濱尾ノリタカさんと行く宮崎・高千穂の秘境体験&花粉症治療の新常識
2025年6月12日放送のNHK「あさイチ」では、俳優の濱尾ノリタカさんをゲストに迎え、宮崎県の秘境・高千穂郷の暮らしや文化をたっぷり紹介しました。また、花粉症治療の最新情報や、夏の染め物、梅の不作問題、腰痛の危険サイン、そして動物園園長の功績紹介まで、盛りだくさんの内容でした
花粉症の治療は「いま」が始めどき
番組の冒頭では、スギ花粉症の根本治療として注目されている「舌下免疫療法」について紹介されました。取材が行われたのは、東京・品川区にある医療機関で、花粉が少ないこの時期から治療を始めることがすすめられていました。花粉症の治療といえば春がイメージされがちですが、舌下免疫療法は6月のように飛散量が落ち着いた時期こそ、開始に最適とされています。
この治療では、1日1回、錠剤状の薬を舌の下に置き、完全に溶けるまでそのままにしておくという方法がとられています。薬はその後ゆっくり飲み込みます。継続期間は3年から5年が目安で、長く続けることで体質の根本改善が期待できると解説されました。
治療を担当する永倉仁史医師は、これまで100人以上に施術を行い、多くの人が症状の大幅な改善を実感していると話しました。例えば、くしゃみや鼻づまりの症状が30%以下まで抑えられるケースも多いそうです。
副作用についても言及がありました。
-
口の中のかゆみ
-
のどの不快感
-
耳の中がかゆくなる感覚
といった軽度の反応が起こる可能性があります。ただし、重度の気管支ぜんそくのある人や、抗がん剤・ステロイドを多用している人は対象外になることがあります。治療の対象となるのは、スギ花粉症とダニアレルギーの人のみで、ブタクサやイネ科の花粉症には適していません。
診療科は問わず、「登録医」がいる医療機関であれば治療は可能です。自分が対象になるかを確認するためには、まず医師に相談することが大切です。
スタジオでは、来年の花粉の飛散予測も紹介され、東北・関東・中部地方では今年より飛散量が多くなる見込みであることが伝えられました。近畿・中国・四国・九州地方では、今年と同程度か少なめと予測されています。
今のうちから対策をはじめることで、来春のつらい症状を軽減できる可能性があるため、夏前の6月が絶好のタイミングとして呼びかけられていました。
濱尾ノリタカさんと行く高千穂郷の自然と文化
番組では、連続テレビ小説「あんぱん」に出演中の濱尾ノリタカさんが宮崎県・高千穂郷を訪れ、山あいの暮らしや伝統文化にふれる旅の様子が紹介されました。高千穂郷は神話の里として知られ、手つかずの自然と人々の素朴な暮らしが今も残っています。
濱尾さんが訪ねたのは、築150年の古民家で営まれる民泊です。迎えてくれたのは、地元に根ざして暮らす飯干金光さん夫妻。ご主人は、濱尾さんが出演していた「あんぱん」を観ていたと語り、出会いの場面から地元ならではの温かさが感じられました。
この民泊では、囲炉裏を囲んでの手作り料理や、昔ながらの五右衛門風呂体験が提供されています。濱尾さんも実際に五右衛門風呂に入り、火加減や湯加減を確かめながら、昔の暮らしの知恵や手間を実感する様子が紹介されました。
夕食には、「かっぽ鶏」という高千穂の郷土料理がふるまわれました。この料理は、地元の鶏肉を味噌などで味付けし、囲炉裏でじっくり焼くもので、素朴ながらも深い味わいが特徴です。
また、高千穂の生活に欠かせないものとして紹介されたのが、江戸時代から続く用水路の存在です。山の上にある水源から引かれた水は、総延長192キロにも及ぶ用水路を通じて各家庭に届けられており、地域の農業や暮らしを支える重要なインフラになっています。
