ビオレZeroシートはなぜ汗を拭いたあともさらさら感が続くのか
暑い日に汗拭きシートを使っても、少しするとまた肌がベタついてしまうことがあります。『あさイチ(暑さを乗り切る!夏の定番のヒミツを工場見学で大解剖!)(2026年8月25日)』で気になるのが、汗拭きシートに隠された極小の技術です。花王の「ビオレZero シート」には、汗を拭き取るだけでなく、その後に出てくる汗を乾きやすくする技術が使われています。2026年に進化した仕組みや使い方、種類、注意点まで詳しく見ていきます。
この記事でわかること
- ビオレZero シートがさらさら感を保つ仕組み
- 「持続型パウダーヴェールEX」の役割
- 多孔質シリカなど小さな粒子が汗に働く仕組み
- 顔や子どもへの使用、日焼け止めとの順番
汗を拭くだけでなく「次に出る汗」まで乾きやすくする

ビオレZero 汗ベタ解放シートの大きな特徴は、汗を拭き取った瞬間だけを快適にする商品ではないことです。
2026年2月7日の改良で採用されたのが、「持続型パウダーヴェールEX」です。
シートで肌を拭くとパウダーが肌表面をヴェールのように包み、その後に汗をかいたときにも乾きやすい状態をつくります。
その中心となるのが、
- 汗拡散パウダー
- 汗浄化パウダー
という2種類の働きです。
汗拡散パウダーは、肌の上に出てきた汗をすばやく広げて蒸発しやすくします。
一方の汗浄化パウダーは汗を吸い込み、ベタつきにつながる成分をとらえる役割があります。
つまり「汗を出さないようにする」のではなく、出てきた汗をできるだけ早く乾かすという考え方なのです。
汗は小さな水滴のままだと乾きにくい
汗を早く乾かすために重要になるのが、肌の上でどのような形になっているかです。
人の肌は水となじみにくい性質があるため、汗は肌表面で小さな水滴になりやすく、そのままでは広がりにくくなります。
そこで花王が研究したのが、汗を肌表面に薄く広げる技術でした。
親水性の板状粉体などを利用して肌表面を水となじみやすい状態にすると、汗が1か所に水滴として残るのではなく、広い範囲へ薄く広がります。
同じ量の水でも、まとまった水滴より薄く広げたほうが乾きやすくなります。
この「汗を広げてから乾かす」という発想が、2026年に改良されたビオレZeroにつながっています。
極小技術のポイントは無数の穴を持つ「多孔質シリカ」
もう1つ興味深いのが、多孔質シリカという素材です。
シリカは二酸化ケイ素を主成分とする素材ですが、「多孔質」という名前の通り、表面には無数の小さな穴があります。
この構造によって表面積が大きくなり、汗に含まれる塩化ナトリウムや皮脂などを吸着できます。
汗というと水分だけをイメージしがちですが、肌の上では塩分や皮脂などと混ざっています。
花王の研究では、汗に含まれる塩化ナトリウムなどが汗を乾きにくくすることや、汗と皮脂が混ざることで不快感につながることが確認されています。
そこで多孔質シリカを利用し、ベタつきに関わる成分をとらえながら汗を乾きやすくするという考え方が生まれました。
目にはほとんど意識されない小さな粉体が、使った後のさらさら感を支えているところが、この商品の面白さです。
人工汗を使った試験では蒸散時間が約33%短縮
汗を広げると本当に乾燥が速くなるのかについても研究されています。
花王は、親水性板状粉体と多孔質シリカを配合した試作品を人工皮革に塗り、その上に人工汗を噴霧する試験を実施しました。
30℃・湿度60%の環境で比較したところ、試作品を塗った人工皮革では、塗っていない場合に比べて人工汗の蒸散時間が約33%短くなったという結果が出ています。
ここで大切なのは、「汗を止める技術」とは考え方が違うことです。
汗には蒸発するときに肌から熱を奪い、体温調節を助ける働きがあります。
そのため、汗そのものを否定するのではなく、汗本来の働きを生かしながらベタつきを減らす方向で研究が進められています。
2024年の発売から2年でさらに進化した
ビオレZeroシリーズが誕生したのは2024年3月です。
きっかけになったのは、高温多湿な環境で感じる汗やベタつきなどの不快感でした。
