バターランは走る振動で本当にバターができる
『めざましテレビ(SNSで話題!最新バズ動画を「やってエリコ!」)(2026年8月27日)』で小室瑛莉子アナウンサーが挑戦する「バターラン」。生クリームを持って走るだけで本当にバターになるという、一見すると実験のようなチャレンジです。実は原理にはきちんと理由があり、海外では1000万回を超えて見られた動画から世界へ広がりました。必要な距離や成功条件、自宅で試す方法まで詳しく見ていきます。
この記事でわかること
- バターランとはどんなSNSチャレンジなのか
- 生クリームがバターへ変わる仕組み
- 10km走らないと作れないのか
- 自宅で安全に試す方法と夏場の注意点
バターランとは生クリームを持って走りバターを作るチャレンジ
バターラン(Butter Run Challenge)とは、生クリームを密閉できる袋や容器に入れ、ランニング中の揺れを利用してバターを作るチャレンジです。
海外では、ランニングベストやバックパックに生クリームを入れ、5~10マイル前後を走ったあとに取り出す動画が広がりました。走り終えるころには液体だったクリームが黄色っぽい固形物と液体に分かれ、バターが完成するというものです。
きっかけの1つになったのが、ランニング系インフルエンサーのLibby CopeさんとJacob Arnoldさんによる挑戦です。
2人が試した動画は1200万回以上再生されたと報じられ、その後InstagramやTikTokを通じてアメリカ以外にも広がりました。
普通なら運動と料理は別々のものですが、「走り終わったらバターも完成する」という意外な組み合わせが、動画にしたときの分かりやすさにつながっています。
走っただけで生クリームがバターになるのには理由がある
バターランはSNS上のジョークのように見えますが、生クリームからバターを作る原理そのものは一般的なバター作りと同じです。
生クリームには細かな乳脂肪の粒が含まれており、それぞれ膜に包まれています。
強く振り続けると、その膜が壊れて乳脂肪同士が集まり始めます。さらに振動を加えることで脂肪分と水分が分離し、集まった乳脂肪がバターになります。
途中では、
液体の生クリーム
↓
ホイップクリームのような状態
↓
さらに振る
↓
黄色っぽい固まりと白い液体に分離
という変化が起こります。
最後に残る固まりがバターです。
一緒に分離する白い液体はバターミルクと呼ばれます。
つまり、ランニングそのものに特別な力があるわけではありません。走ったときに起こる大量の揺れを「バターをかき混ぜる動き」の代わりに利用しているのです。
10km走らなければバターができないわけではない
バターランでは「10km」「15km」といった距離がよく登場します。
海外で広がった方法でも、10~15kmほど走るチャレンジが紹介されています。
ただし、バターを作るために10kmという決められた距離が必要なわけではありません。
実際に10kmを走ってもうまく固まらなかった検証もあり、別の激しい運動で強く振動させた方がバターになった例もあります。
ここから分かるのは、重要なのが走行距離ではなく、
「生クリームへどれだけ継続的な振動を与えられたか」
ということです。
ゆっくり揺れるだけのバッグと、上下動が大きく伝わるバッグでは結果も変わります。
「10km走れば必ず完成」というチャレンジではなく、温度、脂肪分、容器、揺れ方など複数の条件が関係する実験に近いものと考えると分かりやすいでしょう。
成功には生クリームの温度も重要
バターランを試すときに見落としやすいのが温度です。
家庭で生クリームからバターを作る方法では、5~10℃程度によく冷やした生クリームを使用し、容器を振る方法が紹介されています。
温度が高ければよいわけではありません。
バターを作るには乳脂肪が適切な状態を保っている必要があるため、家庭で実験するときは冷蔵庫から出した生クリームを使う方が再現しやすくなります。
これは、8月に屋外で行うバターランでは特に気になるポイントです。
真夏のランニングでは容器そのものが温まりやすく、乳製品を長時間持ち歩くことにもなります。
SNS動画をそのまま再現することより、バター作りを楽しみたいだけなら冷房の効いた室内で行う方が簡単です。
自宅なら走らなくてもペットボトルを振れば作れる
実際にバターを作ってみたい人は、ランニングをする必要はありません。
家庭では清潔な350~500ml程度のペットボトルなどに、よく冷やした生クリームを入れて振る方法があります。
生クリームが固くなったあとも振り続け、乳脂肪の固まりと液体に完全に分かれたら取り出します。余分な水分を押し出し、好みで塩を混ぜれば手作りバターになります。
この方法なら変化を自分の目で確認できます。
最初は「チャプチャプ」という液体の音だったものが、ホイップ状になると一度音が小さくなります。
さらに振ると再び液体の音が聞こえ始めます。
これは失敗ではなく、バターとバターミルクが分離してきたサインです。
子どもと一緒に行えば、「液体だった生クリームがなぜ固体になるのか」を観察できる食育や自由研究にもつながります。
バターランのルーツは昔のバター作りにも通じる
「移動中の揺れでバターができる」という発想は、実は現代のSNSだけのものではありません。
家畜の乳を容器に入れて運んでいた時代にも、移動中に繰り返し揺らされた乳から脂肪が分離するという現象が知られていました。バターランは、昔から利用されてきた「乳を激しく動かして乳脂肪を集める」という仕組みを、現代のランニングへ置き換えたものともいえます。
現在のバター製造では専用設備を使いますが、原理の中心には乳脂肪を集めて水分と分ける工程があります。
最新のSNSトレンドなのに、中で起きていることは非常に昔ながら。
このギャップもバターランの面白いところです。
バターランを真似するときは「食べる」ことと「走る」ことを分けて考える
SNS動画としては面白いバターランですが、8月の日本で屋外を長距離走り、その生クリームからできたものをそのまま食べる方法はおすすめできません。
乳製品は温度管理が大切です。
また、生クリームを入れた容器をバッグの中で激しく揺らすため、密閉が不十分なら漏れる可能性もあります。
ランニング自体についても、暑い時期はチャレンジを成功させることより体調管理を優先したいところです。
試してみたい場合は、
「走って作る動画遊び」と「食べるための手作りバター」を分け、自宅では冷やした材料と清潔な容器を使う
という楽しみ方が安心です。
バターランがSNS動画として強い理由
バターランには、短い動画で伝わりやすい要素がそろっています。
最初に見せるのは白い生クリーム。
そのまま走り出し、最後にバッグから取り出すと黄色いバターへ変わっている。
スタートとゴールの違いが一目で分かるため、短尺動画との相性が非常にいいのです。
さらに、ランニングという日常的な行動に「バターを作る」という目的を追加することで、結果を最後まで確認したくなります。
単に「10km走りました」ならランニングに興味のない人は見ないかもしれません。
しかし、
「10km走ったら生クリームはどうなる?」
となれば、料理好きや実験好きまで見たくなります。
バターランが面白いのは、珍しい料理法だからだけではありません。
運動、料理、実験という本来別々だったものを1本の短い動画にまとめたことが、世界へ広がった大きな理由です。
参考リンク
- 生クリームを使ってバターを作ろう|よつ葉乳業
- Does the Butter Run Challenge Actually Work?
- Churn and burn: Can the Han riverside double as a creamery for a ‘butter run’?
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