村聖奈騎手が成し遂げた歴史的な勝利
競馬に詳しくない人でも、「女性騎手として初めてGⅠを勝った」と聞けば、その大きさが気になるのではないでしょうか。
2026年7月19日放送の『シューイチ「中山が広島へ感謝の旅」(女性初GⅠ勝利!今村聖奈騎手の素顔)』では、歴史的な勝利を成し遂げた今村聖奈騎手の素顔が紹介されます。
華やかな快挙の背景には、デビュー直後の活躍だけでなく、けがや成績低迷に苦しんだ時期もありました。ここでは、オークスで何が起きたのか、騎乗馬ジュウリョクピエロはどんな馬なのか、勝利が持つ意味までわかりやすくまとめます。
この記事でわかること
- 今村聖奈騎手が勝ったGⅠレース
- ジュウリョクピエロの特徴と戦績
- 女性騎手初の快挙といわれる理由
- 父や寺島良調教師との関係
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今村聖奈騎手が勝ったGⅠは2026年のオークス

(出典:R8・オークスレースパネル ジュウリョクピエロ | サンスポe-shop)
今村聖奈騎手が制したGⅠレースは、2026年5月24日に東京競馬場で行われた第87回オークス(優駿牝馬)です。
騎乗した馬は、寺島良厩舎に所属する3歳牝馬のジュウリョクピエロでした。
レース結果を簡単にまとめると、次のようになります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| レース | 第87回オークス(優駿牝馬) |
| 開催日 | 2026年5月24日 |
| 競馬場 | 東京競馬場 |
| 距離 | 芝2400メートル |
| 優勝馬 | ジュウリョクピエロ |
| 騎手 | 今村聖奈 |
| 調教師 | 寺島良 |
| 勝ちタイム | 2分25秒6 |
| 着差 | クビ差 |
ジュウリョクピエロは道中、後方で脚をためました。
最後の直線に入ってから外へ持ち出されると、残りわずかなところで一気に追い込みます。先に抜け出していたドリームコアなどを差し切り、クビ差で優勝しました。
単に有力馬に乗って順当に勝ったレースではありません。
中団より後ろから展開を見極め、最後の直線で馬の力を引き出した勝利でした。ジョッキーカメラを見ると、ゴールまでの緊張感や、わずかな進路を選びながら追う難しさも伝わってきます。
たしかに、結果だけを見れば「オークスを勝った」という一言で終わります。しかし、2400メートルを走り切った最後にクビ差で届いたことを知ると、騎手の判断と馬の末脚がかみ合った特別な勝利だったことがわかります。
なぜ女性騎手初の歴史的快挙なのか
今村聖奈騎手のオークス制覇は、JRA所属の女性騎手として初めてのGⅠ勝利です。
さらに、オークスは桜花賞、皐月賞、日本ダービー、菊花賞などと並ぶクラシック競走のひとつです。
今村騎手にとって、オークスはJRA所属女性騎手として初めて騎乗したクラシック競走でもありました。その初騎乗で優勝したため、次の記録を同時に達成したことになります。
- JRA所属女性騎手として初のGⅠ勝利
- JRA所属女性騎手として初のクラシック騎乗
- JRA所属女性騎手として初のクラシック勝利
ここで注意したいのは、「日本競馬において女性が初めてGⅠ級競走を勝った」と単純に言い切ると、地方競馬や海外を含めた扱いが曖昧になることです。
今回の記録は、基本的にJRA所属女性騎手として初、または日本人女性騎手として初のJRA・GⅠ制覇と理解するのがわかりやすいでしょう。
オークスは、3歳牝馬だけが出走できる一生に一度の大舞台です。
距離も芝2400メートルと長く、速さだけではなく、折り合い、持久力、位置取り、仕掛けるタイミングなどが問われます。
初めてクラシックに騎乗するだけでも重圧があるなかで、そのまま優勝まで成し遂げた点には驚かされます。個人的には、「女性だから」という枠だけではなく、ひとりの騎手として難しいレースを勝ち切った点がいちばん大事だと感じます。
ジュウリョクピエロはどんな馬?
