- 黒い粉から貴重な金属をよみがえらせる技術
- エマルションフローは水と油を使って目的の成分を選び出す技術
- 黒い粉は使用済みリチウムイオン電池から作られるブラックマス
- 黒い粉から取り出すのはリチウムやニッケル、コバルトなど
- 従来の回収方法より速いのは混合後の待ち時間を短縮できるため
- 小型化できることが工場への導入で大きな利点になる
- エマルションフローテクノロジーズは原子力研究発の会社
- レアメタル回収は研究段階を越えて実証プラントが動いている
- 実用化の鍵は回収率より採算と安定運転
- PFASは取り除くだけでなく濃縮して処分しやすくする
- PFAS対策は実証成果が出たが全国での商業導入はこれから
- 放射性廃棄物では主に廃液中のウラン分離に使われてきた
- どんな物質でも取り出せる万能装置ではない
- 資源を国内で循環させる意味は価格だけではない
- 今後確認したいのは商業設備の処理量と回収材料の行き先
- 気になる生活ナビをもっと見る
黒い粉から貴重な金属をよみがえらせる技術
使い終えたリチウムイオン電池を砕くと、金属資源を含んだ「黒い粉」が残ります。この粉から必要な元素を効率よく選び出すのが、エマルションフローという分離技術です。
『アンパラレルド~ニッポン発、世界へ~「待ち時間ゼロでレアメタルを抽出!“黒い粉”から資源を蘇らせる常識破りの技術」(2026年7月15日放送)』では、この技術を事業化する企業の挑戦が紹介されます。
資源を海外から買うだけでなく、国内にある使用済み製品から取り戻す。そんな循環を実現できるのか、仕組みと現在地をわかりやすく整理します。
この記事でわかること
・エマルションフローの仕組み
・黒い粉から回収する金属
・従来方式より処理が速い理由
・レアメタル、PFAS、放射性廃液への実用化状況
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エマルションフローは水と油を使って目的の成分を選び出す技術
エマルションフローは、液体に溶けている複数の元素や物質の中から、目的のものを選んで取り出す「溶媒抽出」の一種です。
基本となるのは、互いに混ざりにくい水と油です。
金属などが溶けた水溶液と、目的の成分を取り込む薬剤を含んだ油を接触させると、特定の成分が水側から油側へ移動します。その後、水と油を分ければ、目的の成分を選別できます。
名前にある「エマルション」は、水と油が細かな液滴となって乳白色に混ざった状態を指します。ドレッシングの容器を振ると、一時的に水分と油が細かく混ざる様子を想像すると理解しやすいでしょう。
ただし、エマルションフローは単に液体をかき混ぜる技術ではありません。
装置の中へ水相と油相を一定の流れで送り込み、細かな液滴を作って接触面積を広げた後、装置内で速やかに2つの層へ戻します。
つまり、次の2つを連続して進められることが大きな特徴です。
・目的の成分を油側へ移すために細かく混ぜる
・回収工程へ進めるために水と油を分離する
「よく混ぜる」と「素早く分ける」は反対の操作に見えます。これを1台の装置内で連続的に行える点は、初めて知ると少し驚きます。
黒い粉は使用済みリチウムイオン電池から作られるブラックマス
番組に登場する「黒い粉」は、一般にブラックマスと呼ばれる中間原料です。
電気自動車やスマートフォン、パソコンなどに使われたリチウムイオン電池を放電し、解体、破砕、選別などの処理を行うと、電極材料を中心とした黒い粉末が残ります。
ブラックマスに含まれる主な材料は、電池の種類や前処理の方法によって異なりますが、代表的なものは次の通りです。
| ブラックマスに含まれ得るもの | 主な役割 |
|---|---|
| リチウム | 電池内部でイオンとして移動する |
| ニッケル | 正極材料の高容量化に使われる |
| コバルト | 正極材料の安定性などに関わる |
| マンガン | 正極材料の安全性やコスト調整に使われる |
| 黒鉛 | 主に負極材料として使われる |
| 銅・アルミニウムなど | 集電体などに使われる |
黒い粉そのものが、すぐ新しい電池に使えるわけではありません。
