腹痛や血便の原因を知る 大腸の病気を正しく理解する
腹痛や血便が続くと、不安になる人は多いものです。原因の一つとして知られるのが、加齢とともに増える大腸の「憩室」に炎症が起こる 憩室炎 です。また、似た症状が続く病気として、患者が増えている指定難病 潰瘍性大腸炎 もあります。
このページでは『チョイス@病気になったとき(腹痛・血便の原因 憩室炎?潰瘍性大腸炎?)(2026年3月15日)』の内容を分かりやすくまとめています。大腸の病気の特徴や最新治療、受診の目安について理解できるよう整理して紹介します。
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腹痛や血便の原因とは?大腸の憩室と憩室炎のしくみ
お腹の痛みや血便が起こる原因の一つに 憩室炎 があります。憩室とは、大腸の壁の一部が外側に袋のようにふくらんだ状態で、年齢を重ねると多くの人に見られる変化です。多くの場合は症状がありませんが、袋の中に便がたまり細菌が増えると炎症が起こります。これが憩室炎です。
炎症が起こると、腹痛、発熱、下痢、便秘などが現れることがあります。痛みは特に下腹部に出やすく、日本では右下腹部の痛みとして現れるケースも多いとされています。
さらに炎症が強くなると、腸に穴が開く 腸管穿孔 や膿がたまる 膿瘍 が起こることもあり、重症化すると手術が必要になる場合もあります。憩室の血管が傷つくと突然の 血便 が出ることもあり、腹痛がなくても注意が必要です。
加齢で増える大腸の変化「憩室」 炎症が起きるとどうなる?
憩室 は大腸の壁が弱くなった部分が外側へ押し出されてできる袋状の構造です。腸の内側の圧力が高くなることで発生すると考えられており、便秘や食生活の変化、加齢などが関係しています。
憩室自体は珍しいものではなく、高齢になるほど見つかる人が増えます。多くの人は症状がなく、健康診断や 大腸内視鏡検査 で偶然見つかることも少なくありません。
しかし、憩室の中に便が入り込んで細菌が増えると炎症が起こり、憩室炎になります。すると腹痛や発熱、吐き気、食欲不振などが起こり、重症になると腸の周囲に膿がたまることもあります。早めの診断と治療が大切な理由はここにあります。
血便が続くと疑われる潰瘍性大腸炎 患者が増えている理由
潰瘍性大腸炎 は、大腸の粘膜に慢性的な炎症が起こる病気で、日本では指定難病に指定されています。主な症状は 血便、下痢、腹痛 で、症状が長期間続くのが特徴です。
この病気は免疫の働きが過剰になることで腸に炎症が起こると考えられており、腸内細菌の変化や遺伝的要因、生活環境など複数の要因が関係するとされています。
近年は日本でも患者数が増加しており、若い世代で発症するケースも少なくありません。症状が良くなったり悪くなったりを繰り返すため、長期的な治療と生活管理が必要になります。
潰瘍性大腸炎の最新治療 生物学的製剤やJAK阻害薬とは
潰瘍性大腸炎の治療では、まず炎症を抑える 5-アミノサリチル酸(5-ASA)製剤 が基本となります。軽症から中等症の患者では、この薬によって炎症を抑え、症状を落ち着かせることが多いとされています。
症状が強い場合には ステロイド薬 や免疫の働きを調整する薬が使われます。さらに近年は治療の選択肢が大きく広がり、炎症を引き起こす物質を直接抑える 生物学的製剤 が使われるようになりました。
また、免疫のシグナルを調整する JAK阻害薬 や、免疫細胞の移動を抑える S1P受容体調節薬 などの新しい治療薬も登場しています。これらは腸の炎症をよりピンポイントに抑える新しい治療として期待されています。
腹痛・血便が出たときの受診の目安と検査方法
腹痛や血便が出た場合、自己判断で様子を見るのではなく医療機関での診察が重要です。特に次のような症状がある場合は早めの受診がすすめられます。
・血便が続く
・強い腹痛がある
・発熱や吐き気を伴う
・下痢や便秘が長く続く
診断には 大腸内視鏡検査(大腸カメラ) や 腹部CT検査 が重要です。CTでは腸の壁の炎症や膿のたまりなどを確認でき、憩室炎か別の病気かを判断するのに役立ちます。
これらの検査を組み合わせることで、憩室炎や潰瘍性大腸炎など、似た症状の病気を正確に見分けることができます。
大腸の病気を早期発見するために知っておきたいポイント
大腸の病気は、症状が軽いうちに見つけることがとても大切です。特に 血便、長く続く腹痛、下痢や便秘の変化 は体からの重要なサインです。
また、40歳以降は 大腸内視鏡検査 を定期的に受けることで、憩室炎だけでなく大腸がんなどの病気の早期発見にもつながります。
さらに、腸の健康を守るためには生活習慣も重要です。食物繊維を適度にとる、便秘を防ぐ、水分をしっかりとる、適度な運動をするなど、日常の習慣が腸のトラブル予防につながります。
腹部の違和感や血便などの症状がある場合は、早めに医療機関で相談することが、大腸の病気を重症化させないための大切なポイントです。
まとめ
腹痛や血便の原因として注目される 憩室炎 と 潰瘍性大腸炎 は、症状が似ていることもあり見分けが難しい病気です。番組では大腸にできる憩室のしくみや炎症が起きる理由、さらに患者が増えている潰瘍性大腸炎の最新治療について紹介される予定です。腹部の異変に気づいたときの受診の目安や治療の考え方も整理して解説されます。なお、この記事は放送前情報をもとに作成しているため 放送内容と異なる場合があります。
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