加藤ローサが挑戦する有松絞りの浴衣作り
夏になると浴衣を着るのが恒例という加藤ローサさんが、名古屋の伝統工芸に触れます。『ララLIFE(加藤ローサ、名古屋・有松絞りでオリジナル浴衣を作る)(2026年8月28日)』で挑戦するのは、400年以上続く有松・鳴海絞を使った浴衣作り。ロケ地となった工房や職人、絞り染めの仕組み、一般でも楽しめる体験、アクセスまで詳しく見ていきます。
この記事でわかること
- 加藤ローサさんが浴衣を作った有松のロケ地
- 工房を手がける大須賀彩さんの経歴
- 有松・鳴海絞が400年以上続いてきた理由
- 絞り体験の内容・料金・アクセス
加藤ローサの浴衣作りのロケ地は有松の工房
(出典:彩 Aya Irodori 公式サイト)
加藤ローサさんの浴衣作りが行われた場所は、名古屋市緑区有松にある彩 Aya Irodoriです。
工房を手がけているのは大須賀彩さん。本人もSNSで出演情報を告知し、ロケ地が同店であることを伝えています。
江戸時代から続く有松の町並みに溶け込む木造のアトリエで、伝統的な有松・鳴海絞の技術を受け継ぎながら、服やバッグ、ストールなど現代の暮らしにも合わせやすい作品を生み出しています。
加藤ローサさんは夏に浴衣を着ることを恒例にしているそうですが、今回は既製品を選ぶのではなく、自分の手で染めたオリジナル浴衣に挑戦します。手仕事だからこそ同じ模様が完全には繰り返されない有松絞りは、「世界に1つ」という今回のテーマとも相性のいい染色方法です。
大須賀彩は有松絞りを現代につなぐ染色作家
大須賀彩さんは1986年、愛知県碧南市生まれ。学生時代に有松絞りと出会い、大学3年・4年のころから作品を発表するようになりました。
大学4年時には絞り染めを使った作品で最優秀賞を受賞しています。
20歳で有松を拠点とする「SUZUSAN」に弟子入り。その後も別の工房で技術を磨き、30歳で独立しました。
自ら絞り、染色、デザインまで手がけるブランド彩 Aya Irodoriを立ち上げ、2020年8月には有松に念願のアトリエをオープンしています。
特徴的なのは、伝統技法をそのまま保存するだけではなく、現在の服や暮らしに取り入れやすいデザインへと展開していることです。
有松絞りというと藍色の浴衣を思い浮かべやすいですが、バッグ、ストール、アクセサリー、洋服などにも応用されています。400年続いた技術を「着物の世界だけ」に閉じ込めず、日常で使えるものへ広げている作り手の1人といえます。
有松絞りは布を縛る場所によって模様が生まれる
有松・鳴海絞の基本にあるのが、布の一部を糸などで括る(くくる)工程です。
布を括ってから染料に入れると、強く締めた部分には染料が入りにくくなります。染色後に糸を外すと、染まった部分と染まらなかった部分の差によって模様が浮かび上がります。
単純な仕組みに見えますが、布をつまむ位置、糸を巻く回数、締め方、折り方を変えるだけで模様は大きく変化します。
代表的なものには、
- 三浦絞
- 鹿子絞
- 巻上絞
- 雪花絞
- 蜘蛛絞
- 嵐絞
- 手筋絞
などがあります。
かつては100を超える技法があったとされ、現在も約70種類の技が伝えられています。
2025年には「有松・鳴海絞手括り技術」が愛知県登録無形文化財となり、伝統的な巻上絞・三浦絞・鹿子絞などの手括り技術が文化的にも重要なものとして位置付けられました。
浴衣1枚には想像以上の工程と時間がかかる
有松絞りの面白さは、染色だけを見ても分かりにくいところにあります。
伝統的な製品は、おおまかに
図案 → 型紙 → 下絵 → 括り → 染色 → 糸抜き → 仕上げ
という工程を経て完成します。
愛知県が紹介する製造工程では、それぞれ専門の職人が作業を担当し、完成まで平均50~60日かかります。
特に大量の糸を使って細かく括った布は、染色した直後には完成模様が見えません。
糸をほどいて布を広げた瞬間に初めて模様全体が姿を現します。
自分で絞った浴衣なら「ここを締めたら、こんな柄になったのか」と結果を見る楽しさも格別でしょう。加藤ローサさんの浴衣も、染める工程だけでなく、糸を外した後にどんな模様が現れるのかが大きな見どころになりそうです。
有松絞りが400年以上続いた背景には東海道がある
有松・鳴海絞の歴史は江戸時代初期までさかのぼります。
名古屋城築城の際、九州・豊後から来た人々によって絞りの技法が伝えられたとされ、その技をもとに有松で木綿の絞り製品が作られるようになりました。
有松は1608年、東海道の鳴海宿と池鯉鮒宿の間に尾張藩によって開かれた町です。
東海道を歩く旅人への土産として絞り染めが販売されると人気となり、尾張藩の保護も受けて大きな産業へ成長しました。
つまり、有松絞りは単なる染色技法ではなく、旅人が行き交う街道と一緒に発展した名古屋の観光土産でもあったわけです。
1975年には国の伝統的工芸品に指定。さらに有松の歴史的な町並みと絞り文化を組み合わせたストーリーは、日本遺産「江戸時代の情緒に触れる絞りの産地-藍染が風にゆれる町 有松-」にも認定されています。
彩 Aya Irodoriでは一般の人も絞り染めを体験できる
加藤ローサさんのように有松絞りそのものを体験してみたい人向けに、一般向けのワークショップも行われています。
案内されている体験には、雪花絞りや手筋絞りがあり、1人から参加できます。
代表的なメニューは、
- 和紙 B4:500円
- ハンカチ:1,800円
- 手拭いストール160cm:4,900円
となっています。所要時間の目安は15分~1時間で、予約制です。
別の手拭いストール染色プランでは、デザインを考え、生地へ描き、絞り、染色、水洗い、糸ほどき、アイロンまで進める一連の工程が紹介されています。自分で手を動かすため、完成品を買うのとはまったく違う楽しみがあります。
染料を扱うため、体験するときは汚れてもいい服装やエプロンを用意しておくと安心です。
有松駅から徒歩約5分で町歩きと一緒に楽しめる
工房の住所は愛知県名古屋市緑区有松807-1。
名鉄名古屋本線の有松駅から徒歩約5分です。公式サイトでは営業時間11:00~16:00、定休日は水曜・木曜と案内されています。
有松は工房だけを訪れて帰るより、東海道沿いの町並みも一緒に歩きたい場所です。
約800mにわたって古い商家や伝統的な建物が残り、有松絞りによって繁栄した江戸から明治期の面影を感じられます。
浴衣や手ぬぐいを見るだけだった有松絞りも、「布を括る」「染める」「糸をほどく」という工程を知ると、模様の見え方がかなり変わります。
特に今回のように、普段から浴衣を楽しんでいる人が着る側から作る側へ回ることで、1枚の浴衣にどれほど多くの人の技と時間が入っているのかも伝わってきそうです。
参考リンク
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