアが、
試作→専門店から助言→コンテスト→全国優勝→商品化
とつながった珍しい例です。
×キムチは現在も購入できる
受賞から数年たっていますが、×(かける)キムチは現在も販売されています。
内容量は180gで、公式オンラインストアでの価格は321円(税込)。要冷蔵の商品です。
大豆ミートが入っているので、そのまま食べるだけでなく、ごはんにのせたり、豆腐や納豆と組み合わせたりできます。
さらに販売元は、食べる直前にごま油を少量かける食べ方も紹介しています。
キムチ部の記事を読んで「高校生が作った味を食べてみたい」と思った人が、実際に同じコンセプトの商品まで試せるのは大きな魅力です。
キムチ部が生まれた生野区とコリアタウンの関係
キムチ部の活動を語るうえで欠かせないのが、学校のある大阪市生野区です。
キムチ作りを始めた高校生たちは、地域の専門店に自分たちから教えを求めました。
つまり、学校の中だけで完結した部活動ではありません。
地域に本物のキムチ文化があり、そこへ高校生が飛び込んだからこそ技術を学ぶことができました。
最初は動画を見ながら作っていた初心者が、プロの評価を受け、味を修正する。
その積み重ねが全国制覇につながっています。
「コリアタウンで教わった」という今回のエピソードは、単なる料理の裏技ではなく、キムチ部そのものの成長方法でもあるのです。
高校の部活なのに1冊の本にもなった
このキムチ部の歩みは、ノンフィクション作品にもなりました。
長谷川晶一さんによる『大阪偕星学園キムチ部 素人高校生が漬物で全国制覇した成長の記録』が2024年4月に出版されています。
創部、コリアタウンとの交流、部長や副部長の挑戦、大豆ミートというアイデア、グランプリ獲得までが1冊にまとめられています。
料理部ではなく「キムチ部」。
名前だけでも十分珍しいのですが、その中身を見ると、単なる面白い部活動とは少し違います。
地域の人に教わる→失敗する→作り直す→結果を出す→商品にする。
高校生がキムチを通して経験したことは、料理だけにとどまりません。
自分から外へ出て、人に教えを求め、商品として届けるところまで進んだからこそ、全国的に知られる部活動になったのでしょう。
今回の料理対決で見たいのは「キムチをどう料理へ生かすか」
これまでの活動では、「おいしいキムチそのもの」を作ることに向き合ってきました。
今回はさらに一歩進み、キムチを使った料理で勝負します。番組のお題には「野菜のパンチャン」と「豚肉のメインディッシュ」が設定されています。
キムチはそのまま食べるだけでなく、
豚肉と合わせる
炒める
煮込む
ごはんと合わせる
といった使い方で味が変わります。
自分たちでキムチを漬け、白菜の塩漬けから研究してきた高校生が、そのキムチを「料理の材料」としてどう扱うのか。
ここが今回の対決で特に見逃せないところです。
全国制覇という過去の実績よりも、コリアタウンで学んだ技術を自分の料理へどうつなげるのかに注目すると、この高校生の料理がさらに面白く見えてきます。
参考リンク
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