ジュウリョクピエロは、2023年生まれの栗毛の牝馬です。
父はオルフェーヴル、母はハッピーヴァリュー、母の父はゼンノロブロイです。調教師は今村聖奈騎手と同じ栗東・寺島良厩舎の寺島良調教師です。
基本情報は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
| 馬名 | ジュウリョクピエロ |
| 性別 | 牝馬 |
| 毛色 | 栗毛 |
| 父 | オルフェーヴル |
| 母 | ハッピーヴァリュー |
| 母の父 | ゼンノロブロイ |
| 調教師 | 寺島良 |
| 馬主 | 近藤健介 |
| 生産牧場 | 飛野牧場 |
父のオルフェーヴルは、皐月賞、日本ダービー、菊花賞を制して三冠馬となった名馬です。
現役時代は高い能力を持つ一方、気性の難しさでも知られていました。種牡馬になってからは、芝の長距離だけでなく、ダートや海外の大きなレースで活躍する馬も送り出しています。
ジュウリョクピエロも、デビュー当初から芝のクラシック候補だったわけではありません。
ダート戦でデビューした後に芝へ転向し、力を伸ばしてきました。2026年4月の忘れな草賞では、早めに動いて後続を突き放す内容で勝利。オークスへの出走につながりました。
忘れな草賞は、桜花賞とは異なる道からオークスを目指す馬にとって重要なレースです。2019年には、忘れな草賞を勝ったラヴズオンリーユーがオークスも制しています。
ジュウリョクピエロも同じ道を通り、オークス優勝まで駆け上がりました。
初めて名前を聞くと、「なぜピエロなのだろう」と少し驚きます。しかし、個性的な馬名と歴史的な勝利が結びついたことで、競馬を普段見ない人にも覚えられやすい存在になったのではないでしょうか。
今村聖奈騎手はどんな人?年齢や出身地
今村聖奈騎手は、2003年11月28日生まれで、滋賀県出身です。
2022年にJRA騎手としてデビューし、栗東の寺島良厩舎に所属しています。
主なプロフィールをまとめます。
| 項目 | 内容 |
| 名前 | 今村聖奈 |
| 読み方 | いまむら せいな |
| 生年月日 | 2003年11月28日 |
| 出身地 | 滋賀県 |
| 騎手デビュー | 2022年 |
| 所属 | 栗東・寺島良厩舎 |
| 父 | 元JRA騎手の今村康成さん |
今村騎手が騎手を目指した大きなきっかけは、父親の存在です。
父の今村康成さんは元JRA騎手で、障害競走でも活躍しました。2001年の中山大障害では、ユウフヨウホウに騎乗して優勝しています。
幼いころから馬が身近にいる環境で育ち、父親の背中を追うように騎手を志しました。
ただし、父親は当初、娘が厳しい勝負の世界へ進むことを心配していたといいます。体格や体力が求められ、落馬によるけがの危険もある仕事だからです。
それでも今村騎手は騎手になる道を選び、競馬学校を経て2022年にデビューしました。
親が同じ職業だから簡単に進めたわけではありません。むしろ、仕事の厳しさを知る父親が身近にいたからこそ、覚悟を問われる場面も多かったはずです。
個人的には、父親の実績を背負いながら、自分の名前で歴史を作ったところにも大きな意味があると感じます。
デビュー1年目から記録を塗り替えた
今村聖奈騎手は、2022年3月にデビューしました。
同年3月13日、阪神競馬場でブラビオに騎乗し、JRA初勝利を挙げます。その後も順調に勝ち星を伸ばしました。
特に大きな話題となったのが、2022年7月3日のCBC賞です。
テイエムスパーダに騎乗した今村騎手は、重賞初騎乗で初勝利を達成しました。デビューしたばかりの新人騎手が、初めての重賞で逃げ切る鮮烈な内容でした。
2022年は最終的にJRAで51勝を挙げ、女性騎手の年間最多勝記録を大きく更新しています。
さらに、同年12月にはホープフルステークスでGⅠに初騎乗しました。
デビュー1年目の主な実績は次のとおりです。
- 2022年3月にJRA初勝利
- 女性騎手のデビュー年最多勝記録を更新
- CBC賞で重賞初騎乗初勝利
- 年間51勝を記録
- ホープフルステークスでGⅠ初騎乗
ここまでを見ると、順調にトップ騎手へ進んだように感じます。
しかし、競馬では一度活躍しても、同じ勢いを維持できるとは限りません。騎乗依頼、馬との相性、けが、体調、レースでの判断など、多くの要素が成績に影響します。
デビュー直後に注目を集めたことは大きな強みである一方、その期待が重圧にもなったことは想像しやすいところです。
