能登のソフトクリーム巡りは「食べる復興旅」になっている
『あさイチ 愛(め)でたいnippon 能登(能登半島・ご当地ソフトを巡る旅〜震災復興を目指す人々が生む絶品)(2026年8月27日)』で気になるのが、能登各地で作られるご当地ソフトです。珠洲の塩、能登町のブルーベリー、大浜大豆、能登の生乳など、使われる素材も土地ごとに違います。2026年夏には25店舗を巡る企画も開催され、冷たいスイーツが能登を周遊する新しいきっかけになっています。
この記事でわかること
- 2026年開催「能登ソフジェラめぐり旅」の内容
- 珠洲の揚げ浜塩・大浜大豆を使ったご当地ソフト
- 能登町のブルーベリーと七尾の能登ミルク
- 営業日や移動で気をつけたいポイント
2026年夏は能登半島25店舗のソフト・ジェラートを巡れる
2026年7月10日から9月23日まで、能登半島では「見つけて!食べて!能登ソフジェラめぐり旅」が開催されています。
対象は羽咋・口能登、中能登、奥能登にまたがる25店舗です。
単に対象商品を食べるだけではなく、ソフトクリームやジェラートと能登での思い出を撮影し、Instagramへ投稿して参加する周遊型の企画になっています。
面白いのは、1軒の有名店へ人を集中させるのではなく、半島全体を巡ってもらう仕組みになっていることです。
能登は南北に長く、同じ「ご当地ソフト」でも使われる食材が大きく変わります。
海沿いでは塩、山間部では果物、酪農の盛んな地域では牛乳、珠洲の先端部では在来大豆。ソフトクリームを入口にすると、それぞれの土地の産業まで見えてきます。
珠洲で食べたいのは揚げ浜塩キャラメルバニラソフト
珠洲市で代表的なのが、道の駅 すずなりの揚げ浜塩を使ったソフトクリームです。
特に印象的なのが「揚げ浜塩キャラメルバニラソフトクリーム」。
キャラメルバニラでコーティングされた部分のパリッとした食感と甘さに、珠洲の天然塩による塩味が重なります。
珠洲で塩が名物になっているのには理由があります。
奥能登では、海水を砂の塩田へまいて塩を作る揚げ浜式製塩が受け継がれてきました。
ソフトクリームなら伝統製法を知らない人でも気軽に味わえるため、「珠洲の塩を知る入口」として分かりやすい存在です。
甘いものへ少量の塩を加えることで甘さが際立つため、単なる塩味のアイスとは違うところもポイントです。
道の駅すずなりは旧珠洲駅を活用した観光拠点
道の駅 すずなりは、のと鉄道の旧珠洲駅を活用し、2010年にオープンした道の駅です。
ソフトクリームだけではなく、珠洲の天然塩、珠洲焼、珪藻土製品、菓子、海産物など地域の商品が集まっています。
2026年8月時点の営業時間は10時から17時、水曜日休業。
普通車39台分などの無料駐車場があります。
ソフトクリームを食べるだけで終わらず、奥能登で何を見て回るか考える場所として使えるのが便利です。
珠洲の先端では「大浜大豆」が豆乳ソフトになる
もう1つ、珠洲らしさがはっきり出ているのが道の駅 狼煙です。
ここで味わえるのが、大浜大豆を使った豆乳ソフトクリーム。
大浜大豆は奥能登で受け継がれてきた在来種です。豆乳ソフトは大豆のコクを感じながらも甘さを抑え、後味がさっぱりした仕上がりになっています。
この地域では大浜大豆と天然にがりを使った地豆腐も作られています。
その豆乳をスイーツへ広げているため、ご当地ソフトを食べるだけでも「なぜ珠洲でこの味なのか」が分かります。
牛乳が主役の一般的なソフトクリームとは違うので、食べ比べにも向いています。
道の駅狼煙は地震と豪雨を経て営業を再開
道の駅 狼煙は、能登半島の先端に近い珠洲市狼煙町にあります。
2024年の能登半島地震と奥能登豪雨の影響を受けましたが、2025年5月に営業を再開しました。
一方、2026年も人手不足などの影響から営業日を絞っており、基本的に週末を中心とした営業となっています。
豆乳ソフトも冬季は休止します。
能登旅行では「道の駅だから毎日開いている」と思い込まないことが大切です。
ここを目的地にする場合は、その日の営業状況まで確認してから向かう方が安心です。
能登町ではブルーベリーソフトが名物
珠洲から少し南へ移動すると、ソフトクリームの素材が果物へ変わります。
道の駅 桜峠の名物はブルーベリーソフトです。