複数の金属や黒鉛、不純物などが混ざっているため、薬液に溶かしたうえで、必要な元素を順番に分離し、純度を高める工程が必要です。
エマルションフローが力を発揮するのは、このうち液体に溶かした金属を選択的に分離する工程です。
「黒い粉を装置に入れると、そのまま新品の金属が出てくる」と考えると実際とは異なります。破砕や選別、溶出、抽出、精製、結晶化など、複数の工程を組み合わせて再資源化します。
個人的には、この違いがいちばん大事だと感じます。画期的な装置があっても、電池の回収から再利用可能な材料に戻すまでには、前後の工程も欠かせないからです。
黒い粉から取り出すのはリチウムやニッケル、コバルトなど
リチウムイオン電池のブラックマスから回収対象となるのは、主にリチウム、ニッケル、コバルト、マンガンなどです。
ただし、すべての使用済み電池に同じ割合で入っているわけではありません。
正極材料には複数の種類があります。
| 主な正極材料 | 特徴 |
|---|---|
| NCM系 | ニッケル、コバルト、マンガンを含む |
| NCA系 | ニッケル、コバルト、アルミニウムを含む |
| LCO系 | コバルトを多く使用する |
| LFP系 | リン酸鉄を使い、ニッケルやコバルトを基本的に含まない |
そのため、ブラックマスの価値や回収方法は、どの電池から作られたのかによって変わります。
ニッケルやコバルトを多く含む電池は、回収できる金属の価値が比較的高くなります。一方、LFP系電池は高価なニッケルやコバルトを含まないため、同じ仕組みで採算が合うとは限りません。
実際にリサイクル技術を見るときは、「回収率が高い」という数字だけでなく、次の点も確認したいところです。
・どの種類の電池を対象にした数字か
・金属をどの程度の純度まで分離できるか
・回収後に電池材料として再利用できるか
・薬品やエネルギーをどの程度使うか
・処理後の排水や残さをどう扱うか
金属を取り出せても、不純物が多ければ再精製が必要です。最終的には、回収量だけでなく、電池材料として戻せる品質と費用が重要になります。
従来の回収方法より速いのは混合後の待ち時間を短縮できるため
従来の代表的な溶媒抽出装置には、ミキサーセトラーがあります。
ミキサーセトラーでは、まず撹拌槽で水と油を機械的に混ぜ、その後、別の槽へ移して比重の違いによって2つの液体が分かれるのを待ちます。
大まかには、次の流れです。
- 水相と油相を撹拌する
- 目的の成分を油相へ移す
- 大きな静置槽へ送る
- 水と油が分離するまで待つ
- それぞれを次の工程へ送る
一方、エマルションフローは、ポンプで液体を送り込む流れを利用して細かな液滴を作り、抽出と相分離を連続的に進めます。
処理が速くなる主な理由は、次の3点です。
水と油の接触面積が大きい
液体を細かな液滴にすると、水と油が触れる面積が増えます。目的の成分が一方の液体からもう一方へ移りやすくなり、短時間で抽出を進められます。
静置して分離を待つ工程を小さくできる
従来方式では、水と油を落ち着かせるための大きな空間と時間が必要でした。エマルションフローでは装置内の流れを制御して分離するため、待ち時間と装置の占有面積を減らせます。
機械式の撹拌機を必須としない
基本型では、複雑な撹拌翼や遠心分離機ではなく、主にポンプによる送液で処理できます。駆動部分を簡素化しやすく、消費電力や保守の負担を抑えられる可能性があります。
原子力分野で行われた試験では、従来方式と比べて10倍以上の処理速度や、装置サイズの大幅な縮小が報告された例があります。
ただし、この数字をあらゆる原料や設備へそのまま当てはめることはできません。処理する液体の性質、濃度、目的元素、必要な純度、抽出段数などによって性能は変わります。
たしかに「待ち時間ゼロ」という表現は目を引きますが、実際には抽出反応や液体の移動に時間は必要です。従来のような大きな静置槽で長く分離を待たず、連続処理できるという意味で捉えるとわかりやすいでしょう。
小型化できることが工場への導入で大きな利点になる
処理速度だけでなく、装置をコンパクトにできることも重要です。
