銀鮭と紅鮭は味・脂・色・育ち方が違う
『帰れマンデー見っけ隊!!(さかなクンと築地&豊洲へ!プロが行く名店で爆食旅!!)(2026年8月24日)』では、さかなクンが銀鮭と紅鮭の違いや、それぞれの魅力を解説します。スーパーではどちらも「鮭」として並びますが、実は別の魚で、脂の量や身の色、育ち方にも大きな違いがあります。塩焼きやおにぎり、ムニエルなど、料理に合わせた選び方まで詳しく見ていきます。
この記事でわかること
- 銀鮭と紅鮭の一番大きな違い
- 脂が多い鮭と身が締まった鮭
- 紅鮭の身が濃い赤色になる理由
- 塩焼きやおにぎりに合う選び方
脂のりなら銀鮭、濃い色と締まった身なら紅鮭
スーパーで銀鮭と紅鮭を見比べたとき、まず覚えておきたいのが脂の量の違いです。
日本食品標準成分表に掲載されている生の魚100gを比べると、養殖銀鮭の脂質は12.8g、紅鮭は4.5gです。銀鮭のほうが脂質量は約2.8倍多くなっています。
大まかに選ぶなら、
| 比較 | 銀鮭 | 紅鮭 |
|---|---|---|
| 種類 | ギンザケ | ベニザケ |
| 英名 | Coho salmon | Sockeye salmon |
| 脂質100gあたり | 12.8g | 4.5g |
| 身の印象 | 脂が多くジューシー | 比較的締まりがある |
| 身の色 | オレンジ系 | 濃い赤色が目立つ |
| 選び方 | 脂のり重視 | 鮭らしい色と身質重視 |
となります。
焼いた鮭から脂がジュワッと出るような食べ方を好むなら銀鮭が選びやすく、比較的すっきりした身質を求めるなら紅鮭が候補になります。
銀鮭と紅鮭は同じ鮭の呼び方違いではない
銀鮭と紅鮭は、育った場所や身の色によって呼び分けているわけではありません。
もともと別の魚種です。
銀鮭の学名は「Oncorhynchus kisutch」、紅鮭は「Oncorhynchus nerka」。どちらもサケ属ですが、それぞれ独立した種類として分類されています。
つまり、
「銀色っぽい鮭が銀鮭」
「身が赤い鮭が紅鮭」
という単純な名前の違いではありません。
銀鮭を育て方によって紅鮭にしたり、紅鮭が成長して銀鮭になったりすることもありません。
スーパーの切り身だけを見ると似ていますが、魚としては最初から別物です。
銀鮭は脂質12.8gで濃厚な食べ方に合わせやすい
養殖銀鮭の生100gには、脂質が12.8g含まれています。
一方で、たんぱく質は19.6g、エネルギーは188kcalです。
脂が多いことから、焼いたときにも身がパサつきにくく、しっとりした食感を楽しみやすいのが魅力です。
その特徴を生かしやすい料理としては、
- 塩焼き
- バター焼き
- ムニエル
- ホイル焼き
- クリーム系の料理
などがあります。
特に朝食や夕食で「脂ののった鮭を白いご飯と食べたい」という場合は、銀鮭の分かりやすい強みが出ます。
ただし塩鮭の場合は、魚そのものの違いに加えて塩分濃度にも商品差があります。「甘口」「中辛」などの表示も確認して選ぶことが大切です。
宮城県は国内の養殖銀鮭を支える産地
銀鮭は日本でも養殖されています。
特に重要な産地が宮城県です。
宮城県では1976年頃から銀鮭の養殖が始まり、国内の養殖銀鮭生産量の9割超を占める産地となっています。石巻市、女川町、南三陸町、気仙沼市で生産される高鮮度の養殖銀鮭には、地理的表示(GI)として登録された「みやぎサーモン」もあります。
宮城県沿岸はリアス式海岸で水深が深く、波が穏やか。夏まで低い海水温を保ちやすいことが、銀鮭養殖に適した環境につながっています。
鮭と聞くと「北の海で獲る天然魚」のイメージが強いかもしれませんが、銀鮭の場合は養殖技術によって安定して生産されている魚という側面が大きいのです。
紅鮭は銀鮭より脂質が少なくたんぱく質が多い
紅鮭の生100gを見ると、脂質は4.5g、たんぱく質は22.5g、エネルギーは127kcalです。
同じ条件の養殖銀鮭と比較すると、
銀鮭
- エネルギー:188kcal
