すし店で最も売れる料理がタンメンになった理由
2026年9月6日放送の『極地でナゾ売レ~マーケティングで徹底解剖~』に、群馬県高崎市の老舗すし店「大恵鮨」が登場します。店主は2代目の塩沢虚蔵さん。一番人気はすしではなく、約20年もの試行錯誤から生まれたタンメンです。バブル崩壊後の経営難や工場勤務を乗り越えて完成させた味の特徴、寿司屋でタンメンを始めた理由、店舗情報をまとめます。
この記事でわかること
- 大恵鮨でタンメンが生まれた理由
- 店主・塩沢虚蔵さんの経歴と転機
- 塩タンメンと濃厚塩タンメンの特徴
- 営業時間・場所・来店時の注意点
大恵鮨はすしと中華を出す店として始まった

大恵鮨は、群馬県高崎市倉賀野町の旧中山道沿いにある創業60年以上の老舗です。外観にはすし店らしい暖簾が掛かり、店先の生け簀では魚が泳いでいます。
その一方で、店の看板やメニューには「タンメン」の文字があります。一見すると意外な組み合わせですが、大恵鮨は創業当初から、すしと中華料理の両方を扱う店でした。
初代店主は築地のすし店で働いた後、桐生で開業。高崎へ移転した当時は、父親がすし、母親が中華料理を担当していました。その後、両親の離婚を機にすし店へ一本化しましたが、中華料理は店のルーツのひとつだったのです。
現在のタンメンは、話題づくりのために突然加えた料理ではありません。大恵鮨の成り立ちを振り返ると、すし店でタンメンを出すことには、家族の歴史につながる背景があります。
2代目・塩沢虚蔵さんは大阪のすし店で修業した
2代目店主の塩沢虚蔵さんは、大阪の料理学校へ進み、卒業後も大阪のすし店で働きました。都会で身につけた技術を生かし、ネタを大きく、シャリを小さくした上品なすしを握りたいと考えていたといいます。
28歳ごろ、父親から病気を知らせる電話があり、高崎へ帰郷。しかし、すしの方向性をめぐって父親と衝突し、一緒に働き始めて約1週間で、塩沢さんが店を一人で切り盛りすることになりました。
塩沢さんが目指した都会的なすしは、当初、地元では十分に支持されませんでした。当時の倉賀野では、シャリが大きく食べ応えのあるすしが好まれていたからです。
後に塩沢さんは自分の考えだけを押し通さず、上品なすしと、地元客が好むボリュームのあるすしを両方提供するようになりました。この経験が、客の好みに合わせて料理を変えていく現在の柔軟な発想につながっています。
バブル崩壊後は工場勤務と店の営業を掛け持ちした
店の経営に大きな打撃を与えたのがバブル崩壊と回転ずしチェーンの増加です。宴会や高価格帯のすし需要が減り、大恵鮨の売り上げも落ち込みました。
塩沢さんは40歳ごろから、昼間は近くの工場で働き、夕方からすし店を営業する生活を続けました。閉店を選ばなかった背景には、父親と衝突して店を引き継いだ以上、簡単に看板を下ろしたくないという意地もあったといいます。
すだちを使った酢飯や焼き鳥など、さまざまな新メニューを試しましたが、すぐに店を救うヒット商品は生まれませんでした。
そこで注目したのが、すしと同じく幅広い人に食べられているラーメンです。仕事の合間に人気店を食べ歩き、自宅で味を再現するなど、豚骨ラーメンを中心とした研究を続けました。
約20年の試行錯誤から塩タンメンが完成した
塩沢さんが研究を始めてから、納得できるタンメンが完成するまでには約20年かかりました。提供を始めたのは2011年ごろです。
研究の中でたどり着いた考えが、スープだけでなく「タレ」に独自性を持たせることでした。お湯で割ってもおいしいと感じられるほど完成度の高いタレを作り、長時間煮込んだ豚骨スープと組み合わせています。
メニューには基本の塩タンメンのほか、濃厚塩タンメン、味噌タンメンなどがあります。辛さは0から3まで選べる案内もあります。
高崎市の「絶メシリスト」によると、タンメンには豆乳、くるみ、ピーナッツも使用されています。濃厚でクリーミーなコクと、炒めた野菜の食感が共存する、一般的な塩味のタンメンとは異なる一杯です。
ナッツ類や大豆にアレルギーがある人は、注文前に現在の原材料を店へ確認してください。
テレビ出演をきっかけに県外客が増加した
完成したタンメンは来店客の口コミで少しずつ広がり、県外から訪れる人も増えました。『帰れマンデー見っけ隊!!』などの番組で紹介された後は、店主が驚くほど忙しい時期もあったといいます。
タンメンが軌道に乗ったことで、塩沢さんは長く続けていた工場勤務を辞め、店の仕事に専念できるようになりました。すし職人としての誇りを持ちながら、すし以外の料理へ踏み出したことが経営上の転機となったのです。
なお、大恵鮨では海鮮定食も提供されています。刺身を酢飯へ自分でのせる食べ方は、握りずしとは違いますが、魚や酢飯を作る技術はすし店そのものです。桜エビを使った卵焼きも特徴的な一品として紹介されています。
番組ではタンメンを超える「うどん」に再挑戦
番組では、塩沢さんが新たな看板メニューとして「うどん」の開発に挑戦します。過去に一度取り組みながら、商品化できなかった料理です。
今回はマーケティングの専門家に加え、飲食店経営の経験を持つはるな愛さんも参加。タンメンを超える商品を目指します。
ただし、放送前の時点では、うどんの商品名、味、価格、販売開始日は公表されていません。試作品が番組限定なのか、放送後に店舗で正式販売されるのかについても、番組と店舗からの発表を確認する必要があります。
現在の価格は店頭での確認が確実
「絶メシリスト」の取材時には、塩タンメン750円、濃厚塩タンメン800円と紹介されていました。その後の実食情報では、濃厚塩タンメン900円の例が確認できます。
過去の記事に掲載された価格をそのまま現在価格と考えず、注文時のメニューを確認してください。テレビ放送直後は来店が集中し、スープや食材が早く終了する可能性もあります。
大恵鮨の実用情報
- 店名:大恵鮨
- 住所:群馬県高崎市倉賀野町407
- 電話番号:027-346-3326
- 営業時間の目安:11時30分~14時、17時30分から夜営業
- 定休日:水曜日
- 最寄り駅:JR倉賀野駅
- 駅からの距離:徒歩約15分
- 駐車場:店舗周辺に少数あり
- 主な料理:塩タンメン、濃厚塩タンメン、味噌タンメン、すし、海鮮定食
- 注意点:営業時間の前後や臨時休業があるため、遠方から訪れる場合は電話確認を推奨
駐車できる台数が限られるため、近隣店舗や私有地への無断駐車は避けてください。
まとめ
大恵鮨のタンメンは、すし店が話題づくりで始めた珍メニューではありません。父親がすし、母親が中華料理を担当した創業時の背景と、経営難を乗り越えようとした塩沢虚蔵さんの約20年に及ぶ研究から生まれた一杯です。
長時間煮込んだ豚骨スープと独自のタレ、豆乳やナッツ類が作るコク、たっぷりの野菜が評判となり、すしを超える看板メニューへ成長しました。
父親から伝えられた「その土地に合わせた料理を出す」という考えを、長い時間をかけて実感した塩沢さん。番組で再挑戦するうどんも、タンメンに続く新たな転機になる可能性があります。
参考リンク
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