けがと成績低迷を乗り越えてオークスへ
今村聖奈騎手の歩みは、デビュー1年目のような華やかな時期ばかりではありませんでした。
デビュー2年目はけがの影響もあり、勝ち星が前年から大きく減少しました。さらにデビュー3年目には、年間6勝まで成績が落ち込んでいます。
騎手は自分だけでレースへ出られる仕事ではありません。
調教師や馬主から騎乗依頼を受け、競走馬に乗る機会を得る必要があります。勝てない時期が続けば、期待される馬への騎乗機会も減りやすくなります。
騎乗数が減る
実戦経験を積みにくくなる
結果を出す機会も減る
さらに依頼を得にくくなる
このような難しい循環に入る可能性があります。
今村騎手自身、苦しい時期には騎手を辞めたいという思いを口にすることもあったと伝えられています。
デビュー1年目に51勝した騎手が、3年目には6勝まで落ち込む。その差を考えると、周囲から見える以上に苦しかったのではないでしょうか。
それでも騎乗を続け、2025年10月にはJRA通算100勝を達成しました。しかも、自身が所属する寺島良厩舎の管理馬インフローレで節目の勝利を挙げています。
そして2026年、同じ寺島良厩舎のジュウリョクピエロとのコンビで忘れな草賞を勝ち、オークスへ進みました。
オークスのゴール後、今村騎手から出た「やっとジョッキーになれた」という趣旨の言葉には、単にGⅠを勝った喜びだけでなく、苦しい時期を乗り越えた実感も込められていたと考えられます。
華々しい新人記録より、低迷後に再び大舞台へ戻ってきた過程に心を動かされる人も多いでしょう。たしかに、最初から順調な物語より、一度失いかけた自信を取り戻す姿の方が、身近に感じられるところがあります。
ジュウリョクピエロとのコンビはなぜ強かった?
今村聖奈騎手とジュウリョクピエロの大きな転機となったのは、2026年4月12日の忘れな草賞です。
ジュウリョクピエロは7番人気でしたが、今村騎手とのコンビで勝利しました。
このレースでは、早めに進出して長く脚を使う競馬を見せています。一方、オークスでは後方で脚をため、最後の直線で末脚を引き出しました。
同じ馬でも、毎回同じ乗り方をすればよいわけではありません。
距離
枠順
馬場状態
他の馬の位置
レース全体の流れ
馬の当日の状態
こうした条件を見ながら、その日に合った判断をする必要があります。
忘れな草賞では早めに動き、オークスでは慌てず後方で待つ。この違いからも、今村騎手が馬の力だけに頼るのではなく、展開に応じて乗り方を変えていたことがうかがえます。
また、ジュウリョクピエロは寺島良厩舎の管理馬です。
今村騎手も寺島厩舎に所属しているため、日ごろの調教や馬の状態を近くで確認しやすい関係にあります。
レース当日だけ騎乗するコンビと比べ、普段の様子や癖を理解できることは大きな強みです。
競馬では、強い馬に有名騎手が乗れば必ず勝てるわけではありません。馬の個性を理解し、力を発揮できるタイミングをつかむことが重要です。
個人的には、忘れな草賞とオークスで異なる勝ち方を見せた点に、今村騎手とジュウリョクピエロの相性の良さが表れているように感じます。
寺島良調教師にとっても初めてのGⅠ勝利
オークス制覇は、今村聖奈騎手だけの初記録ではありません。
ジュウリョクピエロを管理する寺島良調教師にとっても、JRA・GⅠ初勝利となりました。
寺島調教師は、今村騎手がデビューしたときから所属する厩舎の師匠です。
騎手はフリーとして活動することもありますが、デビュー時には特定の厩舎に所属し、調教師や厩舎スタッフから競走馬の扱い方、調教、レースへの準備などを学びます。
寺島調教師にとって今村騎手は、所属騎手であり、デビュー当初から育ててきた弟子でもあります。
その弟子が、自身の管理する馬に乗ってGⅠを勝ったことになります。
- 騎手にとって初のGⅠ
- 調教師にとって初のGⅠ
- ジュウリョクピエロにとって初のGⅠ
- JRA所属女性騎手として初のGⅠ
複数の「初」が重なった勝利でした。
大きなレースでは騎乗経験の豊富なトップ騎手へ乗り替わるケースもあります。そのなかで、忘れな草賞を勝った今村騎手がオークスでも継続して騎乗し、結果を出したことには大きな価値があります。
師匠と弟子という関係だけでなく、厩舎全体で育ててきた馬との勝利だった点を知ると、オークスの見え方も少し変わってきます。
オークスの勝ち方から見える今村聖奈騎手の判断
