東宝に実在する「ゴジラ部」が担う仕事
『光一&シゲのSHOWマン!!(日本屈指のエンタメ企業「東宝」特集完結編)(2026年8月24日)』で気になるのが、東宝に実在する「ゴジラ部」です。映画を作る部署というだけではなく、商品、店舗、ライセンス、イベント、海外展開までゴジラというIP全体を育てる専門部署です。なぜ「ゴジラルーム」から部へ格上げされたのか、仕事内容や採用、東宝が進める今後の戦略まで詳しく見ていきます。
この記事でわかること
- 東宝ゴジラ部が正式部署として誕生した経緯
- ゴジラルームから部へ格上げされた理由
- 商品・店舗・ライセンス・海外展開を担う仕事内容
- ゴジラ部の求人と東宝が進める今後のゴジラ戦略
東宝ゴジラ部は2025年に誕生した正式な部署
ゴジラ部はテレビ企画用に作られた呼び名ではなく、東宝の正式な組織です。
東宝は2025年10月の組織改定で「アニメ本部」を「IP・アニメ本部」へ改称し、その中にゴジラ部を新設しました。
東宝にとってゴジラは、1954年の第1作から70年以上続く代表的な自社IPです。映画だけでなく、グッズ、ゲーム、イベント、店舗、アトラクション、企業コラボなど利用される分野が大きく広がっています。
ゴジラ部が担当するのは、こうした事業をまとめて動かしながら、ゴジラというブランドそのものの価値を高めていくことです。
東宝の採用情報でも「ゴジラ部」が独立した担当部署として紹介され、映像、ゲーム、イベント、ストア、ライセンス、自社商品の開発など、ゴジラビジネス全体を扱うことが明記されています。
単に「ゴジラ好きの社員が集まったチーム」というイメージとはかなり違い、東宝の成長戦略に組み込まれた事業部門と考えると分かりやすいでしょう。
前身のゴジラルームから部へ格上げされた理由
ゴジラ部ができる前、その役割を担っていたのが「ゴジラルーム」です。
ゴジラルームでは、ゴジラを使用する企業とのライセンス業務、商品開発、タイアップ、ブランド監修などが行われていました。
『ゴジラ-1.0』では映画企画部や宣伝部などと連携し、企業とのタイアップにも深く関わっています。東宝の採用情報では、約200件以上の企業案件が成立したことも紹介されています。
しかしゴジラを取り巻くビジネスは、映画公開時だけ盛り上がる形から大きく変化しました。
映画が上映されていない期間にも、
- オリジナル商品の販売
- 他社とのコラボレーション
- ゴジラ・ストア
- ゲーム
- イベント
- 海外ライセンス
- アトラクション
などでファンとの接点を作れるようになっています。
そこで東宝は、IP・アニメ事業の中核となるゴジラの価値をさらに高めるため、従来のゴジラルームを**「ゴジラ部」へ格上げ**しました。
狙いとして掲げているのが、ブランディング強化、事業領域の多角化、グローバル展開の加速、新しいファン層の獲得です。
東宝側もゴジラ部について、ゴジラIPをこれから育てていくことを考えた結果生まれた部署と説明しています。
ブランディング・商品・海外展開を担う仕事内容
ゴジラ部の仕事は、想像以上に幅広くなっています。
中心となるのは、ゴジラを1つのブランドとして長期的に育てる仕事です。
東宝が示している業務には、映像、ゲーム、イベント、ストア、ライセンス、自社商品開発などが含まれます。
さらに重要なのが「監修」です。
例えば別の企業がゴジラを使った商品やキャンペーンを作る場合、何でも自由に商品化できるわけではありません。ゴジラの世界観やブランドイメージが適切に表現されているかを権利者である東宝側が確認します。
ライセンス担当者は、企業から寄せられる商品化・キャンペーンの相談に対応するだけでなく、ゴジラ部側から企業へコラボレーションを提案することもあります。
つまり、
守る仕事と広げる仕事を同時に行っている
のが大きな特徴です。
ゴジラのイメージを守りながら、新しい企業、新しい商品、新しいファンとの接点を増やしていく必要があります。
ゴジラ・ストア運営とライセンスビジネスとの関係
ゴジラ部の事業が目に見える形になっている代表例が、ゴジラ・ストアです。
日本では東京、大阪、梅田、台場、渋谷、博多に店舗が展開され、さらに2026年9月4日には東海地方初となるゴジラ・ストア Nagoyaが名古屋PARCOにオープンする予定です。
海外でも台北とマレーシアへ常設店舗が広がりました。
ただしゴジラ部の仕事は、店舗で商品を販売することだけではありません。