濱尾さんは夜、地元の人々と語り合う時間も過ごしました。民泊では、観光とは違う「暮らしを共有する体験」ができるのが魅力で、テレビではその様子が自然な空気感とともに映し出されました。地域の人々の言葉や表情から、高千穂郷のあたたかな人柄と、受け継がれる暮らしの知恵がしっかりと伝わってきました。
神々の里・高千穂の「しめ縄」文化
高千穂郷は、古くから日本神話に登場する「天岩戸伝説」の舞台とされており、「神々の里」として全国的に知られています。この地域では、家々の玄関や門に一年中しめ縄を飾る文化が根付いており、神様を日常的に迎え入れるという信仰心のあらわれとされています。
番組では、高千穂の町を歩くと、本当に多くの家庭や商店でしめ縄が飾られている様子が映し出されました。これは、年始だけの風習ではなく、一年を通じて神聖な空間を守るための習慣として続いているもので、地域独自の文化として今も大切に受け継がれています。
この地域で使われるしめ縄の多くは、ある美容店の2階で制作されていることが紹介されました。ここでは、なんと90歳になる兄弟が二人で地域全体のしめ縄づくりを担っているとのことです。兄弟は長年培った技で、太さやねじり加減を丁寧に調整しながら一本一本手作業で仕上げており、その手際の良さはまさに職人芸でした。
また、商店の入り口などに飾られている「とり」の形をしたしめ縄にも注目が集まりました。このしめ縄は「商売繁盛」の願いを込めて飾られており、「お客を“とり”込む」という言葉にかけられた縁起物とされています。このように、言葉遊びを含めた民間信仰と、生活に根づく装飾がひとつになっている点も、高千穂郷ならではの魅力です。
地域の文化が、単なる観光資源としてではなく、日々の暮らしのなかで自然に生き続けている様子が番組を通じて丁寧に伝えられました。こうしたしめ縄文化は、高千穂の人々が神様とともにある暮らしを大切にしてきた証といえるでしょう。
高千穂の「干し野菜」名人に学ぶ暮らしの知恵
宮崎・高千穂郷では、自然の恵みを余すことなく活かす知恵が今も息づいています。番組では、「おひさまの魔法使い」と呼ばれている84歳の甲斐クニ子さんの暮らしぶりが紹介されました。クニ子さんは、20種類以上の干し野菜をすべて自分の手で作っている名人で、その知識と技術には驚きが詰まっています。
クニ子さんが作る干し野菜の特徴は、すべて天日干しで仕上げていること。電気を使わず、自然の力だけで乾かすことで、素材本来のうま味や栄養が凝縮されるといいます。特に、渋柿の皮を干したものは甘みがぎゅっと詰まっていて、おやつとしても食べられるほどだそうです。
さらに、柿の蔕(へた)はしゃっくり止めの漢方薬として古くから使われてきたもので、煎じて飲むと効果があるとされています。また、ナスのヘタは乾燥させて歯磨き代わりに使えるという驚きの活用法も紹介され、身近な食材の新たな可能性に気づかされます。
クニ子さんが披露してくれた料理のひとつが、自家製の干しナスを使った「牛丼もどき」です。見た目はまさに牛丼そのもので、スタジオではその再現料理も登場しました。実際に食べた濱尾さんは、「たしかに牛肉っぽい。わかる。おいしい」と表現し、干しナスの食感や味わいに驚いていました。
干しナスは、煮しめや巻きずしの具材にもアレンジできるといい、保存が利くうえに使い道も多く、まさに昔ながらの知恵が詰まった万能食材です。現代ではなかなか見られない、無駄なく自然を使いきる暮らし方が今も高千穂には残されており、見ている人にとっても多くの学びがある内容となりました。
幻のお茶「釜炒り茶」とアンテナショップ
