能登の「おいしい」と「ものづくり」が旅の目的になる
『あさイチ 愛(め)でたいnippon 能登(能登半島・ご当地ソフトを巡る旅〜震災復興を目指す人々が生む絶品)(2026年8月27日)』で気になるのが、能登ならではのソフトクリームと、海の色を映したようなガラス、そして新しく生まれ変わった空の玄関口です。震災後も地域の味や技術を守りながら、新しい旅の目的を生み出している能登。食べる、買う、体験するという3つの視点から、その魅力を詳しく見ていきます。
この記事でわかること
- 能登のご当地ソフトに使われる地域ならではの食材
- 海の青を表現した「能登藍-NOTO BLUE-」の特徴
- のと里山ポケモン・ウィズ・ユー空港の開港期間と見どころ
- 能登を訪れる前に知っておきたい営業・交通の注意点
能登のご当地ソフトは「土地の味」そのもの
能登半島のご当地ソフトで面白いのは、単に変わった味を作るのではなく、その土地で生産されてきた食材を使っていることです。
奥能登では、珠洲の天然塩、能登町のブルーベリー、大浜大豆など、海と里山の恵みを生かしたソフトクリームや冷たいスイーツが作られています。例えば珠洲では天然塩を使った塩系ソフト、能登町では特産のブルーベリーを使ったソフトなどが親しまれています。
甘いソフトクリームに塩を加えると、単純に「しょっぱいアイス」になるわけではありません。適度な塩味によって甘さが引き立つため、海沿いを巡ったあとに食べたくなる味でもあります。
ブルーベリーも同じで、能登町で栽培される農産物が観光客の手に取りやすいスイーツへ姿を変えています。
ソフトクリーム1つなら気軽に購入できるため、地域の食材を初めて知る入口としても分かりやすい存在です。
震災後の能登で「食べに行くこと」が持つ意味
能登半島では2024年1月の地震、さらに同年9月の豪雨によって観光や地域産業も大きな影響を受けました。その後、道路や港などの復旧が進められる一方、観光客を再び地域へ呼び戻す取り組みも続いています。
そこで重要になっているのが、「復興を見るためだけに訪れる場所」から、普通に食べたい、買いたい、体験したいと思える場所へ戻っていくことです。
ご当地ソフトは、その象徴の1つと言えます。
能登の塩や果物、牛乳、豆などを使えば、原料を作る人、加工する人、販売する人まで地域の仕事につながります。
旅する側にとっても、大きな買い物をしなくても地域の味を楽しめるのが魅力です。「応援しなければ」と構えなくても、おいしいから食べる。その行動そのものが地域との接点になります。
能登の海をグラスにした「能登藍-NOTO BLUE-」
食だけではなく、能登の自然そのものを表現したものづくりもあります。
七尾市の能登島ガラス工房が手掛けるのが、「能登藍-NOTO BLUE-」と呼ばれるガラスです。
印象的なのは、青い着色料を使って海らしく見せただけのガラスではないことです。
能登半島の大地を構成する珪藻土には、ガラスの主原料となるシリカが多く含まれています。そこに含まれる微量の金属成分などによって生まれる、深く柔らかな藍色が特徴です。
その色が、能登の海を思わせることから「能登藍」と名付けられています。
グラスには手仕事ならではの揺らぎや気泡も生まれます。
均一な工業製品とは違い、光が当たったときの影や青の濃淡まで1つずつ表情が変わるところが魅力です。
「能登の海を持ち帰る」という感覚に近いお土産を探している人には、かなり印象に残る工芸品です。
能登島ガラス工房は震災後に制作と体験を再開
能登島ガラス工房も2024年の能登半島地震の影響を受けましたが、建物や主要な機械に大きな被害はなく、同年1月下旬にはガラス制作を再開しました。
ショップや制作体験も3月から再開しています。
2026年2月の状況では通常営業を続け、来場者も徐々に増えている一方、来客数は震災前の水準にはまだ戻り切っていないとされています。
工房では作品を買うだけでなく、吹きガラスなどの制作体験ができるのも特徴です。
自分で色や形を選び、その土地で作品を作るため、「お土産を購入する」のとは違った記憶が残ります。
営業時間は基本的に9時から17時です。
設備のメンテナンスなどで吹きガラス体験を休止する日もあるため、体験目的で訪れる場合は営業予定を確認してから向かうと安心です。
能登空港は世界初の「ポケモンの名を冠した空港」に