2026年のオークスは、前半から速い流れで進んだレースではありませんでした。
比較的ゆったりとした流れになり、最後の直線での瞬発力が問われる展開となりました。
ジュウリョクピエロは道中、後方に位置していました。
遅い流れで後方にいると、前にいる馬が余力を残しやすくなります。そのため、追い込み馬にとって必ずしも有利とはいえません。
今村騎手は無理に早く動かず、最後まで脚をためました。
直線では外から追い込み、上がり3ハロン33秒1という速い末脚を記録。先行したドリームコアをゴール直前で差し切っています。
上がり3ハロンとは、最後の600メートルにかかった時間です。
数字が小さいほど終盤に速く走ったことを示します。ただし、上がりが速ければ必ず勝てるわけではありません。後方すぎれば届かず、仕掛けが早すぎれば最後に脚が止まることもあります。
今村騎手は、ジュウリョクピエロの末脚を信じ、最後に届くタイミングまで待ちました。
結果を知ってから映像を見ると簡単そうに見えるかもしれません。しかし、大舞台で周囲の馬が動くなか、慌てず判断するのは簡単ではないでしょう。
実際にレースを見るなら、優勝馬だけを追うのではなく、スタート後の位置、向こう正面で他馬が動いた場面、直線で外へ出すまでの流れを確認すると、勝利の理由がよりわかりやすくなります。
今村聖奈騎手の今後を確認するときのポイント
GⅠを勝つと、次の騎乗予定やジュウリョクピエロの次走が気になります。
ただし、競走馬の予定は体調や調教の進み具合によって変わります。報道された候補レースが、そのまま正式決定になるとは限りません。
最新情報を確認するときは、次の違いに注意しましょう。
登録と出走確定は違う
競走馬がレースに登録されても、必ず出走するとは限りません。出走馬と騎手が確定した出馬表を確認する必要があります。
次走予定は変更されることがある
馬の疲れ、脚元の状態、天候、馬場、他馬の登録状況などで予定が変わる場合があります。
騎手が同じとは限らない
ジュウリョクピエロが次のレースに出走しても、今村騎手が必ず騎乗するとは限りません。正式な騎手発表を確認することが大切です。
海外レースは条件が異なる
海外遠征が話題になった場合は、招待の有無、輸送、検疫、馬場適性など、日本国内とは違う条件も加わります。
実際に応援するなら、うわさや予想だけで判断せず、出馬表や厩舎からの正式発表を確認したいところです。
また、今村騎手の価値は、次のGⅠをすぐ勝てるかどうかだけで決まるものではありません。
今回の勝利によって騎乗依頼の幅が広がるのか、クラシックや古馬GⅠで再び有力馬に乗る機会を得られるのかも、長い目で見たいポイントです。
今村聖奈騎手のオークス制覇が持つ意味
今村聖奈騎手のオークス制覇は、女性騎手の記録を更新しただけではありません。
デビュー1年目に大きな期待を集め、その後にけがや成績低迷を経験しながら、再び大舞台へ戻ってきた勝利でもあります。
さらに、所属する寺島良厩舎のジュウリョクピエロで勝ったことにより、騎手、調教師、競走馬、厩舎スタッフが積み重ねてきた時間も結果につながりました。
女性騎手が大きなレースで活躍すれば、これから騎手を目指す子どもたちにとって、進路の可能性がより現実的に見えてくるでしょう。
一方で、「女性初」という言葉だけが強調されすぎると、今村騎手の技術やジュウリョクピエロの能力が見えにくくなる面もあります。
今回の勝利は、女性騎手だから特別扱いされて得たものではありません。
出走条件を満たした馬に騎乗し、18頭が走るオークスで最初にゴールした結果です。
初めて知ると少し驚きますが、記録の意味を深く知るほど、「女性騎手が勝ったレース」というより、苦しい時期を経験した騎手と成長途中の牝馬がつかんだ勝利として印象に残ります。
今村聖奈騎手が今後どんな馬と出会い、どのようなレースを見せてくれるのか。ジュウリョクピエロとのコンビが再び大舞台に立つのかも、確認していきたいところです。
参考リンク
- JRA「2026年オークス レース結果」
- JRA「2026年オークス 回顧」
- JRA「2026年オークス 出走馬情報」
- JRA「オークス ジョッキーカメラ映像」
- JRA「2022年ルーキーズ 今村聖奈」
- カンテレ「私が、ジョッキーになった日。今村聖奈 GⅠ初制覇までの道のり」
- ホリプロ「今村聖奈プロフィール」
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