高千穂郷の自然と伝統の中で生まれる特産品として、番組では「釜炒り茶」が紹介されました。このお茶は全国の緑茶生産量の中でも1%未満というごくわずかな量しか生産されていない、まさに“幻のお茶”ともいえる存在です。
生産地は、標高約500メートルの山の中。昼夜の寒暖差が大きい気候が、香り高くさっぱりとした味わいを生み出す要因となっています。一般的な蒸し製の緑茶とは異なり、この釜炒り茶は摘んだ茶葉を直火の釜で炒ることでつくられます。
この製法にはいくつかの特徴があります。
-
釜で炒ることで茶葉の細胞が壊れにくく、香りや栄養が逃げにくい
-
もみの工程が少ないため、形がくずれず、茶葉本来の姿が残る
-
飲んだときに渋みが控えめで、すっきりとした後味になる
このように、手間はかかるけれども、香りと味わいに優れたお茶として根強いファンがいます。
スタジオでは、釜炒り茶のシロップを炭酸水で割ったドリンクがふるまわれ、出演者たちが実際に味を確かめていました。独特の香ばしさと清涼感が合わさった、新しいお茶の楽しみ方として紹介されていました。
また、出演していたイワクラさんは、東京・新宿の宮崎県のアンテナショップでこの釜炒り茶を定期的に購入していることを明かしました。都心でも手に入るようになったことで、高千穂の味を身近に感じられる機会が増えつつあることも伝えられました。
生産者のこだわりと高千穂の自然条件が育てた、希少でありながらも豊かな香味をもつ釜炒り茶は、まさに“幻”と呼ばれるにふさわしい存在です。日常の中で特別なひとときを演出してくれる一杯として、今後さらに注目されていきそうです。
梅農家からのお願い「傷ありでも味は一緒」
和歌山県田辺市では春のひょう被害により、今年の梅が不作となりました。群馬県でも同様の被害がありましたが、各地のJAでは「見た目に難ありでも味は問題なし」して、訳あり品として出荷しています。梅ボーイズの山本将志郎さんも、梅シロップや梅酒にすればまったく問題ないと伝えていました。
腰痛の危険サインを見逃さない
番組の「病院に行くべき?」のコーナーでは、腰痛がただの疲れではない可能性があるサインについて専門的に解説されました。多くの人が経験する腰の痛みですが、その大半は筋肉や姿勢の疲労による「一過性の腰痛」であり、3日程度安静にしていれば自然に回復することが多いといいます。
しかし、すべての腰痛が安心できるものではありません。番組では、「寝ていても痛みが引かない腰痛」には要注意だと紹介されました。さらに、次のような他の症状を伴う場合は深刻な疾患が隠れている可能性があると指摘されました。
-
発熱がある
-
寒気(おかん)を感じる
-
体重が急に減少する
-
排尿時の痛みや頻尿がある
これらの症状を伴う場合には、内臓や骨に関わる病気の可能性があるため、速やかな受診がすすめられます。とくに次のような病名が挙げられました。
-
化膿性脊椎炎(かのうせいせきついえん):背骨に炎症が起き、強い痛みや発熱が続きます。高齢者や糖尿病の人に多く見られる病気です。
-
腎盂腎炎(じんうじんえん):腎臓が細菌感染を起こすことで、腰や背中の痛みとともに、頻尿や排尿時の痛みが現れることがあります。
-
がんの骨転移:進行がんが骨に転移した場合、安静にしていても痛みが取れず、体重の減少などが同時に起こることがあります。
これらの症状が複数あるときは、迷わず病院を受診することがすすめられました。受診の目安としては、3日以上痛みが続く場合や、上記のような全身症状が出たときは、まず内科へ相談するのが安全です。
今回の特集では、日常的な腰痛の裏に隠れている重大な病気のリスクを正しく知ることの大切さが伝えられていました。何となく「そのうち治る」と放置せず、体の変化に気づいたら早めに行動することが大切だと強調されました。