従来のミキサーセトラーは、撹拌槽と静置槽を複数段並べるため、広い設置場所が必要になる場合があります。
エマルションフローは、単位面積当たりの処理量を増やしやすいため、同じ量を処理する場合でも装置を小さくできる可能性があります。
設備が小さくなれば、次のような利点が考えられます。
・既存工場の限られた空間へ導入しやすい
・使用する抽出溶媒の保有量を抑えやすい
・設備投資や保守費用を下げられる可能性がある
・原料が発生する地域の近くへ分散配置しやすい
・処理量に合わせて装置を増設しやすい
特に使用済み電池は、全国の事業所や回収拠点から発生します。巨大な工場へすべて運ぶ方法だけでなく、発生場所に近い地域で処理する選択肢が増えれば、輸送費や物流上のリスクを抑えられる可能性があります。
ただし、電池の解体や破砕には発火防止策が必要です。溶媒抽出でも薬品や可燃性溶媒を扱う場合があるため、「装置が小さいから簡単に設置できる」というものではありません。
実際に導入するなら、処理能力だけでなく、安全設備、排水処理、薬液管理、原料の安定確保まで確認したいところです。
エマルションフローテクノロジーズは原子力研究発の会社
株式会社エマルションフローテクノロジーズ(EFT)は、2021年に設立された日本原子力研究開発機構発のスタートアップ企業です。
本社・研究拠点は、原子力関連の研究施設が集まる茨城県東海村に置かれています。
同社の中心技術であるエマルションフローは、もともと放射性廃液からウランなどを効率よく分離する研究の中で生まれました。
現在の主な事業は、大きく2つに分けられます。
資源循環事業
使用済みリチウムイオン電池や産業廃液などから、レアメタルやレアアースを分離・回収する事業です。
環境ソリューション事業
工場排水などに含まれるPFASをはじめ、処理が難しい環境汚染物質を回収・濃縮する事業です。
原子力研究から生まれた技術が、電気自動車の電池リサイクルや水質汚染対策へ広がっている点は興味深いところです。
危険な物質を扱う研究だからこそ、「少ない薬品で選択的に分ける」「装置を小さくする」「作業者の負担を減らす」といった技術が求められてきました。その蓄積が一般産業へ転用されています。
レアメタル回収は研究段階を越えて実証プラントが動いている
エマルションフローによる金属回収は、研究室内の小さな試験だけにとどまっていません。
過去には、めっき廃液からニッケルを回収する実証設備が工場に設置され、90%以上のニッケルを高純度で回収した事例が報告されています。
リチウムイオン電池分野では、ブラックマスから金属を抽出するプロセスの開発と、小規模パイロットプラントでの実証が進められてきました。
2024年には、リサイクル電池開発用の材料サンプルを提供する小型実証プラントが稼働しました。
さらに2026年4月には、500L規模の実証プラントが完成し、工業規模での処理や自動運転、量産設備への展開を見据えた検証段階へ進んでいます。
現在地を整理すると、次のようになります。
| 段階 | 状況 |
|---|---|
| 基礎原理の確認 | 完了 |
| 金属ごとの抽出条件開発 | 複数の対象で実施済み |
| 小規模パイロット試験 | 実施済み |
| 材料サンプルの提供 | 開始済み |
| 500L規模の設備実証 | 稼働段階 |
| 大規模な商業運転 | 導入・事業化に向けた段階 |
したがって、「すでに完成された巨大商業プラントが各地で大量処理している」とまではいえません。
一方で、「研究室で成功しただけ」という段階も越えています。実物のブラックマスを処理し、回収材料を評価しながら、商業設備へ拡大する途中と見るのが適切です。
実用化を判断するうえでは、長期間の連続運転、原料組成の変動への対応、回収した薬液の再利用、設備の耐久性、1kg当たりの処理費用などが重要になります。
実用化の鍵は回収率より採算と安定運転
金属リサイクルでは、「何%回収できたか」が注目されがちです。しかし、回収率だけで事業が成立するわけではありません。
重要なのは、次の条件を同時に満たせるかどうかです。
・さまざまな種類のブラックマスを安定して処理できる