「快適さを肌の上にまとう」という考え方から、最初のビオレZero シートには「持続型パウダーヴェール」が採用されました。
その後、2026年2月の改良で「持続型パウダーヴェールEX」へ進化。
従来の汗浄化パウダーに新しい汗拡散パウダーが加わり、
汗の成分をとらえる
↓
汗を肌の上に広げる
↓
蒸発しやすくする
という組み合わせになりました。
2024年の発売から2025年10月までに、企画品を含む7商品で累計出荷数量1400万個を突破しています。国内だけでなく香港、台湾、シンガポールへの輸出分も含んだ数字です。
汗ベタ解放シートは1枚で全身を拭ける大判サイズ
現在の「ビオレZero 汗ベタ解放シート」は230mm×200mmの大判サイズです。
1枚で全身を拭けるよう、水分をたっぷり含ませた設計になっています。
ラインアップは大きく3タイプです。
- 超さらさらタイプ:さらさら感を重視
- ひんやりCOOLタイプ:暑い時期向け
- うるおいタイプ:乾燥しやすい肌向け
2026年版では計7種類が展開されています。
特にCOOLタイプはメントールによる清涼感が特徴で、2024年発売品との比較で、シート1枚あたりのひんやり成分が30%増えています。
一方、うるおいタイプは化粧水成分を配合し、メントール・エタノール無配合。ひんやりする使用感が苦手な人にも選択肢があります。
顔の汗を拭くこともできる
汗拭きシートで迷いやすいのが「顔にも使えるのか」という点です。
ビオレZero シートは、顔の汗や汚れを拭き取る用途にも使用できます。
水分をたっぷり含んだ大判シートなので、入浴やシャワーができない場面で全身の汗や汚れを拭く用途にも使えます。
ただし、
- 目のまわり
- 粘膜
- 傷
- はれもの
- 湿疹など異常のある部分
- 除毛直後
への使用は避ける必要があります。
特に顔は目の周辺まで一気に拭いてしまいやすいため、使用する範囲には注意したいところです。
日焼け止めや虫よけより先に使う
夏場は汗拭きシートだけでなく、日焼け止めや虫よけを一緒に使うことも多くなります。
その場合の順番は、
ビオレZero シートで汗や汚れを拭く
↓
日焼け止めや虫よけを使う
です。
日焼け止めを塗ったあとにシートでゴシゴシ拭けば、塗ったものまで取り除いてしまいます。
外出中に大量の汗をかいて拭き直した場合は、必要に応じて日焼け止めも塗り直すという流れを覚えておくと分かりやすいです。
子どもは2歳以上を目安にまず腕などで試す
家族で使う場合は年齢にも注意が必要です。
子どもにビオレZero シートを使用する場合、2歳以上を目安に、保護者の監督のもとで使用するよう案内されています。
最初から全身に使用するのではなく、まず腕などで試します。
赤み、かゆみ、刺激などが出た場合には使用を中止します。
家族共用の汗拭きシートとして購入する場合には覚えておきたいポイントです。
冷蔵庫や冷凍庫に入れて冷やす使い方は避ける
真夏には「汗拭きシートを冷蔵庫で冷やしておけば、もっと気持ちいいのでは」と考えたくなります。
しかし、ビオレZero シートは冷蔵庫や冷凍庫での保管を避けるよう案内されています。
冷たさを重視したい場合は、冷蔵するのではなく、もともと清涼感を高めて設計されているひんやりCOOLタイプを選ぶほうが商品本来の使い方に合っています。
汗拭きシートは「拭き取るもの」から「乾きやすい肌をつくるもの」へ
ビオレZero シートを深く見ていくと、汗拭きシートの役割が変化していることが分かります。
従来のイメージは、
「汗をかく」
↓
「シートで拭き取る」
↓
「また汗をかいたら拭く」
というものでした。
ビオレZeroが加えたのは、拭いた後の肌にパウダーのヴェールを残し、次に出てきた汗まで乾きやすくするという考え方です。
無数の小さな穴を持つ多孔質シリカ、汗を広げる親水性の粉体、そして2つを組み合わせた汗蒸散技術。
普段は何気なく使う1枚の汗拭きシートですが、そのさらさら感の裏側には、汗を「止める」のではなく「広げて乾かす」という細かな技術が詰まっています。
参考リンク
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