2026年8月に東宝が募集している「ゴジラ・ストア プロモーション担当」の仕事内容を見ると、新商品や限定商品の販売施策、ノベルティキャンペーン、店舗イベント、商業施設との企画、SNS、Web、PRまで含まれています。
ストアは単なる物販店というより、ゴジラの世界観を体験してもらい、新しいファンと出会う場所として位置づけられていることが分かります。
また販売する商品には、東宝が自ら企画・製作するオリジナル商品と、他社がライセンス契約を結んで作る商品があります。
その両方を組み合わせながらゴジラに触れる機会を増やしていることが、ストア事業とライセンス事業を一緒に進める強みです。
海外で広がるゴジラIPと新部署の役割
ゴジラ部が「部」にまで格上げされた背景を考えるうえで、海外展開は欠かせません。
東宝は日本で作ったゴジラビジネスの仕組みをそのまま海外へ持っていくのではなく、各国・地域の文化や市場に合わせて展開する方針を示しています。
その際に連携するのが、東宝グループの海外事業を担うTOHO Globalなどです。
アジアではゴジラ・ストアTaipei、ゴジラ・ストアMalaysiaが誕生し、中国本土でのライセンス事業を進めるパートナーシップも展開されています。
北米でもゴジラの存在感は大きくなっています。
2025年にはロサンゼルス・ドジャースとのコラボレーションを実施。さらに2026年9月にはドジャー・スタジアムで『ゴジラ-0.0』に関連した特別イベントも予定されています。
映画が海外で上映されるだけではなく、
映画→商品→店舗→イベント→企業コラボ→ゲーム
と接点を増やすことで、ゴジラを世界で継続的に楽しめるブランドへ育てようとしているわけです。
ゴジラ部は、その中心でブランドを管理しながら事業を拡大する役割を担っています。
ゴジラ部で実際に募集されている仕事
ゴジラ部について特に興味深いのが、実際に東宝がゴジラ部配属の社員を募集していることです。
2026年8月には、東宝のキャリア採用で少なくとも次のような仕事が掲載されています。
「ゴジラ」商品の法人営業担当
配属予定はゴジラ部MDグループ。仕事内容は販売計画、新規販路の開拓、取引先との交渉、売り場づくり、販促提案などです。
販売先として、コンビニ、ドラッグストア、総合量販店、家電量販店、ホビー専門店などが挙げられています。
年収の目安は500万円〜1,000万円程度で、メーカーや卸売業での法人営業経験3年以上などが応募条件となっています。
もう1つが、
ゴジラ・ストア プロモーション担当
です。
ゴジラ部マーケティング室へ配属され、店舗の販売促進、新商品・限定商品のプロモーション、イベント、SNS、Web、PRなどを担当します。
こちらも年収の目安は500万円〜1,000万円程度で、販売促進、マーケティング、宣伝、PR、イベント企画などの実務経験3年以上が条件です。
面白いのは、ゴジラについて専門的な知識が応募時点で必須とはされていないことです。
求められているのは「好き」という気持ちだけではなく、ゴジラを事業として成長させられる営業力やマーケティング力です。
ゴジラ部がファンクラブ的な部署ではなく、本格的なビジネス部門であることが求人内容からも伝わってきます。
東宝がゴジラを会社の成長事業に位置づける現在
ゴジラ部が生まれた理由を最も分かりやすく示しているのが、東宝の中期経営計画です。
東宝は「中期経営計画2028」で、ゴジラを従来の「映像コンテンツビジネス」から「IPビジネス」へ広げる戦略を掲げています。
さらにゴジラIPの開発・展開へ、2028年までの3年間で約150億円を投じる計画です。
対象となるのは映画だけではありません。
商品、ライセンス、店舗、イベント、アトラクション、ゲーム、デジタルコンテンツなど、ゴジラに触れられる場所そのものを増やしていきます。
2026年以降は、ゴジラグッズの取扱店を国内全都道府県へ拡大し、海外の取扱店も増やす計画です。店舗についても国内では郊外へ、海外ではアジア圏を中心に広げる方針が示されています。
そして2026年11月3日には、山崎貴監督による最新作**『ゴジラ-0.0』**の公開も予定されています。
映画のヒットだけに頼らず、作品と作品の間にも商品や店舗、イベントを通じてファンとの関係を続ける。その仕組みを専門的に動かすために生まれたのがゴジラ部です。
「ゴジラ部」という少し意外な部署名の裏側には、70年以上続いてきたゴジラを、さらに世界で長く続くIPへ育てようとする東宝の本格的な事業戦略があります。
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