・電池材料に戻せる純度を確保できる
・薬品や水を繰り返し利用できる
・設備を長期間止めずに運転できる
・新品の鉱物資源を使う場合と費用面で競争できる
・残った黒鉛や不純物も適切に処理できる
レアメタルの市場価格が下がれば、回収した金属を売って得られる収入も減ります。また、電池の設計変更によってコバルトの使用量が減ると、ブラックマスの価値も変化します。
そのため、設備単体の性能だけでなく、使用済み電池を安定的に集める仕組みや、回収材料を購入する電池メーカーとの連携も欠かせません。
個人的には、処理速度の記録以上に、原料の違いに対応しながら毎日安定して動かせるかが気になります。リサイクル工場では、研究用に整えた均一な材料ばかりが入ってくるわけではないからです。
PFASは取り除くだけでなく濃縮して処分しやすくする
エマルションフローは、PFASの回収にも利用できます。
PFASは有機フッ素化合物の総称で、水や油をはじき、熱にも強い性質から、泡消火剤、表面処理剤、半導体製造など幅広い用途で使われてきました。
一方で、自然環境で分解されにくい物質があり、水や土壌への残留が問題になっています。
エマルションフローを使うと、水中に薄く広がっているPFASを抽出剤側へ移し、少量の液体へ集められます。
2025年度の環境省実証事業では、エマルションフローによる回収とウシオ電機の光分解技術を組み合わせた処理が検証されました。
公表された結果では、PFOSとPFOAについて99.9%以上の除去率と、原水に対する2400倍の濃縮が達成されています。
ここで大切なのは、「回収」と「分解」は別の働きだという点です。
エマルションフローは、大量の水に薄く含まれるPFASを取り除き、少ない量に濃縮する役割を担います。その濃縮液を光分解などの方法で処理することで、全体の負担を抑えます。
PFASは水から別の場所へ移しただけでは問題が終わりません。濃縮後の液体をどのように分解または処分するのかまで含めて確認する必要があります。
PFAS対策は実証成果が出たが全国での商業導入はこれから
PFAS処理については、公的な実証事業で高い除去率が確認され、対策技術としての具体性が増しています。
ただし、どのような水でも同じ結果になるとは限りません。
工場排水、地下水、廃棄物処分場から出る水では、PFASの種類や濃度、一緒に含まれる有機物、塩分、懸濁物などが異なります。
導入時には、次の点を確認する必要があります。
・対象となるPFASの種類
・処理前と処理後の濃度
・1日当たりの処理水量
・抽出剤の寿命と交換頻度
・濃縮液の分解または処分方法
・短鎖PFASにも対応できるか
・処理費用と設備の維持費
PFOSやPFOAだけでなく、鎖の短いPFASは水に溶けやすく、一般に回収が難しいとされます。
エマルションフローでは短鎖から長鎖まで幅広いPFASの回収を目指していますが、実際の設備では対象物質ごとの性能を確認することが欠かせません。
高い除去率は心強い数字ですが、「99.9%除去できる」という情報だけで判断せず、元の濃度と処理後の濃度を見ることが大切です。もとの濃度が非常に高ければ、99.9%を除去しても基準を超える可能性があるためです。
放射性廃棄物では主に廃液中のウラン分離に使われてきた
エマルションフローは、もともと原子力分野で開発された技術です。
日本原子力研究開発機構では、除染作業などで発生した放射性廃液から、ウランを選択的に回収する試験が行われました。
実際の除染廃液を用いた試験では、1時間に60~90Lを処理し、1段の装置でウランの92%を回収したと報告されています。
装置を3段つなげることで、99.9%の回収が可能とされました。
ウランをあらかじめ取り除けば、その後の中和処理で発生する沈殿物の放射能濃度を下げ、放射性廃棄物の量や処理負担を減らせる可能性があります。
ただし、「放射性廃棄物にも使える」という表現には注意が必要です。
エマルションフローが直接処理するのは、基本的に液体に溶けている対象元素です。使用済み核燃料や放射性物質を含む固体廃棄物を、そのまま装置へ入れて無害化する技術ではありません。