能登町の道の駅として地域の特産品を扱い、ブルーベリーソフトと揚げたてカレーパンがイチオシ商品になっています。
塩ソフトからブルーベリーソフトへ。
同じ冷たいスイーツでも、車で移動するうちに土地の味が変わっていきます。
それこそが能登で「ソフトクリーム巡り」をする面白さです。
桜峠は能登空港から車で約10分
道の駅 桜峠は、石川県鳳珠郡能登町当目にあります。
能登空港から車で約10分、のと里山空港ICから珠洲方面へ約15分という位置です。
通常は9時から17時、1月から3月は10時から16時。普通車29台分の駐車場があります。
奥能登へ向かう途中に立ち寄りやすいので、空港から珠洲へ移動する旅行なら最初のご当地ソフト候補にもなります。
七尾では能登の生乳をジェラートで味わえる
能登の冷たいスイーツを語るなら、和倉温泉の能登ミルクも外せません。
能登の酪農家が育てた牛の生乳にこだわり、専用タンクやタンクローリーを用意して、ほかの生乳と混ざらないよう管理しています。
ジェラートを手掛ける堀川宙さんは、能登ミルクを営む家で育ち、高校卒業後に東京でジェラート作りを修業。
その後イタリア・ボローニャでジェラートマエストロ・マイスターを取得しました。
「地元の牛乳を使っています」だけではなく、その素材のおいしさをジェラートとしてどう表現するかまで技術を磨いているのが特徴です。
能登ミルクは震災後の2024年4月に本店を再開
和倉温泉も能登半島地震で大きな被害を受けた地域です。
能登ミルクは震災後、2024年4月26日に和倉温泉の本店営業を再開しました。
営業時間は9時から17時で、水・木曜日が定休日です。
現在、牛乳やジェラートなど食品のオンライン販売は休止していますが、本店では購入できます。
通販ですべて完結する商品ではないことも、「能登へ食べに行く理由」になっています。
ご当地ソフトは復興を特別な行動にしすぎない
能登を応援すると聞くと、寄付やボランティアなど大きな行動を思い浮かべるかもしれません。
もちろん、それらは重要です。
一方で観光地が長く続くには、旅行者が普通に遊び、食べ、買い物をすることも必要になります。
ご当地ソフトなら、
「珠洲の塩味を食べたい」
「大浜大豆ってどんな味?」
「ブルーベリーソフトを食べ比べたい」
「能登ミルクのジェラートが食べたい」
という純粋な旅行の目的になります。
2026年に25店舗規模のソフト・ジェラート周遊企画が行われているのも、こうした小さな目的を半島各地へつなげる取り組みです。
4つを比べると「能登の地形」が味になっている
今回の代表的な4か所を並べると違いがよく分かります。
- 和倉温泉:能登の酪農から生まれる牛乳・ジェラート
- 能登町:ブルーベリーを使ったソフト
- 珠洲中心部:揚げ浜式製塩の塩を使ったソフト
- 珠洲・狼煙:在来種の大浜大豆を使った豆乳ソフト
ご当地ソフトという同じ形に、酪農、果樹、製塩、大豆栽培という別々の地域産業が詰まっています。
単に「珍しい味を何個食べられるか」を競うより、それぞれの原料がなぜその地域で作られているのかを知ると、能登巡りがぐっと面白くなります。
ソフトクリーム巡りでは定休日を先に組み合わせる
能登で複数店を巡る場合は、順番よりも営業日を先に確認することが重要です。
例えば、すずなりは水曜日休業、能登ミルクは水・木曜日休業。狼煙は営業日がさらに限定されています。
また、奥能登では復旧工事などにより交通状況が変わることがあります。
1日に5軒、6軒と詰め込むより、2〜3軒を観光地と組み合わせる方が回りやすいでしょう。
ソフトクリームは売り切れや季節休止もあるため、「絶対にこの商品だけを食べる」という予定より、地域そのものを楽しむ旅にしておくと動きやすくなります。
能登ソフジェラめぐりは9月23日まで
2026年の「能登ソフジェラめぐり旅」は9月23日までです。
25店舗すべてを回る必要はなく、旅行先で見つけた1軒から参加できます。
珠洲まで行けば塩と大浜大豆。
能登町ならブルーベリー。
和倉温泉なら能登ミルク。
ソフトクリーム1つを目的に車を走らせ、その途中で海や里山、道の駅、地域の人と出会う。冷たいスイーツが、広い能登半島を巡る理由になっています。
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