能登の旅で大きく変わった場所が空の玄関口です。
2026年7月7日、従来の「のと里山空港」は「のと里山ポケモン・ウィズ・ユー空港」としてリニューアルオープンしました。
大きなポイントは常設名称の変更ではなく、2029年9月30日までの期間限定プロジェクトであることです。
ポケモンの名前を正式に冠した空港としては世界初とされています。
石川県とポケモン・ウィズ・ユー財団が、被災した子どもたちへの支援と能登の観光需要を生み出す取り組みの一環として進めています。
単に空港へポケモンの絵を飾っただけではありません。
空港全体を旅の目的地として楽しめるよう作り込まれています。
空港には111種の「ひこうタイプ」のポケモン
空港を象徴するのが、2階吹き抜けに浮かぶ大きなピカチュウと飛行機のバルーンです。
さらに空港内には、2026年5月時点で確認されていた111種すべての「ひこうタイプ」のポケモンが登場します。
到着ロビーには復興応援アート「あかるいみらい」、3階見学者デッキには「ピカチュウのさとやま」などが設けられています。
そのため、飛行機に乗る人だけが立ち寄る交通施設とは少し違います。
ポケモンを探したり写真を撮ったり、食事をしたりして過ごせるため、空港そのものが観光スポットになっています。
飛行機を利用しない人でも訪れやすく、駐車場は無料です。ただし震災復旧工事などによって一部駐車規制が行われる場合があります。
レストラン「あんのん」には能登食材を使った限定メニュー
3階のレストラン「あんのん」では、能登の食材とポケモンを組み合わせた空港限定メニューも用意されています。
パンケーキには能登産のジャムなどが使われ、ドリンクにも地域の素材が取り入れられています。
パンケーキは各1,800円、ドリンクは各800円で、パンケーキとドリンクのセットは2,500円です。
限定メニューは数量に限りがあり、混雑時には整理券が必要になる場合があります。
「空港を見に行ったら限定メニューも食べたい」という人は、到着してから最後にレストランへ行くより、先に混雑状況を確認しておく方が動きやすいでしょう。
空港だけで終わらない「ポケモンのとめぐり」
このプロジェクトの面白さは、空港だけをポケモン仕様にして終わらないところです。
空港を起点として、能登半島各地へ人が移動する仕組みが作られています。
2026年7月18日からはポケモンラッピングバスも運行。さらに、のと鉄道のラッピング列車、ポケモンスポット、スタンプラリーなどを組み合わせて能登を巡ることができます。
観光復興を考えるうえでは、ここがとても重要です。
空港だけに人が集中するのではなく、七尾、穴水、能登町、珠洲などへ足を運んでもらえば、飲食店や宿泊施設、土産物店などへ旅行者の動きが広がります。
ポケモンファンにとっては「推しを巡る旅」ですが、地域側から見ると人が能登半島を回遊する新しい動線になっています。
能登旅行では営業状況と道路情報を出発前に確認
能登は少しずつ旅を楽しめる場所が増えていますが、震災や豪雨からの復旧工事は続いています。
特に奥能登では、道路工事や施設の営業日変更が起きることがあります。
そのため、以前訪れたことがある場所でも、同じ道順や営業時間とは限りません。
ご当地ソフトを目的にする場合も、工房体験を目的にする場合も、「わざわざ行ったのに休みだった」ということを避けるため、当日に営業状況を確認しておくのがおすすめです。
能登の旅では予定を詰め込みすぎず、移動時間に余裕を持たせると回りやすくなります。
ソフト、ガラス、ポケモンに共通するのは「能登へ来てもらう理由」
ご当地ソフト、能登藍のグラス、ポケモン空港は、一見するとまったく違うものです。
しかし共通しているのは、能登まで足を運びたくなる理由を作っていることです。
塩やブルーベリーなどを味わう。
能登の大地から生まれた青いガラスを手に取る。
空港からポケモンを追いかけて半島を巡る。
震災からの復興という大きな言葉だけではなく、こうした「食べたい」「見たい」「欲しい」「行ってみたい」という小さな目的が増えることで、人の流れが戻っていきます。
能登を訪れたことがない人にとっても、以前訪れたことがある人にとっても、新しい旅の入口がいくつも生まれています。
参考リンク
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