固体の場合は、対象成分を液体に溶かす前処理などが必要です。また、分離後の放射性物質が消えるわけではなく、濃縮された状態で適切に管理、保管、処分しなければなりません。
放射能そのものをなくす技術ではなく、必要な元素を選り分けて廃棄物の量や処理方法を改善する技術と考えるのが正確です。
どんな物質でも取り出せる万能装置ではない
エマルションフローは、抽出剤を変えることでさまざまな元素や物質へ応用できます。
しかし、何でも自由に分離できる万能装置ではありません。
対象ごとに、次の条件を設計する必要があります。
・目的物質と結びつく抽出剤
・水溶液の酸性度
・金属や汚染物質の濃度
・水相と油相の流量
・温度
・必要な処理段数
・不純物との分離性能
似た性質を持つ金属同士を分ける場合は、複数回の抽出や洗浄、逆抽出が必要になることもあります。
また、液体に固形物や油分が多く含まれると、安定した流れや相分離を妨げる可能性があります。原料に合わせた前処理も重要です。
技術を評価するときは、「エマルションフローを使っているか」だけでなく、目的に合わせて工程全体がどう組み立てられているかを見る必要があります。
資源を国内で循環させる意味は価格だけではない
日本は、リチウム、ニッケル、コバルト、レアアースなど、多くの鉱物資源を海外からの輸入に頼っています。
特定の国や地域に生産が集中する資源は、輸出規制、紛争、災害、物流の混乱などによって、価格や供給量が大きく変わることがあります。
使用済み電池や産業廃液から金属を回収できれば、国内に一度入ってきた資源を再び利用できます。
これは単なるごみ削減ではありません。
・輸入依存の軽減
・資源価格の変動リスクへの備え
・鉱山開発による環境負荷の抑制
・廃棄物の削減
・電池産業の国内供給網の強化
といった意味があります。
もちろん、リサイクルだけですべての需要を賄えるわけではありません。電気自動車や蓄電池の普及が続けば、当面は新たに採掘する資源も必要です。
それでも、使用済み製品を捨てずに「都市鉱山」として利用する仕組みは、供給源を増やす有効な選択肢になります。
今後確認したいのは商業設備の処理量と回収材料の行き先
エマルションフローは、高速処理、小型化、省エネルギー化につながる可能性を持つ技術です。
レアメタル回収では実証プラントが稼働し、PFASでは環境省事業による実証結果も公表されました。放射性廃液では、実液を使ったウラン回収試験の実績があります。
一方、本格的な普及を判断するには、これから公表される商業運転の結果も重要です。
特に確認したいのは次の点です。
・年間でどの程度のブラックマスを処理できるか
・連続運転をどれだけ安定して続けられるか
・回収した金属が新しい電池へ戻っているか
・薬品や水をどの程度循環利用できるか
・処理費用が既存技術と比べてどうなるか
・PFAS濃縮後の分解処理まで事業として成立するか
エマルションフローの面白さは、全く新しい元素を作り出すことではありません。
すでに身の回りにある廃電池や排水を「捨てるもの」ではなく、もう一度使える資源として見直すところにあります。
黒い粉から金属を取り出し、汚染水からPFASを集め、放射性廃液からウランを分離する。対象は違っても、必要なものだけを効率よく選び出すという考え方は共通しています。
実験室から実証設備へ進んだ今、次の焦点は、長期間の商業運転でも速さ、コスト、安全性を維持できるかです。そこまで実現すれば、日本の資源循環や環境浄化を支える技術として、存在感はさらに大きくなりそうです。
参考リンク
- テレビ東京「アンパラレルド~ニッポン発、世界へ~」番組情報
- エマルションフローテクノロジーズ公式サイト・技術情報
- エマルションフローテクノロジーズ「500L実証プラントが完成・稼働開始」
- NEDO「リチウムイオン電池のレアメタルリサイクル技術の開発」
- 日本原子力研究開発機構「エマルションフロー法による放射性廃液処理」
- 環境省「PFAS除去・濃縮技術の実証結果報告書」
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