京都・下京区の伝統「絞り染め」
「いまオシ!LIVE」のコーナーでは、京都市下京区にある絞り染め工房からの中継が行われ、長い歴史を持つ伝統技法「絞り染め」の魅力が紹介されました。絞り染めとは、布を縛ったり折りたたんだりしてから染料に浸すことで、縛った部分と染まった部分にコントラストが生まれる技法で、一つとして同じ模様ができないのが特徴です。
工房では、絞りの工程を終えた風呂敷をその場で開き、染め上がったばかりの布が広がる様子を見せてくれました。色のにじみ方や模様の広がりが非常に繊細で、まるで自然が描いた模様のような美しさが画面越しにも伝わってきました。
染めに使われる布は、伸縮性のある柔らかい素材が多く、軽やかで日常使いにも適しているとのこと。ストールや風呂敷、ハンカチなどのアイテムとして仕立てられ、普段の生活に取り入れやすいデザインに仕上げられていることもポイントです。
こうした製品は、使う人の暮らしに彩りを添えるだけでなく、職人の技や日本の美意識を日常の中で感じられるアイテムとして、国内外の観光客からも人気を集めています。
伝統技術を守りつつ、現代の生活に合うデザインや用途に応用することで、今も息づく日本の手しごとの価値と、地域文化の力強さが感じられる中継でした。
みんな!ゴハンだよ「マーボーなす」
本日の料理コーナーでは「マーボーなす」を紹介。しまむきにしたナスを炒め、トーバンジャンや甜麺醤、合いびき肉などで作ったピリ辛あんにからめて仕上げます。野沢菜も入っていて、味にアクセントが加わっていると好評でした。
【あさイチ】菊池晋作シェフのマーボーなす!プロのアレンジ技が光る絶品レシピ|2025年6月9日放送
ウチのどうぶつえん・佐藤哲也さんの功績
番組の最後では、2024年3月6日に亡くなった動物園界の先駆者・佐藤哲也さんの功績が紹介されました。佐藤さんは、神戸どうぶつ王国や那須どうぶつ王国などで園長を務め、動物との新しい関わり方を模索し続けた人物として知られています。
佐藤さんの取り組みのひとつが、ホッキョクオオカミの繁殖です。非常に希少で繊細な動物とされるホッキョクオオカミの飼育と繁殖に成功したことは、国内外でも注目される大きな成果となりました。また、ニホンライチョウやツシマヤマネコなどの絶滅危惧種の保全活動にも尽力し、日本の生き物を守るための取り組みを続けてきました。
さらに佐藤さんは、動物福祉の向上を目指した「ガイドライン」の作成にも関わり、全国の動物園が展示や飼育方法を見直すきっかけとなった存在でもあります。このガイドラインは、動物にとってストレスの少ない飼育環境や、自然な行動ができる展示スペースのあり方を示すもので、多くの動物園がその内容を参考にしています。
もうひとつの佐藤さんの特徴的な功績は、展示場のデザインです。単に動物を見せるのではなく、「動物を探しながら見る」ことで自然な観察体験ができるような工夫を取り入れてきました。このようなアプローチにより、来園者の興味を引き出しながら、動物本来の行動も尊重できる空間が生まれています。
最後に手がけた展示はカピバラの展示場で、そこにも佐藤さんらしい細やかな配慮とユーモアが詰まっていたといいます。動物と人が共に心地よく過ごせる場を追求し続けた佐藤さんの姿勢は、多くの飼育員や関係者に受け継がれています。
次回の「ウチのどうぶつえん」は6月13日放送。佐藤さんの意志を継ぐ動物園や飼育員たちの活動が続けて紹介される予定です。
エンディング
エンディングでは、舌下免疫療法のVTRに関して「5歳からでも使用可能」と訂正がありました。また、「マキシマ オランダ・プリンセス物語」に声優・一龍斎貞友さんが出演する情報も伝えられました。
コメント