- たんぱく質:19.6g
- 脂質:12.8g
紅鮭
- エネルギー:127kcal
- たんぱく質:22.5g
- 脂質:4.5g
となります。
「鮭はどれも脂が多い」というイメージを持っていると、この差は意外に大きく感じます。
濃厚な脂を楽しむ銀鮭に対して、紅鮭は身そのものの風味や食感を楽しみやすい鮭と考えると、料理を選ぶときにも分かりやすくなります。
紅鮭の濃い赤色はアスタキサンチンが関係している
紅鮭と銀鮭を切り身で比べたとき、目立つ違いが身の色です。
紅鮭は名前の通り、鮮やかな赤色の身を持っています。
鮭の赤い色に関係しているのがアスタキサンチンという色素です。鮭類は、アスタキサンチンを含む甲殻類などの餌を食べ、それを体内に蓄積します。
ただし、身が赤いからといって鮭が「赤身魚」というわけではありません。鮭は分類上は白身魚です。
マグロやカツオのような赤身魚とは、赤く見える仕組みが違います。
この鮮やかな色は紅鮭の大きな特徴で、焼いても料理の中で色が映えやすいため、お弁当やおにぎりの具にも使いやすい魚です。
紅鮭にはヒメマスとして一生を湖で過ごすタイプもいる
紅鮭には、生態にも興味深い特徴があります。
一般的な紅鮭は幼魚期の1~2年を湖で過ごしたあと海へ下り、成長して再び産卵場所へ戻ります。
一方、海へ下らず、一生を湖で過ごすタイプはヒメマスと呼ばれます。
紅鮭とヒメマスはまったく無関係な魚ではなく、同じ「Oncorhynchus nerka」に含まれます。
スーパーの切り身からは想像しにくい部分ですが、銀鮭と紅鮭の違いを調べていくと、味だけでなく生活史まで大きく違うことが分かります。
塩焼きなら脂を楽しむ銀鮭、鮭らしい風味なら紅鮭
実際にスーパーで2種類が並んでいたら、料理から選ぶ方法が簡単です。
銀鮭が向いている料理
脂の多さを生かしたい料理と相性が良くなります。
塩焼きはもちろん、バターやチーズ、きのこなどを合わせるホイル焼き、ムニエルなどでも身がしっとり仕上がりやすいのが魅力です。
子どもでも食べやすい、柔らかく脂のある鮭を選びたいときにも候補になります。
紅鮭が向いている料理
紅鮭は、鮭そのものの色や身質を生かしたい料理に合わせやすくなります。
塩焼きのほか、おにぎり、鮭弁当、混ぜご飯、お茶漬けなど、身をほぐして使う料理にもよく合います。
赤い身が残るため、白いご飯と組み合わせたときの見た目もきれいです。
どちらが上という話ではなく、脂を食べたいのか、鮭の身をしっかり味わいたいのかで選ぶと失敗しにくくなります。
「サーモン」と書かれた商品は魚種名まで確認したい
鮭売り場でさらに迷いやすいのが「サーモン」という表示です。
サーモンは1種類の魚だけを指しているとは限りません。
例えばサケ属には、
- 銀鮭
- 紅鮭
- シロザケ
- カラフトマス
- マスノスケ
など複数の魚がいます。さらに、タイセイヨウサケも日本ではサーモンとして広く流通しています。
そのため、「サーモンだから銀鮭」「鮭だから紅鮭」と判断することはできません。
パックの食品表示にある魚種名・原産地・養殖または天然を見ると、何を買っているのか分かりやすくなります。
スーパーでは脂・料理・表示の3つを見ると選びやすい
銀鮭と紅鮭のどちらを買うか迷ったら、難しく考える必要はありません。
まず脂ののったジューシーな鮭を食べたいなら銀鮭。養殖銀鮭は脂質量が多く、塩焼きやバターを使う料理でも存在感があります。
一方、比較的脂が少なく、鮮やかな赤い身と鮭らしい身質を楽しみたいなら紅鮭が選択肢になります。
そしてもう1つ大切なのが、魚種名だけでなく「甘口」「中辛」などの塩加減や、天然・養殖、原産地まで見ることです。
同じ鮭売り場でも中身はかなり違います。
銀鮭と紅鮭の特徴を知っておくだけで、値段だけで選ぶのではなく、今作りたい料理に合った鮭を選べるようになります。
参考リンク
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